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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
IDH1又はIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫
副作用
程度*
処置
肝機能障害
ALT又はASTが基準値上限(ULN)の3倍超5倍以下、かつ総ビリルビン値がULNの2倍以下
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、28日以内に回復した場合には、同一用量で、28日以内に回復しなかった場合は、回復後に1段階減量して再開できる。再発した場合は、Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に1段階減量して再開できる。
ALT又はASTがULNの5倍超20倍以下、かつ総ビリルビン値がULNの2倍以下
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、28日以内に回復した場合には、1段階減量して再開できる。なお、28日以内に回復しなかった場合には、投与を中止する。再発した場合は、投与を中止する。
ALT又はASTがULNの3倍超20倍以下、かつ総ビリルビン値がULNの2倍超ALT又はASTがULNの20倍超
投与を中止する。
上記以外の副作用
Grade 3
Grade 1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に1段階減量して再開できる。再発した場合は、投与を中止する。
Grade 4
*:GradeはNCI-CTCAE(National Cancer Institute-Common Terminology Criteria for Adverse Events)v5.0に準じる
用量調節段階
投与量(1日1回)
成人及び体重40kg以上の小児
体重40kg未満の小児
通常投与量
40mg
20mg
1段階減量
10mg
2段階減量
投与中止
3段階減量
−
肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。,
本剤は主に肝代謝により消失するため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。ラット及びウサギを用いた胚・胎児毒性試験において、臨床曝露量のそれぞれ10倍(ウサギ)及び101倍(ラット)に相当する用量から、吸収胚数及び着床後胚損失率高値(ラット及びウサギ)、並びに内臓奇形(腎臓及び精巣位置異常)(ラット)が認められた。,,
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。AG881-C-004試験は12歳以上を対象として実施されたが、18歳未満の患者は本剤群に組み入れられなかった。
本剤の副作用が増強されるおそれがある。
フルボキサミンマレイン酸塩がCYP1A2を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP1A2を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤の有効性が減弱されるおそれがあるため、CYP1A2誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP1A2を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
本剤の有効性が減弱されるおそれがある。
喫煙によるCYP1A2の誘導により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。
本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
本剤がCYP2B6を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
本剤がCYP2C8を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
本剤がCYP2C19を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
,
10%以上
5~10%未満
1~5%未満
胃腸障害
悪心、下痢
便秘、腹痛
嘔吐、鼓腸、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、上腹部痛、消化不良、おくび、胃炎
一般・全身障害
疲労
無力症
神経系障害
頭痛、浮動性めまい
注意力障害、痙攣発作
代謝および栄養障害
食欲減退
低リン血症、高血糖、高カリウム血症
臨床検査
血中乳酸脱水素酵素増加、血中尿素増加、血小板数減少
精神障害
不眠症、不安、錯乱状態
筋骨格系および結合組織障害
筋肉痛、背部痛
皮膚および皮下組織障害
脱毛症、多汗症、寝汗
呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難
血管障害
高血圧
血液およびリンパ系障害
貧血
因果関係は明らかではないが、AG881-C-004試験において、本剤群の6/168例(3.6%)及びプラセボ群の2/163例(1.2%)に悪性転化*が認められた。無作為化から悪性転化までの期間の中央値[最小、最大](箇月)は、本剤群で16.6[6.9, 22.5]、プラセボ群で9.2[9.0, 9.4]であった(2023年3月7日データカットオフ)。
*:本剤又はプラセボの投与中止後の手術における病理組織学的検査でGrade 3又は4と確認された場合を「悪性転化」と定義した。
ラットを用いた反復経口投与毒性試験において、臨床曝露量の24.7倍以上に相当する用量で、雌性生殖器への影響(性周期消失、卵巣黄体減少及び閉鎖卵胞増加、子宮及び腟萎縮等)が認められた。
