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ジャイパーカ錠50mg/ジャイパーカ錠100mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗腫瘍作用
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ジャイパーカ錠50mg/ジャイパーカ錠100mg

添付文書番号

4291084F1027_1_03

企業コード

530471

作成又は改訂年月

**2025年12月改訂(第4版)
2025年9月改訂(第3版、効能変更)

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤 可逆的非共有結合型BTK注2)阻害剤
注2)BTK:Bruton's Tyrosine Kinase(ブルトン型チロシンキナーゼ)

承認等

ジャイパーカ錠50mg

販売名コード

YJコード

4291084F1027

販売名英語表記

Jaypirca® Tablets

承認番号等

承認番号

30600AMX00143

販売開始年月

2024年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36ヵ月

ジャイパーカ錠100mg

販売名コード

YJコード

4291084F2023

販売名英語表記

Jaypirca® Tablets

承認番号等

承認番号

30600AMX00144

販売開始年月

2024年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

36ヵ月

一般的名称

ピルトブルチニブ錠

1. 警告

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ジャイパーカ錠50mg

有効成分1錠中ピルトブルチニブとして50mg  
添加剤クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、含水二酸化ケイ素、ヒプロメロース、酸化チタン、トリアセチン、青色2号アルミニウムレーキ

ジャイパーカ錠100mg

有効成分1錠中ピルトブルチニブとして100mg  
添加剤クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、含水二酸化ケイ素、ヒプロメロース、酸化チタン、トリアセチン、青色2号アルミニウムレーキ

3.2 製剤の性状

ジャイパーカ錠50mg

性状・剤形青色三角形のフィルムコーティング錠
外形表面
裏面
側面
寸法・重量長径:約9.4mm
短径:約9.0mm
厚さ:約3.9mm
重量:約237mg
識別コード 6902

ジャイパーカ錠100mg

性状・剤形青色円形のフィルムコーティング錠
外形表面
裏面
側面
寸法・重量直径:約10mm
厚さ:約5.9mm
重量:約473mg
識別コード 7026

4. 効能又は効果

  • *〇他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
  • *〇他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)

6. 用法及び用量

通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
  2. 7.2 本剤投与によりグレード1)3以上の副作用が発現した場合には、ベースライン又はグレード1以下に回復するまで本剤を休薬すること。また、以下の目安を参考に用量調節すること。

    1) グレードはNCI-CTCAE ver. 5.0に準じる。

    用量調節の目安

    発現回数

    回復後の再開時投与量

    1回目

    200mg

    2回目

    100mg

    3回目

    50mg

    4回目

    投与中止

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 出血があらわれることがあり、外科的処置に伴って大量出血が生じる可能性があることから、本剤投与中に手術や侵襲的手技を実施する患者に対しては、術前術後の3~5日程度は本剤の投与中断を考慮すること。
  2. 8.2 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に血液検査を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること1)

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。生殖発生毒性試験(ラット)において、器官形成期の妊娠ラットに本剤を投与したところ臨床曝露量2)に相当する用量で胎児体重の減少、胚胎児の死亡及び催奇形性(腎臓欠損・形態異常・位置異常・小型化、尿管欠損、卵巣位置異常、子宮形態異常、胸骨分節形態異常)が認められている1),

2) 臨床推奨用量を投与時の定常状態のAUC

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤は、主にCYP3A4によって代謝され、CYP2C8、CYP2C19、CYP3A、P-gp及びBCRPの阻害作用を示す。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
  • 強い又は中程度のCYP3A誘導剤
    • リファンピシン
    • カルバマゼピン
    • エファビレンツ等
  • ,

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤がCYP3Aの代謝酵素を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

