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生物学的製剤基準
ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン
処方箋医薬品注)
特定生物由来製品
*抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作、臓器移植における抗体関連型拒絶反応の治療に用いる場合は、各臓器移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで本剤を投与すること。
本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
本剤投与の12週以上前に副腎皮質ステロイドをプレドニゾロン換算で50mg/日以上又は1mg/kg/日以上のステロイド大量療法にて1ヵ月以上治療した治療歴があり、その後も本剤投与開始時までステロイド治療を継続していたにもかかわらず、十分な改善が認められず、血中CK値が基準値上限を超えている患者。
本剤投与前6〜12週の時点で副腎皮質ステロイドをプレドニゾロン換算で50mg/日以上又は1mg/kg/日以上のステロイド大量療法を実施していた治療歴があり、その後も本剤投与開始時までステロイド治療を継続していたにもかかわらず、十分な改善が認められず、血中CK値が基準値上限を超えており、4週間以上の間隔をおいて測定された直近の検査値の比較で、血中CK値の低下が認められていない患者。
本剤は効能又は効果に応じて以下のとおり投与する。なお、直接静注する場合は、きわめて緩徐に行うこと。
通常、1回人免疫グロブリンGとして200~600mg(2~6mL)/kg体重を3~4週間隔で点滴静注又は直接静注する。患者の状態によって適宜増減する。
通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500〜5,000mg(25〜50mL)を、小児に対しては、1回人免疫グロブリンGとして100〜150mg(1〜1.5mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。症状によって適宜増量する。
通常1日に、人免疫グロブリンGとして200〜400mg(2〜4mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。なお、5日間使用しても症状に改善が認められない場合は、以降の投与を中止すること。年齢及び症状に応じて適宜増減する。
通常、人免疫グロブリンGとして1日に400mg(4mL)/kg体重を5日間点滴静注又は直接静注、若しくは人免疫グロブリンGとして2,000mg(20mL)/kg体重を1回点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
通常、成人には1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間点滴静注する。
通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注又は直接静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
通常、人免疫グロブリンGとして「1,000mg(10mL)/kg体重を1日」又は「500mg(5mL)/kg体重を2日間連日」を3週間隔で点滴静注する。
通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
人免疫グロブリンGとして初回は300mg(3mL)/kg体重、2回目以降は200mg(2mL)/kg体重を投与する。投与間隔は、通常、4週間とする。
通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。
通常、人免疫グロブリンGとして、1日あたり1,000mg(10mL)/kg体重を点滴静注する。ただし、患者の年齢及び状態に応じて適宜減量する。なお、総投与量は4,000mg(40mL)/kg体重を超えないこと。
*通常、人免疫グロブリンGとして、1日あたり1回1,000mg(10mL)/kg体重を2回点滴静注する。ただし、患者の年齢及び状態に応じて適宜減量する。なお、必要に応じて追加投与する。
ショック等の副作用は初日の投与開始1時間以内、また投与速度を上げた際に起こる可能性があるので、これらの時間帯については特に注意すること。,
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与による血液粘度の上昇等により脳梗塞又は心筋梗塞等の血栓塞栓症を起こすおそれがある。,
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与による血液粘度の上昇等により血栓塞栓症を起こすおそれがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与により、心不全を発症又は悪化させるおそれがある。
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。
腎機能を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。また、一般に脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者がみられ、血栓塞栓症を起こすおそれがある。,
