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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
アトピー性皮膚炎
通常,成人には,0.5%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとする。通常,小児には,0.25%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。症状に応じて,0.5%製剤を1日2回塗布することができる。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとするが,体格を考慮すること。
皮膚感染部位を避けて使用すること。なお,やむを得ず使用する場合には,あらかじめ適切な抗菌剤,抗ウイルス剤,抗真菌剤による治療を行う,若しくはこれらとの併用を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。動物実験(ラット,経口投与)で,胎児に移行することが報告されている1)。また,動物実験(ラット及びウサギ,経口投与)で,本剤の最大臨床用量における曝露量(AUC)の231倍及び528倍の曝露量で胚・胎児死亡率の増加が報告されている2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット,経口投与)で,乳汁中に移行することが報告されている3)。
**低出生体重児,新生児及び6ヵ月未満の乳児を対象に,有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
1%以上
1%未満
**感染症及び寄生虫症
適用部位毛包炎(2.4%),ヘルペス性状湿疹
口腔ヘルペス,単純ヘルペス,帯状疱疹,膿痂疹
皮膚及び皮下組織障害
接触皮膚炎
一般・全身障害及び投与部位の状態
適用部位ざ瘡(2.0%),適用部位刺激感,適用部位紅斑
適用部位そう痒感
ラットを用いた2年間経口投与がん原性試験において,胸腺腫(10mg/kg/日以上)及び皮下の脂肪腫(3mg/kg/日以上)が認められた。ラットに3及び10mg/kg/日を反復経口投与したときのデルゴシチニブの曝露量(AUC)は,最大臨床用量における曝露量の84倍及び309倍であった4)。
16歳以上のアトピー性皮膚炎患者に本剤0.5%を1回最大5g,1日2回反復塗布し,デルゴシチニブの血漿中濃度を測定した(定量下限:1.0ng/mL)。デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布4週時では11.9%(59/494例),塗布12週時では15.8%(65/411例),塗布28週時では14.2%(54/380例),塗布52週時では11.5%(30/262例)であった。最大値は,塗布4週時では10.8ng/mL,塗布12週時では13.1ng/mL,塗布28週時では13.3ng/mL,塗布52週時では7.3ng/mLであった5)。
2歳以上16歳未満のアトピー性皮膚炎患者に本剤を1回最大5g,1日2回反復塗布し,デルゴシチニブの血漿中濃度を測定した(定量下限:1.0ng/mL)。本剤0.25%を塗布した場合,デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布2週時では4.9%(3/61例),塗布4週時では5.0%(3/60例)であった。最大値は,塗布2週時では4.7ng/mL,塗布4週時では1.6ng/mLであった。また,本剤0.25%又は0.5%の長期塗布期間中,デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布12週時では16.4%(11/67例),塗布28週時では4.9%(3/61例),塗布56週時では8.8%(5/57例)であった。最大値は,塗布52週時の11.8ng/mLであった6)。
6ヵ月以上2歳未満のアトピー性皮膚炎患者に本剤を1回最大2.5g,1日2回反復塗布し,デルゴシチニブの血漿中濃度を測定した(定量下限:1.0ng/mL)。デルゴシチニブの血漿中濃度が検出された患者割合は,塗布4週時では31.8%(7/22例),塗布28週時では22.7%(5/22例),塗布52週時では4.8%(1/21例)であった。最大値は,塗布4週時では2.1ng/mL,塗布28週時では7.3ng/mL,塗布52週時では1.8ng/mLであった7)。
デルゴシチニブのヒト血漿中蛋白結合率は21.8~29.1%であった(in vitro)1)。
デルゴシチニブは,ヒト皮膚ミクロソーム及びヒト肝細胞では代謝されなかった。デルゴシチニブは,ヒト肝ミクロソームにおいてわずかに代謝され,主にCYP3A4が寄与する(in vitro)8)。
ラットに14C標識したデルゴシチニブを静脈内投与したとき,投与168時間後までに投与放射能の65.4%が尿中に排泄され,30.9%が糞中に排泄された。また,イヌに14C標識したデルゴシチニブを静脈内投与したとき,投与168時間後までに投与放射能の68.6%が尿中に排泄され,27.5%が糞中に排泄された3)。
デルゴシチニブは,P-gp,OAT3及びOCT2の基質である(in vitro)9)。
中等症~重症注1)の16歳以上のアトピー性皮膚炎患者158例を対象に,本剤0.5%又はプラセボを1日2回,1回最大5gを4週間反復塗布した。その後,継続可能な症例では本剤0.5%を1日2回,1回最大5gを24週間反復塗布した注2)。主要評価項目である塗布4週時(最終評価時)のmodified Eczema Area and Severity Index(mEASI)スコア注3)変化率は,表1のとおりであった。
mEASIスコア
mEASIスコア変化率[95%信頼区間]
群間差[95%信頼区間]p値a)
塗布開始時
塗布4週時
本剤群(106例)
14.2±3.5
8.1±6.5
-44.3%[-51.8%, -36.8%]
-46.0%[-59.1%, -32.9%]<0.0001
プラセボ群(52例)
14.5±3.8
15.3±7.8
1.7%[-9.0%, 12.5%]
平均値±標準偏差
a)ベースライン値を共変量,施設を変量効果とする混合効果モデルを用いた共分散分析