  • CYP2C8の基質となる薬剤
    • レパグリニド
    • ピオグリタゾン
    • モンテルカスト等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • P-gpの基質となる薬剤
    • ジゴキシン
    • ダビガトランエテキシラート
    • エベロリムス等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • BCRPの基質となる薬剤
    • ロスバスタチン
    • イマチニブ
    • サラゾスルファピリジン等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • CYP2C19の基質となる薬剤
    • オメプラゾール
    • ジアゼパム
    • ランソプラゾール等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がCYP2C19を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

  • CYP3Aの基質となる薬剤(経口剤)
    • ミダゾラム
    • トリアゾラム
    • ロミタピド等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤が主に消化管におけるCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 *感染症

    肺炎(3.6%)等があらわれることがある。

  2. 11.1.2 *出血

    消化管出血(0.7%)、頭蓋内出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。

  3. 11.1.3 *骨髄抑制

    好中球減少症(11.4%)、血小板減少症(6.8%)、貧血(6.8%)、発熱性好中球減少症(0.7%)等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

10%以上

5~10%未満

5%未満

*血液及びリンパ系障害

リンパ球増加症

胃腸障害

下痢

悪心、腹痛

一般・全身障害及び投与部位の状態

疲労

末梢性浮腫

感染及び寄生虫症

上気道感染、尿路感染

傷害、中毒及び処置合併症

挫傷

筋骨格系及び結合組織障害

関節痛

神経系障害

頭痛

腎及び尿路障害

血尿

呼吸器、胸郭及び縦隔障害

鼻出血

*皮膚及び皮下組織障害

発疹

点状出血

心臓障害

心房細動、心房粗動

血管障害

血腫

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

臨床試験において、皮膚癌等の二次性悪性腫瘍が認められたとの報告がある。

15.2 非臨床試験に基づく情報

反復投与毒性試験(イヌ)において、臨床曝露量未満に相当する用量で角膜への影響(角膜混濁、上皮単細胞壊死、びらん、潰瘍等)が認められている1)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

日本人の再発又は難治性のB細胞性悪性腫瘍患者3例に本剤200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与後(投与開始1日目)及び定常状態(投与開始8日目)での血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)

図1)本剤200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与及び定常状態での血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
 
表1)本剤200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与及び定常状態での薬物動態パラメータ(幾何平均値及び変動係数%)

初回投与(投与開始1日目)

定常状態(投与開始8日目)

例数

3

3

Cmax
(ng/mL)

5060
(30.6)

8610
(28.1)

tmax3)
(hr)

4.02
(2.00-4.15)

7.55
(2.05-7.75)

AUC4)
(ng・hr/mL)

26500
(29.0)

142000
(25.5)

3) 中央値(最小値-最大値)

4) 投与開始1日目は投与後0~8時間のAUC、投与開始8日目は投与間隔(24時間)のAUC

 

健康成人及び血液悪性腫瘍患者の両方において、tmaxはおよそ2時間であり、AUCの増加は線形を示し、定常状態にはおよそ5日で達した3)。また、血液悪性腫瘍患者においてAUCに基づく累積係数[幾何平均値(変動係数%)]は1.63(26.7%)であった3)(外国人データ)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1 絶対的バイオアベイラビリティ

    健康成人5例に本剤200mgを単回経口投与したときのピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティは85.5%であった4)(外国人データ)。

  2. 16.2.2 食事の影響

    健康成人20例に本剤200mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比はそれぞれ0.929及び0.775であった5)(外国人データ)。

16.3 分布

平均血液/血漿濃度比は0.79であった6)。ヒト血漿蛋白結合率は96%であり、0.5~50μmol/Lの濃度範囲で濃度依存性は認められなかった7)in vitro)。

16.4 代謝

ピルトブルチニブは主にCYP3A4により不活性代謝物に代謝される8)in vitro)。健康成人4例に[14C]-ピルトブルチニブ約200mgを単回経口投与したとき、投与96時間後までの血漿中には主に未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合は86.7%)4)(外国人データ)。

16.5 排泄

健康成人に[14C]-ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、投与量の37%(未変化体として18%)が糞便中に排泄され、57%(未変化体として10%)が尿中に排泄された4)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

