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処方箋医薬品注)
アルコール依存症患者における断酒維持の補助
通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に経口投与する。
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。
投与しないこと。排泄遅延により、高い血中濃度が持続するおそれがある。,
減量を考慮するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。
排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。
重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
減量を考慮するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血中濃度が上昇するおそれがある。
全身性皮疹、発疹、蕁麻疹、口内炎、喉頭痙攣、息切れ等の症状を伴うアナフィラキシーがあらわれることがある。
舌腫脹、リンパ節腫脹等の症状を伴う血管浮腫があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
傾眠
不安、頭痛、精神運動亢進
消化器
下痢(14.1%)
腹部膨満、嘔吐
便秘、悪心、鼓腸、過敏性腸症候群、口内炎
腹痛
肝臓
γ-GTP増加
皮膚
湿疹、乾癬
蕁麻疹、そう痒症、斑状丘疹状皮疹
その他
浮腫、末梢性浮腫
不感症、勃起不全、リビドー減退・亢進
主な症状は下痢であると考えられる。
海外で実施されたアルコール依存症患者を対象とした本剤の計11のプラセボ対照臨床試験において、自殺念慮、自殺企図等の自殺関連有害事象の発現割合は、短期投与試験(90日~6ヵ月)で本剤群1.4%(19/1317例)、プラセボ群0.5%(6/1186例)、長期投与試験(48週~12ヵ月)で本剤群2.4%(17/702例)、プラセボ群0.8%(4/520例)であり、相対リスク比は、短期投与試験で2.85(95%信頼区間:1.14-7.12)、長期投与試験で3.15(95%信頼区間:1.07-9.30)であった。
健康成人男性(各10例)に本剤333~1998mgを絶食下注1)で単回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は4.4~6.8時間で最高に達し、14.9~20.4時間の半減期で消失した。血漿中濃度は用量増加とともに上昇し、AUC0-∞は用量にほぼ比例して増加した1)。
Dose(mg)
例数
Cmax(ng/mL)
tmax(hr)
t1/2,β(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
333
10
123±45
4.40±0.70
16.9±5.9
1650±620
666
293±174
5.30±1.83
14.9±8.8
3760±1410
1332
290±120
6.80±3.43
20.4±15.1
8400±3890
1998
443±207
5.20±2.74
19.8±15.4
10700±5600
平均値±標準偏差
本剤を健康成人男性10例に食後反復経口投与(666mgを1日3回)した場合、反復投与2日目からほぼ一定の血漿中濃度を示し、速やかに定常状態に達すると推察された2)。
本剤666mgを健康成人男性9例に絶食下又は食後投与で単回経口投与し、薬物動態パラメータを比較した。絶食下では食後投与と比較して、Cmaxで約3倍、AUC0-∞で約2倍上昇した1)。
アカンプロサートカルシウムを健康成人男性に静脈内投与注1)した後の分布容積は72~109L(ほぼ1L/kg)であると推定される3),4)(外国人データ)。また、ヒト血漿蛋白に対する未変化体(0.1~10μg/mL)の結合率は限外ろ過法で1%以下であった5)。
アカンプロサートカルシウムは、生体内で代謝を受けず未変化体として排泄される6)。ヒト肝ミクロソームを用いたin vitroのチトクロームP-450(CYP)阻害試験で、アカンプロサートカルシウムはCYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対する阻害作用を示さず、初代培養ヒト肝細胞において、CYP1A2及び3A4の酵素誘導をしなかった7)。
アカンプロサートカルシウムの主要排泄経路は腎排泄である。日本の健康成人男性(各10例)に本剤(333~1998mg)を絶食下注1)で単回経口投与した場合、投与後96時間までの尿中に投与量の約4.99~7.49%が未変化体として排泄された1)。外国の健康成人男性12例にアカンプロサートカルシウム333mgを静脈内投与した場合、投与後72時間までに投与量の96~113%が尿中に未変化体として排泄された3)。
本剤666mgを中等度(クレアチニンクリアランス30~60mL/min)及び重度(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)の腎機能障害患者と健康成人(各6例)に絶食下注1)で単回経口投与し、薬物動態パラメータを比較した。中等度及び重度の腎機能障害患者のCmaxは健康成人のそれぞれ約2及び4倍であり、消失半減期は約1.8及び2.6倍に延長した8)(外国人データ)。,
軽度から中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類:A群、B群)と健康成人(各6例)に本剤を絶食下注1)で反復経口投与(666mgを1日3回)し、薬物動態パラメータを比較した。肝機能障害患者と健康成人の薬物動態に差は認められなかった9)(外国人データ)。
本剤666mgを健康高齢男性(67~80歳)10例に食後単回経口投与した。健康非高齢男性(22~29歳)10例の薬物動態パラメータと比較した場合、健康高齢者の血漿中濃度は高く推移し、Cmax及びAUC0-∞はそれぞれ約2及び2.3倍に増加した10)。
