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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはイムルネストラントとして1日1回400mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
副作用
程度注1)
処置
肝機能障害
持続する又は再発のAST又はALTの増加が基準値上限の3倍超~5倍以下
ベースライン又は基準値上限の1倍超~3倍以下に回復するまで休薬する。
再開する場合には同量で再開できる。
以下のいずれかの条件を満たす場合
・ベースラインのAST又はALTが正常範囲内の場合、AST又はALTの増加が基準値上限の5倍超~20倍以下
・ベースラインのAST又はALTが基準値上限を超えていた場合、AST又はALTの増加が基準値上限の8倍超
・ベースラインのAST又はALTが基準値上限の1.5倍以上の場合、AST又はALTの増加がベースラインの3倍以上又は基準値上限の8倍超のいずれかに該当するとき
再開する場合には1回200mgに減量する。
・AST又はALTの増加が基準値上限の20倍超
・ベースラインのAST又はALTが基準値上限の1.5倍未満の場合、胆汁うっ滞がないにも関わらず、AST又はALTの増加が基準値上限の3倍以上、かつ総ビリルビンの増加が基準値上限の2倍以上
・ベースラインのAST又はALTが基準値上限の1.5倍以上の場合、胆汁うっ滞がないにも関わらず、AST又はALTの増加がベースラインの2倍以上、かつ総ビリルビンの増加が基準値上限の2倍以上
投与を中止する。
その他の副作用
治療しても症状が継続する又は再発のグレード2で、7日以内にベースライン又はグレード1までに回復しない場合
ベースライン又はグレード1以下に回復するまで休薬する。
グレード3又は4
(無症候性の臨床検査値の変化は除く)
本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
本剤の1回用量を減量するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤の作用機序及び動物試験の結果から、妊娠中の女性に本剤を投与すると、胎児に対して有害な影響を及ぼす可能性がある。本剤を妊娠ラットの器官形成期に投与した試験で、臨床曝露量(AUC)の約0.05倍に相当する用量で着床後胚損失率及び吸収胚数高値、AUCの約0.62倍に相当する用量で催奇形性(外表、内臓及び骨格異常)が認められた1)。,,,
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A阻害剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A誘導剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
これらの薬剤の副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤がCYP2D6を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
胃腸障害
下痢
悪心、嘔吐、便秘、腹痛
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労
代謝及び栄養障害
食欲減退
筋骨格系及び結合組織障害
関節及び筋骨格痛
背部痛
神経系障害
頭痛
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
静脈血栓症に関連する事象(肺塞栓症)
咳嗽
血管障害
ほてり
臨床検査値異常
ALT増加、AST増加
トリグリセリド増加
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人の乳癌又は子宮体癌注2)患者3例に本剤400mgを1日1回空腹時反復経口投与したときの初回投与後(投与開始1日目)及び定常状態(投与開始15日目)での血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった2)。
初回投与(投与開始1日目)
定常状態(投与開始15日目)
例数
3
Cmax
(ng/mL)
186
(61)
300
(48)
tmaxa)
(hr)
4.08
(4.02-4.15)
4.13
(3.93-4.20)
AUC(0-24hr)
(ng・hr/mL)
1980
(58)
3520
(53)
a)中央値(最小値-最大値)
本剤の投与量1日1回200mgから1200mg注4)までの用量範囲で、Cmax及びAUCは用量に比例して増加した3)(外国人データ)。
健康成人8例に本剤400mgを空腹時単回経口投与したときのイムルネストラントの絶対的バイオアベイラビリティ[平均値(変動係数%)]は10.5%(32%)であった4)(外国人データ)。
健康成人8例に低脂肪食摂取後に本剤400mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるイムルネストラントのAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は2.04及び3.55であった5)(外国人データ)。高脂肪食摂取後のイムルネストラントの曝露についてのデータはない。
