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テタノブリン筋注用250単位

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
18.薬効薬理
18.1作用機序
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

テタノブリン筋注用250単位

添付文書番号

6343408X1064_2_08

企業コード

580842

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

876343

薬効分類名

血漿分画製剤

承認等

テタノブリン筋注用250単位

販売名コード

YJコード

6343408X1064

販売名英語表記

Tetanobulin I.M.250 units

販売名ひらがな

てたのぶりんきんちゅうよう250たんい

承認番号等

承認番号

22100AMX01669

販売開始年月

1967年8月

貯法・有効期間

貯法

10℃以下に凍結を避けて保存

有効期間

5年

基準名

生物学的製剤基準

乾燥抗破傷風人免疫グロブリン

規制区分

一般的名称

乾燥抗破傷風人免疫グロブリン

本剤は、貴重な人血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

テタノブリン筋注用250単位

有効成分〔1瓶中〕
破傷風抗毒素   250国際単位
添加剤〔1瓶中〕
グリシン   54.75mg
D-マンニトール   24.4mg
塩化ナトリウム   14.6mg
ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール   0.5mg
水酸化ナトリウム   適量
塩酸   適量
添付溶剤日局 注射用水  2.5mL
備考  破傷風抗毒素は、ヒト血液に由来する。
(採血国:米国、採血の区別:非献血)

3.2 製剤の性状

テタノブリン筋注用250単位

pH6.4~7.21)
浸透圧比1.6~2.2(生理食塩液に対する比)1)
性状本剤を添付溶剤で溶解するとき、わずかに白濁した液剤となる。

1) 本剤1瓶を添付溶剤に溶かした水溶液

4. 効能又は効果

破傷風の発症予防並びに発症後の症状軽減のための治療に用いる。

6. 用法及び用量

本剤1瓶の内容を添付の溶剤(日局・注射用水2.5mL)で溶解し、筋肉内に注射する。
破傷風の潜伏期の初めに用いて破傷風の発症を予防するためには成人において抗毒素250国際単位を用いる。
破傷風発症後の症状を軽くするための治療用には通常最低、抗毒素5,000国際単位以上を用いる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
  2. 8.2 本剤の原材料となる血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体陰性であることを確認している。更に、プールした試験血漿については、HIV-1、HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した高力価の破傷風抗毒素を含有する血漿を原料として、Cohnの低温エタノール分画で得た画分からポリエチレングリコール4000処理、DEAEセファデックス処理等により抗破傷風人免疫グロブリンを濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化・除去を目的として、製造工程において60℃、10時間の液状加熱処理及びウイルス除去膜によるろ過処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
    1. 8.2.1 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。,,
    2. 8.2.2 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

  2. 9.1.2 IgA欠損症の患者

    抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。

  3. 9.1.3 溶血性・失血性貧血の患者

    ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。

  4. 9.1.4 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者

    ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
    • 非経口用生ワクチン
      • 麻疹ワクチン
      • おたふくかぜワクチン
      • 風疹ワクチン
      • これら混合ワクチン
      • 水痘ワクチン等

    本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3カ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3カ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。

    本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)

      悪心、嘔吐、発汗、四肢冷感、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発熱、発疹等

    注射部位

    疼痛、腫脹、硬結

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    本剤には供血者由来の各種抗体(各種感染症の病原体又はその産生物質に対する免疫抗体、自己抗体等)が含まれており、投与後の血中にこれらの抗体が一時検出されることがあるので、臨床診断には注意を要する。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 一度溶解したものは1時間以内に使用すること。
    2. 14.1.2 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない。

    14.2 薬剤投与時の注意

    1. 14.2.1 溶解時に著しい沈殿が認められるものは投与しないこと。
    2. 14.2.2 筋肉内注射にのみ使用すること。決して静脈内に注射しないこと。
    3. 14.2.3 筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
      1. (1) 同一部位への反復注射は行わないこと。また、小児等には特に注意すること。
      2. (2) 神経走行部位を避けるよう注意すること。
      3. (3) 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    抗破傷風人免疫グロブリンの血中生物学的半減期は約4週間1) とも24.5~31.5日2) ともいわれている。
    本剤を36歳の男性患者に3,000国際単位投与後の血中抗毒素量の推移では生物学的半減期は21日であった3)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本剤は、破傷風毒素に対するヒト由来の抗体を高力価に含有するため、血中に遊離している破傷風毒素と結合し、速やかに中和させる。(血中の破傷風発症予防レベル0.01国際単位/mL以上の破傷風抗毒素を保持させる4) 。)

    20. 取扱い上の注意

    本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号(ロット番号)、投与した日、投与を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

    22. 包装

    1瓶 [溶剤(日局 注射用水 2.5mL)添付]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    一般社団法人日本血液製剤機構 くすり相談室

    〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-1

    電話 0120-853-560

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    一般社団法人日本血液製剤機構

    東京都港区芝浦3-1-1

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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