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日本薬局方二酸化炭素

添付文書番号

799070DX1033_1_07

企業コード

580692

作成又は改訂年月

2024年7月改訂(第2版、文献請求先及び問い合わせ先 住所、電話番号およびFAX番号 変更)

日本標準商品分類番号

87799

薬効分類名

吸入ガス

承認等

日本薬局方二酸化炭素

販売名コード

YJコード

799070DX1033

販売名英語表記

Carbon Dioxide

販売名ひらがな

にほんやっきょくほう にさんかたんそ

承認番号等

許可番号

28A2X10001

販売開始年月

2007年9月

貯法・有効期間

貯法

40℃以下で保存する

基準名

日本薬局方

二酸化炭素

一般的名称

日本薬局方二酸化炭素

3. 組成・性状

3.1 組成

日本薬局方二酸化炭素

有効成分二酸化炭素(CO2)   99.5vol%以上

3.2 製剤の性状

日本薬局方二酸化炭素

剤形吸入ガス剤
性状高圧ガス容器に充塡された「液化ガス」で,室温,大気圧下において無色のガスで,においはない。

4. 効能又は効果

  • 酸素吸入時の呼吸中枢の刺激。
  • 高山病における呼吸困難,麻酔時における覚せいと手術後の肺拡張不全の予防。
  • 一酸化炭素,モルヒネ,シアン化合物などの中毒時における呼吸中枢の興奮性低下。
  • 炭酸水の水浴による脈拍及び拡張期血圧の減少,静脈血の心臓還流の改善と拍出量の増加,皮膚の充血,呼吸量の増加。
  • ドライアイスでの狼瘡,色素斑などの皮膚疾患の腐食剤としての使用。
  • 腹腔鏡下外科手術に必要な視野及び術野の確保。
  • X線コンピュータ断層撮影に必要な腸管の拡張。

6. 用法及び用量

酸素吸入に併用する場合は,通常純酸素に対して数%本品を混ぜる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 使用に当たっては,必ずガス名を「医薬品ラベル」で確認すること。
  2. 8.2 吸入により軽いめまい,呼吸困難,嘔吐などの中毒症状を呈した場合は清浄な空気を吸わせること。また,しばらく安静にさせること。
  3. 8.3 吸入により意識を失ったときは,直ちに投与を中止し人工呼吸,あるいは酸素吸入を行うこと。
  4. 8.4 腹腔鏡下外科手術及びX線コンピュータ断層撮影時の送気ガスとして使用する際は,該当医療機器の添付文書を必ず参照すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調整時の注意

  1. 14.1.1 本品は「液化ガス」のため,容器は立てて使用する。
  2. 14.1.2 容器のバルブは静かに開閉する。
  3. 14.1.3 容器は粗暴な取扱いをせず,転倒,転落等による衝撃及びバルブの損傷を防止するために,安定した床に倒れないように置き,ロープ等で固定して使用する。
  4. 14.1.4 容器と配管等の取付部は,使用に先立ち漏洩検知液等で必ず点検する。
  5. 14.1.5 調整器及び圧力計等は,二酸化炭素用のものを使用する。
  6. 14.1.6 使用方法によっては,-70℃以下の超低温になることがあるため,凍傷等を起こさないように注意する。
  7. 14.1.7 使用後は容器バルブを必ず閉める。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 容器は常に温度40℃以下で使用し,直射日光を避け,火気・暖房の付近に置かない。
  2. 14.2.2 酸欠の危険性があるので,換気に十分に注意する。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

  1. 18.1.1 呼吸中枢は動脈血の二酸化炭素量の増加により興奮する。その結果,呼吸が速くかつ大きくなって,肺胞内におけるガス交換が活性化される。動脈血内の二酸化炭素量を減じようとする自律性の機構である。
  2. 18.1.2 血中二酸化炭素量の増加はまた循環系にも影響を及ぼし,脳の血管中枢に働いて全身の血管の収縮を起こすが,脳血管は拡張して血流の増加をきたす。心拍動数及び刺激伝導は抑制されるが拍出量は増加する。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

二酸化炭素(Carbon Dioxide)

化学名

二酸化炭素

分子式

CO2

分子量

44.01

性状

本品1mLは水1mLに溶け,微酸性である。本品1,000mLは温度0℃,気圧101.3kPaで約1.978gである。本品1kgは0℃,気圧101.3kPaで約506Lである。本品は不燃性である。

昇華温度(固体)

-78.5℃(101.3kPa)

比重

約1.5(空気=1)

蒸気圧

5.7MPa(20℃)

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 消費上の注意
    1. 20.1.1 設備の使用開始時及び使用終了時に異常の有無を点検するほか,1日に1回以上設備等の作動状況を点検すると共に定期的にガス濃度,圧力及び気密を点検する。もし,異常があるときは,設備の補修等の危険防止措置を講じる。
  2. 20.2 ガス漏洩時の注意
    1. 20.2.1 ガス漏れのある場合は容器バルブを閉じて,ガスの使用を中止する。
    2. 20.2.2 安全弁(破裂板)からガスが噴出した場合は,容器から離れ換気を良くし,販売店に連絡する。
    3. 20.2.3 二酸化炭素は空気より重く,低い場所に滞留し高濃度になりやすいので注意する。(二酸化炭素の許容濃度は5,000ppm2)
  3. 20.3 貯蔵上の注意
    1. 20.3.1 容器は粗暴な取扱いをせず,転倒,転落等による衝撃及びバルブの損傷を防止するために,安定した床に倒れないように置き,ロープ等で縛りつける,又は保管箱に入れる。
    2. 20.3.2 容器は直射日光の当たらない場所で,常に温度40℃以下に保つ。
    3. 20.3.3 容器は湿気水滴等による腐食を防止する措置を講ずる。
      1. (1) 容器置場は,錆・腐食を防止するため,水分を浸入させないようにして,腐食物質を近くに置かない。
      2. (2) 水分,異物等の混入による腐食等を防止するため,使用済みの容器でも,容器のバルブは必ず閉めておく。
    4. 20.3.4 容器は「高圧ガス容器置場」であることを明示した所定の場所に保管する。
      1. (1) 容器は,充塡容器と使用済み容器を区分して置く。
      2. (2) 種類の異なるガスの容器は区分して置く。
      3. (3) 容器置場には作業に必要な用具以外のものを置かない。
      4. (4) 容器置場には関係者以外の立入りを禁止する。
    5. 20.3.5 容器置場は必ず換気を図る(酸欠防止のため)。
  4. 20.4 移送時の注意
    1. 20.4.1 容器は,常に温度40℃以下に保ち,直射日光を避け,転落させないよう,固定して安全に運搬する。

22. 包装

耐圧密封容器(高圧ガス容器)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

一般社団法人 日本産業・医療ガス協会

〒105-0014 東京都港区芝3丁目43番15号
芝信三田ビル4階

TEL 03-6665-8210 FAX 03-6665-8217

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

日本エア・リキード合同会社

兵庫県尼崎市扶桑町1番36号
TEL 06-6481-7855

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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