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日本薬局方
フロセミド注射液
処方箋医薬品注)
高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、脳浮腫、尿路結石排出促進
通常、成人にはフロセミドとして1日1回20mgを静脈注射又は筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。腎機能不全等の場合にはさらに大量に用いることもある。ただし、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。
静脈注射時には、緩徐に投与すること。特に、大量静脈注射の必要がある場合には、毎分4mg以下となるよう投与速度を調節すること。大量を急速に静脈注射した場合に難聴があらわれやすい。
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
痛風発作を起こすおそれがある。糖尿病を悪化するおそれがある。
電解質失調を起こすおそれがある。
低ナトリウム血症を起こすおそれがある。
全身性エリテマトーデスを悪化させるおそれがある。
排泄遅延により血中濃度が上昇する。
投与しないこと。低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある。
肝性昏睡を誘発することがある。
妊娠初期又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中に移行する。
生後数週間以内の呼吸窮迫症の低出生体重児では、動脈管開存のリスクが増加する可能性がある。動脈管開存及び硝子膜症のため浮腫を生じた重度の低出生体重児では、慎重に投与すること。腎石灰化症があらわれたとの報告がある。
乳児では電解質バランスがくずれやすい。
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行うこと。
併用により血管壁の反応性が低下するためと考えられている。
麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行うこと。
利尿剤による血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用が増強されると考えられている。
降圧作用を増強するおそれがあるので、降圧剤の用量調節等に注意すること。
作用機序の異なる降圧剤との併用により、降圧作用が増強される。
本剤投与中にACE阻害剤又はA-II受容体拮抗剤を初めて投与もしくは増量した際に、高度の血圧低下や、腎不全を含む腎機能の悪化を起こすことがある。これらの薬剤を初めて投与する場合や増量する場合は、本剤の一時休薬もしくは減量等を考慮すること。
本剤投与中は血漿レニン活性が上昇しており、これらの薬剤を投与することによりレニン‐アンジオテンシン系をブロックする結果、急激な血圧低下を起こすと考えられる。
第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれがある。
アミノグリコシド系抗生物質の内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし、永続的な難聴が起こる場合もある。
聴覚障害が増強するおそれがある。
シスプラチンの内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし、永続的な難聴が起こる場合もある。
腎毒性を増強するおそれがある。
近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い、抗生物質の再吸収も増加することにより、組織内濃度が上昇し腎毒性が増強する。
ジギタリスの心臓に対する作用を増強するおそれがあるので、血清カリウム値及び血中ジギタリス濃度に注意すること。
利尿剤による血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na+-K+ ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。
過剰のカリウム放出により、低カリウム血症が発現するおそれがある。
共にカリウム排泄作用を有する。
糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。
細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下をもたらす。
利尿作用が増強されるおそれがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を確認し、脱水症状の発現に注意すること。必要に応じ本剤の用量を調整するなど注意すること。
利尿作用が増強されるおそれがある。
リチウム毒性を増強するおそれがあるので、血中リチウム濃度等に注意する。
リチウムの腎での再吸収を促進し、リチウムの血中濃度が上昇する。
サリチル酸誘導体毒性が発現するおそれがある。
腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れサリチル酸中毒が起こる。
本剤の利尿作用を減弱するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎でのプロスタグランジン合成を阻害し、水、塩類の体内貯留を引き起こし利尿剤の作用と拮抗する。
尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。
尿酸再吸収の間接的増大により、尿酸排泄促進剤の作用が抑制される。
症候性低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
ナトリウム排泄作用が増強され、低ナトリウム血症が起こる。
心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させるおそれがある。
