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処方箋医薬品注)
アレルギー性鼻炎
通常、成人には1日1回、各鼻腔に1噴霧ずつ(1噴霧あたりデキサメタゾンシペシル酸エステルとして200μg)投与する。
症状を増悪するおそれがある。
出血を増悪するおそれがある。
本剤の鼻腔内での作用を確実にするため、これらの症状がある程度減少するよう他の療法を併用するとよい。
副腎皮質機能不全が考えられるので、本剤投与後、全身性ステロイド剤を減量あるいは離脱する場合、減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は動物実験で胚・胎児死亡率の増加(ウサギ)、生存胎児数減少(ウサギ)、生存胎児体重の低下(ラット、ウサギ)、骨化進行度への影響(ラット、ウサギ)及び流産(ウサギ)が報告されている。なお、本剤の動物実験では催奇形性は認められていないが、一般に、グルココルチコイドは動物に対して催奇形性を有するとされている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤は動物実験で乳汁中に移行することが報告されている(ラット)。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
1~5%未満
1%未満
鼻腔
鼻部不快感
口腔並びに呼吸器
咽頭不快感
肝臓
ALT上昇
AST上昇、総ビリルビン上昇、直接ビリルビン上昇
血液
白血球数増加、白血球数減少、好中球数減少
その他
トリグリセリド上昇
以下の点を患者に指導すること。
レセルピン系製剤、α-メチルドパ製剤等の降圧剤には、副作用として鼻閉がみられることがある。このような降圧剤服用中のアレルギー性鼻炎の患者に、本剤を投与すると、鼻閉症状に対する本剤の効果が隠蔽されるおそれがあるので、臨床的観察を十分に行いながら投与すること。
健康成人に本剤400μgを単回又は1日1回14日間反復鼻腔内噴霧した場合、血漿中の未変化体及び主要活性代謝物である脱シクロヘキサンカルボン酸体濃度は、ともに定量下限(16pg/mL)未満であった。健康成人に本剤800μg注1)を1日1回14日間反復鼻腔内噴霧した場合、6例中3例で血漿中に未変化体及び脱シクロヘキサンカルボン酸体が検出され、最高血漿中濃度(Cmax)は平均でそれぞれ35.9pg/mL及び28.0pg/mLであった1),2)。
ラットに3H標識したデキサメタゾンシペシル酸エステルを0.1mg/kg鼻腔内投与した場合、投与後30分では、投与部位を含む頭部に投与放射能の27.3%が存在したが、血液を含むその他の組織/器官では0.1%以下であった。大腸及び大脳を除くすべての組織の放射能濃度が投与後2時間にCmaxを示し、最も多く存在した肝臓で0.7%であった3)。
ヒト肝ミクロソーム及びヒト肝S9画分を用いたin vitro代謝試験において、デキサメタゾンシペシル酸エステルはカルボキシルエステラーゼ(CES)により主要活性代謝物である脱シクロヘキサンカルボン酸体に加水分解され、更にCYP3A4、CYP1A2及びCESにより代謝されることが確認された4)。
健康成人に本剤800μgを1日1回14日間反復鼻腔内噴霧した場合、尿中には未変化体(6例中1例)及び主要活性代謝物である脱シクロヘキサンカルボン酸体(6例中5例)が検出されており、最終投与後72時間までの尿中累積排泄率はそれぞれ0.023%及び0.020%であった2)。
通年性アレルギー性鼻炎患者406例を対象として、本剤400μg/日(分1)、フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)200μg/日(分2)又はプラセボ(分1)を2週間投与するランダム化二重盲検比較試験を実施した。主要評価項目である3鼻症状(くしゃみ発作、鼻汁及び鼻閉)合計スコアの変化量(最終投与時-投与前)を下表に記載した。その結果、本剤のFPに対する非劣性が検証された(非劣性限界値Δ=0.6)。また、本剤はプラセボ群に比し有意に優れていることが確認された(対応のないt検定、P<0.001)5)。副作用発現頻度は、本剤群で8.0%(13/162例)であった。主な副作用は、ALT上昇1.2%(2/162例)であった。
投与群
例数
投与前(標準偏差)
変化量(標準偏差)
群間差(95%信頼区間)
本剤400μg/日(分1)
162
6.45(1.41)
-2.03(1.95)
本剤 vs FP0.07(-0.32~0.46)本剤 vs 本剤プラセボ-1.11(-1.58~-0.64)
FP200μg/日(分2)
161
6.40(1.51)
-2.10(1.77)
本剤プラセボ(分1)
83
6.41(1.67)
-0.93(1.39)
健康成人に1日1回400μg及び1日1回800μg注2)を14日間、鼻腔内に反復噴霧した場合、下垂体・副腎皮質系機能の抑制は認められなかった1),2)。
主として鼻粘膜局所における、粘膜型肥満細胞・好酸球・リンパ球浸潤の抑制、サイトカインの産生抑制、血管透過性及び腺分泌の抑制、アラキドン酸代謝阻害によるロイコトリエン・プロスタグランジン産生の抑制等の抗炎症作用・抗アレルギー作用が寄与すると考えられる。
感作モルモットのアレルギー性鼻炎モデルにおいて、点鼻投与により鼻炎誘発後30分間のくしゃみ発現回数を軽減し、誘発後3~7時間の鼻閉(鼻腔抵抗値)を軽減した。その効果は、フルチカゾンプロピオン酸エステルと同程度であった6)。
デキサメタゾンシペシル酸エステル(Dexamethasone cipecilate)(JAN)
9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16α-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 21-cyclohexanecarboxylate 17-cyclopropanecarboxylate
C33H43FO7
570.69
白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランにやや溶けやすく、アセトニトリル、 メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約269℃(分解)
使用期間中は、アルミ袋に入れてチャックを閉じ、高温、多湿を避けて保管させること。
2本、10本
1) 奥田 稔:耳鼻臨床. 2010;103(1):85-98
2) 奥田 稔:耳鼻臨床. 2010;103(3):277-86
3) 社内資料:デキサメタゾンシペシル酸エステルの薬物動態試験(1)ラットにおける吸収、分布及び代謝
4) 社内資料:デキサメタゾンシペシル酸エステルの薬物動態試験(2)in vitro及びin vivoの代謝
5) 奥田 稔ほか:耳鼻臨床. 2010;補127:1-16
6) Inoue N, et al.:J Pharmacol Sci. 2010;112(1):73-82
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