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放射性医薬品基準
フルテメタモル(18F)注射液
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある患者
*〇アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化
〇抗アミロイドベータ抗体薬投与後の脳内アミロイドベータプラークの可視化
*〈アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化〉
アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の発症前診断を目的として無症候者に対して本剤を用いたPET 検査を実施しないこと。アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の発症予測に関する有用性は確立していない。
通常,本剤1バイアル(120~370MBq)を静脈内投与し,投与後60~120分に撮像を開始する。
撮像時間は,投与量,撮像機器,データ収集条件,画像再構成のアルゴリズム及びパラメータ等を考慮して決定すること。適切にバリデーションされたPET装置で撮像を行う場合,投与量185MBqにおける標準的な撮像時間は20分間である。
*〈効能共通〉
〈アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化〉
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
アナフィラキシーを起こすことがあるので問診を十分に行い,投与後は十分に観察し,顔面潮紅,呼吸困難及び胸部圧迫感等の症状が認められた場合には適切な処置を行うこと。
1~5%未満
0.5~1%未満
循環器
潮紅,血圧上昇
消化器
悪心
精神神経系
頭痛,浮動性めまい
その他
胸部不快感
本剤の投与ルート内の残留を防ぐため,本剤の投与に引き続いて日局生理食塩液を急速静注する。
遺伝毒性試験のうち,細菌を用いる復帰突然変異試験及びマウスリンフォーマTk試験において,代謝活性化系の存在下で陽性の結果であった。
健康成人に本剤102.3~160.0MBqを単回静脈内投与したとき,フルテメタモル(18F)は投与後徐々に血中及び血漿中から消失し,血漿中総放射能に占めるフルテメタモル(18F)の割合は,投与後5分には74.9%,投与後30分には8.3%,投与後90分には1.7%であった1)。
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。実効線量は0.026mSv/MBqである2)。
臓器
吸収線量(mGy/MBq)
膀胱壁
0.114
腎臓
0.075
肝臓
0.069
大腸上部壁
0.060
小腸壁
0.053
3.5 時間ごとに排尿した場合
本剤の主な代謝経路はN-脱メチル化であり,主な代謝物はN-脱メチルフルテメタモル(18F)と推定した1)。
投与後3.9時間までの腸管及び尿の平均放射能量は投与放射能量の41.0%(範囲:31.5~48.8%)であった。腸管及び尿データを無限時間に外挿すると排泄放射能量の推定値は投与放射能量の72.6%(範囲:56.3~94.0%)であった。排泄経路は主に腎臓(平均:40.3%,範囲:25~60%)で残りの放射能量は腸内容物(平均:32.4%,範囲:18.3~57%)に存在した2)。
健康成人25例,健忘性軽度認知障害(aMCI)患者20例,及びNINCDS-ADRDA(米国国立神経疾患脳卒中研究所-アルツハイマー病関連障害協会)診断基準で臨床的にprobable ADに該当する患者25例,計70例の日本人を対象とした。各被験者のベースライン時の診断(probable AD又は認知機能正常)をSoTとして用いると,過半数での盲検化されたフルテメタモル(18F)画像の視覚的読影結果(盲検化画像の読影医5名中最低3名の一致と定義)における感度は92%(95%信頼区間:74~99%),特異度は100%(95%信頼区間:86~100%)であった3)。副作用発現頻度は3%(2/70例)であり,心窩部不快感,頭痛,潮紅及び高血圧が各1例であった。
剖検に同意した外国人終末期患者180例を対象とした臨床試験において,参照用のX線コンピュータ断層撮影法(CT)による解剖学的画像がない状況でPET画像 の盲検下での視覚的読影を行ったところ,感度は81~93%(中央値:88%)であった。この値は,剖検例68例の病理診断を真の基準(SoT)として算出した。特異度は44~92%(中央値:88%)であった4)。副作用発現頻度は1%(2/180例)であり,いずれも潮紅であった。
外国人健康成人181例を対象に撮像を実施し,そのすべての被験者から読影可能な画像を取得した。過半数での盲検化されたフルテメタモル(18F)画像の視覚的読影結果(盲検化画像の読影医5名中最低3名の一致と定義)における特異度は99.4%(95%信頼区間:97.0~100.0%)であった5)。副作用発現頻度は13%(24/181例)であり,中等度の副作用は4例で,筋緊張低下が2件,不整脈,腹部不快感,消化不良,口腔内不快感,嘔吐,胸部不快感,浮動性めまい,味覚異常,不安,呼吸困難及び高血圧が各1件であった。
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
[3H]フルテメタモルはin vitroでのヒト脳ホモジネートアッセイにおいて線維性アミロイドβと結合することが示された。さらにin vitroにてインキュベートしたアルツハイマー病患者の脳組織切片において,[3H]フルテメタモルは隣接する白質と比較して側頭皮質の灰白質に優先的に結合した。
フルテメタモル(18F)(Flutemetamol (18F))
2-[3-[18F]フルオロ-4-(メチルアミノ)フェニル]-1,3-ベンゾチアゾール-6-オール
C14H1118FN2OS
273.32
18Fとして:・物理的半減期:109.739分・主ガンマ線エネルギー:511keV(放出率:193.4%)
本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適正に使用すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
185MBq(2mL)[1バイアル]
1) 社内資料:薬物動態(2017年9月27日承認,CTD 2.7.2.3)
2) 社内資料:国内第Ⅰ相試験〔GE067-014試験〕(2017年9月27日承認,CTD 2.7.6.2)
3) 社内資料:国内第Ⅱ相試験〔GE067-017試験〕(2017年9月27日承認,CTD 2.7.6.4)
4) Curtis C,et al.:JAMA Neurol,2015;72:287-294
5) 社内資料:海外第Ⅲ相試験〔GE067-015試験〕(2017年9月27日承認,CTD 2.7.6.10)
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**本剤は,効能又は効果として「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」を有する医薬品に係る厚生労働省の定める最適使用推進ガイドラインに沿って実施される,アミロイドPET検査に使用される場合に限り,保険適用される。
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