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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
発現回数
回復後の再開時投与量
1回目
200mg
2回目
100mg
3回目
50mg
4回目
投与中止
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること1)。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。生殖発生毒性試験(ラット)において、器官形成期の妊娠ラットに本剤を投与したところ臨床曝露量注2)に相当する用量で胎児体重の減少、胚胎児の死亡及び催奇形性(腎臓欠損・形態異常・位置異常・小型化、尿管欠損、卵巣位置異常、子宮形態異常、胸骨分節形態異常)が認められている1)。,
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aの代謝酵素を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤がCYP2C19を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤が主に消化管におけるCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
肺炎(3.6%)等があらわれることがある。
消化管出血(0.7%)、頭蓋内出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。
好中球減少症(11.4%)、血小板減少症(6.8%)、貧血(6.8%)、発熱性好中球減少症(0.7%)等があらわれることがある。
10%以上
5~10%未満
5%未満
*血液及びリンパ系障害
リンパ球増加症
胃腸障害
下痢
悪心、腹痛
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労
末梢性浮腫
感染及び寄生虫症
上気道感染、尿路感染
傷害、中毒及び処置合併症
挫傷
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛
神経系障害
頭痛
腎及び尿路障害
血尿
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻出血
*皮膚及び皮下組織障害
発疹
点状出血
心臓障害
心房細動、心房粗動
血管障害
血腫
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
臨床試験において、皮膚癌等の二次性悪性腫瘍が認められたとの報告がある。
反復投与毒性試験(イヌ)において、臨床曝露量未満に相当する用量で角膜への影響(角膜混濁、上皮単細胞壊死、びらん、潰瘍等)が認められている1)。
日本人の再発又は難治性のB細胞性悪性腫瘍患者3例に本剤200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与後(投与開始1日目)及び定常状態(投与開始8日目)での血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
初回投与(投与開始1日目)
定常状態(投与開始8日目)
例数
3
Cmax(ng/mL)
5060(30.6)
8610(28.1)
tmax注3)(hr)
4.02(2.00-4.15)
7.55(2.05-7.75)
AUC注4)(ng・hr/mL)
26500(29.0)
142000(25.5)
健康成人及び血液悪性腫瘍患者の両方において、tmaxはおよそ2時間であり、AUCの増加は線形を示し、定常状態にはおよそ5日で達した3)。また、血液悪性腫瘍患者においてAUCに基づく累積係数[幾何平均値(変動係数%)]は1.63(26.7%)であった3)(外国人データ)。
健康成人5例に本剤200mgを単回経口投与したときのピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティは85.5%であった4)(外国人データ)。
健康成人20例に本剤200mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比はそれぞれ0.929及び0.775であった5)(外国人データ)。
平均血液/血漿濃度比は0.79であった6)。ヒト血漿蛋白結合率は96%であり、0.5~50μmol/Lの濃度範囲で濃度依存性は認められなかった7)(in vitro)。
ピルトブルチニブは主にCYP3A4により不活性代謝物に代謝される8)(in vitro)。健康成人4例に[14C]-ピルトブルチニブ約200mgを単回経口投与したとき、投与96時間後までの血漿中には主に未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合は86.7%)4)(外国人データ)。
健康成人に[14C]-ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、投与量の37%(未変化体として18%)が糞便中に排泄され、57%(未変化体として10%)が尿中に排泄された4)(外国人データ)。
本剤200mgを単回経口投与したとき、腎機能正常被験者(8例)に対する重度の腎機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.34及び0.825であった9)(外国人データ)。なお、透析患者における薬物動態は検討していない。
本剤200mgを単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(14例)に対する軽度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.16及び1.39であった。肝機能正常被験者(14例)に対する中等度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.956及び1.11であった。
肝機能正常被験者(14例)に対する重度の肝機能障害患者(6例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.05及び1.00であった10)(外国人データ)。
健康成人12例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.293及び0.576であった11)(外国人データ)。
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(200mgを1日1回反復経口投与)単独投与時に対する①エファビレンツ、②ボセンタン及び③モダフィニル(それぞれ600mgを1日1回反復経口投与、125mgを1日2回反復経口投与及び400mgを1日1回反復経口投与)(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時のピルトブルチニブのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ①0.51及び0.67、②0.73及び0.80並びに③0.80及び0.86と推定された12)。
健康成人16例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、レパグリニド(CYP2C8の基質)0.5mgを単回経口投与したとき、レパグリニド単独投与時に対する本剤併用投与時のレパグリニドのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.30及び1.98であった13)(外国人データ)。
健康成人16例に本剤200mgとジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを併用して1日1回反復経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.35及び1.55であった14)(外国人データ)。
健康成人31例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、ロスバスタチン(BCRPの基質)20mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のロスバスタチンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.40及び2.46であった15)(外国人データ)。
健康成人16例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、オメプラゾール(CYP2C19の基質)40mg、カフェイン(CYP1A2の基質)200mg、及びS-ワルファリン(CYP2C9の基質)10mg(ワルファリンとして)をカクテル基質として単回経口投与したとき、カクテル基質単独投与時に対する本剤併用投与時の①オメプラゾール、②カフェイン及び③S-ワルファリンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ①1.56及び1.49、②0.940及び0.986並びに③1.11及び1.02であった16)(外国人データ)。
