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処方箋医薬品注)
鉄欠乏性貧血
本剤は経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用すること。
通常、体重50kg以上の成人には、鉄として1回あたり1000mgを上限として週1回点滴静注、又は鉄として1回あたり500mgを上限として最大週2回緩徐に静注する。通常、体重50kg未満の成人には、鉄として1回あたり20mg/kgを上限として週1回点滴静注、又は鉄として1回あたり500mgを上限として最大週2回緩徐に静注する。なお、治療終了時までの総投与鉄量は、患者のヘモグロビン濃度及び体重に応じるが、鉄として2000mg(体重50kg未満の成人は1000mg)を上限とする。
投与前ヘモグロビン濃度
体重
40kg未満
40kg以上50kg未満
50kg以上70kg未満
70kg以上
10g/dL以上
下記の計算式を用いて算出する。
750mg
1000mg
1500mg
10g/dL未満
2000mg
体重40kg未満の患者における総投与鉄量(mg)=[2.2×(16-投与前ヘモグロビン濃度g/dL)+10]×(体重kg)
溶血を誘発するおそれがある。
本剤投与による肝機能の悪化に注意すること。鉄過剰により肝機能障害が悪化する可能性がある。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外で妊婦に本剤を静脈内投与したとき、胎児の徐脈が報告されている1)。ラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において胎児の奇形が認められており、母動物における鉄過剰に伴う毒性の二次的影響と考えられている2),3)。デキストラン鉄が胎児へ移行することが確認されていることから4)、本剤も胎児へ移行する可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの母乳中へ移行することが認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
ショック、アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
循環器
ほてり
消化器
腹部不快感、下痢、悪心
腹痛、上腹部痛、便秘
肝臓
肝酵素上昇
肝機能異常
代謝異常
低リン酸血症
血清フェリチン増加、高フェリチン血症
食欲減退
筋骨格系
関節痛、背部痛
筋肉痛
精神神経系
頭痛
傾眠
呼吸器
呼吸困難
皮膚
蕁麻疹
湿疹、紅斑、そう痒症、発疹
皮膚変色
その他
発熱
倦怠感、月経過多
溢出、注射部位変色、顔面浮腫、疲労、血圧上昇、CRP増加
血清リン値は本剤投与後に低下する傾向があるため、低リン血症の発現に注意すること。,,
血清フェリチン値は本剤投与後に高値を示すことから、本剤投与終了後4週程度は貯蔵鉄量を正確に反映しない可能性があることに注意すること。
鉄過剰症があらわれることがある。また、長期的な低リン血症により骨軟化症に至ることがある5)。
鉄排泄剤の投与等、症状に応じて適切な処置を行うこと。
本剤を鉄として500mg以上投与した場合、血清が褐色を呈することが報告されている6)。
20歳以上65歳未満で体重50kg以上の日本人鉄欠乏性貧血患者24例に、本剤を鉄として100mg又は500mgを約2分かけて単回静脈内投与、750mg又は1000mgを約15分かけて単回点滴静注したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった6)。
投与鉄量
Cmax(µg/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
AUC0-∞(µg・hr/mL)
100mg
42.0(26.7)
0.209(0.167,0.500)
19.4(21.5)
1250(22.1)
500mg
208(14.1)
0.250(0.167,2.000)
22.8(14.3)
8460(9.8)
239(20.3)
1.000(0.250,1.500)
24.4(7.2)
10600(15.4)
408(10.8)注2)
1.000(0.250,2.000)注2)
26.8(12.8)注3)
17700(20.4)注3)
6例、幾何平均(変動係数%)、tmaxは中央値(最小値、最大値)
鉄欠乏性貧血患者24例に本剤を鉄として100~1000mgを投与したときの分布容積(平均値)は、1.940~2.475Lであった6)。分娩後出血に伴う鉄欠乏性貧血患者21例に、本剤をDay1に鉄として840~1000mg、Day8に鉄として40~1000mg投与した時の乳汁中鉄濃度(平均値)は、Day4で0.98mg/Lであり、Day15まで0.55~0.75mg/Lを推移した7)。
本剤は、細網内皮系の細胞に取り込まれた後、エンドリソソーム内で鉄が分離される8)。
炎症性腸疾患患者12例に本剤を鉄として100mg及び200mgを単回静脈内投与したときの尿中鉄排泄率(平均値)は約1%であった9)(外国人データ)。
18歳以上49歳以下の経口鉄剤に忍容性がない若しくは効果不十分、又は急速な鉄補給を必要とする過多月経に伴う鉄欠乏性貧血患者(ヘモグロビン濃度:11.0g/dL未満、血清フェリチン値:12ng/mL未満)355例を対象に、患者のヘモグロビン濃度及び体重に応じて総投与鉄量を決定し、本剤又は含糖酸化鉄を静脈内投与する無作為化非盲検並行群間比較試験を実施した。本剤群の初回投与は、1回あたり鉄として最大1000mg(体重50kg未満の場合は20mg/kg)を点滴静注することとし、2回目の投与は、総投与量と初回投与量の差を緩徐に静脈内投与又は点滴静注することとした。投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の最大変化量(調整済み平均値)の群間差(本剤群-含糖酸化鉄群)[95%信頼区間]は0.06g/dL[-0.13,0.24]であり、本剤群の含糖酸化鉄群に対する非劣性が検証された(非劣性限界値-0.5g/dL)10)。
本剤群(237例)
含糖酸化鉄群(118例)
ヘモグロビン濃度の最大変化量の調整済み平均値注4)[95%信頼区間]
4.33g/dL[4.22,4.44]
4.27g/dL[4.12,4.42]
群間差[95%信頼区間]
0.06g/dL[-0.13,0.24]
投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の推移図は以下のとおりであった。
