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処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
用法及び用量
腰痛症、頸肩腕症候群、症候性神経痛、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、蕁麻疹)に伴うそう痒、アレルギー性鼻炎
通常成人1日1回ノイロトロピン単位として、3.6単位(1管)を静脈内、筋肉内又は皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
スモン(SMON)後遺症状の冷感・異常知覚・痛み
通常成人1日1回ノイロトロピン単位として、7.2単位(2管)を静脈内に注射する。
投与期間は、6週間を目安とする。ただし、投与開始2週間で何ら効果が認められない場合には漫然と投薬を続けないように注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
脈拍の異常、胸痛、呼吸困難、血圧低下、意識喪失、発赤、そう痒感等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒
蕁麻疹、喘息発作
紅斑
循環器
−
血圧上昇、心悸亢進
血圧低下
消化器
悪心・嘔気、嘔吐、口渇、食欲不振
腹痛、下痢
精神神経系
眠気
めまい、頭痛・頭重感、しびれ、発汗
ふらつき、ふるえ、けいれん、異常感覚、冷感、発赤、潮紅(フラッシング)、冷汗、意識障害、意識喪失、ぼんやり
肝臓
ASTの上昇、ALTの上昇
投与部位
注射部発赤、注射部腫脹
注射部疼痛、注射部硬結
その他
ほてり
顔面紅潮、気分不良、倦怠感、脱力感、一過性の不快感、悪寒
浮腫、腫脹、発熱、さむけ、戦慄
本剤はCYP1A2、CYP2A6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP4A11の基質となる種々の薬物の代謝に影響を与えないこと、またCYP2E1、CYP3A4により代謝される併用薬物との相互作用が起こる可能性は極めて低いことが示唆されている(in vitro試験)。1)
二重盲検比較試験8編を含む国内で実施された31編の臨床試験報告(1,104例)の概要は下記の通りで、適応疾患における有効率(有効以上)は60%(666/1,104例)であった。2),3),4),5),6),7),8),9)
疾患名
有効以上
腰 痛 症(n=194)頸肩腕症候群(n=114)症候性神経痛(n=313)皮膚疾患に伴うそう痒(n=289)(注1)アレルギー性鼻炎(n=149)SMON後遺症状の冷感・異常知覚・痛み(n=45)
60%61%61%61%58%58%
(注1)内訳:湿疹・皮膚炎220例、慢性じんま疹69例
ノイロトロピン
プラセボ
U検定
腰痛症
69%(n=42)
45%(n=44)
P<0.05
症候性神経痛
35%(n=34)
14%(n=35)
P<0.01
皮膚疾患に伴うそう痒
63%(n=51)
43%(n=49)
64%(n=56)
38%(n=52)
アレルギー性鼻炎(注3)
69%(n=26)
20%(n=25)
アレルギー性鼻炎
58%(n=59)
24%(n=62)
(注2)慢性湿疹、皮脂欠乏性湿疹、アトピー性皮膚炎など(注3)当該試験の成績のみ有効率
症状名
冷感
81%(n=21)
32%(n=22)
しびれ感
63%(n=24)
23%(n=22)
しめつけ感・付着感
52%(n=23)
27%(n=22)
P<0.10
ピリピリ、ジンジン感
57%(n=23)
14%(n=21)
痛み
60%(n=20)
本剤は、鎮痛作用に加え冷感・異常知覚改善作用を併せ持ち、その作用機序として、中枢性鎮痛機構の一つであるモノアミン作動性下行性疼痛抑制系の活性化作用、侵害刺激局所における起炎物質であるブラジキニンの遊離抑制作用、末梢循環改善作用等が考えられる。
