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放射性医薬品基準
15-(4-ヨードフェニル)-3(R,S)-メチルペンタデカン酸(123I)注射液
処方箋医薬品注)
脂肪酸代謝シンチグラフィによる心疾患の診断
通常,成人には本剤74~148MBqを静脈内投与する。投与後15~30分より被検部に検出器を向け,撮像もしくはデータ収集を行いシンチグラムを得る。投与量は年齢,体重により適宜増減する。
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹,瘙痒感
呼吸器
呼吸困難
消化器
嘔気
循環器
血圧上昇,血圧低下
精神神経系
痙攣,失神,意識低下
その他
異臭,味覚異常
口内異常感,注射部疼痛
顔面蒼白,脱力感,注射部腫脹
注射漏れをおこすと投与部位に痛みを生じることがあるので,投与に際しては薬液が血管外に漏出しないように注意すること。
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
吸収線量(mGy/MBq)
心臓
0.057
肝臓
0.038
腎臓
0.011
脾臓
0.010
膀胱
0.043
赤色骨髄
0.013
卵巣
精巣
7.6×10-3
全身
健常成人男子において本剤111MBqを静注した場合,血中での未変化体(123I-BMIPP)は,静注後60分では14.0%まで経時的に減少したが,主な代謝物である4-ヨードフェニル酢酸(123I)(123I-PIPA)は約70%を占めた。尿中では未変化体は認められなかった。また,主な放射化学的成分は123I-PIPAのグルタミン抱合体及びグルクロン酸抱合体であった。本剤は静注後,各組織に取り込まれて123I-PIPAに代謝された後,肝臓等でグルタミン抱合又はグルクロン酸抱合を受けて,水溶性物質として主に尿中に排泄されると考えられた。
累積尿中排泄率は静注後6時間及び24時間においてそれぞれ約10%及び約22%であった1)。
以下の心疾患を対象に有効性が検討され,546例中540例(98.9%)において本剤の有効性が認められた2)。全587例に対し,副作用を21例に認め,その内訳は異臭,味覚異常等19例,注射部疼痛2例であった。
疾患名
有効例数/症例数
有効率
虚血性心疾患注1
288/289
99.7%
心筋症
184/188
97.9%
その他の心疾患注2
68/69
98.6%
注1)急性心筋梗塞,陳旧性心筋梗塞,狭心症を含む注2)高血圧性心疾患,心臓弁膜疾患,心筋炎を含む
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
本剤は,脂肪酸として細胞内に取り込まれた後,アシルCoA合成酵素によって活性化され,トリグリセリド及びミトコンドリアに取り込まれる。脂肪酸のβ位にメチル基が導入されているためにα酸化,β酸化を受けて代謝されるが,第一段階で直接β酸化を受けるわけではないので心筋細胞内に長くとどまる7)。本剤の局所心筋内分布は心筋細胞内のATP濃度8),トリグリセリド含有量9)及びミトコンドリア機能10) の変化を反映するなど,脂肪酸としての特徴を有する。
123Iとして:・物理的半減期:13.2235時間・主γ線エネルギー:159keV(83.3%)
本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に使用すること。
111MBq(1.5mL)[1シリンジ], 148MBq(2mL)[1シリンジ]
1) 鳥塚莞爾,他:核医学,1991;28:681-690
2) 鳥塚莞爾,他:核医学,1992;29:413-433
3) 植原敏勇,他:核医学,1992;29:347-358
4) 岡俊明,他:核医学,1996;33:279-284
5) 河本雅秀,他:核医学,1991;28:1081-1089
6) 両角隆一,他:核医学,1993;30:1037-1047
7) Yamamichi Y,et al.:J Nucl Med,1995;36:1043-1050
8) Fujibayashi Y,et al.:J Nucl Med,1990;31:1818-1822
9) 藤林靖久,他:核医学,1988;25:1131-1135
10) 緒方雅彦:核医学,1989;26:69-76
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