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劇薬
処方箋医薬品注)
2型糖尿病においては急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
通常、成人では1回2~20単位を毎食事開始時に皮下注射するが、必要な場合は食事開始後の投与とすることもできる。ときに投与回数を増やしたり、持続型インスリン製剤と併用したりすることがある。
投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4~100単位である。
必要に応じ持続皮下注入ポンプを用いて投与する。
インスリン需要の変動が激しい。
,
胃内容排出の遅延がある場合、食前投与により低血糖を引き起こすおそれがある。また、アドレナリンの欠乏により低血糖の自覚症状が明確でないことがある。
低血糖を起こしやすい。
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるように指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。本剤のヒト母乳移行は不明であるが、ヒトインスリンは、ヒト母乳に移行する。
*定期的に検査を行うこと。成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化する。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすい。
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が増強される。
インスリンの分泌を促進し、糖新生を阻害する。
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
β細胞の糖に対する感受性の亢進、インスリン分泌促進により血糖降下作用を示す。また末梢で弱いインスリン様作用を有する。
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
機序は不明である。
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
動物実験においてインスリンの分泌を促進するとの報告があり、血糖降下作用が増強される可能性がある。
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗し、また糖新生を促進する。
糖質コルチコイドの産生を促し、血糖上昇作用を示す。
肝での糖新生の促進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制により血糖を上昇させる。
肝グリコーゲン分解促進、糖新生の亢進により血糖を上昇させる。
肝での糖新生を亢進させる可能性がある。
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
末梢でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
炭水化物代謝を阻害し、血糖値を上昇させる。
抗インスリン作用を有する。
インスリン分泌抑制作用を有する。
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。,,,,,,,,,,,,
アナフィラキシーショック(呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹等)、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒症
注射部位
注射部位反応(発疹、発赤、炎症、疼痛、出血、そう痒感)注1)、リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)
皮膚アミロイドーシス
その他
浮腫
1型糖尿病患者31例にグルコースクランプ施行下、クロスオーバーデザインで本剤又はヒューマログ15単位を単回皮下投与したときの血清中インスリンリスプロ濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。ヒューマログと比べて本剤投与後ではインスリンリスプロは速やかに吸収された(Early 50% Tmax)。投与後初期における曝露量(AUC0-15min、AUC0-30min)は、ヒューマログと比べて本剤投与後で増加したが、総曝露量(AUC0-∞)は本剤とヒューマログで同様であった。本剤及びヒューマログの半減期の幾何平均値(変動係数%)は、35分(31%)及び49分(33%)であった。
本剤
ヒューマログ
N
31
30
最小二乗平均値
差(本剤-ヒューマログ)[95%信頼区間]
Tmax(min)
47
59
-11.9[-23.0, -0.84]
Early 50% Tmax(min)
10.2
23.3注2)
-13.0[-15.6, -10.5]
Duration(min)
373
461
-88.2[-116, -60.0]
最小二乗幾何平均値
