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処方箋医薬品注)
本剤は,血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので,食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
通常,成人には,クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし,1日3回食直後に経口投与する。以後,症状,血清リン濃度の程度により適宜増減するが,最高用量は1日6,000mgとする。
通常,成人には,クエン酸第二鉄として1回500mgを1日1回食直後に経口投与する。患者の状態に応じて適宜増減するが,最高用量は1回500mgを1日2回までとする。
病態を悪化させるおそれがある。
鉄過剰症を引き起こすおそれがある。,
溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。
鉄過剰症を引き起こすおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
*キノロン系抗菌剤1),2)
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,同時に服用させないなど注意すること。
これら薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
甲状腺ホルモン剤3)
テトラサイクリン系抗生物質4),5),6)
これら薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。
セフジニル7)
抗パーキンソン剤
エルトロンボパグ オラミン
経口アルミニウム製剤注1)
他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニウム濃度が上昇したとの報告があるので,同時に服用させないなど注意すること。
クエン酸との併用により,吸収が促進されるとの報告がある。
2%以上
2%未満
*胃腸障害
下痢(12.4%),悪心,便秘
腹部不快感,嘔吐,腹部膨満,腹痛,上腹部痛,排便回数増加,胃腸障害,下腹部痛,十二指腸潰瘍,便通不規則
*臨床検査
血清フェリチン増加注2),ヘモグロビン増加,血中アルミニウム増加,γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加,ヘマトクリット増加
*その他
赤血球増加症注2),食欲減退,頭痛,高血圧,肝機能異常,湿疹,そう痒症,月経過多,倦怠感
主な症状は胃粘膜刺激による悪心,嘔吐,腹痛,血性下痢,吐血等の消化器症状である。また,頻脈,血圧低下,チアノーゼ等がみられる。重症の場合は,昏睡,ショック,肝壊死,肝不全に至ることがある。
服用初期には催吐,胃洗浄が有効である。その他に下剤,鉄排泄剤(デフェロキサミン)等の投与を行う。血圧低下や循環虚脱があらわれた場合には,昇圧剤,輸液等による対症療法を行う。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
イヌを用いたクエン酸第二鉄水和物の長期反復投与毒性試験において,最大臨床用量の鉄として慢性腎臓病における高リン血症の改善の約5倍,鉄欠乏性貧血の約30倍に相当する用量より,鉄の過剰蓄積に伴う肝臓の組織障害(慢性炎症巣,細胆管の増生及び肝実質の線維化)が認められた。これらの変化は休薬による回復性はなく,休薬期間中に病態の進行が認められた。
鉄欠乏性貧血患者12例に本剤500mgを空腹時又は食直後に単回経口投与したときの,各測定時点における血清鉄濃度をベースライン(本剤投与前)の血清鉄濃度で補正した濃度のΔCmax及びΔAUC0-24hは,空腹時投与と比較して食直後投与でそれぞれ39%及び29%増加した8)。
*健康成人男性に本剤2g(クエン酸第二鉄水和物として2g)と各薬剤を併用したときの各薬剤の薬物動態に及ぼすクエン酸第二鉄の影響を表1に示す9)(外国人データ)。
併用薬
併用薬投与量
例数
薬物動態パラメータ
試験薬単独投与時の曝露量に対する幾何平均比[90%信頼区間]
同時投与時
2時間後投与時
シプロフロキサシン
500mg
26
Cmax
58.47[50.93, 67.12]
125.93[109.70, 144.57]
AUC0-inf
57.50[50.93, 64.91]
106.21[94.08, 119.90]
ジゴキシン
0.25mg
30
105.46[91.47, 121.59]