本剤0.5%を使用した患者における副作用発現頻度は,5.8%(9/154例)であった。主な副作用は,カポジ水痘様発疹1.9%(3/154例)であった。
軽症~重症注4)の16歳以上のアトピー性皮膚炎患者352例を対象に,本剤0.5%を1日2回,1回最大5gを52週間反復塗布した注5)。mEASIスコア(平均値±標準偏差)は,塗布開始時8.8±4.9,塗布4週時6.3±5.1,塗布28週時5.9±5.9,塗布52週時5.8±6.5であった。副作用発現頻度は,19.6%(69/352例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎3.1%(11/352例),適用部位ざ瘡2.8%(10/352例),適用部位刺激感2.6%(9/352例),適用部位紅斑2.0%(7/352例)であった。
軽症~重症注6)の2歳以上16歳未満のアトピー性皮膚炎患者137例を対象に,本剤0.25%又はプラセボを1日2回,1回最大5gを4週間反復塗布した。主要評価項目である塗布4週時(最終評価時)のmEASIスコア変化率は,表2のとおりであった。その後,継続可能な症例では本剤0.25%又は0.5%を1日2回,1回最大5gを52週間反復塗布した注7) 注8)。本剤0.5%を一度でも使用した被験者は,本剤開始群(比較試験で本剤0.25%を塗布した群)で76.1%,プラセボ開始群(比較試験でプラセボを塗布した群)で85.1%であった。本剤開始群では本剤0.25%又は0.5%の長期塗布期間中,mEASIスコアの改善効果は持続した。加えて,プラセボ開始群では本剤0.25%開始例及び0.5%開始例ともに,本剤の塗布開始後にmEASIスコアの改善が認められ,長期塗布期間中もその効果が持続した。
群間差[95%信頼区間]p値b)
本剤群(69例)
10.7±4.3
5.9±5.3
-39.3%[-139.5%, 60.8%]
-50.2%[-68.3%, -32.2%]<0.0001
プラセボ群(68例)
10.6±4.2
10.7±6.4
10.9%[-86.9%, 108.7%]
b)ベースライン値を共変量,施設を変量効果とする混合効果モデルを用いた共分散分析
本剤0.25%又は0.5%を使用した患者における副作用発現頻度は,9.6%(13/136例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎2.9%(4/136例)であった。
軽症~重症注9)の6ヵ月以上2歳未満のアトピー性皮膚炎患者22例を対象に,本剤0.25%又は0.5%を1日2回,1回最大2.5gを52週間反復塗布した注10) 注11)。mEASIスコア(平均値±標準偏差)は,塗布開始時10.1±5.4,塗布4週時2.6±3.0,塗布28週時1.7±2.3,塗布52週時1.7±2.0であった。副作用は認められなかった。
デルゴシチニブは,ヤヌスキナーゼファミリー(JAK1,JAK2,JAK3及びTyk2)のすべてのキナーゼ活性を阻害することにより,種々のサイトカインシグナル伝達を阻害する。本作用機序に基づき,サイトカインにより誘発される免疫細胞及び炎症細胞の活性化を抑制して皮膚の炎症を抑制する。また,サイトカインにより誘発される掻破行動(そう痒)を抑制する12)。
JAKファミリーのキナーゼ活性を,アデノシン三リン酸と競合して阻害した。
ヒト細胞において,サイトカインにより誘発されるSTATリン酸化を阻害した。
サイトカインにより誘発されるヒトT細胞及びB細胞の増殖を抑制した。また,サイトカインにより誘発されるヒトマスト細胞及び単球の炎症性サイトカインの産生を抑制した。
アトピー性皮膚炎モデルラットにおいて,皮膚の炎症を抑制した。
マウスにおいて,IL-31により誘発される掻破行動を抑制した。
デルゴシチニブ(Delgocitinib)
3-[(3S,4R)-3-Methyl-6-(7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-4-yl)-1,6-diazaspiro[3.4]octan-1-yl]-3-oxopropanenitrile
C16H18N6O
310.35
白色~微黄赤色の粉末。ジメチルスルホキシド,N,N-ジメチルホルムアミド又はN-メチルピロリドンに溶けやすく,水,メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
Log D=0.6(pH7)
医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
5g[10本]10g[10本]
5g[10本]
1) 社内資料:薬物動態試験(2020年1月23日承認,CTD 2.6.4.4)[COR-001]
2) 社内資料:生殖発生毒性試験(2020年1月23日承認,CTD 2.6.6.6)[COR-002]
3) 社内資料:薬物動態試験(2020年1月23日承認,CTD 2.6.4.6)[COR-003]
4) 社内資料:がん原性試験(2020年1月23日承認,CTD 2.6.6.5)[COR-004]
5) 社内資料:第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験併合解析(2020年1月23日承認,CTD 2.7.2.3)[COR-005]
6) 社内資料:第Ⅲ相比較及び継続長期臨床試験(QBB4-1試験)(2021年3月23日承認,CTD 2.7.6.3)[COR-030]
7) **社内資料:第Ⅲ相長期臨床試験(QBB4-2試験)[COR-039]
8) 社内資料:薬物動態試験(2020年1月23日承認,CTD 2.6.4.5)[COR-006]
9) 社内資料:薬物動態試験(2020年1月23日承認,CTD 2.6.4.7)[COR-007]
10) 社内資料:第Ⅲ相比較及び継続長期臨床試験(QBA4-1試験)(2020年1月23日承認,CTD 2.7.6.6)[COR-008]
11) 社内資料:第Ⅲ相長期臨床試験(QBA4-2試験)(2020年1月23日承認,CTD 2.7.6.7)[COR-009]
12) 社内資料:薬効薬理試験(2020年1月23日承認,CTD 2.4.2.1)[COR-010]
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