母集団薬物動態解析の結果、本剤を乳癌患者に経口投与したときのイムルネストラントの見かけの分布容積[平均値(変動係数%)]は4310L(69%)であった3)。ヒト血漿蛋白結合率は99.93~99.96%であり、濃度依存性は認められなかった6)(in vitro)。
イムルネストラントは、硫酸化、CYP3A4による酸化、並びにUGT1A1、1A3、1A8、1A9及び1A10による直接グルクロン酸抱合によって代謝される7)(in vitro)。健康成人6例に14C-イムルネストラント400mgを単回経口投与したとき、血漿中には主に未変化体及びグルクロン酸抱合体が検出された(血漿中総放射能のAUCに対する割合は、それぞれ19.8%及び19.9%であった)(外国人データ)。
乳癌患者の母集団薬物動態解析の結果、本剤を経口投与したときのイムルネストラントの消失半減期は約30時間で、見かけのクリアランス[平均値(変動係数%)]は166L/h(51%)であった3)。
健康成人5例に14C-イムルネストラント400mgを単回経口投与したとき、投与量の97.3%(未変化体として61.8%)が糞便中に排泄され、0.278%が尿中に排泄された4)(外国人データ)。
本剤400mgを単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(9例)に対する軽度肝機能障害被験者(6例)のAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比はそれぞれ1.23及び1.29であった。同様に中等度肝機能障害被験者(6例)では2.22及び1.51であった。重度肝機能障害被験者(6例)に本剤200mgを単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(9例)に対する投与量補正したAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比はそれぞれ3.06及び1.62であった8)(外国人データ)。,
母集団薬物動態解析の結果、腎機能注3)が正常(448例)、軽度(482例)及び中等度(108例)の腎機能障害患者においてイムルネストラントの薬物動態に大きな影響は見られなかった。
健康成人20例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mg注4)を併用して単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のイムルネストラントのAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ2.11及び1.87であった5)(外国人データ)。,
健康成人29例にカルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)300mgを1日2回反復経口投与し、本剤400mgを併用して単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するカルバマゼピン併用投与時のイムルネストラントのAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.578及び0.710であった5)(外国人データ)。
健康成人27例に本剤800mg注4)及びデキストロメトルファン(CYP2D6の基質)30mgを併用して単回経口投与したとき、本剤非併用時に対する本剤併用投与時のデキストロメトルファンのAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.33及び1.43であった10)(外国人データ)。
健康成人27例に本剤400mg及びジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを併用して単回経口投与したとき、本剤非併用時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.39及び1.60であった10)(外国人データ)。
健康成人27例に本剤400mg及びロスバスタチン(BCRPの基質)10mgを併用して単回経口投与したとき、本剤非併用時に対する本剤併用投与時のロスバスタチンのAUCinf及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.49及び1.65であった10)(外国人データ)。
アロマターゼ阻害剤を含む内分泌療法歴のある、ER陽性かつHER2陰性の局所進行又は遠隔転移を有する乳癌患者874例を対象に、本剤単独投与(投与群A)、治験担当医師が選択した治療(フルベストラント又はエキセメスタン)(投与群B)、及び本剤とアベマシクリブの併用投与(投与群C)を比較する無作為化非盲検第III相国際共同試験を実施した注5)。投与群Aでは本剤400mg(1日1回)、投与群Bではフルベストラント500mg(1サイクルを28日間として、第1サイクルの1及び15日目、第2サイクル以降は1日目)又はエキセメスタン25mg(1日1回)を疾患進行等が認められるまで投与を継続した。なお、男性及び閉経前の女性に対しては、LH-RHアゴニストの使用下で投与した。主要評価項目である治験担当医師判定による無増悪生存期間(PFS)について、ESR1遺伝子変異陽性集団における解析結果は表1)及び図1)のとおりであった12)。