120.93[104.88, 139.43]
102.94[94.67, 111.93]
85.21[78.37, 92.66]
グリメピリド
4mg
35
103.14[87.67, 121.33]
145.27[123.49, 170.90]
97.88[93.96, 101.97]
102.93[98.81, 107.23]
ロサルタン
100mg
59
93.08[82.89, 104.53]
118.09[105.15, 132.61]
99.10[94.93, 103.45]
93.37[89.42, 97.49]
ジルチアゼム
30mg
36
98.01[90.60, 106.04]
93.70[86.61, 101.37]
100.18[94.25, 106.49]
90.03[84.70, 95.70]
クロピドグレル
75mg
103.03[90.55, 117.24]
162.38[142.71, 184.76]
102.43[94.92, 110.55]
119.15[110.50, 128.48]
*クエン酸第二鉄水和物に含まれる3価鉄イオンは腸上皮細胞の還元酵素により一部が2価鉄イオンに還元され吸収される10)。
高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者を対象とし,本剤の投与を1日1,500mgから開始し,1日6,000mgまでの範囲で適宜増減し12週間投与した。その結果,有効性解析対象115例において,血清リン値(平均値±標準偏差)は,投与開始時7.84±1.19mg/dLに対して,投与終了時では5.31±1.23mg/dLと低下が認められた(図1)。また,血清フェリチン値(平均値±標準偏差)は,投与開始時76.79±72.42ng/mLに対して,投与終了時では147.62±104.68ng/mLであった。
安全性解析対象116例のうち,29例(25.0%)に副作用が発現した。主な副作用は,下痢12例(10.3%),腹部不快感及びヘモグロビン増加がそれぞれ4例(3.4%)であった。
高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者を対象とし,本剤の投与を1日1,500mgから開始し,1日6,000mgまでの範囲で適宜増減し52週間投与した。その結果,有効性解析対象180例において,血清リン値は,投与開始時5.53±1.24mg/dLに対して,投与終了時では5.42±1.32mg/dLと低下が維持された。また,血清フェリチン値は,投与開始時85.65±81.01ng/mLに対して,28週時では239.30±162.78ng/mLと上昇し,その後は同程度の値で推移し,投与終了時では246.71±169.30ng/mLであった。安全性解析対象180例のうち,49例(27.2%)に副作用が発現した。主な副作用は,下痢21例(11.7%),血清フェリチン増加6例(3.3%)であった。
高リン血症を呈する腹膜透析施行中の慢性腎臓病患者を対象とし,本剤の投与を1日1,500mgから開始し,1日6,000mgまで適宜増減し12週間投与した。その結果,有効性解析対象56例において,血清リン値は,投与開始時6.75±1.09mg/dLに対して,投与終了時では4.49±0.94mg/dLと低下が認められた。安全性解析対象56例のうち,21例(37.5%)に副作用が発現した。主な副作用は,便秘,下痢がそれぞれ4例(7.1%),排便回数増加,悪心,嘔吐がそれぞれ3例(5.4%)であった。
12週間投与期を完了し,継続投与が可能な患者を対象に,本剤を最長52週間継続投与した。その結果,有効性解析対象(継続投与)19例において,継続投与終了時の血清リン値は,5.18±0.95mg/dLと低下が維持された。また,継続投与例における血清フェリチン値は,投与開始時138.64±81.60ng/mLに対して,28週時では472.28±161.79ng/mLと上昇し,その後はほぼ同程度の値で推移し,継続投与終了時では488.74±152.05ng/mLであった。安全性解析対象19例のうち,11例(57.9%)に副作用が発現した。主な副作用は,血清フェリチン増加7例(36.8%),悪心3例(15.8%)であった。
高リン血症を呈する透析導入前の保存期慢性腎臓病患者を対象とし,本剤の投与を1日1,500mgから開始して1日6,000mgまでの範囲で適宜増減し,プラセボを対照に12週間投与した。その結果,有効性解析対象86例(本剤57例,プラセボ29例)において,本剤投与群の血清リン値は,投与開始時5.66±0.75mg/dLに対して,投与終了時では4.37±1.27mg/dLと低下が認められた(図2)。