ラット足趾に侵害刺激(圧刺激)を加えると、刺激局所にブラジキニン(BK)やプロスタグランジンE2(PGE2)等が増加する。この試験系に本剤10~50NU/kgを単回経口投与すると、PGE2遊離には影響を及ぼさなかったが、BK遊離を用量依存的に抑制した。一方、インドメタシンはPGE2遊離を抑制したが、BK遊離には影響を及ぼさなかった。15)
神経生理学的研究(in vivo、in vitro)から、視床下部ニューロン発射活動を変化させた。これらの成績から、ニューロパシー性疼痛や異常知覚と関連すると考えられている知覚性ニューロン発射活動様式の異常を修飾することが示唆されている。18),19)
本剤は、非ステロイド性消炎鎮痛剤やオピオイドと異なり、プロスタグランジン産生系やオピオイド系に作用せず、正常動物を用いた鎮痛薬評価系よりも痛覚過敏モデルとされるSARTストレス(反復寒冷負荷)動物、CCI(慢性絞扼性神経損傷)ラットやSNL(脊髄神経結紮)マウスに対して優れた効果を示す。また、末梢侵害刺激局所において、起炎物質であるブラジキニンの遊離抑制作用を示し、これらは本剤の薬効薬理における特長をなす。12),14),15),22),23),24),25),26)
動物の飼育温度を昼間は1時間ごとに室温(24℃)と低温(マウス4℃、ラット−3℃)に変化させ、夜間は低温で飼育する(SARTストレス)と、4日目以降から安定した痛覚閾値の低下が認められ、痛覚過敏モデルとなる。このSARTストレスマウスに本剤を単回腹腔内投与すると、用量依存的な鎮痛効果が認められ、その鎮痛効力(ED50値)は91NU/kg(NU:ノイロトロピン単位)で、正常動物の場合(239NU/kg)より強かった。27)また、本剤の連日腹腔内投与により、SARTストレスマウスの痛覚過敏が用量依存的に抑制された。そのED50値は単回投与の場合より小さく、7日目で10NU/kgとなり、本剤の反復投与により鎮痛効力が増大した。28)
ラットの坐骨神経を縫合糸(chromic gut)で緩く結紮すると、数日後から痛覚過敏が惹起される。このCCI術後14日目の痛覚過敏ラットに、本剤100NU/kgを単回腹腔内投与すると、温熱性及び機械刺激性痛覚過敏が抑制された。更に、本剤50NU/kgを術後7日目から1週間、連日腹腔内投与すると、投与終了から2週間にわたって効果が持続し、CCI処置による温熱性痛覚過敏を改善した。25)また、CCIモデルにおける痛覚過敏の発症に対する本剤の効果を検討した。CCI術日の翌日から10日間、本剤100又は200NU/kg/dayの連日腹腔内投与により、CCI処置による温熱性痛覚過敏の発症を用量依存的に抑制した。26)
マウスの第5腰椎神経を絹糸できつく結紮すると、数日後から痛覚過敏とアロディニアが惹起される。このSNL術後7日目のマウスに、本剤50~200NU/kgを単回腹腔内投与すると、温熱性及び機械刺激性痛覚過敏、及びアロディニアが用量依存的に抑制された。14)
キノホルムを反復投与したラットに低温負荷試験を行い、本剤の効果をサーモグラフィーで評価した。本剤50又は100NU/kgの単回静脈内投与により、低下した皮膚温回復反応が有意に改善された。29)
モルモットを卵白アルブミン又はトルエンジイソシアネートで感作・誘発し、アレルギーモデルを作製した。これらの系に、本剤50~200NU/kgを連日経口投与すると、くしゃみ、鼻汁分泌、喘鳴が抑制された。30)
アレルゲン感作モルモットに抗原誘発を繰り返すと、鼻汁分泌に関与する鼻粘膜中のムスカリン性アセチルコリン受容体が増加する。この系に、本剤50~200NU/kgを連日経口投与すると、アセチルコリン受容体の増加が抑制された。30)
アレルギー性炎症において主要な役割を担う好酸球の局所浸潤に対する本剤の効果をT細胞依存性好酸球浸潤モデルマウスで検討した。本剤10~50NU/kg週2回、3週間の経口投与により、抗原(ブタクサ花粉抽出物)誘発24時間後における局所T細胞依存性好酸球浸潤が用量依存的に抑制された。同様の効果はシクロスポリンAの皮下投与でもみられた。31)
外箱開封後は遮光して保存すること。
ガラスアンプル:10アンプル 50アンプル 200アンプル
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