比(本剤/ヒューマログ)[95%信頼区間]
Cmax(pmol/L)
1091
930
1.17[1.00, 1.37]
AUC0-15min(pmol・h/L)
102
21.2
4.80[3.58, 6.43]
AUC0-30min(pmol・h/L)
319
132
2.43[1.92, 3.07]
AUC0-∞(pmol・h/L)
1921
1990
0.966[0.802, 1.16]
略語: Early 50% Tmax: Cmaxの50%に達する時間、Duration: インスリンリスプロの曝露持続時間(治験薬投与から消失相においてインスリンリスプロ濃度が定量下限値まで低下するまでの時間)
1型糖尿病患者33例に本剤又はヒューマログを被験者毎に事前に規定した投与量(平均用量12単位)で食事開始時に単回皮下投与したとき、血清中インスリンリスプロ濃度が最初に検出可能となるまでの時間(onset of appearance、平均値)は本剤0.93分、ヒューマログ4.4分であった3)(外国人データ)。
2型糖尿病患者でも同様に、ヒューマログと比べて本剤投与後では速やかなインスリンリスプロの吸収及び消失が認められた(外国人データ)。,
1型糖尿病患者24例に本剤又はヒューマログ(平均用量11単位)を皮下投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった4)。なお、薬物動態評価期間の間は単一の基礎レートとした。ヒューマログと比べて本剤投与後ではインスリンリスプロは速やかに吸収され(Early 50% Tmax)、本剤投与後初期における曝露量(AUC0-30min)は、ヒューマログと比べて本剤投与後に増加した(外国人データ)。,
24
差(本剤-ヒューマログ)[90%信頼区間]
55
61
-6.24[-18.6, 6.12]
15.6
24.1
-8.58[-11.1, -6.06]
比(本剤/ヒューマログ)[90%信頼区間]
451
457
0.985[0.778, 1.25]
31.1
19.7
1.58[1.25, 1.98]
104
71.8
1.46[1.14, 1.86]
1194
1202
0.993[0.799, 1.23]
健康被験者27例にグルコースクランプ施行下で本剤15単位を腹部、上腕部もしくは大腿部に単回皮下投与又は本剤15単位を静脈内投与注3)した5)。皮下投与について、それぞれの投与部位でのCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比とその90%信頼区間は、上腕部/腹部で1.04[0.922,1.18]及び1.03[0.992,1.07]、大腿部/腹部で0.832[0.737,0.940]及び1.00[0.962,1.04]であった。絶対的バイオアベイラビリティは、腹部、上腕部及び大腿部でそれぞれ65%、65%及び64%であった。
静脈内投与注3)時のクリアランス及び半減期の幾何平均値はそれぞれ32L/h及び44分であった(外国人データ)。
高齢1型糖尿病患者37例(65歳以上)及び非高齢1型糖尿病患者40例(18歳以上45歳以下)にグルコースクランプ施行下で本剤又はヒューマログ15単位を単回皮下投与した6)。本剤投与時の非高齢患者に対する高齢患者のCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(高齢患者/非高齢患者)とその95%信頼区間は、1.08[0.894,1.29]及び1.17[1.04,1.32]であった。高齢患者における本剤又はヒューマログ投与時の投与から血清中インスリンリスプロ濃度が最初に検出可能となるまでの時間(onset of appearance、平均値)は1.3及び6.7分、投与後初期の曝露量(AUC0-15min、幾何平均値)は37.8及び5.41pmol・h/Lであった(外国人データ)。
1型糖尿病患者31例にグルコースクランプ施行下で本剤又はヒューマログ15単位を単回皮下投与したときのグルコース注入率の推移及び薬力学作用パラメータは以下のとおりであった2)。ヒューマログと比べて本剤投与後ではグルコース低下作用が速やかに発現し(Tonset及びEarly 50% tRmax)、作用持続時間が短縮したが、総グルコース注入量(Gtot)は本剤とヒューマログで同様であった。
tRmax(min)
102.86
122.59
-19.73[-33.94, -5.52]
Tonset(min)
16.83
23.20
-6.37[-9.71, -3.03]
Early 50%tRmax (min)
29.85
40.45
-10.60[-13.98, -7.21]
Duration of action (min)
302.77
371.21
-68.44[-97.88, -39.01]
比(本剤/ヒューマログ)[95%信頼区間]
Rmax(mg/kg/min)
6.85
5.97
1.15[1.02, 1.29]
Gtot(0-30min)(mg/kg)
42.77注4)
19.76注4)
2.16[1.68, 2.86]
Gtot(0-1h)(mg/kg)
191.84
122.12