本剤投与群で安全性解析対象60例のうち,19例(31.7%)で副作用が発現した。主な副作用は,下痢8例(13.3%),便秘7例(11.7%),腹部不快感及び腹部膨満がそれぞれ3例(5.0%)であった。
12週間投与期を完了し,継続投与が可能な患者を対象に,本剤を最長52週間継続投与した。その結果,有効性解析対象18例において,投与終了時の血清リン値は,4.63±1.06mg/dLと低下が維持された。また,継続投与試験における血清フェリチン値は,投与開始時では72.33±61.86ng/mL,28週時では334.00±172.46ng/mL及び継続投与終了時では373.39±166.04ng/mLであった。本剤投与群で安全性解析対象18例のうち,8例(44.4%)で副作用が発現した。主な副作用は,便秘6例(33.3%),腹部膨満3例(16.7%),下痢2例(11.1%)であった。
鉄欠乏性貧血患者を対象とし,本剤500mgを1日1回朝食直後,本剤500mgを1日2回朝夕食直後又はクエン酸第一鉄ナトリウムを1日100mg朝食後に,それぞれ7週間投与した。その結果,有効性解析対象517例(本剤500mg/日群174例,本剤1,000mg/日群172例,クエン酸第一鉄ナトリウム群171例)において,投与7週時のベースラインからのヘモグロビン値の変化量は表1のとおりであり,本剤各群のクエン酸第一鉄ナトリウム群に対する非劣性が示された。
本剤群
クエン酸第一鉄ナトリウム群(171例)
500mg/日群(174例)
1,000mg/日群(172例)
ベースラインのヘモグロビン値
9.25±0.92(174例)
9.24±0.89(172例)
9.24±0.87(171例)
Week 7のヘモグロビン値
11.99±0.90(173例)
12.55±0.95(168例)
12.35±0.85(167例)
Week 7におけるベースラインからのヘモグロビン値の変化量最小二乗平均値[95%信頼区間]a) b)
2.75[2.62, 2.88]
3.29[3.15, 3.42]
3.11[2.97, 3.24]
ヘモグロビン値の変化量の最小二乗平均値の群間差(本剤各群-クエン酸第一鉄ナトリウム群)[95%信頼区間]a) b) c)
-0.36[-0.55, -0.18]
0.18[-0.01, 0.37]
平均値±標準偏差
a)Week 3とWeek 7の両時点の有効性に関するデータが得られていない被験者は除外された(500mg/日群1例,1,000mg/日群1例及びクエン酸第一鉄ナトリウム群2例)
b)投与群,解析Visit(Scr Visit,Week 0,Week 3,Week 7),投与群と解析Visitの交互作用を固定効果,ベースライン値を共変量とし,被験者内で無構造共分散を仮定した,反復測定混合効果モデルを用いて算出
c)固定順序法により,検定の多重性を調整(本剤1,000mg/日群,本剤500mg/日群の順),有意水準両側5%
本剤投与群で安全性解析対象346例のうち,102例(29.5%)に副作用が認められた。主な副作用は,下痢67例(19.4%),悪心34例(9.8%),便秘11例(3.2%)であった。なお,高リン血症を合併していない鉄欠乏性貧血患者では,本剤投与期間を通じて,いずれの投与群でも血清リン値の変動はなかった。
鉄欠乏性貧血患者を対象とし,本剤500mgを1日1回朝食直後又は本剤500mgを1日2回朝夕食直後に最長24週間投与し,貧血改善後の鉄補充効果を検討した。その結果,有効性解析対象73例(本剤500mg/日群36例,本剤1,000mg/日群37例)において,本剤500mg/日群の血清フェリチン値は,投与開始時12.00±9.17ng/mLに対して,投与終了時では41.64±19.10ng/mLと上昇が認められた。また,本剤1,000mg/日群の血清フェリチン値は,投与開始時11.14±8.27ng/mLに対して,投与終了時では50.81±48.69ng/mLと上昇が認められた。ヘモグロビン値は,いずれの投与群でも本剤投与開始後に上昇した。なお,投与8週目以降は,治験責任医師又は治験分担医師が血清フェリチン値を参考に十分な鉄補充効果が得られたと判断した場合は,次回予定来院日までに治験薬の投与を終了することとされ,本剤500mg/日群で55.6%(20/36例)及び本剤1,000mg/日群で56.8%(21/37例)が効果十分と判断され中止した。安全性解析対象73例のうち,8例(11.0%)に副作用が認められた。主な副作用は,便秘及びヘモグロビン増加がそれぞれ2例(2.7%)であった。なお,高リン血症を合併していない鉄欠乏性貧血患者では,本剤投与期間を通じて,いずれの投与群でも血清リン値の変動はなかった。
