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最適使用推進ガイドライン対象品目
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、レブリキズマブ(遺伝子組換え)として初回及び2週後に1回500mg、4週以降、1回250mgを2週間隔で皮下投与する。なお、患者の状態に応じて、4週以降、1回250mgを4週間隔で皮下投与することができる。
本剤による治療反応は、通常投与開始から16週までには得られる。16週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。
本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと。また、患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること。本剤はIL-13を阻害することにより2型免疫応答を減弱させ、寄生虫感染に対する生体防御機能を減弱させる可能性がある。
本剤投与開始後に経口ステロイドを急に中止しないこと。経口ステロイドの減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎児に移行することが確認されているが、胎児・出生児に毒性及び催奇形性は認められなかった1),2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトの乳汁中への移行及び授乳された乳児への影響は不明である。本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られている。
12歳未満の患者及び12歳以上18歳未満でかつ体重40kg未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
0.1~1%未満
眼障害
アレルギー性結膜炎
角膜炎、春季カタル
一般・全身障害および投与部位の状態
注射部位反応(紅斑、疼痛、そう痒感、腫脹等)
感染症および寄生虫症
結膜炎
帯状疱疹
血液およびリンパ系障害
好酸球増加症
投与時は以下の点を注意すること。
アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相試験4試験の併合集団において、本剤の投与を受けた1270例(日本人患者275例を含む)中50例(3.9%)に抗薬物抗体(ADA)の発現が認められ、うち46例は中和抗体も陽性であった。ADA陽性例ではADA陰性例と比べて血清中レブリキズマブ濃度が低下する傾向が認められたが、ADAの発現による本剤の有効性及び安全性への影響は示唆されなかった。
日本人健康成人に本剤125、250、及び375mg注1)を単回皮下投与したときの血清中レブリキズマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。血清中レブリキズマブ濃度は投与後約4~7日で最高値に達し、消失半減期は約3週間であった3)。
投与量
(例数)
tmaxa)
(day)
Cmax
(μg/mL)
AUC0-∞
(μg・day/mL)
t1/2
125mg
(7例)
4.00
(1.00 - 14.0)
15.3
(4.37)
643
(134)
23.1
(2.48)
250mg
6.00
(4.00 - 14.0)
29.0
(7.99)
1210
(324)
21.3
(5.61)
375mg
6.96
(6.94 - 7.95)
47.2
(8.28)
1790
(297)
20.4
(1.61)
算術平均値(標準偏差)
a)中央値(最小値 - 最大値)
健康成人及びアトピー性皮膚炎患者2126例(日本人患者297例を含む)のデータを用いて母集団薬物動態解析を実施した。本剤250mgを4週間隔で皮下投与したときの日本人患者のCmax,ssは67.7μg/mL、Ctrough,ssは33.7μg/mL、AUCτ,ssは1470μg・day/mL、終末相のt1/2は20.1dayであった。また、本剤250mgを2週間隔で皮下投与したときのCmax,ssは115μg/mL、Ctrough,ssは88.7μg/mLであった3)。
健康成人及びアトピー性皮膚炎患者に本剤37.5~500mg注1)を皮下投与したとき、本剤の薬物動態には線形性が認められた。母集団薬物動態解析により推定された本剤皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティの母集団平均値は約86%であった。本剤の吸収に投与部位による違いは認められなかった。母集団薬物動態解析により推定された本剤皮下投与時の定常状態における分布容積及びクリアランスは4.32L、0.155L/dayであった4)。
日本の分類でミディアム~ストロングクラス以上に相当するステロイド外用薬に対して効果不十分であった、成人又は12歳以上の小児(体重40kg以上)の中等症から重症注2)のアトピー性皮膚炎患者286例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。ステロイド外用薬併用下、本剤250mg(初回のみ500mg)を4週間隔(Q4W)、本剤250mg(初回及び投与2週時のみ500mg)又はプラセボを2週間隔(Q2W)で16週間皮下投与した注3)。導入投与期間(0~16週時)で本剤をQ2Wで投与され、レスポンダー注4)と判断された患者を、16週時に本剤250mgのQ2W群又はQ4W群に1:1で再無作為化し68週時まで投与した(維持投与期間:16~68週)。導入投与期間で本剤をQ4W又はプラセボを投与され、レスポンダー注4)と判断された患者は維持投与期間の治験薬及び用法・用量を継続した。いずれの投与群においても、16週時にノンレスポンダー注4)と判断された患者は、非盲検下で本剤250mgのQ2W投与を行った。主要評価項目は、16週時に治験担当医師による総合評価(Investigator's Global Assessment:IGA)スコアが0又は1、かつ、ベースラインから2ポイント以上の改善(IGA(0,1))を達成した被験者の割合及び16週時にEASIスコアでベースラインからの75%以上の改善(EASI-75)を達成した被験者の割合とした。両主要評価項目において、本剤Q2W投与群及び本剤Q4W投与群はプラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた5),6),7)。