1.57 [1.34, 1.83]
Gtot(mg/kg)
1186.84
1275.54
0.93[0.79, 1.09]
略語: tRmax:最大グルコース注入率到達時間、Tonset:血糖値がベースラインから5mg/dL低下したときの時間、Early 50% tRmax:tRmaxの50%に達する時間、Duration of action:インスリンの作用持続時間、Rmax:最大グルコース注入率、Gtot:総グルコース注入量
2型糖尿病患者でも同様に、ヒューマログと比べて本剤投与時ではグルコース低下作用が速やかに発現し、総グルコース注入量は本剤とヒューマログで同様であった(外国人データ)。,
頻回注射法によるBasal-Bolus療法を実施中の18歳以上の1型糖尿病患者1222例(本剤食直前群451例(うち日本人62例)、本剤食事開始後群329例(うち日本人46例)、ヒューマログ食直前群442例(うち日本人59例))を対象に、52週間(投与期26週+維持期26週)試験を実施した7)。なお、投与期の前に基礎インスリンの投与量を調節する8週間の導入期及び投与期又は維持期の後に4週間の後観察期を設定した。盲検下で本剤もしくはヒューマログを1日3回食直前(食事開始の0~2分前)又は非盲検下で本剤を1日3回食後(食事開始後20分)に皮下投与し、投与量は食前もしくは就寝前の自己血糖測定値又はカーボカウントに基づいて調節した。また、基礎インスリンとしてインスリングラルギン(100単位/mL)を1日1回もしくは2回注11)又はインスリンデグルデク(100単位/mL)を1日1回皮下投与した。ただし、本剤食事開始後群に割り付けられた被験者のうち、日本人以外の被験者は、投与期(26週間)までとされた。主要評価項目であるベースラインから26週時のHbA1c変化量について、本剤食直前群及び本剤食事開始後群のヒューマログ食直前群に対する非劣性が示された(非劣性マージン:0.4%)。また、ベースラインから投与52週時までのHbA1c変化量(最小二乗平均値±標準誤差)は、本剤食直前群0.13±0.04%、ヒューマログ食直前群0.20±0.04%であった。
本剤食直前
本剤食事開始後
ヒューマログ食直前
無作為割付された被験者数
329
442
HbA1c (%)
7.34±0.65
7.36±0.64
7.33±0.67
7.22±0.73
7.45±0.84
7.30±0.79
-0.13±0.03
0.08±0.04
-0.05±0.03
-0.08[-0.16, 0.00]
0.13
[0.04, 0.22]
―
食後1時間血糖値の上昇幅(食事負荷試験)(mg/dL)
77.3±59.90
76.3±54.72
71.5±63.21
48.3±58.03
88.5±60.07
73.7±58.11
-28.6±3.33
12.5±3.74
-0.7±3.34
-27.9[-35.3, -20.6]
13.2
[5.0, 21.4]
食後2時間血糖値の上昇幅(食事負荷試験)(mg/dL)
112.7±86.80
108.0±85.84
101.6±88.14
77.1±78.15
98.2±81.76
103.2±86.82
-34.7±4.50
-10.2±5.04
-3.5±4.51
-31.2[-41.1, -21.2]
-6.7[-17.6, 4.3]
平均値±標準偏差、変化量は最小二乗平均値±標準誤差、変化量の差は最小二乗平均値[95%信頼区間]
無作為割付時から投与26週時までの副作用発現割合は、本剤食直前群8.0%(36/451例)、本剤食事開始後群5.8%(19/329例)、ヒューマログ食直前群6.1%(27/442例)であった。主な副作用は、注射部位反応が本剤食直前群1.6%(7/451例)、本剤食事開始後群1.2%(4/329例)、ヒューマログ食直前群0%(0/442例)、次いで注射部位疼痛が本剤食直前群1.1%(5/451例)、本剤食事開始後群0.9%(3/329例)、ヒューマログ食直前群0%(0/442例)であった。投与52週時まで(後観察期を含む)の副作用発現割合は、本剤食直前群9.5%(43/451例)、ヒューマログ食直前群8.6%(38/442例)であった。主な副作用は、注射部位反応が本剤食直前群1.6%(7/451例)、ヒューマログ食直前群0%(0/442例)、体重増加が本剤食直前群0.9%(4/451例)、ヒューマログ食直前群0.7%(3/442例)、注射部位疼痛が本剤食直前群1.1%(5/451例)、ヒューマログ食直前群0%(0/442例)であった。
無作為割付時から投与26週時までのすべての血糖値が確認された低血糖(血糖値70mg/dL以下)の発現割合及び発現率は、本剤食直前群99.6%(449/451例)及び91.9件/人・年、本剤食事開始後群98.8%(325/329例)及び99.9件/人・年、ヒューマログ食直前群99.6%(440/442例)及び99.4件/人・年であった。無作為割付時から投与52週時までのすべての血糖値が確認された低血糖(血糖値70mg/dL以下)の発現割合及び発現率は、本剤食直前群99.6%(449/451例)及び78.2件/人・年、ヒューマログ食直前群99.6%(440/442例)及び84.9件/人・年であった。,
