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日本薬局方
フェノールスルホンフタレイン注射液
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
腎機能検査
排尿後、水300~500mLを飲ませ、30分後に通常成人ではフェノールスルホンフタレイン注射液1.0mL(フェノールスルホンフタレインとして6.0mg)を肘静脈又は筋肉内に注射する。
体重(kg)
3~5
5~10
10~20
20以上
注射量(mg)
2
3
4
6
注入から検査終了まで、被検者に横臥又は坐位をとらせるなど安静にさせ観察を十分に行うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
0.1%未満
過敏症
発赤、そう痒感、顔面潮紅、胸内苦悶、血圧低下等
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため以下の点に注意すること。
注射後15、30、60及び120分の4回採尿する。尿量が少ないとき(40mL以下)成績は不正確となる。尿量が少ない場合には排尿はカテーテルで行うことが望ましい。
各分画採取尿をそれぞれメスシリンダーに採り、25%水酸化ナトリウム溶液数滴(10%水酸化ナトリウム溶液5mLでも良い)を加え、十分に呈色させた後1,000mLの目盛まで水で希釈し、栓をして混和する。この各分画採取呈色尿をフェノールスルホンフタレイン標準液と比色し、色素排泄量を求める。光電比色法による操作法は次のとおりである。
標準液の調製は、フェノールスルホンフタレイン注射液1.0mLを正確に1Lのメスフラスコに採り、精製水500mL及び10%水酸化ナトリウム溶液2.0mLを加えた後、さらに目盛まで精製水を加え希釈混和する。この液を100%標準液とし順次希釈して標準液系列を作る。(表参照)なお、100%標準液は冷暗所に保存すれば6ヵ月間はほとんど退色しない。
標準液濃度(%)
100
80
60
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
100%液(mL)
5.00
4.00
3.00
2.50
2.25
2.00
1.75
1.50
1.25
1.00
0.75
0.50
0.25
精製水(mL)
0
2.75
3.25
3.50
3.75
4.25
4.50
4.75
〈参考〉健康成人の時間別フェノールスルホンフタレイン排泄率は次のとおりである。
時間(分)
最小(%)
最大(%)
平均(%)
153060120
25405055
50607585
35506570
筋肉内注射の場合は、注射後第1時間尿に35~60%、第2時間尿に15~25%、すなわち2時間合計尿50~80%をもって正常とし、50%以下の場合は腎機能障害がある。また年齢別の15分値は概ね次のとおりである1)。
年齢
平均値
棄却限界
小児20~29歳30~39歳40~49歳50~59歳60~69歳70~79歳
40%413636333129
-52~31%50~2250~2347~2043~1940~18
軽度の腎障害では120分値が正常であっても15分値は低値を示すことが多く重症の腎炎、ネフローゼ等では15分、120分ともに低値を示す。一般的に静脈内注射で15分値が25%以下の場合には2時間の総排泄量のいかんにかかわらず腎機能、特に尿細管の障害を意味する。
下記の場合、測定値に誤差を生じることがある。
血液中に入った本剤は赤血球中には入らず、血漿中に存在し、大部分が血漿蛋白、特にアルブミンと結合する。静脈内注射された本剤の80%は血漿蛋白と結合している2)。
本剤と血漿蛋白との結合は強固なものではなく、非常に離れやすい性質をもっているため、腎より速やかに排泄される2),3)。その排泄の比率は糸球体で6%、尿細管で94%と考えられている2)。
フェノールスルホンフタレインは酸性側で黄色であるが、アルカリ側で赤色に変わるので、この赤色を比色定量し、投与量に対する排泄量の百分比が求められる。本剤を静脈又は筋肉内に注射すると、体内で酸化分解を受けることなく、大部分が腎臓の近位尿細管から尿中に速やかに排泄される。腎障害があると尿中への排泄が遅延する。したがって、フェノールスルホンフタレインが尿中に最初に排泄される時間と、一定時間内でのフェノールスルホンフタレイン排泄量を測定することで、腎機能を検査することができる4),5),6),7),8)。フェノールスルホンフタレイン試験の15分値は腎血流量とよく相関するので、日常腎機能のスクリーニングテストとして適しており、糸球体腎炎や本態性高血圧症等の腎硬化症、糖尿病性腎症等でも本試験によりおおよその腎機能の程度を知ることができる9)。また本剤は大部分近位尿細管から排泄されるので、糸球体濾過値と比較することにより、糸球体濾過値が良好であるにもかかわらず本試験の値が悪い時は、腎盂腎炎等の尿細管障害が疑われる9)。
フェノールスルホンフタレイン(Phenolsulfonphthalein)
2-[Bis(4-hydroxyphenyl)methyliumyl]benzenesulfonate
C19H14O5S
354.38
鮮赤色~暗赤色の結晶性の粉末である。水又はエタノール(95)に極めて溶けにくい。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
PSP
1.3mL[10アンプル]
1) 古川俊之 他:正常値 第2版 医学書院.1973;18-20
2) 波多野道信:臨床検査.1960;4(5):285-287
3) 柴田久雄 他:臨床検査.1971;15(4):380-384
4) Chapman EM. et al.:Am J Med Sci.1933;186(2):223-232
5) McGee LC. et al.:Ann Intern Med.1940;13(9):1626-1637
6) 斉藤正行:アメリカ医学.1949;4(11):489-492
7) 三輪清三 他:診療の実際.1952;3(1):39-44
8) 浦壁重治 他:臨床検査.1965;9(4):299-306
9) 小酒井望 他:負荷試験 医学書院.1972;56-60
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