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ブイタマークリーム1%

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ブイタマークリーム1%

添付文書番号

2699717N1028_1_01

企業コード

530614

作成又は改訂年月

2024年8月改訂(第2版)
2024年6月作成

日本標準商品分類番号

872699

薬効分類名

アトピー性皮膚炎治療剤
尋常性乾癬治療剤

承認等

ブイタマークリーム1%

販売名コード

YJコード

2699717N1028

販売名英語表記

VTAMA cream 1%

販売名ひらがな

ぶいたまーくりーむ

承認番号等

承認番号

30600AMX00148000

販売開始年月

2024年10月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

24箇月

一般的名称

タピナロフクリーム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ブイタマークリーム1%

有効成分1g中
タピナロフ   10mg
添加剤プロピレングリコール,ポリソルベート80,安息香酸,クエン酸ナトリウム水和物,エデト酸ナトリウム水和物,クエン酸水和物,精製水,中鎖脂肪酸トリグリセリド,ジブチルヒドロキシトルエン,セトステアリルアルコール,ポリソルベート60,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル及びポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル

3.2 製剤の性状

ブイタマークリーム1%

性状白色のクリーム

4. 効能又は効果

  • アトピー性皮膚炎
  • 尋常性乾癬

6. 用法及び用量

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

    通常,成人及び12歳以上の小児には,1日1回,適量を患部に塗布する。

  • 〈尋常性乾癬〉

    通常,成人には,1日1回,適量を患部に塗布する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 症状が改善した場合には継続投与の必要性について検討し,漫然と長期にわたって使用しないこと。
  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 7.2 治療開始8週間以内に症状の改善が認められない場合は,使用を中止すること。
  • 〈尋常性乾癬〉
    1. 7.3 治療開始12週間以内に症状の改善が認められない場合は,使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 皮膚感染症を伴う患者

    皮膚感染部位を避けて使用すること。なお,やむを得ず使用する場合には,あらかじめ適切な抗菌剤,抗ウイルス剤,抗真菌剤による治療を行うこと,又はこれらとの併用を行うことを考慮すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。動物実験(ラット,皮下投与)で,臨床曝露量の108倍の曝露量で胎児体重の低値及び胎児骨格変異(鼻骨不完全骨化)の増加が報告されている1),2)。動物実験(ウサギ,皮下投与)で,臨床曝露量の11倍の曝露量で母動物の体重増加量の減少が認められ,胎児死亡及び胎児骨格変異(頭頂骨及び頭頂間骨の過剰縫合線)の軽度な増加が報告されている1),2)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット,皮下投与)で,乳汁中に移行することが報告されている1)

9.7 小児等

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

    12歳未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

  • 〈尋常性乾癬〉

    小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

5%以上

1~5%未満

1%未満

感染症及び寄生虫症

適用部位毛包炎(17.0%)

毛包炎

神経系障害

頭痛

胃腸障害

上腹部痛,悪心

皮膚及び皮下組織障害

接触皮膚炎

ざ瘡,乾癬,アトピー性皮膚炎

皮膚炎,毛孔性角化症,そう痒症,皮脂欠乏症,ざ瘡様皮膚炎,湿疹,色素沈着障害

一般・全身障害及び投与部位の状態

適用部位ざ瘡

適用部位刺激感,適用部位そう痒感,適用部位変色,適用部位多毛症,適用部位湿疹

適用部位疼痛,適用部位腫脹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 粘膜,潰瘍,明らかに局面を形成しているびらん等への塗布は避けること。
  2. 14.1.2 万一,眼に入った場合は,直ちに水で洗い流すこと。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

    12歳以上のアトピー性皮膚炎患者に本剤1%を1日1回反復塗布し,タピナロフの血漿中濃度を測定したa)(定量下限:ZBB4-1試験及びZBB4-2試験は50.0pg/mL,203121試験は40.0pg/mL)。タピナロフの血漿中濃度が測定可能であった患者割合は,塗布4週時では28.2%(117/415例),塗布8週時では28.3%(116/410例),塗布24週時では19.0%(70/368例),塗布52週時では10.3%(24/234例)であった。血漿中濃度の最大値は,塗布4週時では20900pg/mL,塗布8週時では5380pg/mL,塗布24週時では2610pg/mL,塗布52週時では474pg/mLであった3)

    a)第Ⅱ相臨床試験(203121試験)の日本人集団及び第Ⅲ相臨床試験(ZBB4-1試験,ZBB4-2試験)の併合解析結果

  • 〈尋常性乾癬〉

    18歳以上の尋常性乾癬患者に本剤1%を1日1回反復塗布し,タピナロフの血漿中濃度を測定したb)(定量下限:50.0pg/mL)。タピナロフの血漿中濃度が測定可能であった患者割合は,塗布4週時では12.4%(47/380例),塗布12週時では11.2%(43/383例),塗布24週時では6.6%(21/317例),塗布52週時では1.8%(4/224例)であった。血漿中濃度の最大値は,塗布4週時では743pg/mL,塗布12週時では1070pg/mL,塗布24週時では1770pg/mL,塗布52週時では287pg/mLであった3)

    b)第Ⅲ相臨床試験(ZBA4-1試験,ZBA4-2試験)の併合解析結果

16.3 分布

タピナロフのヒト血漿中蛋白結合率は99.1~99.4%であった(in vitro4),5)

