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放射性医薬品基準
人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(99mTc)注射液
処方箋医薬品注)
生物由来製品
RIアンギオグラフィ及び血液プールシンチグラフィによる各種臓器・部位の血行動態及び血管性病変の診断
通常,成人には740MBqを静脈内投与し,被検部に検出器を向け,投与直後から連続画像(RIアンギオグラム)を得る。終了後,被検部の各方向から平衡時画像(血液プールシンチグラム)を得る。いずれも必要に応じデータ処理装置を用いデータ収集及び処理を行う。また,必要に応じて,同時に血液を採取することにより循環血漿あるいは血液量の測定を追加することも可能である。投与量は年齢,体重及び検査目的に応じ,適宜増減する。
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
頻度不明
消化器
嘔気
その他
めまい
本剤は健常成人男子に静脈内投与した時,投与後血中から2相性を示しながら緩徐に消失し,初期相(投与後1~3時間)の半減期は10時間,後期相(投与後6~24時間)の半減期は26時間であった。また,血中保持率は投与後10分で98.9%,投与後30分で96.8%,1時間で93.9%と高率であった1)。
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
吸収線量(mGy/37MBq)
脳
0.04
心臓
0.64
肺
0.17
肝臓
0.57
脾臓
0.45
腎臓
0.48
膀胱
精巣
0.11
卵巣
0.16
全身
0.15
累積尿中排泄率は投与後24時間で34%であった。シンチグラフィによる検討では心臓,肝臓,腎臓,頭部の順に放射能は高かった1)。
以下の疾患等を対象に,本剤370~1110MBqが投与された。投与量については740MBqが大部分を占めた。
心疾患(虚血性心疾患,先天性心疾患,不整脈,弁膜症,心筋症,他)大血管病変(大動脈瘤,大動脈閉塞・狭窄,他)末梢循環障害(動脈及び静脈閉塞・狭窄,精索静脈瘤,他)脳疾患(虚血性脳疾患,くも膜下出血,他)その他の疾患(肝腫瘍,他)
解析対象例404例における疾患別の有効率,並びに他検査により確定診断された307例における本検査陽性の割合(有病正診率)を以下に示す(担当医判定)。
疾患名
有効率(例数)
有病正診率(例数)
心疾患
84%(199/236)
69%(134/194)
大血管病変
85% (22/26)
81% (13/16)
末梢循環障害
94% (51/54)
78% (21/27)
脳疾患
66% (45/68)
72% (44/61)
肝腫瘍を含むその他の疾患
50% (10/20)
78% (7/9)
本剤が有効と判定された理由として,心疾患では「機能評価に有効であった」(85%),大血管病変及び末梢循環障害では「初期診断に有効であった」(50%及び54%),脳疾患では「経過観察に有効であった」(38%)及び「機能評価に有効であった」(37%)が多く,その他の疾患では「初期診断に有効であった」(56%)が多くを占めた3)。
全417 例に対し,本剤に起因する異常所見は認められなかった。
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により計数化又は画像化される。
本剤は99mTcに強い配位能力を有するジエチレントリアミン五酢酸を介してヒト血清アルブミンに結合しているため,血中保持率が高く,優れた生体内安定性を示し,心疾患のみならず,血行動態,血管病変の診断が可能である。
99mTcとして:・物理的半減期:6.0067時間・主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に使用すること。
740MBq(1mL)[1バイアル]
1) 玉木長良,他:核医学,1988;25:579-588
2) 石井勝巳,他:核医学,1989;26:35-44
3) 玉木長良,他:核医学,1988;25:1201-1213
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