頻回注射法によるBasal-Bolus療法を実施中の18歳以上の2型糖尿病患者673例(本剤食直前群336例(うち日本人47例)、ヒューマログ食直前群337例(うち日本人46例))を対象に、26週間試験を実施した8)。なお、投与期の前に基礎インスリンの投与量を調節する8週間の導入期及び投与期の後に4週間の後観察期を設定した。盲検下で本剤もしくはヒューマログを1日3回食直前(食事開始の0~2分前)に皮下投与し、投与量は食前もしくは就寝前の自己血糖測定値又はカーボカウントに基づいて調節した。また、基礎インスリンとしてインスリングラルギン(100単位/mL)を1日1回もしくは2回注11)又はインスリンデグルデク(100単位/mL又は200単位/mL注7))を1日1回皮下投与した。主要評価項目であるベースラインから26週時のHbA1c変化量について、本剤食直前群のヒューマログ食直前群に対する非劣性が示された(非劣性マージン:0.4%)。
336
337
7.28±0.68
7.31±0.73
6.89±0.88
6.91±0.80
-0.38±0.04
-0.43±0.04
0.06[-0.05, 0.16]
76.6±46.04
77.1±42.82
58.8±48.59
70.7±43.68
-13.8±3.60
-2.0±3.60
-11.8[-18.1, -5.5]
99.3±64.21
99.6±56.30
77.3±62.49
94.9±58.19
-19.0±4.50
-1.6±4.50
-17.4[-25.3, -9.5]
無作為割付時から後観察期間までの副作用発現割合は、本剤食直前群4.5%(15/336例)及びヒューマログ食直前群3.3%(11/337例)であった。主な副作用は、注射部位疼痛が本剤食直前群1.2%(4/336例)及びヒューマログ食直前群0%(0/337例)であった。
無作為割付時から投与26週時までのすべての血糖値が確認された低血糖(血糖値70mg/dL以下)の発現割合及び発現率は、本剤食直前群95.2%(320/336例)及び36.1件/人・年、ヒューマログ食直前群94.1%(317/337例)及び33.0件/人・年であった。,
持続皮下インスリン注入療法(CSII療法)を実施中の18歳以上の1型糖尿病患者49例を対象に、6週間のクロスオーバー試験を実施した9)。なお、クロスオーバー期の前にヒューマログによるCSII療法に切り替える2週間の導入期を設定した。盲検下で本剤又はヒューマログを通常1.5単位/分で食直前(食事開始の0~2分前)にインスリンポンプを使用して皮下投与とされ、基礎レート及び追加インスリンの投与量は目標血糖値に達するように調節した。
主要評価項目である投与6週間のクロスオーバー期における注入セットの不具合の発現率は、本剤投与時で0.03件/30日(4.1%、2/49例2件)、ヒューマログ投与時で0.05件/30日(6.3%、3/48例3件)であり、いずれも注入セットの不具合の理由は「インスリンポンプの注入遮断アラーム」であった。注入セットの早期交換は、本剤投与時に1.13件/30日(65.3%、32/49例77件)、ヒューマログ投与時に0.78件/30日(52.1%、25/48例52件)であった。
副作用の発現割合は、本剤投与時26.5%(13/49例)、ヒューマログ投与時12.5%(6/48例)であった。主な副作用は、注入部位反応が本剤投与時12.2%(6/49例)及びヒューマログ投与時6.3%(3/48例)、注入部位疼痛が本剤投与時10.2%(5/49例)及びヒューマログ投与時4.2%(2/48例)であった。
投与4~6週時におけるすべての血糖値が確認された低血糖(血糖値70mg/dL以下)の発現割合及び発現率は、本剤投与時83.0%(39/47例)及び76.3件/人・年、ヒューマログ投与時68.1%(32/47例)及び56.2件/人・年であった。
ベースライン及び投与4~6週時の食後1時間の間質液グルコース値上昇幅(平均値±標準偏差)は、本剤投与時で13.87±23.38mg/dL及び15.31±20.56mg/dL、ヒューマログ投与時で13.87±23.38mg/dL及び21.26±17.34mg/dLであり、投与4~6週時の24時間の間質液グルコース値が71~140mg/dLの範囲であった時間(平均値±標準偏差)は、本剤投与時で635.87±179.98min、ヒューマログ投与時で599.65±219.78minであった。
頻回注射法によるBasal-Bolus療法を実施中の1歳以上18歳未満の1型糖尿病患者716例(本剤食直前群280例(うち日本人3例)、本剤食事開始後群138例(うち日本人2例)、ヒューマログ食直前群298例(うち日本人7例))を対象に、26週間試験を実施した10)。なお、投与期の前に基礎インスリンの投与量を調節する4週間の導入期及び投与期の後に2週間の後観察期を設定した。盲検下で本剤もしくはヒューマログを1日3回食直前(食事開始の0~2分前)又は非盲検下で本剤を1日3回食後(食事開始後20分以内)に皮下投与し、投与量は食前もしくは就寝前の自己血糖測定値又はカーボカウントに基づいて調節した。また、基礎インスリンとしてインスリングラルギン(100単位/mL)、インスリンデテミルを1日1回もしくは2回注11)又はインスリンデグルデク(100単位/mL)を1日1回皮下投与した。主要評価項目であるベースラインから26週時のHbA1c変化量について、本剤食直前群のヒューマログ食直前群に対する非劣性が示された(非劣性マージン:0.4%)。