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3ヵ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。なお、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、川崎病、多発性筋炎・皮膚筋炎、多巣性運動ニューロパチー(MMN)を含む慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、全身型重症筋無力症、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群、腎移植術前脱感作、臓器移植における抗体関連型拒絶反応の治療における大量療法(200mg/kg以上)後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6ヵ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11ヵ月以上)延期すること。
本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。
*呼吸困難、頻脈、喘鳴、喘息様症状、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
大量投与により無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがある。
*腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,
*呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*大量投与例で、血液粘度の上昇等により、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがある。中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,
主として大量投与例で、循環血液量過多により心不全を発症又は悪化させることがある。呼吸困難、心雑音、心機能低下、浮腫、尿量減少等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.5~5%未満
0.5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、汗疱
蕁麻疹、顔面潮紅、局所性浮腫、瘙痒感
全身発赤、水疱
*精神神経系
頭痛、振戦
不穏
痙攣、傾眠、意識障害、しびれ、不機嫌
循環器
顔色不良、血圧上昇
四肢冷感
徐脈
肝臓
肝機能検査値の異常(AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの上昇等)
*呼吸器
咳嗽、喘息様症状、口腔咽頭不快感
低酸素血症
*消化器
悪心、嘔吐
下痢、腹痛
*血液
白血球減少、好中球減少
好酸球増多、フィブリンDダイマー増加
溶血性貧血
*投与部位
静脈炎、血管痛、注射部位反応(腫脹、紅斑等)
*その他
発熱、悪寒・戦慄、倦怠感、CK上昇
体温低下、背部痛、頚部痛、ほてり
四肢痛、関節痛、低ナトリウム血症
本剤には供血者由来の各種抗体(各種感染症の病原体又はその産生物質に対する免疫抗体、自己抗体等)が含まれており、投与後の血中にこれらの抗体が一時検出されることがあるので、臨床診断には注意を要する。
低並びに無ガンマグロブリン血症患者における5%製剤の半減期は、約27±3日だった1) 。
免疫グロブリン補充療法を受けたX連鎖無ガンマグロブリン血症患者29例を対象としたレトロスペクティブな研究において、高用量の静注用人免疫グロブリン(IVIG)(3週間ごとに350〜600mg/kg)の治療を受け、血清IgGトラフ値が500mg/dL以上となった患者の感染症の発症頻度及び入院期間は1.04回/年及び0.70日/年であったが、未治療、筋注用人免疫グロブリン若しくは低用量IVIG(3週間ごとに200mg/kg未満)で治療され、血清IgGトラフ値が151mg/dL以上500mg/dL未満だった患者では1.75回/年及び9.00日/年であったとの報告がある。高用量のIVIG投与294回中1件(0.4%)、低用量のIVIG投与279回中7件(2.5%)に副作用が認められた2) 。
5%製剤を用いた臨床試験において、特発性血小板減少性紫斑病患者15例を対象に、400mg/kg体重/日(1例のみ300mg/kg体重/日)を5日間連日点滴静注にて投与した。有効性評価対象14例において、5万/mm3以上の血小板数増加及び出血症状の推移を基に評価された有効率は、小児で80.0%(4例/5例)、成人で66.7%(6例/9例)、合計71.4%(10例/14例)であった。安全性評価対象15例全例において、副作用は認められなかった3) 。
川崎病患児に対して、5%製剤を200mg又は400mg/kg体重/日連続5日間投与する多施設群間比較試験を行った。30病日までの冠動脈病変を指標にした400mg/kg体重/日、5日間連日投与群の有効率は、95.4%(145例/152例)であり、200mg/kg体重/日、5日間連日投与群の87.1%(128例/147例)に比し、有意に優れていた(差の95%信頼区間4.0〜10.8%)。なお、本試験ではアスピリンを併用していた。400mg/kg体重/日、5日間連続投与群156例中7例(4.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、発熱3件(1.9%)、チアノーゼ3件(1.9%)、悪寒2件(1.3%)、振戦2件(1.3%)であった4) 。
海外のIVIG製剤による400mg/kg体重/日、4日間連日投与群と2,000mg/kg体重単回投与群との比較試験で、登録2週間後及び7週間後での冠動脈病変の相対的発生率(400mg/kg体重/日、4日間連日投与群/2,000mg/kg体重単回投与群)は、登録時に冠動脈病変が認められた症例を含めた場合、それぞれ1.94(p=0.045)、1.84(p=0.099)、登録時に冠動脈病変が認められた症例を除外した場合、それぞれ2.33(p=0.067)、1.67(p=0.307)であったと報告されている。なお、本試験ではアスピリンを併用していた。2,000mg/kg体重単回投与群273例中9例(3.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、うっ血性心不全6例(2.2%)であった5) 。