16.4 代謝

タピナロフは,ヒト皮膚ミクロソームでは代謝されなかった。タピナロフの肝代謝には,CYP1A2及びCYP3A4による酸化,UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)1A9によるグルクロン酸抱合及び硫酸転移酵素(SULT)1A1,SULT1A3及びSULT1E1による硫酸抱合が寄与する(in vitro5),6)

16.5 排泄

ミニブタに14C標識したタピナロフ1%を10mg/kg単回経皮投与したとき,投与10時間後の投与部位の拭き取り及び投与168時間後の皮膚組織中から,投与放射能のそれぞれ82.5%及び1.3%が回収された。また,投与168時間後までの尿及び糞中に,投与放射能のそれぞれ0.31%及び0.22%が排泄された5),7)
ラットに14C標識したタピナロフ2mg/kgを単回皮下投与したとき,投与72時間後までの尿,糞及び胆汁中に,投与放射能のそれぞれ20.9%,5.32%及び67.3%が排泄された5),7)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 17.1.1 第Ⅲ相比較試験及び継続投与試験(ZBB4-1試験)8)

      中等症又は重症1)の12歳以上のアトピー性皮膚炎患者216例を対象に,本剤又は基剤を1日1回,8週間反復塗布した2)。主要評価項目である塗布8週時のInvestigator’s Global Assessment(IGA)反応率3)は,表1のとおりであった。その後,継続可能な症例では本剤を1日1回,16週間反復塗布した。いずれの投与群でも,本剤の塗布開始後,IGAスコアの経時的な改善傾向が認められ,IGA反応率の経時的な上昇が認められた。

      1) IGAスコアが3(中等症)又は4(重症),Eczema Area and Severity Index(EASI)スコア(被髪頭部を除く)が10以上,病変%BSA(病変が占める体表面積の割合)が5%以上30%以下(被髪頭部を除く)

      2) アトピー性皮膚炎に対する治療は併用禁止とした(ただし,8週以降は必要な場合に限り併用可能とした)。

      3) IGAスコアが0(消失)又は1(ほぼ消失)で,かつベースラインから2段階以上改善した患者の割合

      表1 塗布8週時のIGA反応率

      本剤群(144例)

      基剤群(70例)

      群間差(%)[95%信頼区間]
      p値a)

      IGA反応率
      平均値(%)

      20.24

      2.24

      18.0[10.0, 25.9]
      0.0007

      a)多重補完による欠測補完を行ったデータセットに対し,ベースライン値を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel検定

      本剤を使用した患者における副作用発現割合は,44.2%(88/199例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎15.6%(31/199例),頭痛11.1%(22/199例),適用部位ざ瘡8.5%(17/199例),毛包炎及びざ瘡がそれぞれ4.0%(8/199例)及びアトピー性皮膚炎3.0%(6/199例)であった。

    2. 17.1.2 第Ⅲ相長期投与試験(ZBB4-2試験)9)

      軽症~重症4)の12歳以上のアトピー性皮膚炎患者291例を対象に,本剤を1日1回,52週間反復塗布した5)。有効性解析対象290例において,IGA反応率は,塗布52週時41.3%(97/235例)であった。
      副作用発現割合は,61.5%(179/291例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎17.9%(52/291例),適用部位ざ瘡16.2%(47/291例),頭痛13.7%(40/291例),アトピー性皮膚炎8.2%(24/291例),ざ瘡7.2%(21/291例)及び接触皮膚炎5.5%(16/291例)であった。

      4) IGAスコアが2(軽症)以上4(重症)以下,EASIスコア(被髪頭部を除く)が5以上,病変%BSAが5%以上30%以下(被髪頭部を除く)

      5) アトピー性皮膚炎に対する治療は併用禁止とした(ただし,必要な場合に限り併用可能とした)。

  • 〈尋常性乾癬〉
    1. 17.1.3 第Ⅲ相比較試験及び継続投与試験(ZBA4-1試験)10)

      軽症~重症6)の18歳以上の尋常性乾癬患者158例を対象に,本剤又は基剤を1日1回,12週間反復塗布した7)。主要評価項目である塗布12週時のPhysician Global Assessment(PGA)反応率8)は,表2のとおりであった。その後,継続可能な症例では本剤を1日1回,12週間反復塗布した。いずれの投与群でも,本剤の塗布開始後,PGAスコアの経時的な改善傾向が認められ,PGA反応率の経時的な上昇が認められた。

