当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
非代償性肝硬変に伴う高アンモニア血症
通常、成人にはラクチトール水和物として1日量18~36gを3回に分けて用時、水に溶解後経口投与する。なお、本剤の投与により下痢が惹起されることがあるので、初回投与量は1日量18gとして漸増し、便通状態として1日2~3回程度の軟便がみられる量を投与する。ただし、1日量36gを超えないこととする。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
少量(例えば1回6g)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)[消化器系副作用が増強される可能性がある。]
1~5%未満
1%未満
消化器
下痢
悪心・嘔吐、腹部膨満、腹痛、放屁、排便回数増加、食欲不振
皮膚
そう痒感
肝臓
LDH上昇
血液
ヘモグロビン減少、好酸球増多
その他
倦怠感
本剤は吸収されて薬効を発揮するものではない。本剤を健康人男子に5~40g単回経口投与注1)した場合、本剤の吸収はわずかであった1)。
本剤を健康人男子に5~40g単回経口投与注1)した場合、投与後24時間までに尿中に未変化体が投与量の0.2~0.5%排泄された。また反復投与期間中も、24時間毎の尿中排泄率は単回投与の結果と同様であった1)。
延べ186施設で実施された臨床試験の評価対象総計263例において、血中アンモニア濃度の改善率は73.5%(186/253例)、精神神経症状の改善率は67.7%(86/127例)、脳波異常の改善率は45.2%(19/42例)、手指振戦の改善率は69.9%(79/113例)、全般改善度判定における改善率は74.5%(196/263例)であった2),3),4),5),6),7),8)。
消化管粘膜には本剤を分解する酵素が存在しないため、本剤は経口投与後、分解・吸収されることなく大腸に到達し、大腸内の細菌により利用・分解され、有用菌であるBifidobacteriumを増加させる。その結果、生成した短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)による腸管内pH低下作用、並びに腸管輸送能の亢進等によって、腸管内アンモニアの生成・吸収を抑制する9),10),11) 。
高アンモニア血症モデル動物において、以下のことが報告されている。
PCS(門脈・大静脈吻合)ラット、PCS-CCl4肝障害ラット、PCS(Eck瘻)犬において、血中又は髄液中アンモニア濃度を低下させる。また、PCS-CCl4肝障害ラット、PCS-DMNA(ジメチルニトロソアミン)肝障害ラットにおいて、盲腸内酢酸アンモニウム投与により惹起される血中及び脳内アンモニア濃度上昇を抑制する9),12),13)。
PCS-CCl4肝障害ラット、PCS-DMNA肝障害ラットにおいて、盲腸内酢酸アンモニウム投与により惹起される急性肝性脳症に対し、昏睡の発症又は脳波の異常化を抑制する。また、PCS犬において、慢性肝性脳症による行動異常、脳波及び視覚誘発電位異常を改善する12),14),15)。
本剤は1gあたり約2kcalのエネルギーを有するので、1日量18~36gのエネルギー量は36~72kcalに相当する。
ラクチトール水和物 (Lactitol hydrate) (JAN)
(+)-4-O-β-D-galactopyranosyl-D-glucitol monohydrate
C12H24O11・H2O
362.33
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、味は甘い。本品は水に極めて溶けやすく、ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
6g×126包
1) 栗山欣彌ほか:臨床医薬. 1994;10(8):1741-64
2) 鈴木 宏ほか:臨床医薬. 1995;11(5):961-88
3) 鈴木 宏ほか:臨床医薬. 1995;11(5):989-1032
4) 鈴木 宏ほか:臨床医薬. 1995;11(7):1439-73
5) 佐藤俊一ほか:臨床医薬. 1995;11(5):1033-48
6) 岡上 武ほか:臨床医薬. 1995;11(6):1245-63
7) 梶山梧朗ほか:臨床医薬. 1995;11(6):1265-84
8) 多羅尾和郎ほか:日消病会誌. 1995;92(7):1037-50
9) 渡辺正義ほか:応用薬理. 1995;49(5):601-8
10) Watanabe M. et al. :Jpn J Pharmacol. 1995;67(4):369-74
11) 渡辺正義ほか:ビフィズス. 1995;9(1):19-26
12) 渡辺正義ほか:日薬理誌. 1995;105(2):97-109
13) 渡辺正義ほか:日薬理誌. 1995;105(5):389-402
14) 莚井 武ほか:日薬理誌. 1995;105(2):111-9
15) 渡辺正義ほか:日薬理誌. 1995;105(5):403-13
日本新薬株式会社 製品情報担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
フリーダイヤル 0120-321-372TEL 075-321-9064FAX 075-321-9061
日本新薬株式会社
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.