当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、ペグアスパルガーゼとして、下記の用法・用量で2週間間隔で点滴静脈内投与する。
21歳以下の患者:体表面積0.6m2以上の場合は1回2500国際単位/m2(体表面積)を、体表面積0.6m2未満の場合は1回82.5国際単位/kg(体重)を投与する。
22歳以上の患者:1回2000国際単位/m2(体表面積)を投与する。
副作用
基準*
処置
注入部位反応/アレルギー反応又はアナフィラキシー
Grade 1
投与速度を半減する。
Grade 2
投与を中断して適切な処置を行う。症状消失後は、投与速度を半減して再開できる。
Grade 3以上
投与を中止して適切な処置を行う。
出血
休薬する。出血管理が可能な場合は、投与を再開できる。
膵炎/リパーゼ及びアミラーゼ増加
ULN3倍超のリパーゼ又はアミラーゼ増加のみで、他に膵炎の症候を認めない
休薬する。無症候性、かつ検査値が安定又は減少傾向である場合は、投与を再開できる。
Grade 3以上の膵炎
投与を中止する。
血栓塞栓症
合併症を伴わない深部静脈血栓症
休薬する。症状消失後は、抗血栓療法を継続しながら投与を再開できる。
Grade 3以上の血栓症
肝機能障害
ULN3倍超~10倍以下の総ビリルビン増加
休薬する。総ビリルビン濃度がULNの1.5倍以下に回復した場合は、投与を再開できる。
ULN10倍超の総ビリルビン増加
* GradeはNCI-CTCAE ver5.0に準じる。
本剤を投与するにあたっては、リスクとベネフィットを慎重に検討し、投与の要否を判断した上で、過敏症に対する前投与の実施も含め、適切な安全管理下において慎重に投与すること。
本剤を投与しないこと。肝機能障害が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。L-アスパラギナーゼの動物実験(ラット・ウサギ)において催奇形性、胚吸収等が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
新生児及び乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤を代謝拮抗剤と同時投与又は本剤投与後に代謝拮抗剤を投与する場合、本剤が代謝拮抗剤の抗腫瘍効果を減弱する可能性がある。
本剤が代謝拮抗剤の効果発現に必要な細胞複製を阻害する可能性がある。
本剤を副腎皮質ホルモン剤と同時に投与する場合、凝固パラメータの変化(フィブリノゲン低下、ATIII欠乏など)が認められる又は副腎皮質ホルモン剤による骨壊死を増強する可能性がある。
本剤により副腎皮質ホルモン剤の排泄が減少し曝露が増加する可能性がある。
神経系及び造血器系の副作用が増強する可能性がある。
本剤がビンクリスチンの肝クリアランスを低下させる可能性がある。
本剤との併用により肝障害の発現率が増加したとの報告がある。
本剤がイマチニブのクリアランスを低下させる可能性がある。また、本剤による肝臓でのタンパク合成の減少により、イマチニブによる肝毒性を増加させる可能性がある。
本剤との併用により、副作用が増強する可能性がある。
本剤による肝臓でのタンパク合成の減少によるクリアランスの低下により、CYPの基質となる抗悪性腫瘍剤の代謝及び消失を妨げる可能性がある。
本剤との併用により、出血や血栓症の傾向が増強する可能性がある。
本剤により、凝固因子の増減が認められる可能性がある。
経口避妊薬の副作用が増強する可能性があるため、経口避妊薬との併用は避けること。
本剤は経口避妊薬の肝クリアランスを低下させる可能性がある。
生ワクチン接種後の患者の状態の観察を行うとともに、接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した際には適切な処置を行うこと。
本剤の免疫抑制作用により、重篤な感染症を引き起こす可能性がある。
アナフィラキシー反応(3.8%)等があらわれることがある。
急性膵炎(3.8%)、膵炎(3.8%)、再発性膵炎(頻度不明)、膵壊死(頻度不明)等があらわれることがある。
小腸出血(頻度不明)等があらわれることがある。
塞栓症(頻度不明)、脳虚血(頻度不明)、播種性血管内凝固(頻度不明)等があらわれることがある。
ALT増加(11.5%)、AST増加(11.5%)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
好中球減少(15.4%)、白血球減少(57.7%)、血小板減少(53.8%)、発熱性好中球減少症(42.3%)等があらわれることがある。
レンサ球菌性菌血症(頻度不明)、皮膚感染(頻度不明)、敗血症(頻度不明)等があらわれることがある。