      6) PGAスコアが2(軽症)以上4(重症)以下,PASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコア(被髪頭部を除く)が5以上,病変%BSAが3%以上20%以下(被髪頭部を除く)

      7) 乾癬に対する治療は併用禁止とした(ただし,12週以降は必要な場合に限り併用可能とした)。

      8) PGAスコアが0(消失)又は1(ほぼ消失)で,かつベースラインから2段階以上改善した患者の割合

      表2 塗布12週時のPGA反応率

      本剤群(106例)

      基剤群(52例)

      群間差(%)[95%信頼区間]
      p値b)

      PGA反応率
      平均値(%)

      20.06

      2.50

      18.1[8.3, 27.9]
      0.0035

      b)多重補完による欠測補完を行ったデータセットに対し,ベースライン値を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel検定

      本剤を使用した患者における副作用発現割合は,44.0%(66/150例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎13.3%(20/150例),接触皮膚炎12.7%(19/150例),毛包炎5.3%(8/150例),乾癬4.7%(7/150例)及び適用部位刺激感4.0%(6/150例)であった。

    2. 17.1.4 第Ⅲ相長期投与試験(ZBA4-2試験)11)

      軽症~重症9)の18歳以上の尋常性乾癬患者305例を対象に,本剤を1日1回,52週間反復塗布した10)。有効性解析対象304例において,PGA反応率は塗布52週時56.3%(126/224例)であった。
      副作用発現割合は,55.4%(169/305例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎19.0%(58/305例),接触皮膚炎14.4%(44/305例),乾癬9.8%(30/305例)及び毛包炎5.6%(17/305例)であった。

      9) PGAスコアが2(軽症)以上4(重症)以下,PASIスコア(被髪頭部を除く)が5以上,病変%BSAが3%以上20%以下(被髪頭部を除く)

      10) 乾癬に対する治療は併用禁止とした(ただし,必要な場合に限り併用可能とした)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

タピナロフは,リガンド依存的な転写因子である芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することにより,種々の遺伝子発現を調節する。本作用機序に基づき,炎症性サイトカインを低下させ,抗酸化分子の発現を誘導して,皮膚の炎症を抑制するとともに,皮膚バリア機能を改善する12)

18.2 AhRに対する作用

ヒト末梢血単核細胞において,AhRの活性化の指標であるCYP1A1の遺伝子発現を誘導した(in vitro)。

18.3 サイトカイン産生に対する作用

ヒト末梢血単核細胞において,T細胞刺激により誘発されるサイトカイン(IL-4及びIL-17A)の産生を抑制した(in vitro)。

18.4 抗酸化作用

ヒト末梢血単核細胞において,抗酸化作用の指標であるNAD(P)H:quinone dehydrogenase 1(NQO1)の遺伝子発現を誘導した(in vitro)。

18.5 皮膚炎に対する作用

アトピー性皮膚炎モデルマウスにおいて,IL-4を低下させ,NQO1の遺伝子発現を誘導し,皮膚の炎症を抑制した。乾癬モデルマウスにおいて,IL-17Aを低下させ,NQO1の遺伝子発現を誘導し,皮膚の炎症を抑制した。

18.6 皮膚バリア機能に対する作用

アトピー性皮膚炎モデルマウスにおいて,皮膚バリア機能の低下を示唆する経皮水分蒸散量(TEWL)の増加を抑制した。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

タピナロフ(Tapinarof)

化学名

5-[(1E)-2-Phenylethen-1-yl]-2-(propan-2-yl)benzene-1,3-diol

分子式

C17H18O2

分子量

254.32

性状

白色~微褐色の粉末。エタノール(99.5)に極めて溶けやすく,ジメチルスルホキシドに溶けやすく,水にほとんど溶けない。

化学構造式

分配係数

Log P=5.1(1-オクタノール/リン酸塩緩衝液 pH 7.0)

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。

22. 包装

15g[1本]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

鳥居薬品株式会社 お客様相談室

〒103-8439 東京都中央区日本橋本町3-4-1

TEL 0120-316-834
FAX 03-3231-6890

日本たばこ産業株式会社 医薬事業部 医薬情報部

〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-4-1

25. 保険給付上の注意

*本剤は新医薬品であるため,厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付,平成18年厚生労働省告示第107号一部改正)に基づき,令和7年8月末日までは,1回14日分を限度とされています。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元(輸入元)

日本たばこ産業株式会社

東京都中央区日本橋本町3-4-1

26.2 販売元

鳥居薬品株式会社

東京都中央区日本橋本町3-4-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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