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放射性医薬品基準
N-ピリドキシル-5-メチルトリプトファンテクネチウム(99mTc)注射液
処方箋医薬品注)
肝胆道系疾患及び機能の診断
通常,成人には本剤74~185MBqを静脈内に注射し,投与直後から適当な間隔をおいて経時的に肝胆道系シンチグラムを撮る。投与量は,年齢,体重により適宜増減する。
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
頻度不明
循環器
動悸
精神神経系
痙攣
血中総ビリルビンが1.0mg/dL以下の患者に本剤を静注したときの血中半減期は2.86±1.30分であった1)。健常者に本剤を静注したときの血中半減期は3.3±0.5分であった2) 。健常者,び漫性肝疾患患者及び軽度胆道系疾患患者について血中停滞率と累積尿中排泄率を求めた結果,下表のように,び漫性肝疾患の血中停滞率は健常者に比し有意(p<0.01)な上昇を示した3) 。
血中停滞率(%)
10分
40分
健常者(11例)
8.20±1.56
2.38±0.44
び漫性肝疾患(8例)
24.2±9.8†
10.1±4.6†
軽度胆道系疾患(4例)
9.23±2.45
2.64±1.03
†p<0.01
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
吸収線量(mGy/37MBq)
肝臓
0.5
胆のう
26.6
小腸
2.9
大腸上部
4.1
大腸下部
3.0
腎臓
0.2
卵巣
0.9
精巣
0.04
膀胱(壁)
0.3
赤色骨髄
全身
血中総ビリルビンが1.0mg/dL以下の患者に本剤を静注したときの投与後2時間での累積尿中排泄率は2.10±0.91%であった1)。健常者に本剤を静注したときの投与後90分までの累積尿中排泄率は2.1±0.3%であった2)。
累積尿中排泄率(%)
60分
1.86±0.61
2.50±0.84
1.67±0.54
本剤が有効と報告された適応症は以下のとおりである。全例については良好なシンチグラムが得られた。
肝炎,肝硬変,肝癌,胆のう炎,胆石症(胆のう結石,胆管結石),胆管癌,総胆管癌,胆道ジスキネジー,胆道拡張症,胆道閉鎖症,他
疾患名
有効例数/症例数
有効率
肝炎
急性肝炎
11/11
100%
慢性肝炎
20/20
乳児・新生児肝炎
2/2
その他注1
12/12
肝硬変
28/28
肝癌(転移癌を含む)
22/22
胆のう炎
5/5
胆石症注2
53/54
98.1%
胆管癌,総胆管癌
17/17
胆道ジスキネジー
3/3
先天性胆道拡張症
6/6
先天性胆道閉鎖症
16/16
注1)肝炎後症候群及び上記に分類されないもの。注2)肝内結石,総胆管結石,胆のう結石,胆管結石を一括した。一部術後例も含む。
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
本剤は,静脈内投与されると,迅速に血中から消失し,肝・胆道系へ移行した後小腸へ排出される。腸管からの再吸収(腸肝循環)は認められず,また,尿中排泄は少ない。血清ビリルビンに対する低い拮抗性を有し,高度黄疸例にも適用することができる。
99mTcとして:・物理的半減期:6.0067時間・主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に使用すること。
185MBq(2mL)[1バイアル]
1) 渡辺幸康,他:核医学,1982;19:1589-1593
2) 大竹英二,他:画像診断,1983;3:265-270
3) 中村和義,他:基礎と臨床,1983;17:1227-1231
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