本剤により電解質失調が引き起こされ、併用により不整脈が発現する可能性がある。
痛風性関節炎を起こすおそれがある。
フロセミドによって引き起こされる高尿酸血症とシクロスポリンによる尿酸塩排泄阻害により、副作用が悪化する。
利尿作用が増強するおそれがある。血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を頻回にチェックし、脱水症状の発現に注意すること。
利尿作用を増強させる。
低カリウム血症を伴う心室性不整脈があらわれることがある。
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
頻度不明
血液
貧血、白血球減少、好酸球増加、溶血性貧血
代謝異常
低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、代謝性アルカローシス、高尿酸血症、高血糖症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、偽性バーター症候群
皮膚
発疹、蕁麻疹、発赤、光線過敏症、そう痒症、水疱性皮膚炎、紫斑、苔癬様皮疹
消化器
食欲不振、下痢、悪心・嘔吐、口渇、膵炎注1) (血清アミラーゼ値上昇)
肝臓
黄疸、肝機能異常、胆汁うっ滞
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
精神神経系
めまい、頭痛、知覚異常、聴覚障害
その他
脱力感、倦怠感、起立性低血圧、筋痙攣、味覚異常、血管炎、発熱
電解質及び体液喪失により血圧低下、心電図異常、血栓症、急性腎障害、譫妄状態等を起こす可能性がある。
本剤は血液透析によって除去できない。
ヨード造影剤による造影剤腎症の発症リスクの高い患者に本剤を投与した時、造影剤投与前に輸液のみ行った群に比べ、造影剤投与後の腎機能悪化の割合が高かったとの報告がある。
健康成人5例にフロセミド40mgを静脈内投与した場合、約0.5時間の半減期で血中より消失する1)(外国人データ)。
フロセミド注20mg「NIG」とラシックス注20mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2mL(フロセミドとして20mg)健康成人男子に絶食単回筋肉内投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
投与量
(mg)
AUC0-4
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
フロセミド注20mg「NIG」
20
3.041±0.556
2.54±0.53
0.26±0.08
0.93±0.18
ラシックス注20mg
3.075±0.521
2.48±0.47
0.30±0.10
0.83±0.09
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
フロセミドの血中濃度、血清アルブミン濃度(血清総蛋白)に左右される。健康成人での蛋白結合率は91~99%で、主にアルブミンと結合する3)(外国人データ)。
フロセミドは一部代謝され、その主なものは、グルクロン酸抱合体である4)(外国人データ)。
健康成人にフロセミド40mgを静脈内投与した場合、10日間にわたる完全なbalance studyの結果、5日以内に100%の回収率を得、投与された量の12%が糞便中から検出された1)(外国人データ)。フロセミドは化学的に安定な物質であり、主に未変化体として排泄される4)(外国人データ)。
ループ利尿薬。近位尿細管から有機アニオン輸送系を介して分泌され、へンレ係蹄上行脚の管腔側から作用してNa+-K+-2Cl−共輸送体を阻害することによりNaClの再吸収を抑制し、尿濃縮機構(対向流増幅系)を抑制することによって、ほぼ等張の尿を排泄させる。また、血管拡張性プロスタグランジンの産生促進を介する腎血流量の増加も利尿効果に関与していると考えられている5)。
フロセミドの降圧効果は、高血圧患者に投与した場合徐々に発現し、その作用機序は、利尿による循環血漿量の減少、血管壁のナトリウム含量の減少によると考えられている9)。
フロセミド(Furosemide)
4-Chloro-2-[(furan-2-ylmethyl)amino]-5-sulfamoylbenzoic acid
C12H11ClN2O5S
330.74
白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリル又は酢酸(100)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。希水酸化ナトリウム試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
約205℃(分解)
2mL×50アンプル
1) Rupp, W.:Scot. Med. J.,1974;19(Suppl.1):5-13
2) 社内資料:生物学的同等性試験
3) Cutler, R. E., et al.:Clin. Pharmacokinet.,1979;4(4):279-296
4) Hammarlund-Udenaes, M., et al.:J. Pharmacokin. Biopharm.,1989;17(1):1-46
5) 第十八改正日本薬局方解説書. 廣川書店;2021:C-5010-C-5015
6) Vorburger, C.:J. Urol. Nephrol.,1966;72(9):581-590
7) Heidland, A., et al.:Deutsch med. Wschr.,1969;94(31):1568-1574
8) Timmerman, R. J., et al.:Curr. Ther. Res.,1964;6(2):88-94
9) Heimsoth, V. H.:Münch. med. Wschr.,1975;117(28):1199-1204
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