医療用医薬品 詳細表示

ティブソボ錠250mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
17.3その他
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2分化誘導作用
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ティブソボ錠250mg

添付文書番号

4291090F1022_1_02

企業コード

530457

作成又は改訂年月

**2026年4月改訂(第3版)
2025年6月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤/IDH1阻害剤

承認等

ティブソボ錠250mg

販売名コード

YJコード

4291090F1022

販売名英語表記

TIBSOVO Tablets

販売名ひらがな

てぃぶそぼじょう250mg

承認番号等

承認番号

30700AMX00069000

販売開始年月

2025年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

60箇月

一般的名称

イボシデニブ

1. 警告

  1. 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
  2. 1.2 本剤の投与により分化症候群が発現し、致死的な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行うこと。分化症候群が疑われる場合は、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ティブソボ錠250mg

有効成分1錠中
イボシデニブ   250mg
添加剤ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、乳糖水和物、トリアセチン、青色2号

3.2 製剤の性状

ティブソボ錠250mg

剤形フィルムコート錠
色調青色
外形
大きさ長径約18.0mm
短径約8.4mm
厚さ約7.3mm
質量約0.88g
識別コードIVO 250

4. 効能又は効果

IDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、IDH1遺伝子変異陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  2. 5.2 強力な寛解導入療法の適応となる急性骨髄性白血病患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
  3. 5.3 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

6. 用法及び用量

アザシチジンとの併用において、通常、成人にはイボシデニブとして1日1回500mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 高脂肪食摂取後に本剤を投与した場合、AUC及びCmaxの増加が認められることから、本剤は高脂肪食摂取前後の投与を避けること。
  2. 7.2 強いCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の1回用量を250mgに減量すること。,
  3. 7.3 本剤の投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。,,,,,,

    副作用

    基準

    処置

    分化症候群

    徴候や症状が48時間以上持続する場合

    本剤を休薬する。回復後、副作用発現時の用量で再開できる。

    非感染性の白血球増加症

    白血球数
    25×103/μL超又は
    ベースラインより
    15×103/μL超増加

    本剤を休薬する。回復後、副作用発現時の用量で再開できる。

    QT間隔延長

    480msecを超え、500msec以下の延長

    QTcF値が480msec以下に回復するまで本剤を休薬する。回復後、副作用発現時の用量で再開できる。

    500msecを超える延長

    QTcF値がベースラインより30msec以内又は480msec以下に回復するまで本剤を休薬する。回復後、1回250mgで再開できる。また、患者の状態に応じて、1回500mgに増量できる。

    生命を脅かす不整脈の症状/徴候を伴うQT間隔延長

    投与を中止する。

    ギラン・バレー症候群

    投与を中止する。

    その他の副作用

    Grade 3

    • 初発の場合:Grade 1以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。回復後、副作用発現時の用量で再開できる。4週間以内に回復しなかった場合、投与を中止する。再開後にGrade 4の副作用が発現した場合、投与を中止する。
    • 再発(2回目)の場合:Grade 1以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。回復後、1回250mgで再開できる。4週間以内に回復しなかった場合、投与を中止する。また、患者の状態に応じて、1回500mgに増量できるが、再開後にGrade 4の副作用が発現した場合、投与を中止する。
    • 再発(3回目)の場合:投与を中止する。

    Grade 4の血液学的毒性

    • 初発の場合:Grade 1以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。回復後、1回250mgで再開できる。4週間以内に回復しなかった場合、投与を中止する。
    • 再発(2回目)の場合:投与を中止する。

    Grade 4の非血液学的毒性

    投与を中止する。

    GradeはNCI-CTCAE v5.0に準じる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。なお、本剤投与中の心電図検査は、最初の2カ月間は2週間に1回、その後は月1回を目安に実施し、異常が認められた場合は速やかに適切な処置を行うこと。また、必要に応じて電解質を補正する等の適切な処置を行うこと。,,
  2. 8.2 分化症候群があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(白血球数、クレアチニン等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者

    先天性QT延長症候群等のQT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者ではQT間隔延長があらわれるおそれがある。,,

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)

    本剤は主に肝代謝により消失するため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用するよう指導すること。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。胚・胎児毒性試験において、器官形成期の妊娠ラット及びウサギに本剤を投与したとき、臨床曝露量のそれぞれ2.0倍及び3.9倍に相当する用量から胚・胎児の死亡、胎児体重減少、骨格の成長遅延、又は内臓変異(ウサギ)が認められた1)

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤は主にCYP3Aにより代謝される。また、本剤はCYP2B6、2C8、2C9及び3Aに対する誘導作用及びP-gp、OAT3及びOATP1B1に対する阻害作用を有する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • 強いCYP3A阻害剤
    • イトラコナゾール
    • クラリスロマイシン
    • ボリコナゾール 等
  • ,