表1)投与16週時の有効性成績(ITT集団)
16週時
Q2W群
Q4W群
プラセボ群
IGA(0,1)達成割合注5)
33.4
(41/123)
29.1
(24/81)
6.1
(5/82)
27.3
[17.5, 37.0]
p<0.001
22.6
[11.6, 33.6]
-
EASI-75達成割合注5)
51.2
(63/123)
(38/81)
13.4
(11/82)
37.6
[26.2, 49.0]
33.2
[20.6, 45.8]
痒みNRS4点以上改善達成割合注5),注6)
32.7
(26/80)
23.8
(14/59)
3.3
(2/60)
29.2
[17.9, 40.4]
20.6
[8.7, 32.4]
68週時
Q2W/Q2W群注8)
(レスポンダー)
Q2W/Q4W群注8)
Q2W継続群注9)
(ノンレスポンダー)
Q4W継続群注10)
IGA(0,1)達成割合注11),注14),注15)
81.3
(20/24)
66.3
(11/16)
31.8
(14/44)
(15/23)
EASI-75達成割合注12),注14),注15)
88.6
(26/29)
83.4
(28/33)
79.5
(35/44)
82.6
(31/38)
痒みNRS4点以上改善達成割合注13),注14),注15)
62.5
(5/8)
57.1
(4/7)
43.8
(14/32)
87.5
(7/8)
導入投与期間(16週まで)の副作用は、本剤Q2W群で25.2%(31/123例)に、Q4W群で17.3%(14/81例)に、プラセボ群で13.4%(11/82例)に認められ、主な副作用はQ2W群でアレルギー性結膜炎13.8%(17/123例)及び結膜炎4.1%(5/123例)、Q4W群でアレルギー性結膜炎8.6%(7/81例)及び結膜炎2.5%(2/81例)であった。維持投与期間(16週以降68週時まで)の副作用は、Q2W/Q2W群注8)で28.1%(9/32例)に、Q2W/Q4W群注8)で27.3%(9/33例)に、Q4W/Q4W群注10)で21.1%(8/38例)に認められ、主な副作用はQ2W/Q2W群注8)でアレルギー性結膜炎9.4%(3/32例)及び注射部位紅斑9.4%(3/32例)、Q2W/Q4W群注8)で注射部位反応6.1%(2/33例)、Q4W/Q4W群注10)でアレルギー性結膜炎5.3%(2/38例)であった(いずれもレスポンダーの結果)。
ステロイド外用薬に対して効果不十分であった、成人又は12歳以上の小児(体重40kg以上)の中等症から重症注16)のアトピー性皮膚炎患者228例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。ステロイド外用薬併用下、本剤250mg(初回及び投与2週時のみ500mg)又はプラセボをQ2Wで16週間皮下投与した注17)。主要評価項目は、16週時にIGA(0,1)を達成した被験者の割合及び16週時にEASI-75を達成した被験者の割合とした。両主要評価項目において、本剤Q2W投与群は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた8)。
プラセボ群との差
[95%信頼区間]
p値注20)
IGA(0,1)達成割合注18)
41.2
(60/145)
22.1
(15/66)
18.3
[5.1, 31.5]
p=0.011
EASI-75達成割合注18)
69.5
(101/145)
42.2
(28/66)
26.4
[12.1, 40.8]
痒みNRS4点以上改善達成割合注18),注19)
50.6
(66/130)
31.9
(18/57)
19.2
[4.3, 34.1]
16週までの副作用は本剤Q2W群で11.7%(17/145例)に、プラセボ群で4.5%(3/66例)に認められ、主な副作用はQ2W群で結膜炎4.8%(7/145例)であった。
ステロイド外用薬に対して効果不十分又はステロイド外用薬の使用が推奨されない、成人又は12歳以上の小児(体重40kg以上)の中等症から重症注21)のアトピー性皮膚炎患者851例(KGAB試験:424例、KGAC試験:445例)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。単独で本剤250mg(初回及び投与2週時のみ500mg)又はプラセボをQ2Wで16週間皮下投与した注22)。導入投与期間(0~16週時)で本剤を投与され、レスポンダー注23)と判断された患者を、16週時に本剤250mgのQ2W群、Q4W群、又はプラセボ群に2:2:1で再無作為化し52週時まで投与した(維持投与期間:16~52週)。
主要評価項目は、16週時にIGA(0,1)を達成した被験者の割合及び16週時にEASI-75を達成した被験者の割合とした。両主要評価項目において、本剤Q2W投与群は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた9),10)。
KGAB試験
プラセボ群との差[95%信頼区間]
p値注26)
IGA(0,1)達成割合注24)
43.1
(122/283)
12.7
(18/141)
29.7
[21.6, 37.8]
EASI-75達成割合注24)
58.8
(166/283)
16.2
(23/141)
42.0
[33.3, 50.6]
痒みNRS4点以上改善達成割合注24),注25)
45.9
(121/263)
13.0
(17/130)
32.9
[24.6, 41.3]
KGAC試験
(93/281)
10.8
(16/146)
21.9
[14.2, 29.6]
52.1
(146/281)
18.1
(26/146)
33.3
[24.4, 42.2]
39.8
(101/253)
11.5
(15/134)
28.3
[20.0, 36.5]
Q2W/Q2W群注28)
Q2W/Q4W群注28)
IGA(0,1)達成割合注27),注29)
75.8
(34/45)
