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日本薬局方
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液
処方箋医薬品注)
通常,成人には74~740MBqを静注し,静注後10~30分までに(やむを得ず経口投与の場合は1~2時間後に)被検部のシンチグラムを得る。
通常,成人には74~370MBqを静注し,静注後被検部のシンチグラムを得る。同時に甲状腺摂取率を測定する場合には,投与量のカウントと被検部のカウントの比から甲状腺摂取率を測定する。また,7.4~74MBqを静注することにより,甲状腺摂取率のみを測定することもできる。
通常,成人には185~555MBqを静注し,静注後被検部のシンチグラムを得る。必要に応じ,唾液分泌刺激物による負荷を行い,負荷後のシンチグラムを得る。また,時間放射能曲線を作成することにより,RIシアログラムを得ることもできる。
通常,成人には185~370MBqを静注し,静注後被検部のシンチグラムを得る。
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。授乳中の女性は投与後少なくとも3日間は授乳しない方が良いとの報告がある1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
膀胱部の被曝を軽減させるため,撮像前後できるだけ患者に水分を摂取させ,排尿させること。
脳シンチグラフィを行う場合,脳底部及び後頭蓋窩の腫瘍については,シンチグラム読影が困難な場合がある。
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである4)。
吸収線量(mGy/37MBq)
全身
0.11
甲状腺
1.3
胃
0.51
大腸上部
1.2
大腸下部
1.1
膀胱壁
0.85
赤色骨髄
0.17
卵巣
0.30
精巣
0.09
吸収線量値は,抑制剤(NaClO4,KClO4,I2)で前処置されていない被検者の活動時における値である。
静脈内投与後1日で約30%が尿中に排泄され,それ以降尿中への排泄はわずかである。一方,その時期から糞中排泄が次第に増えはじめ,投与後8日には投与量の約60%が糞中に排泄される3)。
本剤が有効であるとされている適応症は以下のとおりである5),6),7),8),9),10)。
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により計数化又は画像化される。
過テクネチウム酸(99mTcO4-)は,血液-脳関門(blood brain barrier:BBB)を通過しないため,過テクネチウム酸(99mTcO4-)を投与したときの脳シンチグラム像は,健常人では脳実質に放射能の集積がないcold areaとして描出される。しかし,脳腫瘍のようなBBB障害患者ではこれを通過して腫瘍組織に高濃度に集積するのでその部分がhot spotとして描出される11),12)。また,病巣部における組織血管床の増加,即ち病巣内血液量の増加,腫瘍その他の病的組織内の血管壁の構造と機能の異常による透過性の亢進,病的組織内の細胞外液腔の増大,pinocytosis,carrier transport,passive diffusion,腫瘍細胞などの代謝と関連した能動的なRIの取込み,その他の機構で取り込まれると考えられる13)。その他,過テクネチウム酸(99mTcO4-)は甲状腺,唾液腺,胃粘膜等にも集積する。
99mTcとして:・物理的半減期:6.0067時間・主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に使用すること。
370MBq(1mL)[1バイアル]
1) Vagenakis AG,et al.:J Nucl Med,1971;12:188
2) McAfee JG,et al.:J Nucl Med,1964;5:811-827
3) Beasley TM,et al.:Health Physics,1966;12:1425-1435
4) MIRD/Dose Estimate Report No.8,J Nucl Med,1976;17:74-77
5) 半田肇,他:脳と神経,1969;21:43-51
6) 渡辺克司,他:日本医学放射線学会雑誌,1970;30:555-565
7) 有光哲雄,他:脳と神経,1975;27:1279-1285
8) 久田欣一,編:最新核医学,金原出版,東京,1982;101,158,302,307
9) 久田欣一,他編:最新臨床核医学,金原出版,東京,1986;67,121,397,408
10) 鳥塚莞爾,編:新核医学,金芳堂,京都,1982;151,181,365
11) 久田欣一,他:最新臨床核医学,金原出版,東京,1986;68
12) 第15改正日本薬局方解説書,廣川書店,東京,2006;C-908
13) 半田讓二,他著:核医学大系6,実業公報社,東京,1976;5
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