健康成人に本剤50mg注1) を単回経口投与したときのボラシデニブの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった2) 。
Cmax(ng/mL)
AUC(hr*ng/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
日本人(15例)
66.65(48.78)
3311.73(60.50)
2.00(1.00, 6.00)
184.96(40.60)
外国人(11例)
68.29(54.88)
3193.13(78.79)
2.00(0.50, 3.00)
212.10(79.13)
幾何平均値(変動係数%)、tmaxは中央値(最小値, 最大値)
神経膠腫患者に本剤40mgを1日1回反復経口投与したときの定常状態におけるボラシデニブのCmax及びAUC0-tauの幾何平均値(変動係数%)はそれぞれ133ng/mL(73)及び1,988h・ng/mL(95)であった。1日1回反復投与開始から28日以内に定常状態に到達した3) 。神経膠腫患者に単回及び1日1回反復経口投与したとき、10~200mg注1) までの用量ではボラシデニブのCmax及びAUC0-24hは用量に比例して増加した4) (外国人データ)。
本剤50mg注1) を単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティの平均値は34%であった5) (外国人データ)。
健康成人(36例)に本剤50mg注1) を単回経口投与したとき、絶食下投与に対する高脂肪食(総カロリー800~1,000 kcalのうち、50%が脂質)摂取後投与におけるボラシデニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ3.13及び1.29であった6) 。健康成人(33例)に本剤40mgを単回経口投与したとき、絶食下投与に対する低脂肪食(総カロリー約400~500kcalのうち、約25%が脂質)摂取後投与におけるボラシデニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ2.32及び1.40であった7) (外国人データ)。
本剤40mg単回投与時の分布容積の幾何平均値(変動係数%)は3,930L(40)であった7) 。ボラシデニブのヒト血漿タンパク結合率は96.5~97.4%であった8) 。また、脳腫瘍−血漿中濃度分配比は1.6であった9) 。
本剤は主にCYP1A2により代謝される(in vitro)。健康成人(5例)に14C標識した本剤50mg注1) を単回経口投与したとき、血漿中放射能の66.24%が未変化体であった10) (外国人データ)。
健康成人(5例)に14C標識した本剤50mg注1) を単回経口投与したとき、投与1,056時間後までに投与量の84.7%が糞中、4.52%が尿中に排泄された。投与408時間後までに糞中に排泄された未変化体は投与量の55.5%であり5) 、尿中に未変化体は検出されなかった(外国人データ)。
AG881-C-004試験の母集団薬物動態解析において、腎機能が正常な患者(eGFRが90mL/min/1.73m2以上)(210例)に対する軽度(eGFRが60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満)及び中等度(eGFRが30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害を有する患者(それぞれ56例及び4例)におけるボラシデニブの定常状態におけるAUCの幾何平均値の比はそれぞれ1.38及び1.26と推定された(外国人データ)。
本剤20mgを単回経口投与したとき、健康成人(11例)に対する中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B、9例)におけるボラシデニブのAUC0-tの幾何平均値の比は1.26であった11) (外国人データ)。
健康成人(26例)に、シプロフロキサシン(中程度のCYP1A2阻害剤)500mgを1日2回14日間経口投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するシプロフロキサシン併用投与時のボラシデニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.29及び2.53であった7) (外国人データ)。
本剤40mgを1日1回反復投与及びフルボキサミン(強いCYP1A2阻害剤)と併用投与したとき、本剤単独投与時に対するフルボキサミン併用投与時のボラシデニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、定常状態ではそれぞれ5.70及び7.18と推定された。,
本剤40mgを1日1回反復投与及びフェニトイン(中程度のCYP1A2誘導剤)又はリファンピシン(中程度のCYP1A2誘導剤)と併用投与したとき、本剤単独投与時と比較してフェニトイン又はリファンピシン併用投与時のボラシデニブの曝露量が低下する可能性が示唆された。
本剤40mgを1日1回反復投与及びミダゾラム(CYP3A基質)、ブプロピオン(CYP2B6基質、国内未承認)、レパグリニド(CYP2C8基質)、ワルファリン(CYP2C9基質)又はS-メフェニトイン(CYP2C19基質)と併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用時にミダゾラム、ブプロピオン、レパグリニド、ワルファリン又はS-メフェニトインの曝露量が低下する可能性が示唆された。
本剤40mgを1日1回反復投与及びロスバスタチン(BCRP基質)と併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用時にロスバスタチンの曝露量が増加する可能性が示唆された。