断酒意志があり、心理社会的治療を併用するアルコール依存症患者(327例)を対象として、本剤666mgを1日3回(1998mg/日)又はプラセボを24週間食後に経口投与した。その後、24週間の追跡観察期間を設けた。その結果、投与期間の完全断酒率は、本剤群47.2%(77/163例)、プラセボ群36.0%(59/164例)であり、本剤のプラセボに対する優越性が示された。
投与群
完全断酒率
完全断酒率の差(95%信頼区間)
χ2検定
本剤群
47.2%(77/163例)
11.3%(0.6~21.9)
P=0.0388
プラセボ群
36.0%(59/164例)
副作用発現頻度は、17.2%(28/163例)であった。主な副作用は、下痢12.9%(21/163例)、嘔吐1.2%(2/163例)であった11)。
ラット大脳皮質初代培養神経細胞へのエタノールの持続曝露は、グルタミン酸刺激により誘発される細胞外への乳酸脱水素酵素の漏出を更に増大させ、アカンプロサートカルシウムはこの反応を抑制した12)。エタノール蒸気を吸入させたラットの依存モデルで、アカンプロサートカルシウムはエタノールからの離脱による側坐核及び海馬灌流液中のグルタミン酸量の増加を抑制した13),14)。エタノール依存では中枢神経系の主要な興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経の活動が亢進し、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の間に不均衡が生じると考えられている。アカンプロサートカルシウムの作用機序は明確でないものの、エタノール依存で亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで神経伝達の均衡を回復し、エタノールの自発摂取抑制や報酬効果抑制につながると推察されている15),16),17)。
アカンプロサートカルシウム(Acamprosate calcium)(JAN)
Monocalcium bis(3-acetamidopropane-1-sulfonate)
C10H20CaN2O8S2
400.48
本品は白色の粉末である。本品は水に溶けやすく、エタノール(95)又はジクロロメタンにほとんど溶けない。
0(1-オクタノール/水)
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠[瓶、バラ]
1) 国内第Ⅰ相単回経口投与試験(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.3)
2) 国内第Ⅰ相反復経口投与試験(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.4)
3) 静脈内投与時の薬物動態及び排泄パラメータの検討(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.7)
4) 単回及び反復経口投与時の薬物動態及び絶対的BAの検討(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.6)
5) 14C-アカンプロサートカルシウムのin vitroタンパク結合試験(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.2.2.1(2))
6) 14C-アカンプロサートカルシウム投与後のヒト代謝物の検討(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.2.2.1(3))
7) In vitroにおけるヒトチトクロームP-450(CYP)阻害及び酵素誘導試験(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.2.2.1(3))
8) 腎障害患者における薬物動態の検討(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.15)
9) 肝障害患者における薬物動態の検討(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.14)
10) 国内第Ⅰ相高齢者反復経口投与試験(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.12)
11) 国内第Ⅲ相試験(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.7.6.28)
12) グルタミン酸作動性神経活動に対する作用(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.6.2.2.1)
13) Dahchour A, et al. :Psychiatry Res. 1998;82(2):107-14
14) Dahchour A, et al. :Alcohol Clin Exp Res. 2003;27(3):465-70
15) De Witte P, :Addict Behav. 2004;29(7):1325-39
16) Gass JT, et al. :Biochem Pharmacol. 2008;75(1):218-65
17) Olive MF, et al. :Pharmacol Biochem Behav. 2012;100(4):801-10
18) エタノールの自発摂取に対する作用(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.6.2.2.3)
19) エタノールの報酬効果に対する作用(承認年月日:2013年3月25日、CTD 2.6.2.2.4)
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