本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合は、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • 中程度のCYP3A阻害剤
    • エリスロマイシン
    • ジルチアゼム
    • フルコナゾール 等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • グレープフルーツ含有食品

本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、摂取しないよう注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • 強いCYP3A誘導剤
    • リファンピシン
    • カルバマゼピン
    • フェノバルビタール
    • フェニトイン
    • セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort)含有食品 等

本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A誘導剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

  • QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
    • キニジン
    • プロカインアミド
    • オンダンセトロン
    • フルコナゾール
    • モキシフロキサシン 等

QT間隔延長を増強するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、他の薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあり、併用によりQT間隔延長作用が増強するおそれがある。

  • CYP3Aの基質となる薬剤
    • イトラコナゾール
    • エベロリムス
    • 経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等) 等
  • ,

これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。

本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。

  • CYP2B6の基質となる薬剤
    • エファビレンツ 等

これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。

本剤がCYP2B6を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。

  • CYP2C8の基質となる薬剤
    • パクリタキセル
    • ピオグリタゾン
    • レパグリニド 等

これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。

本剤がCYP2C8を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。

  • CYP2C9の基質となる薬剤
    • フェニトイン
    • ワルファリン 等

これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。

本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。

  • P-gpの基質となる薬剤
    • ダビガトラン
    • ジゴキシン
    • フェキソフェナジン 等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • OAT3の基質となる薬剤
    • ベンジルペニシリン
    • フロセミド
    • メトトレキサート 等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がOAT3を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • OATP1B1の基質となる薬剤
    • ロスバスタチン
    • アトルバスタチン
    • プラバスタチン 等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がOATP1B1を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は本剤の休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 分化症候群(11.1%)

    発熱、皮疹、低酸素症、呼吸機能障害、間質性肺浸潤、胸水又は心嚢液貯留等の症状及び非感染性の白血球増加症、クレアチニン増加等が認められ、分化症候群が疑われる場合は、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,

  2. 11.1.2 QT間隔延長(16.7%)

    ,,

  3. 11.1.3 ギラン・バレー症候群(頻度不明)

11.2 その他の副作用

5%以上

5%未満

臨床検査

血中フィブリノゲン減少、C-反応性蛋白増加、好中球数減少、血小板数減少、白血球数減少

血液およびリンパ系障害

白血球増加症

貧血、好中球減少症、好中球増加症、白血球減少症、血小板減少症

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む)

骨髄線維症

胃腸障害

下痢、悪心、上腹部痛、便秘

代謝および栄養障害

高尿酸血症、低アルブミン血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症

神経系障害

末梢性感覚ニューロパチー、浮動性めまい、頭痛

皮膚および皮下組織障害

点状出血、そう痒症、発疹、皮膚病変

精神障害

不眠症、錯乱状態

一般・全身障害および投与部位の状態

発熱

筋骨格系および結合組織障害

骨痛

呼吸器、胸郭および縦隔障害

鼻出血、胸水

心臓障害

第一度房室ブロック

耳および迷路障害

回転性めまい

感染症および寄生虫症

感染

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 湿気を避けるため、乾燥剤を同封したボトル包装品のまま患者に交付すること。
  2. 14.1.2 湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元の容器にて保存し、使用の都度、密栓するよう患者に指導すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

ラット反復経口投与毒性試験において、子宮萎縮及び精巣変性が、臨床曝露量の1.7倍及び1.2倍に相当する用量で認められた2)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 反復投与

    強力な寛解導入療法の適応とならない未治療のIDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病患者(日本人2例を含む)に、アザシチジン併用下で、本剤500mgを反復経口投与したときの初回及び反復投与後のイボシデニブの薬物動態パラメータ及び平均血漿中濃度推移を以下に示す3)

    表1 アザシチジン併用下で、急性骨髄性白血病患者に本剤500mgを経口投与したときのイボシデニブの薬物動態パラメータ

    例数

    tmax1)
    (hr)

    Cmax
    (ng/mL)

    AUC0-4h
    (hr・ng/mL)

    AUC0-24h2)
    (hr・ng/mL)

    初回投与

    59

    2.57
    (0.50, 4.25)

    4,821
    (38.7)

    12,683
    (54.9)3)

    NA

    反復投与

    34

    2.22
    (0.52, 4.67)

    6,145
    (33.8)

    20,111
    (36.9)

    106,326
    (40.9)4)

    幾何平均値(幾何CV%)
    NA:該当なし

    1) 中央値(最小値, 最大値)
    2) AUC0-24hは反復投与時の投与前の血漿中濃度を投与24時間後に相当する血漿中濃度に代入して算出した。
    3) 50例
    4) 32例