    本剤200mgを単回経口投与したとき、腎機能正常被験者(8例)に対する重度の腎機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.34及び0.825であった9)(外国人データ)。なお、透析患者における薬物動態は検討していない。

  2. 16.6.2 肝機能障害患者

    本剤200mgを単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(14例)に対する軽度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.16及び1.39であった。肝機能正常被験者(14例)に対する中等度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.956及び1.11であった。

    肝機能正常被験者(14例)に対する重度の肝機能障害患者(6例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.05及び1.00であった10)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 リファンピシン

    健康成人12例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.293及び0.576であった11)(外国人データ)。

  2. 16.7.2 エファビレンツ、ボセンタン、モダフィニル

    生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(200mgを1日1回反復経口投与)単独投与時に対する①エファビレンツ、②ボセンタン及び③モダフィニル(それぞれ600mgを1日1回反復経口投与、125mgを1日2回反復経口投与及び400mgを1日1回反復経口投与)(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時のピルトブルチニブのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ①0.51及び0.67、②0.73及び0.80並びに③0.80及び0.86と推定された12)

  3. 16.7.3 レパグリニド

    健康成人16例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、レパグリニド(CYP2C8の基質)0.5mgを単回経口投与したとき、レパグリニド単独投与時に対する本剤併用投与時のレパグリニドのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.30及び1.98であった13)(外国人データ)。

  4. 16.7.4 ジゴキシン

    健康成人16例に本剤200mgとジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを併用して1日1回反復経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.35及び1.55であった14)(外国人データ)。

  5. 16.7.5 ロスバスタチン

    健康成人31例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、ロスバスタチン(BCRPの基質)20mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のロスバスタチンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.40及び2.46であった15)(外国人データ)。

  6. 16.7.6 オメプラゾール、カフェイン、S-ワルファリン

    健康成人16例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、オメプラゾール(CYP2C19の基質)40mg、カフェイン(CYP1A2の基質)200mg、及びS-ワルファリン(CYP2C9の基質)10mg(ワルファリンとして)をカクテル基質として単回経口投与したとき、カクテル基質単独投与時に対する本剤併用投与時の①オメプラゾール、②カフェイン及び③S-ワルファリンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ①1.56及び1.49、②0.940及び0.986並びに③1.11及び1.02であった16)(外国人データ)。

  7. 16.7.7 ミダゾラム

    健康成人15例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)0.5mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.70及び1.58であった。ミダゾラム0.25mgを単回静脈内投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.12及び0.993であった17)(外国人データ)。

  8. 16.7.8 その他
    1. (1) 健康成人10例にオメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mgを空腹時に単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するオメプラゾール併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.11及び1.01であった18)(外国人データ)。
    2. (2) 健康成人12例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.49及び1.04であった11)(外国人データ)。
    3. (3) 健康成人12例にリファンピシン(P-gp阻害剤)600mgを1日1回単回経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のピルトブルチニブのAUC24h及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.968及び0.929であった11)(外国人データ)。
    4. (4) 生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(200mgを1日1回反復経口投与)単独投与時に対するモダフィニル(200mg1日1回反復経口投与)(弱いCYP3A誘導剤)併用投与時のピルトブルチニブのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.86及び0.90と推定された12)
    5. (5) ピルトブルチニブはBCRPの基質である(in vitro)。
    6. (6) ピルトブルチニブはCYP2B6及びCYP2D6を阻害し、CYP2B6を誘導する(in vitro)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈マントル細胞リンパ腫〉
  1. 17.1.1 国際共同第I/II相試験(BRUIN-18001試験)

    他の共有結合型のBTK阻害剤(イブルチニブ等)に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫患者に本剤200mg5)を1日1回経口投与した。主要な有効性解析対象65例6)における、主要評価項目である中央判定による奏効率は56.9%(95%信頼区間:44.0-69.2)であった。また、日本人患者8例7)における奏効率は50.0%(95%信頼区間:15.7-84.3)であった。なお、他の共有結合型のBTK阻害剤を含む前治療歴を有する芽球様細胞性マントル細胞リンパ腫患者15例における奏効率は46.7%(95%信頼区間:21.3-73.4)であった19)