高トリグリセリド血症(30.8%)、血中コレステロール増加(3.8%)等があらわれることがある。
痙攣発作(頻度不明)、失神(頻度不明)等があらわれることがある。
10%以上
5~10%未満
5%未満
頻度不明
代謝および栄養障害
低蛋白血症(38.5%)、食欲減退、低アルブミン血症
栄養障害
低血糖、低カリウム血症、脱水
高アンモニア血症
血液およびリンパ系障害
貧血(42.3%)、凝血異常
低グロブリン血症
臨床検査
アンチトロンビンIII減少(57.7%)、プラスミン・インヒビター減少(23.1%)、プラスミノーゲン減少(23.1%)、リンパ球数減少、活性化部分トロンボプラスチン時間延長
アミラーゼ増加、血中アルブミン減少、凝固検査異常、総蛋白減少
体重減少、血中乳酸脱水素酵素増加、血中尿素増加、フィブリンDダイマー増加、免疫グロブリン減少
皮膚および皮下組織障害
脱毛症(38.5%)
蕁麻疹
感染症および寄生虫症
菌血症、毛包炎、真菌感染、肺炎
神経系障害
自律神経失調症、頭痛
末梢神経障害
血管障害
潮紅
一般・全身障害および投与部位の状態
倦怠感
発熱
胃腸障害
嘔吐(38.5%)、悪心(30.8%)
口内炎、便秘、下痢
胃食道逆流性疾患、血便排泄
精神障害
気分の落ち込み、不眠症
免疫系障害
低γグロブリン血症
肝胆道系障害
脂肪性肝炎
国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
未治療の日本人B前駆細胞性急性リンパ性白血病患者に、体表面積0.6m2以上の患者には本剤2500IU/m2、体表面積0.6m2未満の患者には本剤82.5IU/kgを静脈内投与したときの血中アスパラギナーゼ活性値の推移を図1に、薬物動態パラメータを表1に示す1) 。
投与量
Cmax[IU/mL]
AUC0-inf[h・IU/mL]
t1/2[h]
CL[L/h]
Vss[L]
2500IU/m2
1.46a(0.384)
405a(85.8)
121b(100)
0.00670c(0.00348)
1.52c(0.842)
82.5IU/kg(n=4)
1.26(0.146)
387(55.1)
92.5(23.0)
0.00246(0.000395)
0.558(0.0596)
Cmax:最高血漿中濃度、AUC0-inf:無限時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積、t1/2:消失半減期、CL:クリアランス、Vss:定常状態における分布容積、a:n=22, b:n=21, c:n=19
未治療の日本人B前駆細胞性急性リンパ性白血病患者(1歳以上21歳以下)26例(第1パート:3例、第2パート:23例)を対象として、他の抗悪性腫瘍剤との併用下において、体表面積0.6m2以上の患者には本剤2500IU/m2、体表面積0.6m2未満の患者には本剤82.5IU/kgを90±30分かけて静脈内投与した注2) 。本試験の第2パートで主要評価項目とされた本剤初回投与14日後における血中アスパラギナーゼ活性値0.1IU/mL以上を示した患者の割合[95%信頼区間]は100%[85.2%, 100%](23/23例)であった1) 。
治療期(治療期間)
本剤投与時期*1
併用薬の用法・用量(1日量)
先行治療(1週間)
−
PSL(PO又はIV):15~60mg/m2、MTX(IT):8~12mg
寛解導入療法(4週間)
第12日目
PSL(PO又はIV):7.5~60mg/m2、VCR(IV):1.5mg/m2(最大2mg)、DNR(IV):30mg/m2、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL)
早期強化療法(6週間)
第38日目(HR集団のみ)
CPM(IV):1,000mg/m2、Ara-C(IV):75mg/m2、6-MP(PO):60mg/m2、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL)
強化療法(SR及びIR集団:10週間、HR集団:9週間*2)
第1及び2サイクル:第6日目、第3サイクル:第7日目(HR集団のみ)