    図1 アザシチジン併用下で、急性骨髄性白血病患者に本剤500mgを経口投与したときのイボシデニブの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)

16.2 吸収

健康成人(27例)に本剤500mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食(総カロリー約900~1,000kcalのうち、56~60%が脂質)摂取後投与におけるイボシデニブのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比は、それぞれ1.978及び1.243であった4) (外国人データ)。

16.3 分布

イボシデニブのヒト血漿蛋白結合率は92~96%であった5)in vitro)。

16.4 代謝

イボシデニブは主にCYP3Aにより代謝される6)in vitro)。
健康成人(8例)に放射性標識したイボシデニブ500mgを単回経口投与したとき、血漿中放射能の92.4%が未変化体であった7) (外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人(8例)に放射性標識したイボシデニブ500mgを単回経口投与したとき、投与後15日間までに投与量の77.4%が糞中、16.9%が尿中から回収され、未変化体の排泄率は糞中で67.4%、尿中で9.96%であった7) (外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 肝機能障害患者における薬物動態

    本剤500mgを単回経口投与したとき、健康成人(8例)に対する軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A、8例)のイボシデニブのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比は0.933及び0.847、非結合型のイボシデニブのCmaxの幾何平均値の比は1.40であった。健康成人(8例)に対する中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B、8例)のイボシデニブのCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比は0.565及び0.716、非結合型のイボシデニブのCmaxの幾何平均値の比は1.29であった8) (外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 イトラコナゾール

    健康成人(21例)に、イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回18日間経口投与し、本剤250mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾールの併用投与時のイボシデニブのCmax及びAUC0-inf5) の幾何平均値の比はそれぞれ1.02及び2.69であった9) (外国人データ)。,

    5) 20例

  2. 16.7.2 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション
    1. (1) フルコナゾール

      本剤500mgをフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)と併用投与したとき、本剤単独投与に対するフルコナゾール併用投与時のイボシデニブのCmax及びAUCssの幾何平均値の比は、本剤反復投与時ではそれぞれ1.52及び1.90と推定された10)

    2. (2) リファンピシン

      本剤500mgをリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)と併用投与したとき、本剤単独投与に対するリファンピシン併用投与時のイボシデニブのCmax及びAUCssの幾何平均値の比は、本剤反復投与時ではそれぞれ0.81及び0.67と推定された10)

    3. (3) ブプロピオン、レパグリニド、ワルファリン、ミダゾラム

      本剤500mgをブプロピオン(CYP2B6基質、国内未承認)、レパグリニド(CYP2C8基質)、ワルファリン(CYP2C9基質)又はミダゾラム(CYP3A基質)と併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用時にブプロピオン、レパグリニド、ワルファリン又はミダゾラムの曝露量が低下する可能性が示唆された10)

    4. (4) ジゴキシン、メトトレキサート、ロスバスタチン

      本剤500mgをジゴキシン(P-gp基質)、メトトレキサート(OAT3基質)又はロスバスタチン(OATP1B1基質)と併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用時にジゴキシン、メトトレキサート又はロスバスタチンの曝露量が増加する可能性が示唆された10)

  3. 16.7.3 その他

    イボシデニブはP-gpの基質であることが示された11)in vitro)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国際共同第III相試験(AG120-C-009試験)

    強力な寛解導入療法の適応とならない未治療のIDH1遺伝子変異陽性6) の急性骨髄性白血病患者を対象に無作為化二重盲検群間比較試験を実施した。被験者146例7) (日本人患者6例を含む)を1:1の割合で本剤+アザシチジン(本剤+AZA)群又はプラセボ+アザシチジン(プラセボ+AZA)群に無作為に割り付けた。1サイクルを28日間とし、本剤500mg又はプラセボは1日1回連日経口投与、AZAは75mg/m2/日を1日1回7日間静脈内又は皮下投与した。本剤の臨床効果を十分に確認するため、疾患進行又は許容できない有害事象が発現しない限り、投与は最低6サイクル継続した。
    主要評価項目である無イベント生存期間8) (データカットオフ日:2021年3月18日)及び副次評価項目である全生存期間(データカットオフ日:2022年6月30日9) )は、下表及び図のとおりであった。なお、副次評価項目である修正国際ワーキンググループ(IWG)基準12) に基づく治験責任医師判定による①完全寛解(CR)率並びに②CR又は血液学的回復が部分的なCR(CRh)率[95%信頼区間](%)(データカットオフ日:2021年3月18日)について、本剤+AZA群で①47.2[35.3, 59.3](34/72例)、プラセボ+AZA群で14.9[7.7, 25.0](11/74例)、以下、同順、②52.8[40.7, 64.7](38/72例)、17.6[9.7, 28.2](13/74例)であった3)

