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日本薬局方
ニフェジピン腸溶細粒
劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはニフェジピンとして1回10~20mgを1日2回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
通常、成人にはニフェジピンとして1回20mgを1日2回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
血管拡張作用により重篤な血行動態の悪化を招くおそれがある。
さらに血圧が低下するおそれがある。
過度に血圧が低下するおそれがある。
心不全が悪化するおそれがある2)。
急速な降圧等により腎機能が悪化するおそれがある。
血中濃度が上昇することがある。また門脈圧が上昇するおそれがある3)。
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
他の降圧剤
相互に血圧低下作用を増強することがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下が認められた場合、本剤又は他の降圧剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う。
薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている。
β遮断剤
相互に作用を増強することがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や心不全等の症状が認められた場合、本剤又はβ遮断剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う。
ジゴキシン
ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある。ジゴキシン中毒症状(悪心・嘔吐、頭痛、視覚異常、不整脈等)が認められた場合、症状に応じジゴキシンの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
機序は完全には解明されていないが、ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスが減少するためと考えられている。
シメチジン
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や頻脈等の症状が認められた場合、本剤を減量又はシメチジンの投与を中止するなど適切な処置を行う。
シメチジンが肝血流量を低下させ、本剤の肝ミクロソームでの酵素代謝を抑制する一方で、胃酸を低下させ、本剤の吸収を増加させるためと考えられている。
ジルチアゼム
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量又はジルチアゼムの投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、ジルチアゼムが本剤の肝代謝(チトクロームP450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
トリアゾール系抗真菌剤
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や浮腫等の症状が認められた場合、本剤を減量又はトリアゾール系抗真菌剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、トリアゾール系抗真菌剤が本剤の肝代謝(チトクロームP450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
リファンピシンフェニトインカルバマゼピン
本剤の有効血中濃度が得られず、作用が減弱することがある。患者の状態を注意深く観察し、血圧上昇や狭心症発作の悪化等の症状が認められた場合、他剤への変更又はリファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピンの投与を中止するなど適切な処置を行う。
リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピンにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
タクロリムス
タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。患者の状態を注意深く観察し、腎機能障害等の症状が認められた場合、タクロリムスの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、本剤がタクロリムスの肝代謝(チトクロームP450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
シクロスポリン
歯肉肥厚があらわれやすいとの報告がある。患者の状態を注意深く観察し、歯肉肥厚が認められた場合、本剤又はシクロスポリンの投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、両剤の相加的な作用によるものと考えられている。
HIVプロテアーゼ阻害剤
本剤のAUCが上昇することが予想される。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、本剤とこれらの薬剤の肝代謝酵素が同じ(CYP3A4)であるため、競合的に拮抗し、本剤の代謝が阻害される可能性があると考えられている。
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う。
キヌプリスチン・ダルホプリスチンが、CYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている。
制酸剤
本剤の持効性がそこなわれるおそれがある。やむを得ず併用するときは十分に服用間隔をあけること。
本剤はpH依存性の徐放性製剤であり、制酸剤によりニフェジピンの溶出率が上昇するおそれがある。