    安全性評価対象となった164例5)8)中104例(63.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労(22.0%)、下痢(12.2%)、挫傷(9.8%)、呼吸困難(9.1%)、筋肉痛(8.5%)、血小板数減少(6.7%)、貧血(6.1%)、咳嗽(6.1%)であった。

    5) 本剤の開始用量が200mg以外の患者を含む。

    6) 他の共有結合型のBTK阻害剤を含む前治療歴を有する非芽球様細胞性マントル細胞リンパ腫患者のうち、投与開始順に65例までが主要な有効性解析対象とされた。

    7) 他の共有結合型のBTK阻害剤を含む前治療歴を有する非芽球様細胞性マントル細胞リンパ腫の日本人患者のうち、投与開始順に8例までが有効性解析対象とされた。

    8) 本剤単独投与を1回以上受けたすべてのマントル細胞リンパ腫患者

     

  • 〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉
  1. 17.1.2 *国際共同第III相試験(BRUIN-CLL-321試験)

    他の共有結合型のBTK阻害剤(イブルチニブ、アカラブルチニブ等)に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者238例(日本人3例を含む)を対象に、本剤200mgの1日1回単独経口投与(本剤群)及び治験担当医師が選択した化学療法(idelalisib[国内未承認]+リツキシマブ9)の併用又はベンダムスチン+リツキシマブ10)の併用)(化学療法群)を比較する非盲検無作為化第III相試験を実施した。主要評価項目である中央判定による無増悪生存期間は下表及び図のとおりであり、本剤群では化学療法群と比較して統計学的に有意な延長が認められた20)

    9) 1サイクルを28日間とし、idelalisib(国内未承認)150mgを1日2回経口投与、リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1サイクルの第1日目に投与した後、500mg/m2を2週ごとに4回、その後500mg/m2を4週ごとに3回静脈内投与。

    10) 1サイクルを28日間とし、ベンダムスチン塩酸塩70mg/m2を第1~6サイクルの第1及び2日目に静脈内投与、リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1サイクルの第1日目に投与した後、500mg/m2を2週ごとに4回、その後500mg/m2を4週ごとに3回静脈内投与。

    表1)国際共同第III相無作為化比較試験(BRUIN-CLL-321試験)における成績

    本剤群

    化学療法群

    症例数(日本人症例数)

    119(3)

    119(0)

    イベント発現例数

    45

    50

    無増悪生存期間中央値(月)

    (95%信頼区間)

    11.24

    (9.46-11.43)

    8.74

    (7.20-10.15)

    ハザード比a)

    (95%信頼区間)

    0.583

    (0.383-0.887)

    p値b)

    P=0.0105

    a)層別Cox比例ハザードモデルにより算出

    b)層別log-rank検定(有意水準:両側0.05)

    図1)無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線(BRUIN-CLL-321試験)

    安全性評価対象となった本剤群116例11)(日本人3例を含む)中61例(52.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症(11.2%)、貧血(7.8%)、下痢(6.9%)、疲労(5.2%)、好中球数減少(5.2%)、頭痛(5.2%)であった。

    11) 本剤単独投与を1回以上受けたすべての慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ピルトブルチニブは、B細胞に発現するB細胞受容体の下流シグナル伝達分子であるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害作用を有する低分子化合物である。ピルトブルチニブは、野生型BTK及び共有結合型のBTK阻害剤に対して耐性となるC481変異を有するBTKに非共有結合し、BTKのキナーゼ活性を可逆的に阻害することにより、B細胞性腫瘍の増殖を抑制すると考えられている21)