74.2
(33/45)
46.5
(10/22)
[4.6, 53.3]
28.0
[2.8, 53.2]
EASI-75達成割合注27),注30)
79.2
(48/61)
(49/62)
61.3
(18/30)
17.5
[-4.5, 39.5]
17.9
[-2.3, 38.1]
痒みNRS4点以上改善達成割合注27),注31)
81.2
80.4
(23/29)
65.4
(11/17)
16.6
[-9.4, 42.7]
15.8
[-12.2, 43.8]
Q2/Q4W群注28)
64.6
(21/32)
80.6
(26/32)
49.8
(8/16)
[-17.5, 44.3]
32.6
[2.6, 62.5]
77.4
(39/51)
84.7
(45/53)
72.0
(19/27)
4.8
[-17.8, 27.3]
12.8
[-9.5, 35.1]
90.3
(21/23)
88.1
(32/36)
67.6
(7/11)
[-10.6, 51.4]
20.3
[-11.4, 52.0]
KGAB試験における導入投与期間(16週まで)の副作用は、本剤Q2W群で14.2%(40/282例)に、プラセボ群で10.6%(15/141例)に認められ、主な副作用はQ2W群で結膜炎5.0%(14/282例)であった。維持投与期間(16週以降52週時まで)の副作用は、Q2W/Q2W群注28)で8.1%(5/62例)に、Q2W/Q4W群注28)で14.3%(9/63例)に、プラセボ群で9.4%(3/32例)に認められた。主な副作用はQ2W/Q2W群注28)でアレルギー性結膜炎1.6%(1/62例)、眼瞼炎1.6%(1/62例)、春季カタル1.6%(1/62例)、紅斑1.6%(1/62例)、口腔ヘルペス1.6%(1/62例)、及びCOVID-19 1.6%(1/62例)、Q2W/Q4W群注28)でアレルギー性結膜炎4.8%(3/63例)であった。
KGAC試験における導入投与期間(16週まで)の副作用は、本剤Q2W群で21.4%(60/281例)に、プラセボ群で15.2%(22/145例)に認められ、主な副作用はQ2W群で結膜炎6.8%(19/281例)であった。維持投与期間(16週以降52週時まで)の副作用は、Q2W/Q2W群注28)で13.7%(7/51例)に、Q2W/Q4W群注28)で23.6%(13/55例)に、プラセボ群で14.3%(4/28例)に認められ、主な副作用はQ2W/Q2W群注28)で毛包炎3.9%(2/51例)、Q2W/Q4W群注28)で結膜炎9.1%(5/55例)及びアレルギー性結膜炎7.3%(4/55例)であった。
レブリキズマブはインターロイキン(IL)-13に結合するIgG4モノクローナル抗体である(KD値:31pM)。レブリキズマブはIL-13に結合することにより、IL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)を介したIL-13シグナル伝達を特異的に阻害する。レブリキズマブは、IL-13の内在化に関与するIL-13受容体α2サブユニット(IL-13Rα2:デコイ受容体)に対するIL-13の結合は阻害しない11)。
レブリキズマブはIL-13で誘発されるシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)6のリン酸化及び細胞増殖(ヒト赤白血病細胞株TF-1)を阻害した11)。
レブリキズマブはIL-13で誘発されるマウスの肺の炎症を抑制した11)。
レブリキズマブ(遺伝子組換え)[Lebrikizumab (Genetical Recombination)]〔JAN〕
レブリキズマブは、遺伝子組換えモノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトインターロイキン-13モノクローナル抗体の相補性決定部、並びにヒトIgG4のフレームワーク部及び定常部からなり、H鎖226番目のアミノ酸残基がProに置換されている。レブリキズマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。レブリキズマブは、445個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2本及び218個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約148,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2mL×1オートインジェクター
2mL×1シリンジ
1) *社内資料: レブリキズマブの毒性試験(2024年1月18日承認、CTD2.6.6)
2) *社内資料: レブリキズマブの薬物動態試験(2024年1月18日承認、CTD2.6.4)
3) *社内資料: 日本人及び外国人健康成人を対象とした第I相試験(KGAZ試験)(2024年1月18日承認、CTD2.7.2.2.1.4)
4) *社内資料: 健康成人及びアトピー性皮膚炎患者を対象とした母集団薬物動態解析(2024年1月18日承認、CTD2.7.2.3)
5) **,*Katoh N, et al.: Curr. Med. Res. Opin. 2025; 41(1): 1-12
6) **,*Katoh N, et al.: Br. J. Dermatol. 2024; 00: 1-14
7) **,*Tanaka A, et al.: Acta. Derm. Venereol. 2024; 104: adv34375
8) **,*Simpson EL, et al.: JAMA. Dermatol. 2023; 159(2): 182-191
9) **,*Silverberg JI, et al.: N. Engl. J. Med. 2023; 388(12): 1080-1091
10) **,*Blauvelt A, et al.: Br. J. Dermatol. 2023; 188(6): 740-748
11) *社内資料: レブリキズマブの薬理試験(2024年1月18日承認、CTD2.6.2)
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