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日本薬局方
二相性イソフェンインスリン ヒト(遺伝子組換え)水性懸濁注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
インスリン療法が適応となる糖尿病
2型糖尿病患者においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
本剤は速効型インスリンと中間型インスリンを3:7の割合で含有する混合製剤である。成人では通常1回4~20単位を1日2回、朝食前と夕食前30分以内に皮下注射する。なお、1日1回投与のときは朝食前に皮下注射する。投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。
インスリン需要の変動が激しい。
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全・下痢、嘔吐等の胃腸障害・飢餓状態、不規則な食事摂取・激しい筋肉運動・過度のアルコール摂取者,
低血糖を起こすおそれがある。
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。
定期的に検査を行い投与量を調整すること。成長、思春期及び活動性によりインスリンの需要量が変化する。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が発現しやすい。
糖尿病用薬 ビグアナイド薬 スルホニルウレア薬 速効型インスリン分泌促進薬 α-グルコシダーゼ阻害薬 チアゾリジン薬 DPP-4阻害薬 GLP-1受容体作動薬 SGLT2阻害薬 等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。
三環系抗うつ剤 ノルトリプチリン塩酸塩 等
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
サリチル酸誘導体 アスピリン エテンザミド
糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。
抗腫瘍剤 シクロホスファミド水和物
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
β-遮断剤 プロプラノロール塩酸塩 アテノロール ピンドロール
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
クマリン系薬剤 ワルファリンカリウム
機序不明
クロラムフェニコール
ベザフィブラート
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
サルファ剤
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
シベンゾリンコハク酸塩ジソピラミドピルメノール塩酸塩水和物
インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。
チアジド系利尿剤 トリクロルメチアジド
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
副腎皮質ステロイド プレドニゾロン トリアムシノロン
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
ACTH テトラコサクチド酢酸塩
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
アドレナリン
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
グルカゴン
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
甲状腺ホルモン レボチロキシンナトリウム水和物
成長ホルモン ソマトロピン
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
卵胞ホルモン エチニルエストラジオール 結合型エストロゲン
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬
ニコチン酸
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
ダナゾール
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
フェニトイン
インスリン分泌抑制作用を有する。
蛋白同化ステロイド メテノロン
血糖降下作用の増強による低血糖症状 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
ソマトスタチンアナログ製剤 オクトレオチド酢酸塩 ランレオチド酢酸塩
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。低血糖は臨床的に回復した場合にも再発することがあるので継続的に観察すること。,,,,,,,
呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
アレルギー、じん麻疹、発疹、そう痒感
血圧降下
肝臓
肝機能障害
消化器
食欲不振
嘔気
神経系
治療後神経障害(主に有痛性)
眼
糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、屈折異常
注射部位
疼痛、発赤、腫脹、硬結、リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)
発疹
皮膚アミロイドーシス
その他
*浮腫、発熱、抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良
(1)本剤は懸濁製剤であるので、十分混和し均一にした後、使用すること。(2)本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。(3)本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。(4)1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
皮下注射は、上腕、大腿、腹部、臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。
静脈内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
(1)インスリンカートリッジにインスリン製剤を補充してはならない。(2)十分混和しても、インスリンカートリッジの内壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられることがある。また、使用中に液が変色することがある。これらのような場合は使用しないこと。(3)インスリンカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
ペンフィル10R~50R注(ペンフィル30R注は本剤と同一組成)について英国で実施した試験結果を以下に示す。
健康成人男子9例を対象に、3剤3期の交叉比較試験を実施した。各製剤20単位を腹壁に皮下注射し、血中インスリン濃度(IRI)を24時間まで経時的に測定した。IRIは、ペンフィル10R注では2時間15分後、ペンフィル20R注及びペンフィル30R注では2時間45分後に最高値となった。10R注は4時間後にも2回目のピークがあらわれたが、その後徐々に低下して前値に復した。ペンフィル10R注と20R注において、IRIに有意差は認められなかったが、ペンフィル30R注投与後の3~4時間までのIRIは、10R注及び20R注と比較して有意に高かった。また、30R注投与後8時間までのIRIのAUCは、他の2剤に比べて有意差が認められた。
健康成人男子8例を対象に、3剤3期の交叉比較試験を実施した。各製剤20単位を腹壁に皮下注射し、血中インスリン濃度(IRI)を8時間まで経時的に測定した。IRIはペンフィル30R注及びペンフィル40R注では45分後、ペンフィル50R注では1時間後に最高値となり、その後徐々に低下して前値に復した。ペンフィル30R注と40R注において、IRIに有意差は認められなかったが、ペンフィル50R注投与後のIRIは、30R注と比較した場合は投与後1時間15分で、40R注と比較した場合は投与後1時間15分と3時間15分で、有意に高かった。
作用発現時間
最大作用発現時間
作用持続時間
約30分
2~8時間
約24時間
ペンフィル10R~50R注での臨床試験結果を以下に示す4) 。
対象
207例(中間型インスリン製剤の単独あるいは速効型インスリン製剤との併用で、1日1~2回投与により治療を受けている糖尿病患者)
方法・実施期間
原則として試験開始前の速効型と中間型インスリンの混合比に近い組成の製剤に切り替え、24週にわたって経過観察。
観察項目
インスリン1日投与量
有意の変化は認められなかった。
HbA1c
インスリンIgG抗体価
イースト蛋白抗体価
空腹時血糖値
16週目及び20週目に有意に低下した。
低血糖発現頻度
投与開始後有意な変化は認められなかった〔試験開始前(0週)15.4%、試験終了時(24週)11.9%〕。
有用度の最終評価
有用以上 94/181例(51.9%)やや有用以上 141/181例(77.9%)
インスリンは標的臓器のインスリンレセプターに結合し、次のような種々の作用をあらわす。それらの結果、血糖降下作用があらわれる。1. 筋肉・脂肪組織における糖の取込み促進2. 肝臓における糖新生の抑制3. 肝臓・筋肉におけるグリコーゲン合成の促進4. 肝臓における解糖系の促進5. 脂肪組織における脂肪合成促進
インスリン ヒト(遺伝子組換え) (JAN)Insulin Human(Genetical Recombination) (JAN)
C257H383N65O77S6
5807.57
白色の粉末である。水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。0.01mol/L塩酸試液又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。吸湿性である。
使用中は冷蔵庫に入れず、キャップ等により遮光して室温に保管し、6週間以内に使用すること。残った場合は廃棄すること。
<ノボリン30R注フレックスペン>1筒 3mL:2本<イノレット30R注>1筒 3mL:2本
1) Herings RMC, et al.:Lancet. 1995;345:1195-8
2) 社内資料:MX-10, MX-20およびMX-30の薬物動態比較試験
3) 社内資料:MX-30, MX-40およびMX-50の薬物動態比較試験
4) 石田俊彦ほか:プラクティス. 1991;8:161-73
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