18.2 抗腫瘍作用

ピルトブルチニブは、ヒトマントル細胞リンパ腫由来REC-1細胞株を皮下移植したヌードマウス及びC481S変異を有するBTKを発現させたヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫由来TMD8細胞株を皮下移植した重症複合免疫不全マウス等において、腫瘍増殖抑制作用を示した21)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ピルトブルチニブ(Pirtobrutinib)〔JAN〕

化学名

5-Amino-3-{4-[(5-fluoro-2-methoxybenzamido)methyl]phenyl}-1-[(2S)-1,1,1-trifluoropropan-2-yl]-1H-pyrazole-4-carboxamide

分子式

C22H21F4N5O3

分子量

479.43

性状

白色~黄色~褐色の固体である。

化学構造式

融点

191℃

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

  • 〈ジャイパーカ錠50mg〉

    30錠[10錠(PTP)×3]

  • 〈ジャイパーカ錠100mg〉

    30錠[10錠(PTP)×3]

23. 主要文献

1) 社内資料: ピルトブルチニブの毒性試験(2024年6月24日承認、CTD2.6.6)

2) 社内資料: 日本人の血液悪性腫瘍患者でのピルトブルチニブの薬物動態(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.3.2.3.1)

3) 社内資料: 健康被験者と血液悪性腫瘍患者でのピルトブルチニブの薬物動態(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.1.2.1)

4) 社内資料: ピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティ及びマスバランス試験(LOXO-BTK-20007試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.2)

5) 社内資料: ピルトブルチニブの薬物動態に及ぼす食事の影響(LOXO-BTK-20009試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.4)

6) 社内資料: ピルトブルチニブのヒト血液中/血漿中濃度比(LOXO-305-DMPK-009試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.1.1.2)

7) 社内資料: ピルトブルチニブのヒト血漿蛋白結合率(LOXO-305-DMPK-060試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.1.1.3)

8) 社内資料: ピルトブルチニブの代謝(LOXO-305-DMPK-040試験、LOXO-305-DMPK-065試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.1.2.2、2.7.2.2.1.2.3)

9) 社内資料: 様々な重症度の腎機能障害を有する被験者におけるピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-20013試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.8)

10) 社内資料: 様々な重症度の肝機能障害を有する被験者におけるピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-20012試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.7)

11) 社内資料: ピルトブルチニブとイトラコナゾール及びリファンピシンの相互作用(LOXO-BTK-20006試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.9)

12) 社内資料: ピルトブルチニブの生理学的薬物動態解析(LOXO-305-DMPK-064試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.2.4.3、審査報告書)

13) 社内資料: ピルトブルチニブとレパグリニドの相互作用(LOXO-BTK-20016試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.12)

14) 社内資料: ピルトブルチニブとジゴキシンの相互作用(LOXO-BTK-20021試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.13)

15) 社内資料: ピルトブルチニブとロスバスタチンの相互作用(J2N-MC-JZNW試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.14)

16) 社内資料: ピルトブルチニブとプローブ薬カクテルの相互作用(LOXO-BTK-20010試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.11)

17) 社内資料: ピルトブルチニブとミダゾラムの相互作用(LOXO-BTK-20008試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.10)

18) 社内資料: ピルトブルチニブ薬物動態に及ぼす食事の影響及びオメプラゾールとの相互作用(LOXO-BTK-20014試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.3)

19) 社内資料: ピルトブルチニブの第I/II相試験(LOXO-BTK-18001試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.16、審査報告書)

20) *社内資料: ピルトブルチニブの第III相試験(BRUIN-CLL-321試験)

21) 社内資料: ピルトブルチニブの薬理試験(2024年6月24日承認、CTD2.6.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日本新薬株式会社 製品情報担当

〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14

フリーダイヤル 0120-321-372

TEL 075-321-9064

FAX 075-321-9061

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日本イーライリリー株式会社

神戸市中央区磯上通5丁目1番28号

26.2 販売元

日本新薬株式会社

京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14



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