    6) 中央測定機関における骨髄穿刺検体又は末梢血検体を用いたPCR法による検査で、IDH1遺伝子にR132変異を有する患者が対象とされた。
    7) 2021年3月18日データカットオフ
    8) 無作為化日を始点とし、治療不成功、寛解からの疾患の再発又は死亡の各イベントのうち、最初に発生したイベントの記録日までの期間。なお、第24週までに完全寛解が達成されなかった場合、無作為化第1日目にイベントが発生したとみなし、治療不成功とした。
    9) 2例(本剤+AZA群1例、プラセボ+AZA群1例)が追加された。

    表1 国際共同第III相試験における成績

    本剤+AZA

    プラセボ+AZA

    無イベント生存期間

    症例数
    イベント発現例数(%)
    治療不成功
    寛解からの再発
    死亡

    72
    46(63.9)
    42(58.3)
    3(4.2)
    1(1.4)

    74
    62(83.8)
    59(79.7)
    2(2.7)
    1(1.4)

    中央値(月)
    (95%信頼区間)

    0.03
    (0.03, 11.01)

    0.03
    (NE, NE)

    ハザード比10)
    (95%信頼区間)

    0.33(0.16, 0.69)

    全生存期間

    症例数
    イベント発現例数(%)

    73
    37(50.7)

    75
    58(77.3)

    中央値(月)
    (95%信頼区間)

    29.3
    (13.2, NE)

    7.9
    (4.1, 11.3)

    ハザード比10)
    (95%信頼区間)

    0.42(0.27, 0.65)

    NE:推定不能

    10) 層別Cox比例ハザードモデルにより算出

    図1 無イベント生存期間のKaplan-Meier曲線
    図2 全生存期間のKaplan-Meier曲線

    本剤+AZA群72例のうち、30例(41.7%)に本剤の副作用が認められた。主な副作用は、心電図QT延長16.7%(12/72例)、分化症候群11.1%(8/72例)、白血球増加症8.3%(6/72例)、下痢4.2%(3/72例)、貧血2.8%(2/72例)、好中球減少症2.8%(2/72例)、好中球増加症2.8%(2/72例)、悪心2.8%(2/72例)、末梢性感覚ニューロパチー2.8%(2/72例)、不眠症2.8%(2/72例)、発熱2.8%(2/72例)、骨痛2.8%(2/72例)等であった(データカットオフ日:2022年6月30日)。

17.3 その他

  1. 17.3.1 薬物濃度とQT間隔の関連性

    海外第I相試験3試験(314例)の併合解析によりイボシデニブの濃度とQT間隔の関連性を評価した。IDH1遺伝子変異陽性の血液腫瘍患者(173例)に本剤500mgを1日1回反復経口投与したときの定常状態でのCmax(6,551ng/mL)における、QTc間隔のベースライン値からの延長は17.2msec、その90%信頼区間の上限は19.7msecと推定された13)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

イボシデニブは、変異型IDH1に対する阻害作用を有する低分子化合物である。イボシデニブは、変異型IDH1の酵素活性を阻害することで、腫瘍細胞における2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)産生を阻害し、IDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)細胞の分化を誘導することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている14)

18.2 分化誘導作用

イボシデニブは、変異型IDH1(R132C)を発現するAML患者由来の骨髄細胞等に対して、分化誘導作用を示した15)in vitro)。
イボシデニブは、変異型IDH1(R132H)を発現するAML患者由来TM001036細胞を静脈内移植したインターロイキン2受容体γ鎖が完全欠損した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、AML細胞に対する分化誘導作用を示した16)in vivo)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

イボシデニブ(Ivosidenib)(JAN)

化学名

(2S)-N-{(1S)-1-(2-Chlorophenyl)-2-[(3,3-difluorocyclobutyl)amino]-2-oxoethyl}-1-(4-cyanopyridin-2-yl)-N-(5-fluoropyridin-3-yl)-5-oxopyrrolidine-2-carboxamide

分子式

C28H22ClF3N6O3

分子量

582.96

性状

白色~淡黄色の粉末又は塊を含む粉末である。メタノール又はアセトニトリルに溶けやすく、エタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

14錠[プラスチックボトル、バラ、乾燥剤入り]

23. 主要文献

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日本セルヴィエ株式会社
お問い合わせ窓口

**〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2
大手町フィナンシャルシティグランキューブ

TEL 0120-841-002
月~金 9:00-17:00(祝日、弊社休業日を除く)
https://nihonservier.co.jp

25. 保険給付上の注意

*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日本セルヴィエ株式会社

**東京都千代田区大手町1-9-2
大手町フィナンシャルシティグランキューブ

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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