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日本薬局方
ジスチグミン臭化物錠
毒薬
処方箋医薬品注)
本剤の投与により意識障害を伴う重篤なコリン作動性クリーゼを発現し、致命的な転帰をたどる例が報告されているので、投与に際しては下記の点に注意し、医師の厳重な監督下、患者の状態を十分観察すること。
ジスチグミン臭化物として、成人1日5mgを経口投与する。
ジスチグミン臭化物として、通常成人1日5~20mgを1~4回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
医師の厳重な監督下、通常成人1日5mgから投与を開始し、患者の状態を十分観察しながら症状により適宜増減すること。
悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等の症状や、血清コリンエステラーゼの低下が認められた場合、又はエドロホニウム塩化物を投与したとき、症状が増悪又は不変の場合には、直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,,,,,,
呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合、又はエドロホニウム塩化物を投与したとき、症状の改善が認められた場合は本剤の投与量を増加する。
相互に作用を増強し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
気管支喘息の症状を悪化させるおそれがある。
甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。
心拍数低下、冠動脈の収縮、冠れん縮による狭心症、不整脈の増悪、心拍出量低下を起こすおそれがある。
消化管機能を亢進させ潰瘍の症状を悪化させるおそれがある。
てんかんの症状を悪化させるおそれがある。
パーキンソン症候群の症状を悪化させるおそれがある。
本剤は腎臓から排泄されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
コリン作動性クリーゼの徴候(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)に注意し、慎重に投与すること。高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。,,,,,,,,
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する。
1)脱分極性筋弛緩剤はコリンエステラーゼにより代謝されるため、本剤により代謝が阻害されることが考えられる。2)本剤による直接ニコチン様作用には脱分極性筋弛緩作用がある。
相互に作用を拮抗する。
本剤のムスカリン様作用と拮抗することが考えられる。
相互に作用を増強する。
本剤のコリン作用と相加・相乗作用があらわれることが考えられる。
相互に作用を増強する可能性がある。
本剤の投与により意識障害を伴うコリン作動性クリーゼ(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)があらわれることがある(コリン作動性クリーゼは投与開始2週間以内での発現が多く報告されている)。このような場合には、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mg(患者の症状に合わせて適宜増量)を静脈内投与する。また、呼吸不全に至ることもあるので、その場合は気道を確保し、人工換気を考慮すること1),2),3) 。,,,,,,,,
狭心症、不整脈(心室頻拍、心房細動、房室ブロック、洞停止等)があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
0.5~1%未満
0.5%未満
頻度不明
骨格筋
筋力低下、線維性ちく搦(ちくでき=クローヌス)、筋痙攣
線維束れん縮
消化器
下痢
腹痛、悪心・不快感
嘔気・嘔吐、腹鳴、胃腸症状
便失禁、心窩部不快感、流唾、テネスムス(しぶり腹)、口渇
精神神経系
めまい、頭痛
睡眠障害
泌尿器
尿失禁
頻尿、尿道痛
肝臓
AST・ALTの上昇
その他
発汗
流涙、全身倦怠感、神経痛悪化、動悸、舌のしびれ、発熱、自律神経失調、ざ瘡、胸部圧迫感、耳鳴
血清コリンエステラーゼ値低下
意識障害を伴うコリン作動性クリーゼ(初期症状:悪心・嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、気道分泌過多、発汗、徐脈、縮瞳、呼吸困難等、臨床検査:血清コリンエステラーゼ低下)があらわれることがある。,,,,,,,,
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人に14Cジスチグミン臭化物5mgを単回経口投与した結果、血漿中濃度は投与後1.58時間で最高値4.40ng/mLとなり、その後、二相性に漸減した。半減期はα相で4.47±2.03時間、β相で69.5±5.1時間であった4) (外国人データ)。
イヌにジスチグミン臭化物(0.02%w/v水溶液)として1.0mg/kgを、絶食時又は給餌後に単回経口投与し、血漿中濃度を測定した際、絶食群は給餌群に比し、Cmaxが約9.4倍、AUC0-24が約6.6倍高値であった5) 。
例数
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-24(ng/mL・hr)
絶食群
5
166±75
0.8±0.3
2.6±1.8
539±187
給餌群
17.6±8.4
0.9±0.2
4.1±2.0
82.0±23.8
平均±標準偏差2週間以上の休薬期間を置いたクロスオーバー比較試験
健康成人に14Cジスチグミン臭化物5mgを単回経口投与した結果、投与216時間後までの尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ6.5%及び88.0%であった。0.5mgを単回静脈内投与した結果、尿及び糞中への累積排泄率は、それぞれ85.3%及び3.9%であった。これらのことから、主な排泄部位は腎である4) (外国人データ)。
可逆的にアセチルコリンエステラーゼ又はコリンエステラーゼを阻害し、シナプス間隙のアセチルコリンの蓄積を起こすことにより、間接的にアセチルコリンの作用を増強、持続させ、コリン作動性作用すなわち副交感神経支配臓器でムスカリン様作用を、又、骨格筋の神経筋接合部でニコチン様作用を示す5)。
ジスチグミン臭化物(Distigmine Bromide)
3,3'-[Hexane-1,6-diylbis(methyliminocarbonyloxy)]bis(1-methylpyridinium) dibromide
C22H32Br2N4O4
576.32
白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸に溶けにくい。水溶液(1→100)のpHは5.0~5.5である。やや吸湿性である。光によって徐々に着色する。
約150℃(分解)
包装開封後は湿気を避けて保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 寺嶋正佳ほか:臨床麻酔. 1991;15(7):931-932
2) 植木正明ほか:中毒研究. 1991;4:383-385
3) 岩壁秀樹ほか:内科. 1992;70(4):765-767
4) Vree TB, et al.:Int.J.Clin.Pharmacol.Ther. 1999;37(8):393-403
5) 第十八改正日本薬局方 医薬品情報 JPDI2021. じほう;2021:296-297
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