健康成人15例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)0.5mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.70及び1.58であった。ミダゾラム0.25mgを単回静脈内投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.12及び0.993であった17)(外国人データ)。
他の共有結合型のBTK阻害剤(イブルチニブ等)に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫患者に本剤200mg注5)を1日1回経口投与した。主要な有効性解析対象65例注6)における、主要評価項目である中央判定による奏効率は56.9%(95%信頼区間:44.0-69.2)であった。また、日本人患者8例注7)における奏効率は50.0%(95%信頼区間:15.7-84.3)であった。なお、他の共有結合型のBTK阻害剤を含む前治療歴を有する芽球様細胞性マントル細胞リンパ腫患者15例における奏効率は46.7%(95%信頼区間:21.3-73.4)であった19)。
安全性評価対象となった164例注5)、注8)中104例(63.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労(22.0%)、下痢(12.2%)、挫傷(9.8%)、呼吸困難(9.1%)、筋肉痛(8.5%)、血小板数減少(6.7%)、貧血(6.1%)、咳嗽(6.1%)であった。
他の共有結合型のBTK阻害剤(イブルチニブ、アカラブルチニブ等)に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者238例(日本人3例を含む)を対象に、本剤200mgの1日1回単独経口投与(本剤群)及び治験担当医師が選択した化学療法(idelalisib[国内未承認]+リツキシマブ注9)の併用又はベンダムスチン+リツキシマブ注10)の併用)(化学療法群)を比較する非盲検無作為化第III相試験を実施した。主要評価項目である中央判定による無増悪生存期間は下表及び図のとおりであり、本剤群では化学療法群と比較して統計学的に有意な延長が認められた20)。
本剤群
化学療法群
症例数(日本人症例数)
119(3)
119(0)
イベント発現例数
45
50
無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間)
11.24
(9.46-11.43)
8.74
(7.20-10.15)
ハザード比a)
0.583
(0.383-0.887)
p値b)
P=0.0105
a)層別Cox比例ハザードモデルにより算出
b)層別log-rank検定(有意水準:両側0.05)
安全性評価対象となった本剤群116例注11)(日本人3例を含む)中61例(52.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症(11.2%)、貧血(7.8%)、下痢(6.9%)、疲労(5.2%)、好中球数減少(5.2%)、頭痛(5.2%)であった。
ピルトブルチニブは、B細胞に発現するB細胞受容体の下流シグナル伝達分子であるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害作用を有する低分子化合物である。ピルトブルチニブは、野生型BTK及び共有結合型のBTK阻害剤に対して耐性となるC481変異を有するBTKに非共有結合し、BTKのキナーゼ活性を可逆的に阻害することにより、B細胞性腫瘍の増殖を抑制すると考えられている21)。
ピルトブルチニブは、ヒトマントル細胞リンパ腫由来REC-1細胞株を皮下移植したヌードマウス及びC481S変異を有するBTKを発現させたヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫由来TMD8細胞株を皮下移植した重症複合免疫不全マウス等において、腫瘍増殖抑制作用を示した21)。
ピルトブルチニブ(Pirtobrutinib)〔JAN〕
5-Amino-3-{4-[(5-fluoro-2-methoxybenzamido)methyl]phenyl}-1-[(2S)-1,1,1-trifluoropropan-2-yl]-1H-pyrazole-4-carboxamide
C22H21F4N5O3
479.43
白色~黄色~褐色の固体である。
191℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
30錠[10錠(PTP)×3]
1) 社内資料: ピルトブルチニブの毒性試験(2024年6月24日承認、CTD2.6.6)
2) 社内資料: 日本人の血液悪性腫瘍患者でのピルトブルチニブの薬物動態(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.3.2.3.1)
3) 社内資料: 健康被験者と血液悪性腫瘍患者でのピルトブルチニブの薬物動態(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.1.2.1)
4) 社内資料: ピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティ及びマスバランス試験(LOXO-BTK-20007試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.2)
5) 社内資料: ピルトブルチニブの薬物動態に及ぼす食事の影響(LOXO-BTK-20009試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.4)
6) 社内資料: ピルトブルチニブのヒト血液中/血漿中濃度比(LOXO-305-DMPK-009試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.1.1.2)
7) 社内資料: ピルトブルチニブのヒト血漿蛋白結合率(LOXO-305-DMPK-060試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.1.1.3)
8) 社内資料: ピルトブルチニブの代謝(LOXO-305-DMPK-040試験、LOXO-305-DMPK-065試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.1.2.2、2.7.2.2.1.2.3)
9) 社内資料: 様々な重症度の腎機能障害を有する被験者におけるピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-20013試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.8)
10) 社内資料: 様々な重症度の肝機能障害を有する被験者におけるピルトブルチニブの薬物動態(LOXO-BTK-20012試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.7)
11) 社内資料: ピルトブルチニブとイトラコナゾール及びリファンピシンの相互作用(LOXO-BTK-20006試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.9)
12) 社内資料: ピルトブルチニブの生理学的薬物動態解析(LOXO-305-DMPK-064試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.2.2.2.4.3、審査報告書)
13) 社内資料: ピルトブルチニブとレパグリニドの相互作用(LOXO-BTK-20016試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.12)
14) 社内資料: ピルトブルチニブとジゴキシンの相互作用(LOXO-BTK-20021試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.13)
15) 社内資料: ピルトブルチニブとロスバスタチンの相互作用(J2N-MC-JZNW試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.14)
16) 社内資料: ピルトブルチニブとプローブ薬カクテルの相互作用(LOXO-BTK-20010試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.11)
17) 社内資料: ピルトブルチニブとミダゾラムの相互作用(LOXO-BTK-20008試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.10)
18) 社内資料: ピルトブルチニブ薬物動態に及ぼす食事の影響及びオメプラゾールとの相互作用(LOXO-BTK-20014試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.3)
19) 社内資料: ピルトブルチニブの第I/II相試験(LOXO-BTK-18001試験)(2024年6月24日承認、CTD2.7.6.16、審査報告書)
20) *社内資料: ピルトブルチニブの第III相試験(BRUIN-CLL-321試験)
21) 社内資料: ピルトブルチニブの薬理試験(2024年6月24日承認、CTD2.6.2)
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