12歳以上かつ体重40kg以上の、手術歴があり注2) 、放射線療法又は化学療法による治療歴のないIDH1又はIDH2遺伝子変異陽性注3) のグレード2注4) の残存又は再発の星細胞腫及び乏突起膠腫患者注5) (直ちに放射線療法又はアルキル化剤を含む化学療法を行う必要のある患者を除く注6) )を対象に、無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。疾患進行又は治験中止基準に該当するまで、本剤40mg又はプラセボを1日1回経口投与した。主要評価項目は改訂Response Assessment in Neuro-Oncology for Low Grade Glioma(RANO-LGG)基準に基づく盲検下独立評価委員会による無増悪生存期間(PFS)と設定された。中間解析時点(2022年9月6日データカットオフ)におけるPFSの結果は、以下のとおりであった注7) 。
本剤群(168例)
プラセボ群(163例)
イベント例数(%)
47(28)
88(54)
中央値[月](95%信頼区間)
27.7(17.0, NE)
11.1(11.0, 13.7)
ハザード比注8)(95%信頼区間)
0.39(0.27, 0.56)注9)
P値注10)
<0.0001
NE:評価不能
中間解析のデータカットオフ(2022年9月6日)後に組み入れられた日本人部分集団16例注11) において、2024年3月14日データカットオフ時点でPFS中央値は未達であり、イベントは認められなかった(追跡調査期間の中央値[95%信頼区間](箇月):11.1[8.4, 11.1])。中間解析時点(2022年9月6日データカットオフ)における副作用発現頻度は、本剤群で65.3%(109/167例)であった。主な副作用(10%以上)は、ALT増加36.5%(61/167例)、AST増加24.6%(41/167例)、疲労21.0%(35/167例)、悪心15.0%(25/167例)、GGT増加13.2%(22/167例)、下痢12.0%(20/167例)であった。日本人部分集団における2024年3月14日データカットオフ時点の副作用発現頻度は、81.3%(13/16例)であった。主な副作用(10%以上)は、ALT増加68.8%(11/16例)、AST増加56.3%(9/16例)、GGT増加31.3%(5/16例)、悪心12.5%(2/16例)であった。
ボラシデニブは、イソクエン酸脱水素酵素(IDH)1及びIDH2に対する阻害作用を有する低分子化合物である。ボラシデニブは、変異型IDH1及びIDH2の酵素活性を阻害することで腫瘍細胞における2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)産生を阻害し、IDH1又はIDH2遺伝子変異陽性の腫瘍細胞の分化を誘導すること等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
ボラシデニブは、変異型IDH1(R132H)を発現するヒト神経膠腫由来TS603細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウス及び変異型IDH2(R140Q)を発現させたヒト神経膠腫由来U87MG細胞株を同所移植したヌードマウスにおいて、2-HG産生を阻害した(in vivo)。
ボラシデニブ クエン酸水和物(Vorasidenib Citric Acid Hydrate)
6-(6-Chloropyridin-2-yl)-N2,N4-bis[(2R)-1,1,1-trifluoropropan-2-yl]-1,3,5-triazine-2,4-diamine hemicitric acid hemihydrate
(C14H13ClF6N6)2・C6H8O7・H2O
1,039.61
白色の粉末である。
160~165℃
アセトン、アセトニトリル又はエタノールにやや溶けにくく、ヘプタン又は水にほとんど溶けない。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
30錠(プラスチックボトル、バラ、乾燥剤入り)
*30錠(プラスチックボトル、バラ、乾燥剤入り)薬価未収載品
1) 社内資料:非臨床試験(CTD2.6.6.3.1.5)
2) 社内資料:海外第I相(AG881-C-008)試験(CTD2.7.2.2.2.1)
3) 社内資料:国際共同第III相(AG881-C-004)試験(CTD2.7.2.3.1)
4) 社内資料:海外第I相(AG881-C-002)試験(CTD2.7.2.2.2.2)
5) 社内資料:海外第I相(AG881-C-005)試験(CTD2.7.2.2.2.1)
6) 社内資料:海外第I相(AG881-C-007)試験(CTD2.7.2.2.2.1)
7) 社内資料:海外第I相(PKH-95032-009)試験(CTD2.7.2.2.2.1)
8) 社内資料:非臨床試験(CTD2.6.4.4.3)
9) 社内資料:海外第I相(AG120-881-C-001)試験(CTD2.7.2.2.2.2)
10) 社内資料:海外第I相(AG881-C-005)試験(CTD2.7.2.2.2.1)
11) 社内資料:海外第I相(PKH-95032-008)試験(CTD2.7.2.2.2.1)
日本セルヴィエ株式会社お問い合わせ窓口
**〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2大手町フィナンシャルシティグランキューブ
TEL 0120-841-002月~金 9:00-17:00(祝日、弊社休業日を除く)https://nihonservier.co.jp
*本剤10mg錠は、厚生労働省告示第91号(令和8年3月17日付)に基づき、2027年3月末日までは、投薬は1回30日分を限度とされている。
日本セルヴィエ株式会社
**東京都千代田区大手町1-9-2大手町フィナンシャルシティグランキューブ
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