クエン酸第二鉄水和物は,消化管内でリン酸と結合して消化管からのリン吸収を抑制することにより,血清リン濃度低下作用を示す18)。
クエン酸第二鉄水和物は,十二指腸シトクロムbにより2価鉄イオンに還元されて消化管から吸収される10)。吸収された鉄は,血中のトランスフェリンに結合して生体内を循環する。その後,骨髄にて赤芽球に取り込まれ,ヘモグロビン合成に利用されることで貧血を改善する19)。
アデニン誘発腎不全ラットにおいて,クエン酸第二鉄水和物の混餌投与(1%又は3%)により,血清リン濃度,カルシウム×リン積及び血清PTH濃度の低下作用が認められた。
アデニン誘発腎不全ラットにおいて,クエン酸第二鉄水和物の混餌投与(1%又は3%)により,腎臓及び大動脈におけるカルシウム沈着量が減少し,大動脈における石灰化(鉱質沈着)の抑制,副甲状腺過形成の抑制,並びに骨組織の多孔,線維化及び類骨形成の抑制が認められた。
クエン酸第二鉄水和物(Ferric Citrate Hydrate)
クエン酸鉄(Ⅲ)水和物(Iron(Ⅲ)citrate hydrate)
C6H8O7・xFe・yH2O
微褐色~褐色の粉末。塩酸に溶けやすく,水に極めて溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
*医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]1,000錠[10錠(PTP)×100]
1) Lehto P, et al.:Br J Clin. Pharmacol. 1994;37:82-85[RIO-002]
2) 宮崎浩行,他:病院薬学. 1995;21:488-494[RIO-003]
3) Campbell NR, et al.:Ann Intern Med. 1992;117:1010-1013[RIO-001]
4) 石橋丸應,他:薬局. 1987;38:1807-1813[RIO-004]
5) Gothoni G, et al.:Acta Med Scand. 1972;191:409-411[RIO-005]
6) Neuvonen PJ, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1974;7:357-360[RIO-006]
7) 新岡琢也,他:臨床薬理. 1995;26:145-146[RIO-007]
8) *社内資料:鉄欠乏性貧血患者を対象とした国内臨床薬理試験(GBX5-2試験)(2021年3月23日承認, CTD2.7.6.2)[RIO-047]
9) *社内資料:海外第Ⅰ相薬物相互作用試験(2021年3月23日承認, CTD2.7.2.2)[RIO-048]
10) Donovan A, et al.:Physiology. 2006;21:115-123[RIO-008]
11) 社内資料:血液透析患者を対象とした国内第Ⅲ相比較試験(GBA4-1試験)(2014年1月17日承認, CTD2.7.6.5)[RIO-009]
12) 社内資料:血液透析患者を対象とした国内第Ⅲ相長期投与試験(GBA4-6試験)(2014年1月17日承認, CTD2.7.6.7)[RIO-010]
13) 社内資料:腹膜透析患者を対象とした国内第Ⅲ相一般臨床試験(GBA4-3試験)(2014年1月17日承認, CTD2.7.6.8)[RIO-011]
14) 社内資料:保存期慢性腎臓病患者を対象とした国内第Ⅲ相比較試験(GBA4-4試験)(2014年1月17日承認, CTD2.7.6.9)[RIO-012]
15) 社内資料:保存期慢性腎臓病患者を対象とした国内第Ⅲ相継続投与試験(GBA4-7試験)(2014年1月17日承認, CTD2.7.6.10)[RIO-013]
16) *社内資料:鉄欠乏性貧血患者を対象とした国内第Ⅲ相比較試験(GBB4-1試験)(2021年3月23日承認, CTD2.7.6.10)[RIO-049]
17) *社内資料:鉄欠乏性貧血患者を対象とした国内第Ⅲ相一般臨床試験(GBB4-2試験)(2021年3月23日承認, CTD2.7.6.11)[RIO-050]
18) Iida A, et al.:Am J Nephrol. 2013;37:346-358[RIO-014]
19) *社内資料:薬理試験(2021年3月23日承認, CTD2.4.2.1)[RIO-051]
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