ステロイド剤が効果不十分な多発性筋炎・皮膚筋炎を対象とした5%製剤を用いた国内第III相試験(G群:第1期5%製剤、第2期プラセボ、P群:第1期プラセボ、第2期5%製剤)において、400mg/kg体重を5日間投与した。その結果、第1期(8週間)における徒手筋力(MMT)合計スコアは下表のとおりであり、G群の最終評価時のMMT合計スコア変化量は投与前に比し有意に改善した(対応のあるt検定、p=0.0004)。なお、第1期でのMMT合計スコア変化量は、G群でP群の変化量を上回った(本試験では、5%製剤のプラセボに対する優越性を検証するための検出力は考慮されていない)6) 。
第1期投与薬剤群
ベースライン
最終評価時
変化量
群間差[95%信頼区間]
G群(5%製剤、12例)
61.8±10.6
73.6±9.7
11.8±8.0
1.9[-4.8, 8.5]
P群(プラセボ、14例)
64.7±9.0
74.6±10.9
9.9±8.3
平均値±標準偏差
国内第III相試験に、国内前期第II相試験を加えた全52例を対象に安全性評価を実施した。52例中27例(51.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、γ-GTP増加7件(13.5%)、AST増加5件(9.6%)、ALT増加5件(9.6%)であった。
既存治療(ステロイド剤、ステロイド剤以外の免疫抑制剤又は胸腺摘除術)で症状のコントロールに難渋しており、血液浄化療法の実施が必要と判断される全身型重症筋無力症患者を対象とした血液浄化療法対照非盲検無作為化比較試験を5%製剤を用いて実施した。5%製剤400mg/kg体重を5日間投与若しくは血液浄化療法を14日間で3〜5回実施した結果、最終評価時(4週後又は中止時)の合計QMGスコアのベースラインからの変化量は下表のとおりであり、5%製剤群の合計QMGスコアの変化量は投与前に比し有意に改善した(対応のあるt検定、p<0.0001)。なお、最終評価時の合計QMGスコアの変化量は、5%製剤群と血液浄化療法群で同程度であった(本試験では、5%製剤の血液浄化療法に対する非劣性を検証するための検出力は考慮されていない)。
5%製剤群(23例)
18.0±7.3
14.7±6.1
-3.3±3.4
0.2[-2.1, 2.4]
血液浄化療法群(22例)
17.6±7.5
14.1±6.1
-3.5±4.2
23例中14例(60.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、ALT増加7件(30.4%)、AST増加6件(26.1%)、発疹3件(13.0%)、γ-GTP増加3件(13.0%)であった7) 。
重症のギラン・バレー症候群患者21例に対して5%製剤400mg/kg体重を5日間連日投与した結果、投与後4週目にHughesの運動機能尺度(Functional Grade)が1段階以上改善した症例の割合(有効率)は71.4%(15例/21例)であった。21例中18例(85.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛7件(33.3%)、異汗性湿疹4件(19.0%)、肝酵素上昇4件(19.0%)であった8) 。
抗ドナー抗体が陽性で腎移植前に脱感作が必要な患者(CDC-T陰性かつFCXM-T陽性)のうち、血液浄化療法では十分に脱感作できない患者を対象に、5%製剤を1日1回1g/kg体重を7日以内に計4回投与した。その結果、主要評価である5%製剤4回目投与翌日又は中止時におけるFCXM-Tの陰性化率は47.1%(8例/17例)であった。また、5%製剤投与開始4週後までのFCXM-Tの最終陰性化率は58.8%(10例/17例)であった。17例中11例(64.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛7件(41.2%)、発疹5件(29.4%)、胸部不快感4件(23.5%)であった9) 。
*腎移植後に抗体関連型拒絶反応を発症した患者に対して、10日以内に本剤を1日1回1g/kg体重を2回投与した。また、必要に応じて、1日1回1g/kg体重を最大2回追加投与した。その結果、本剤投与6ヵ月後の移植腎生着率は95.7%(22例/23例)であった。安全性評価対象25例中16例(64.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛7件(28.0%)、発熱5件(20.0%)、頚部痛4件(16.0%)であった10) 。
5%製剤を用いた臨床試験において、血清IgG2値が80mg/dL未満で、急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎を反復する患者44例(有効性評価対象33例)に対して、5%製剤を初回300mg/kg体重、2回目以降200mg/kg体重を点滴静注した。投与間隔は原則4週間毎とし、投与回数は初回を含め合計6回とした。5%製剤投与期間中の感染症の発症回数を指標とした有効率は78.8%(26例/33例)であった。また、5%製剤投与期間中の急性中耳炎、急性気管支炎及び肺炎の発症頻度は5%製剤投与開始前と比較して有意に減少した。安全性評価対象39例中11例(28.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、発熱9件(23.1%)、悪寒・蒼白5件(12.8%)、振戦3件(7.7%)であった11) 。
再評価に対する市販後臨床試験において、広範囲抗生物質を3日間投与しても感染主要症状の十分な改善が認められない重症感染症の患者682例を対象として、抗生物質とIVIG 5g/日、3日間との併用群(IVIG群)又は抗生物質単独投与群(対照群)に割り付けた非盲検群間比較試験を行った。解熱効果、臨床症状の改善効果又は検査所見(炎症マーカーであるCRP値の推移)を評価基準として有効性を評価した結果、IVIG群はいずれにおいても対照群に比べ有意に優れており、有効率はIVIG群61.5%(163例/265例)、対照群47.3%(113例/239例)であった。安全性評価対象321例中14例(4.4%)に副作用21件が認められた。主な副作用は、悪寒4件(1.2%)、嘔気(嘔吐)3件(0.9%)、皮疹(発疹)、瘙痒感、発熱、総ビリルビン上昇各2件(0.6%)であった12) 。