280
138
298
7.78±0.85
7.77±0.85
7.81±0.92
7.85±1.11
7.84±1.05
7.88±1.16
0.06±0.05
0.07±0.08
0.09±0.05
-0.02
[-0.17, 0.13]
[-0.20, 0.17]
食後1時間血糖値の上昇幅(血糖自己測定)(mg/dL)
9.7±35.81
6.6±32.44
7.6±35.04
-2.5±30.27
5.7±31.47
9.9±32.70
-11.3±1.94
-2.5±2.76
1.9±1.86
-13.2
[-18.5, -7.9]
-4.3
[-10.9, 2.2]
無作為割付時から後観察期間までの副作用発現割合は、本剤食直前群10.0%(28/280例)、本剤食事開始後群4.3%(6/138例)、ヒューマログ食直前群3.0%(9/298例)であった。主な副作用は、注射部位反応が本剤食直前群7.1%(20/280例)、本剤食事開始後群2.9%(4/138例)、ヒューマログ食直前群1.7%(5/298例)であった。
無作為割付時から投与26週時までのすべての血糖値が確認された低血糖(血糖値70mg/dL以下)の発現割合及び発現率は、本剤食直前群92.5%(259/280例)及び75.1件/人・年、本剤食事開始後群87.7%(121/138例)及び76.1件/人・年、ヒューマログ食直前群94.0%(280/298例)及び78.0件/人・年であった。,,
本剤の主要な作用はグルコース代謝の調節である。本剤の有効成分であるインスリンリスプロは、インスリンと同様にインスリン受容体に結合することにより、その特異的作用を示す。受容体に結合したインスリンは、骨格筋や脂肪組織による末梢グルコースの取込みを刺激するとともに、肝臓でのグルコース産生を阻害することにより、血糖値を低下させる。インスリンは脂肪分解や蛋白分解を阻害するとともに蛋白合成を促進する。
本剤は、クエン酸により局所での血管透過性を亢進させ、トレプロスチニルにより局所の血管を拡張させることにより、インスリンリスプロの吸収を速めた製剤である。
インスリン リスプロ(遺伝子組換え)[Insulin Lispro (Genetical Recombination)]〔JAN〕
C257H383N65O77S6
5807.57
白色の粉末である。希水酸化ナトリウム試液に溶けやすく、0.05mol/L炭酸塩緩衝液及び0.01mol/L塩酸試液にやや溶けにくく、水及びエタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。
約5.6
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
10mL×1バイアル
1) Herings RMC, et al.: Lancet. 1995; 345: 1195-1198
2) 社内資料: 日本人1型糖尿病患者におけるグルコースクランプ試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.17)
3) 社内資料: 外国人1型糖尿病患者における食事負荷試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.19)
4) 社内資料: 外国人1型糖尿病患者に持続皮下インスリン注入法で投与したときの薬物動態及び薬力学を評価した試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.21)
5) 社内資料: 外国人健康被験者における相対的及び絶対的バイオアベイラビリティを評価した試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.1)
6) 社内資料: 外国人高齢及び非高齢1型糖尿病患者におけるグルコースクランプ試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.14)
7) 社内資料: 1型糖尿病患者を対象にした国際共同第III相試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.22)
8) 社内資料: 2型糖尿病患者を対象にした国際共同第III相試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.23)
9) 社内資料: 1型糖尿病患者を対象にした持続皮下インスリン注入療法による外国第III相試験(2020年3月25日承認、CTD 2.7.6.24)
10) *Wadwa RP, et al.: Diabetes Obes Metab. 2023; 25(1): 89-97
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