全体集団
本剤(投与群A)
フルベストラント又はエキセメスタン(投与群B)
症例数(日本人症例数)
138(11)
118(6)
イベント発現例数
109
102
無増悪生存期間中央値(月)(95%信頼区間)
5.49(3.91-7.39)
3.84(3.68-5.52)
ハザード比(95%信頼区間)
0.617(0.464-0.821)
層別ログランク検定(両側)
p=0.0008
安全性対象集団では、投与群Aの327例(日本人30例を含む)中160例(48.9%)、投与群Bの324例(日本人24例を含む)中104例(32.1%)に副作用が認められた。ESR1遺伝子変異陽性集団では、投与群Aの137例(日本人11例を含む)中78例(56.9%)、投与群Bの117例(日本人6例を含む)中32例(27.4%)に副作用が認められた。
安全性対象集団で認められた主な副作用は、投与群Aでは下痢(12.2%)、悪心(9.5%)、疲労(6.7%)、AST増加(5.8%)、無力症(5.8%)であった。
イムルネストラントは、野生型及び変異型エストロゲン受容体α(ERα)に結合する選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)であり、ERαを分解してER依存性の遺伝子の転写を阻害することにより、ESR1遺伝子変異陽性の乳癌に対して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。なお、イムルネストラントは、未成熟ラットで子宮重量増加作用を示さなかったことから、アゴニスト様作用を示さずに乳癌細胞の増殖を抑制すると考えられる13)。,
イムルネストラントは、野生型ヒトERαを発現するヒト乳癌由来MCF7及びT47D細胞株、変異型(Y537Nヘテロ接合型又はホモ接合型)ヒトERαを発現させたMCF7及びT47D細胞株、並びに変異型(Y537S)ヒトERαを発現する乳癌患者由来ST941/C腫瘍細胞に対して、増殖抑制作用を示した(in vitro)。
イムルネストラントは、野生型ヒトERαを発現するヒト乳癌由来MCF7、T47D細胞株等をそれぞれ皮下移植した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウス及び変異型ERαを発現する乳癌患者由来ST941/HI、ST941/PBR(CDK4/6阻害剤に対する耐性を有する)腫瘍組織片等をそれぞれ皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した13)(in vivo)。
イムルネストラントトシル酸塩(Imlunestrant Tosilate)〔JAN〕
(5R)-5-(4-{2-[3-(Fluoromethyl)azetidin-1-yl]ethoxy}phenyl)-8-(trifluoromethyl)-5H-[1]benzopyrano[4,3-c]quinolin-2-ol mono(4-methylbenzenesulfonate)
C29H24F4N2O3・C7H8O3S
696.71
白色~黄色の粉末、メタノールにやや溶けにくく、エタノール、アセトニトリル及び0.1mol/L塩酸に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約245℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
28錠[14錠(PTP)×2]
1) 社内資料: イムルネストラントの毒性試験
2) 社内資料: 日本人の乳癌患者でのイムルネストラントの薬物動態
3) 社内資料: イムルネストラントの薬物動態プロファイル
4) 社内資料: イムルネストラントの絶対的バイオアベイラビリティ及びマスバランス試験(JZLE試験)
5) 社内資料: イムルネストラントの薬物動態に及ぼす食事の影響及び各種併用薬との相互作用(JZLD試験)
6) 社内資料: イムルネストラントの血漿蛋白結合試験
7) 社内資料: イムルネストラントのin vitro代謝試験(LY3484356PrelimMetab試験)
8) 社内資料: 様々な重症度の肝機能障害を有する被験者におけるイムルネストラントの薬物動態(JZLG試験)
9) 社内資料: イムルネストラントの薬物動態に及ぼすUGT1A1遺伝子多型の影響
10) 社内資料: イムルネストラント及び各種基質薬剤との相互作用(JZLI試験)
11) 社内資料: イムルネストラントがミダゾラムの薬物動態に及ぼす相互作用(JZLK試験)
12) 社内資料: イムルネストラントの第III相試験(JZLC試験)
13) 社内資料: イムルネストラントの薬理試験
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