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日本薬局方
乾燥BCGワクチン
生物学的製剤基準
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
**結核の予防
通常、溶剤を加えたものを上腕外側のほぼ中央部に滴下塗布し、経皮用接種針を用いて行う。
本剤に添付の溶剤(日本薬局方生理食塩液)を加えて80mg/mLの濃度の均一な懸濁液とし、接種部位の皮膚を緊張させ、懸濁液を塗った後、9本針植付けの管針を接種皮膚面に対してほぼ垂直に保ち、これを強く圧して行う。接種数は2個とし、管針の円跡は相互に接するものとする。
一歳に至るまでの間にある者。生後5月に達したときから生後8月に達するまでの期間を標準的な接種期間として1回行うこと。
他の生ワクチン(注射剤)の接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
接種要注意者である。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。
副じん皮質ホルモン剤
免疫抑制剤
播種性BCG感染を招くおそれがあるので、本剤を接種しないこと。
サイトカインの産生を抑えるなどリンパ球の機能を抑制する。免疫抑制的な作用を持つ薬剤の投与を受けている者、特に長期又は大量の投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者
他の生ワクチン(注射剤)
通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により免疫が獲得できないおそれがある。
髄膜炎、骨炎、骨髄炎、骨膜炎があらわれることがある。免疫不全症候群の者などに接種した場合、BCGが全身に血行散布して粟粒結核様の病変をつくり、全身播種性BCG感染症に至ることがある。BCG感染症が疑われる場合には、速やかに抗結核剤の投与等適切な措置を行うこと。
頻度不明
過敏症注1)
発疹、蕁麻疹、紅斑(多形紅斑を含む)、そう痒
局所症状注2)(接種部位)
発赤、硬結、腫脹、痂皮形成
*その他
リンパ節腫大注3)、発熱
添付の溶剤(日本薬局方生理食塩液)でワクチンを懸濁して、80mg/mLの濃度の懸濁液を調製する。
接種部位をアルコール綿で消毒する。乾かないうちにワクチンをたらすとBCGが死滅するので、よく乾いてからワクチンを滴下する。
接種者は被接種者の上腕を下から握り、ほぼ水平に固定する。アルコールが乾くのを待ってスポイトを垂直か、わずかに傾けて保持し、接種に十分な量(大きめの1滴)のワクチンを滴下する(図-③)。このとき、スポイトの先端が皮膚にふれないように注意する。通常、1滴で十分であるが、不十分であると思われるときは、さらにもう1滴加える。滴下されたワクチンを管針のツバの側面で上腕の縦方向に沿って幅約1.5cm、長さ約3cm程度の範囲に塗りひろげる(ツバで強くこすり塗布層が薄くなり過ぎないよう注意する)(図-④)。
ワクチンを塗りひろげた後、管針を皮膚面に垂直に保持し(図-⑤)、上腕部を下からささえている手で強く握って接種部位の皮膚を緊張させ、ツバの両端が皮膚に十分つくまで(通常、皮膚が5~6mmへこむ程度)管針を強く押して接種する(図-⑥)。接種数は2個とする(図-⑦)。2か所の押し方は、管針の円跡が相互に接するようにして腕の縦方向とツバの縦方向とが一致するようにする。2か所の接種が重なると、局所反応が融合するおそれがあるので、必ず針痕が長方形に並ぶように接種する(図-⑧)。なお、管針を押すとき、管針をねじらないように注意すること。押し終わったら、ワクチンを塗りひろげたときと同様にツバの側面で皮膚上のワクチンを2~3回針痕になすりつける(図-⑨)。接種した針痕から少量の出血をみることがあっても、そのまま放置しておく。もし接種の方法を誤った場合も押し直しはしないこと。
BCG接種の有効性は①BCG接種は適切に行われれば結核の発病を、接種しなかった場合の4分の1くらいに抑える1)。②BCG接種は、結核性髄膜炎や粟粒結核など小児の重篤な結核の発病予防には特に効果は高い2)。③BCGワクチンは一度接種すれば、その効果は10年~15年ほど持続する3)。BCG接種の副反応としては、接種後腋窩リンパ節腫脹をきたすことがあるが、ほとんどすべて2~3か月で縮小、消失するので経過観察でよい。ごくまれに穿孔、排膿することがある(0.02%以下)4)。このほか、例外的な副反応として骨炎、狼瘡等が報告されているが、いずれもきわめてまれである。
BCG接種によって誘導される結核に対する免疫は、Tリンパ球とマクロファージを主体とした細胞性免疫である。体内に入ったBCGはまずマクロファージに貪食される。抗原情報がTリンパ球に提示され、Tリンパ球はBCGの抗原で感作される。BCGと結核菌とは共通の抗原を持つため、BCGに感作されたTリンパ球は結核菌の抗原で感作されたときと同じ能力を持ち、記憶細胞として待機する。BCG接種を受けた人に結核菌の感染がおこると、この感作Tリンパ球が幼若化・増殖し、インターフェロン-γなどのサイトカインを産生することによりマクロファージを活性化する。この活性化されたマクロファージが結核菌を効率的に貪食・殺菌することにより結核感染の進展を抑える5)。
経皮接種に用いる管針は、9本の細い針が、直径2cmのプラスチック製円筒の中に4.5mm間隔で固定されており、針先は、円筒の縁とほぼ同じ高さになっている(図-⑩)。管針は1本ずつパックしてガンマ線滅菌されており、開封するだけですぐに使用できるディスポーザブル(使い捨て)タイプである。管針は、針先が重要であるので、針先を損じないよう取り扱いに十分注意しなければならない。
12mg 1アンプル(添付溶剤:日本薬局方生理食塩液 0.15mL 1アンプル)(器具:ディスポBCG接種用管針、スポイト、黒ポリ袋、アンプルカット 各1)
1) Colditz, G. A., et al.:JAMA. 1994;271:698-702
2) Rodrigues, L. C, et al.:Int J Epidemiol. 1993;22:1154-1158
3) Hart, P D., Sutherland, I.:Br Med J. 1977;2:293-295
4) Mori, T, et al.:Tuber Lung Dis. 1996;77:269-273
5) 徳地清六.:新BCG接種の理論と実際. 結核予防会. 1996:15-22
〈文献請求先〉日本ビーシージー製造株式会社 学術部
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