SR及びIR集団6-MP(PO):25mg/m2、MTX(IV):2g/m2(SR患者)又は5g/m2(IR患者)、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL)HR集団第1サイクルDEX(PO又はIV):20mg/m2、Ara-C(IV):4,000mg/m2、VP-16(IV):200mg/m2、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL)第2サイクルDEX(PO又はIV):20mg/m2、VDS(IV):3mg/m2(最大5mg)、DNR(IV):30mg/m2、MTX(IV):5g/m2、IFM(IV):1,600mg/m2、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL)第3サイクルDEX(PO又はIV):20mg/m2、VCR(IV):1.5mg/m2(最大2mg)、MTX(IV):5g/m2、CPM(IV):200mg/m2、Ara-C(IV):4,000mg/m2、髄腔内注射
再寛解導入療法(SR及びIR集団:計10週間、HR集団:計15週間*3)
第2日目
DEX(PO又はIV):1.25~10mg/m2、VCR(IV):1.5mg/m2(最大2mg)、THP(IV):25mg/m2、CPM(IV):500mg/m2、Ara-C(IV):75mg/m2、6-MP(PO):60mg/m2、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL)
中間維持療法(計10週間*4)
6-MP(PO):50mg/m2、MTX(PO):20mg/m2、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL)(IR集団のみ)
−:投与しない、SR:標準リスク、IR:中間リスク、HR:高リスク、6-MP:メルカプトプリン水和物、Ara-C:シタラビン、CPM:シクロホスファミド水和物、DEX:デキサメタゾン、DNR:ダウノルビシン塩酸塩、IFM:イホスファミド、MTX:メトトレキサート、PSL:プレドニゾロン、THP:ピラルビシン、VCR:ビンクリスチン硫酸塩、VDS:ビンデシン硫酸塩、VP-16:エトポシド、PO:経口投与、IV:静脈内投与、IT:髄腔内投与、髄腔内注射(MTX、Ara-C及びPSL):MTX 8~12mg、Ara-C 20~30mg及びPSL 6~10mg、*1:寛解導入療法及び早期強化療法については、先行治療の開始日を第1日目とした投与日、*2:1サイクル3週間、*3:1サイクルを5週間として繰り返す、*4:SR及びIR集団は1サイクルを5週間として繰り返す、HR集団は1サイクルを10週間として実施
副作用発現頻度は、100%(26/26例)であった。主な副作用は、血中フィブリノゲン減少73.1%(19/26例)、白血球数減少及びアンチトロンビンIII減少57.7%(15/26例)、血小板数減少53.8%(14/26例)、発熱性好中球減少症及び貧血42.3%(11/26例)であった。
ペグアスパルガーゼは、L-アスパラギンをアスパラギン酸とアンモニアに分解し、L-アスパラギンを枯渇させることにより、腫瘍細胞におけるタンパク合成を阻害し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
ペグアスパルガーゼは、マウス悪性リンパ腫由来L5178Y及び6C3HED細胞株を腹腔内移植したマウス、並びに悪性リンパ腫を自然発症したイヌにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した2),3) 。
ペグアスパルガーゼ(Pegaspargase)
約280,000
Escherichia coliが産生するL-アスパラギナーゼの類縁体であり、サブユニット当たり平均7個のメトキシポリエチレングリコール鎖(分子量:約5,000)がリンカーを介して結合している(主なPEG結合部位:Leu1及びLys残基)。326個のアミノ酸残基からなるサブユニット4個から構成されるPEG化タンパク質(分子量:約280,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) 社内資料:国内第II相(SHP674-201試験)試験(社内資料:2023年6月26日承認、CTD 2.7.6.1.4)
2) Abuchowski A et al., Cancer Biochem Biophys. 1984; 7(2):175-186.
3) MacEwen EG et al., Cancer. 1987; 59(12):2011-2015.
日本セルヴィエ株式会社お問い合わせ窓口
〒113-0033 東京都文京区本郷1-28-34 本郷MKビル
TEL 0120-841-002月~金 9:00-17:00(祝祭日、弊社休業日を除く)https://nihonservier.co.jp/
日本セルヴィエ株式会社
東京都文京区本郷1-28-34 本郷MKビル
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.