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カルビタール末/カルビタール液

添付文書番号

2750802V1024_1_10

企業コード

610003

作成又は改訂年月

2024年3月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87275

薬効分類名

直接歯髄覆罩・生活歯髄切断・根管充填剤

承認等

カルビタール末

販売名コード

YJコード

2750802V1024

販売名英語表記

CALVITAL

承認番号等

承認番号

14400AMZ00234000

販売開始年月

1958年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

カルビタール液

販売名コード

YJコード

2750802V1024

販売名英語表記

CALVITAL

承認番号等

承認番号

14500AMZ00225000

販売開始年月

1958年4月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

規制区分

劇薬

一般的名称

歯科用水酸化カルシウム・ヨードホルム・パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩配合剤

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

ヨウ素又は安息香酸エステル(コカインを除く)系局所麻酔剤に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

カルビタール末

有効成分100 g中
水酸化カルシウム  78.5 g
ヨードホルム    20.0 g
スルファチアゾール   1.4 g  
添加剤カルメロースナトリウム

カルビタール液

有効成分100 mL中
パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩     0.5 g  
添加剤ポリソルベート20、グアヤコール

3.2 製剤の性状

カルビタール末

性状微黄白色の粉末で、ヨードホルムのにおいがある

カルビタール液

性状淡黄色澄明の液で、わずかに特異なにおいがある

4. 効能又は効果

○直接歯髄覆罩
齲蝕症第1度及び第2度又はこれに準ずる歯牙硬組織欠損歯で歯質切削中、偶発的に作られた露髄で直接歯髄覆罩を適当と診断された場合
○生活歯髄切断
急性単純性歯髄炎又は急性及び慢性化膿性歯髄炎で、根部歯髄が正常な場合又は補綴学上、罹患歯髄を除去し健康部分を保存した方がよいと診断された場合
○根管充填
抜髄根管及び感染根管で根管治療終了後、根管充填を適当と診断された場合

6. 用法及び用量

  • A.用法

    〈直接歯髄覆罩〉
    窩洞を清掃・消毒、乾燥後、本剤を歯髄露出面に軽く圧接する。
    〈生活歯髄切断〉
    窩洞内を清掃・消毒、乾燥後、本剤を歯髄切断面に軽く圧接する。
    〈根管充填〉
    根管治療終了後、根管内を清掃・消毒、乾燥し適当な根管充填器を用いて本剤を充填する。

  • B.用量

    粉末と液を約2:1の割合に練和してパスタ状とし、局所に応用する。
    下顎第一臼歯に対する用量の平均値は次のとおりである。

処 置

直接歯髄覆罩・歯髄切断

0.1 g

0.05 g

根管充填

0.17 g

0.08 g

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

過敏症状

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 口腔粘膜等に付着した場合には、直ちに清拭し、必要な場合には洗口させること。
    また、手指等に付着した場合には、石けん等を用いて水又は温湯で洗浄すること。
    万一眼に入った場合には、直ちに多量の水で洗浄する等の適切な処置を行うこと。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

急性毒性(練和物)1)
ラット(Wistar系♂) 経口 LD50= 3.9 g/kg

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    処置別における臨床成績は次のとおりである2)3)4)5)6)

    適 用

    症例数

    成績

    良好

    概良

    不良

    直接歯髄覆罩

    45

    42

    3

    0

    生活歯髄切断

    135

    129

    6

    0

    根管充填

    160

    148

    12

    0

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤を歯髄創傷面に貼付した場合、壊死層の形成に続き、その直下に初期石灰化が招来され、骨様象牙質が形成される。終局的には象牙細管構造を有する象牙質が形成され、これに接して予成象牙質及び象牙芽細胞が配列することにより、象牙質牆がより完全な形態を呈するに至る7)
末に配合されているスルファチアゾールは抗菌性物質として、ヨードホルムは制腐作用増強及びX線造影性の付与、液のパラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩(テーカイン)は、歯髄の外傷等に由来する不快症状の防止を目的としている4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

水酸化カルシウム

一般的名称

水酸化カルシウム(Calcium Hydroxide)

化学名

Calcium Hydroxide

分子式

Ca(OH)2

分子量

74.09

性状

本品は白色の粉末で、味は僅かに苦い。本品は水に溶けにくく、熱湯に極めて溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は希酢酸、希塩酸又は希硝酸に溶ける。本品は空気中で二酸化炭素を吸収する。

ヨードホルム

一般的名称

ヨードホルム(Iodoform)

化学名

Triiodomethane

分子式

CHI3

分子量

393.73

性状

本品は光沢のある黄色の結晶又は結晶性の粉末で、特異なにおいがある。本品はジエチルエーテルに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品は常温で僅かに揮散する。

化学構造式

スルファチアゾール

一般的名称

スルファチアゾール(Sulfathiazole)

化学名

4-Amino-N-2-thiazolyl benzenesulfonamide

分子式

C9H9N3O2S2

分子量

255.32

性状

本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。本品はピリジン又はn-ブチルアミンに溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。本品は希塩酸、水酸化ナトリウム試液又はアンモニア試液に溶ける。

化学構造式

パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩

一般的名称

パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩(Diethylaminoethyl p-Butylaminobenzoate Hydrochloride)

化学名

2-(Diethylamino)ethyl p-(butylamino)benzoate hydrochloride

分子式

C17H28N2O2・HCl

分子量

328.88

性状

本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。本品は水、メタノール、氷酢酸又はクロロホルムに溶けやすく、無水エタノールにやや溶けやすく、エーテルにほとんど溶けない。

化学構造式

22. 包装

〈末〉 10 g(ガラス容器)
〈液〉 10 mL(合成樹脂容器)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

請求先:ネオ製薬工業株式会社 学術情報部

住 所:〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-1-3

ホームページ:https://www.neo-dental.com/

フリーダイヤル: 0120-07-3768

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ネオ製薬工業株式会社

〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-1-3
Tel.(03)3400-3768(代)
Fax.(03)3499-0613

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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