硫酸マグネシウム水和物(注射剤)
過度の血圧低下や神経筋伝達遮断の増強があらわれることがある。
併用により降圧作用や神経筋伝達遮断作用が増強されると考えられている。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う。またグレープフルーツジュースとの同時服用をしないように注意する。
グレープフルーツジュースに含まれる成分が、CYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている。
血圧低下に伴う一過性の意識障害があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
肝臓
ALT上昇、AST上昇、Al-P上昇
黄疸
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
循環器
顔面潮紅、のぼせ、動悸、浮腫(下肢、顔面等)、熱感、頻尿
潮紅、血圧低下、起立性低血圧、胸部痛、頻脈、発汗、悪寒
精神神経系
頭痛、めまい、脱力感
倦怠感、眠気、不眠、四肢しびれ感、筋痙攣、異常感覚、振戦
消化器
悪心・嘔吐、腹部不快感
便秘、食欲不振、上腹部痛、下痢、口渇、胸やけ、鼓腸
過敏症
発疹、そう痒
光線過敏症4)、紫斑、血管浮腫
口腔
歯肉肥厚
代謝異常
高血糖
血液
白血球減少、貧血、血小板減少
呼吸器
呼吸困難、咳嗽、鼻出血、鼻閉
その他
視力異常(霧視等)、女性化乳房、眼痛、筋肉痛、関節痛、関節腫脹、勃起不全
過量投与に関する情報は少ないが、主要な臨床症状として過度の血圧低下等が引き起こされる可能性がある。また、肝機能障害があると症状が遷延することがある。
蛋白結合率が高いので、強制利尿、血液透析等は本剤の除去にはそれほど有用ではないと考えられる。
本剤を容器から取り出して調剤する場合には、光に不安定であるため、できるだけ光にあてないよう注意すること。
本剤をかみ砕かず服用するよう指導すること。
健康成人に本剤(ニフェジピンとして10mg)を食後経口投与したときのニフェジピン血漿中濃度は、図のとおりであり、緩徐な立ちあがりと持続性が認められた5)。
本剤は主にCYP3A4によって酸化される6)。
本剤は主として尿中へまた一部は糞中へ排泄される。尿中への排泄率は20mg投与後24時間までに60%であり、大部分が酸化・加水分解された代謝物であった7)。
本態性高血圧症を対象とした一般臨床試験での本剤の有効率(「下降」以上)は85.9%(67例/78例)であった。臨床検査値異常を含む副作用の発現率は16.5%(14例/85例)であり、主な副作用は顔面潮紅(3.5%)、動悸(2.4%)、頭痛(2.4%)、AST上昇(2.4%)、ALT上昇(2.4%)であった8),9)。
本態性高血圧症を対象にした二重盲検比較試験での本剤の有効率(「下降」以上)は77.6%(52例/67例)であった。臨床検査値異常を含む副作用の発現率は25.4%(17例/67例)であり、主な副作用は頭痛(4.5%)、AST上昇(4.5%)、ALT上昇(4.5%)であった10)。
狭心症を対象にした一般臨床試験での本剤の有効率(「改善」以上)は63.3%(31例/49例)であった。臨床検査値異常を含む副作用の発現率は27.3%(15例/55例)であり、主な副作用は頭痛(7.2%)、ALT上昇(3.6%)であった11),12)。
ニフェジピンは血管平滑筋に直接作用し、細胞内へのCa2+の流入を抑制することにより血管拡張作用を発現する。
ニフェジピン(Nifedipine)
Dimethyl 2, 6-dimethyl-4-(2-nitrophenyl)-1, 4-dihydropyridine-3, 5-dicarboxylate
C17H18N2O6
346.33
黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。アセトン又はジクロロメタンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって変化する。
172〜175℃
*150g[0.5g(SP)×300包]300g[1.0g(SP)×300包]300g[プラスチック容器、バラ]
1) Bursztyn, M. et al.:Arch. Intern. Med. 1986;146:397
2) Elkayam, U. et al.:Circulation. 1990;82:1954-1961
3) Kleinbloesem, C.H. et al.:Clin. Pharmacol. Ther. 1986;40:21-28
4) Zenarola, P. et al.:Dermatologica. 1991;182:196-198
5) 社内資料:ニフェジピンの血漿中濃度
6) Muller-Enoch, D.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1999;49:470-475
7) 社内資料:ニフェジピンの尿中代謝物
8) 梶原長雄 他:医学と薬学 1988;20:1143-1157
9) 額田忠篤 他:基礎と臨床 1988;22:4959-4970
10) 額田忠篤 他:医学と薬学 1990;24:1335-1353
11) 梶原長雄 他:医学と薬学 1988;20:1133-1142
12) 北畠顕 他:基礎と臨床 1988;22:4943-4958
13) Ishii, H. et al.:Eur. J. Pharmacol. 1980;64:21-29
14) Morita, T. et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1982;32:1047-1052
15) Kubo, T. et al.:J. Pharmacobio-Dyn. 1981;4:294-300
16) 森田富範 他:基礎と臨床 1979;13:2879-2882
17) 森田富範 他:基礎と臨床 1978;12:3041-3046
18) Morita, T. et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1982;32:1053-1056
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