副作用の発現率は、46.8%(111/237例)であった。主な副作用(発現率5%以上)は、発熱8.4%(20/237例)、蕁麻疹8.0%(19/237例)、低リン酸血症5.9%(14/237例)、血清フェリチン増加5.5%(13/237例)であった。
18歳以上の経口鉄剤に忍容性がない若しくは効果不十分、又は急速な鉄補給を必要とする消化管障害に伴う鉄欠乏性貧血患者(ヘモグロビン濃度:11.0g/dL未満、血清フェリチン値:30ng/mL未満(CRPが基準値上限超の場合100ng/mL未満))40例を対象に、患者のヘモグロビン濃度及び体重に応じて総投与鉄量を決定し、本剤を静脈内投与(被験者をA群とB群に3:1の割合でランダム割付)するオープンラベル試験を実施した。A群では初回投与は鉄として500mgとし、その後1日1回最大500mgを1週間に2回の頻度で最小回数により、総投与量を分割して静脈内投与した。B群では初回投与は、1回あたり鉄として最大1000mg(体重50kg未満の場合は20mg/kg)を点滴静注することとし、2回目の投与は、総投与量と初回投与量の差を緩徐に静脈内投与又は点滴静注することとした。投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の最大変化量[95%信頼区間]は全体:4.33g/dL[3.82,4.83]、A群(30例):4.27g/dL[3.83,4.71]、B群(10例):4.49g/dL[2.69,6.29]であった11)。投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の推移図は以下のとおりであった。
副作用の発現率は、30.0%(12/40例)であった。主な副作用(発現率5%以上)は、低リン酸血症10.0%(4/40例)、蕁麻疹7.5%(3/40例)、発熱5.0%(2/40例)であった。
20歳以上かつ分娩予定日に40歳未満の経口鉄剤に忍容性がない若しくは効果不十分、又は急速な鉄補給を必要とする分娩後出血に伴う鉄欠乏性貧血患者(妊娠36週の血清フェリチン値:25.0ng/mL未満、分娩後24時間から48時間までのヘモグロビン濃度:10g/dL未満、分娩後24時間までの分娩に伴う出血量:500mL以上)21例を対象に、患者の分娩後(24時間以降48時間未満)のヘモグロビン濃度及び妊娠前の体重に応じて総投与鉄量を決定し、本剤を静脈内投与するオープンラベル試験を実施した。初回投与は、1回あたり鉄として最大1000mg(体重50kg未満の場合は20mg/kg)を点滴静注することとし、分娩後48時間までに点滴静注を開始することとした。2回目の投与は、総投与量と初回投与量の差を緩徐に静脈内投与又は点滴静注することとした。投与開始8週後までのヘモグロビン濃度の最大変化量[95%信頼区間]は4.77g/dL[4.34,5.20]であった7)。投与開始8週後までのヘモグロビン濃度の推移図は以下のとおりであった。
副作用の発現率は、33.3%(7/21例)で、主な副作用(発現率5%以上)は、肝酵素上昇14.3%(3/21例)であった。
本薬は鉄とデルイソマルトースの複合体であり、静脈内投与後は細網内皮系の細胞に取り込まれる8)。デルイソマルトースから分離した鉄はトランスフェリンと結合して骨髄へと運搬され、ヘモグロビン合成に利用される12),13)。
鉄欠乏性貧血ブタに本剤を静脈内投与することにより、ヘモグロビン濃度の上昇が認められた14)。
デルイソマルトース第二鉄(Ferric Derisomaltose)(JAN)
酸化第二鉄とオリゴ[α-D-グルコピラノシル-(1→6)]-D-グルシトールとの複合体(Oligo[α-D-glucopyranosyl-(1→6)]-D-glucitol complex of iron(Ⅲ)oxide)
Fex(C6H11O5[C6H10O5]aC6H13O5)y
130,000~180,000
本品は暗赤褐色の粉末である。本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(96)にほとんど溶けない。
凍結を避けること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
5mL×5バイアル
10mL×5バイアル
1) 市販後データ(妊婦への投与)(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.7.4.6)
2) ラット受胎能、着床までの初期胚発生及び胚・胎児発生に関する試験(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.6.6.6.1.1)
3) ウサギ胚・胎児発生試験(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.6.6.6.2.1)
4) 非臨床試験におけるデキストラン鉄の胎盤移行性(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.6.4.4.3)
5) Shimizu Y, et al.:Bone. 2009;45:814–6
6) 国内第Ⅰ相試験(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.7.6.2)
7) 国内第Ⅲ相試験(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.7.6.6)
8) Koskenkorva-Frank TS, et al.:Free Radic Biol Med. 2013;65:1174-94
9) 海外第Ⅰ相試験(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.7.6.1)
10) 国内第Ⅲ相試験(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.7.6.4)
11) 国内第Ⅲ相試験(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.7.6.5)
12) Jahn MR, et al.:Eur J Pharm Biopharm. 2011;78:480-91
13) Geisser P, et al.:Pharmaceutics. 2011;3:12-33
14) 鉄欠乏性貧血ブタを用いた貧血改善作用(承認年月日:2022年3月28日、CTD 2.6.2.2)
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