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放射性医薬品基準
ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液調製用
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
骨シンチグラムによる骨疾患の診断
本品を冷蔵庫から取り出し,約5分間放置して室温にもどす。本品1バイアルあたり,日局過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液3~9mLを無菌的に加える。振とうして内容物を溶解し,室温に10分間放置することによりヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液を得る。
通常,成人には555~740MBqを肘静脈内に注射し,1~2時間の経過を待って被検部の骨シンチグラムをとる。投与量は,年齢,体重により適宜増減する。
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
呼吸困難,血圧低下,発疹等の異常が認められた場合には,適切な処置を行うこと。
頻度不明
過敏症
発疹,そう痒感,顔面潮紅,発赤
消化器
嘔吐,悪心,食思不振
循環器
チアノーゼ,血圧低下,徐脈,動悸
精神神経系
てんかん様発作,耳閉感,頭痛,めまい,ふらつき
その他
発熱,気分不良,冷汗,四肢しびれ
調製中の術者への被曝を軽減するため,調製は注意深く,かつ迅速に行うこと。
骨盤部読影の妨害となる膀胱の描出を避けるため及び膀胱部の被曝を軽減させるため,撮像前後できるだけ排尿させること。
各種骨疾患患者について試験した結果,本剤投与後の血中クリアランスは投与後30分までは急速な減少を示し,それ以降はややゆっくりと減少した(2時間後:約7%)1)。
本剤は投与後短時間で骨に集積し,他臓器への集積は少なかった1)。
累積尿中排泄率は投与後2時間まで増加し(2時間で約40%),以後増加はほとんどみられなかった1)。
本剤及びクリアボーン注(一般名:ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液)の臨床試験において,本剤及びクリアボーン注が有効であると報告された適応症は以下のとおりである。
疾患名
クリアボーンキット(有効例数/症例数)
クリアボーン注(有効例数/症例数)
肺癌
5/5
71/71
乳癌
18/18
64/64
前立腺癌
2/2
36/36
胃癌
19/19
子宮癌
9/9
14/14
膀胱癌
1/1
10/10
骨肉腫
骨髄腫
7/7
骨折
22/22
関節炎
骨髄炎
13/13
海外においては,ホスホネート系製剤(HMDP,MDP)の添付文書に,以下の記載があるものがある。“この種の化合物はカルシウムのようなカチオンとキレート化合物を形成することが知られている。低カルシウム血症(例えばアルカローシス)の患者,もしくはその素因を有する患者に対しては,特に慎重な注意を要する。”本品の場合,含有されるHMDP量は極めて少なく(0.381mg/バイアル),全量が投与され,血清カルシウムと1:1キレートを形成し,体内より除去されるとしても,全血清中カルシウム量の0.023%が減少するに過ぎない注1)。
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
肘静脈内に投与された本剤の,骨に取り込まれる機序の全容は明らかではないが,骨親和性物質の集積増加がみられる病変部には血流の増加があることが知られている。また,陰イオンとしての性質を有することから,骨のhydroxyapatite結晶にイオン結合することにより,骨ことに骨新生の盛んな部分に多く集まるものと考えられている3)。
メタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸ジナトリウム(disodium methane-1-hydroxy-1,1-diphosphonate)・分子式:CH4Na2O7P2・H2O・分子量:253.98
99mTcとして:・物理的半減期:6.0067時間・主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
2バイアル(1バイアル×2), 5バイアル(1バイアル×5)
1) 芝辻洋,他:現代の診療,1981;23:701-705
2) 日本生化学会,編:生化学データブックⅠ,東京化学同人,1979;1542
3) 鳥塚莞爾,他編:臨床核医学,南江堂,東京,1981;441-443
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