川崎病の急性期を対象とした使用成績調査における副作用の発現率は11.0%(224例/2,044例)で、そのうちショック0.8%(16例18件)、ショック又はショックが疑われる症状(チアノーゼ、血圧低下等)2.7%(56例67件)であり、重篤な副作用の発現率は2.9%(59例84件)であった。
本剤の作用機序の詳細は明らかではない。
本剤の有効成分である人免疫グロブリンGは、任意多数の健康人血漿をプールしたものより精製された人免疫グロブリンGであるから、ヒトの間に広くまん延している各種細菌、細菌毒素、ウイルスに対する一定量の免疫抗体が濃縮されている。5%製剤の抗体活性は対照として用いた乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンと同等であった13) 。
5%製剤のオプソニン効果(食菌促進効果、殺菌促進効果)は、in vitroにおいて、対照として用いた乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンと同等であった14) 。
本剤はFc部分を完全に保持しているため、補体の正常な活性化能を有する。5%製剤の補体共存下における大腸菌に対する殺菌効果は乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンと同等であった14) 。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)モデルマウスにおいて、5%製剤の用量依存的に血小板数の減少が抑制された15) 。
LCWE(Lactobacillus caseiから抽出したcell wall extract)誘導性マウス川崎病様心動脈炎に対し、同種IgGは抑制効果を示した16) 。
C protein誘導型マウス筋炎モデルにおいて、5%製剤とプレドニゾロンとの併用により筋組織への炎症細胞浸潤が抑制された17) 。
5%製剤投与により、ラット実験的自己免疫性重症筋無力症モデルにおいて、歩行機能の低下を改善した18) 。
HLA-A2高感作モデルマウスにおいて、5%製剤は用量依存的に抗HLA-A2抗体量を減少させ、補体依存性細胞傷害を抑制した19) 。
5%製剤では、肺炎球菌臨床分離株に対して、4種類のIgGサブクラスの中ではIgG2が最も高い抗体価を示し、好中球の貪食作用を促進するとともに、マウス血液中からの細菌数の減少を早めた20) 。
ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン(Polyethylene Glycol-treated Normal Human Immunoglobulin)
本剤は国内献血に由来する血漿を原料とし、Cohnの低温エタノール分画法により得られた画分から、ポリエチレングリコール4000処理、DEAEセファデックス処理等により濃縮・精製した人免疫グロブリンGを有効成分とする。
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号(ロット番号)、投与した日、投与を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
5mL [1瓶]
25mL [1瓶]
50mL [1瓶]
100mL [1瓶]
200mL [1瓶]
1) 兵頭行夫 他:基礎と臨床 1990;24(3):1273-1282
2) Liese J. G, et al.:Am. J. Dis. Child. 1992;146(3):335-339
3) 安永幸二郎 他:基礎と臨床 1990;24(3):1295-1301
4) 森川良行 他:Acta Paediatrica Japonica 1994;36:347-354
5) Newburger JW, et al.:N. Engl. J. Med. 1991;324(23):1633-1639
6) Nobuyuki Miyasaka, et al.:Mod. Rheumatol. 2012;22:382-393
7) 社内資料:国内第III相試験(全身型重症筋無力症患者における無作為化比較試験)(2011年9月26日承認、CTD2.7.6)
8) 野村恭一 他:Peripheral Nerve 2018;29(1):56-67
9) Kakuta Y, et al.:Transplant. Direct 2017;4:e336
10) *社内資料:国内第III相試験(腎移植後抗体関連型拒絶反応における臨床試験)(2024年9月24日承認、CTD2.7.6)
11) 﨑山幸雄 他:日本臨床免疫学会会誌 1998;21(2):70-79
12) 正岡 徹 他:日本化学療法学会雑誌 2000;48(3):199-217
13) 土居卓治 他:基礎と臨床 1991;25(13):3999-4004
14) 中島常隆 他:基礎と臨床 1991;25(13):4005-4009
15) 禿 英樹 他:新薬と臨床 2008;57(10):1632-1640
16) 沖津祥子 他:炎症 1996;16(6):395-402
17) 社内資料:薬効薬理試験(筋炎に対する効果)(2010年10月27日承認、CTD2.6.2.2)
18) 社内資料:薬効薬理試験(実験的重症筋無力症に対する効果)(2011年9月26日承認、CTD2.6.2.2)
19) 社内資料:薬効薬理試験(抗ドナー特異的抗体に対する脱感作効果)(2019年12月20日承認、CTD2.6.2.2)
20) 中江 孝 他:日本化学療法学会雑誌 1998;46(6):223-229
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