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劇薬
処方箋医薬品注)
インスリン療法が適応となる糖尿病
通常、成人では、1週間に1回皮下注射する。初期は通常1回30~140単位とし、患者の状態に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1週間あたり30~560単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。
インスリン需要の変動が激しい。
,
低血糖を起こすおそれがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を妊婦に投与した臨床試験成績は得られていない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が発現しやすい。
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が増強される。
インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
機序不明
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
インスリン分泌抑制作用を有する。
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。本剤は週1回投与する薬剤であり、その作用は持続的であるため、回復が遅延するおそれがある。なお、本剤の臨床試験では、低血糖は各投与後の2~4日に最も多く認められている。,,,,,,,,,,
呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。
1~5%未満
0.2~1%未満
頻度不明
免疫系障害
過敏症(蕁麻疹、口唇腫脹、顔面腫脹等)
代謝および栄養障害
抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良
神経系障害
浮動性めまい、頭痛、振戦
眼障害
糖尿病網膜症
黄斑浮腫
胃腸障害
下痢、悪心、消化不良、嘔吐
皮膚および皮下組織障害
多汗症、冷汗
筋骨格系および結合組織障害
筋痙縮
全身障害および投与部位の状態
空腹、注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位内出血、注射部位過敏反応、注射部位腫脹、注射部位蕁麻疹等)、倦怠感、無力症、異常感
リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、浮腫
臨床検査
体重増加
皮下注射は、大腿、上腕、腹部に行う。同じ部位に注射を行う場合は、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
日本人1型糖尿病患者24例に本剤を被験者ごとに設定した用量で8週間週1回皮下投与したときの薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移を以下に示す。
パラメータ
1週目投与後(24例)
8週目投与後(24例)
1回投与量(単位/kg)
1.71[1.2, 3.1]
1.69[1.2, 3.1]
投与量で補正したCmax(nmol/L/(単位/kg))
52.2(19.0)
91.2(14.7)
投与量で補正したAUC0-168(nmol・h/L/(単位/kg))
6108.5(12.8)
10849.0(10.6)
tmax(h)
12.0[12.0, 36.0]
16.0[12.0, 18.0]
t1/2(h)
−
164(11.4)
幾何平均値(変動係数%)、投与量は平均値[範囲]、tmaxは中央値[範囲]
血中濃度は、初回投与時に用量の増量を行わなかった場合では、初回投与後2~3週で臨床的な定常状態に達した。母集団薬物動態モデルを用いたシミュレーションにより、初回投与時に1.5倍に増量した用量を投与した場合には、1週間早く定常状態に達し得ると推定された2) 。,,
2型糖尿病患者46例に本剤を被験者ごとに設定した用量で8週間週1回皮下投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す。
1週目投与後(46例)
8週目投与後(42例)
2.56[1.21, 5.27]
2.91[1.53, 5.64]
50.8(22.5)
105.8(21.0)a)
6064.5(15.8)
12748.4(20.0)a)
21.2[11.6, 59.9]
15.1[12.0, 42.0]a)
155(15.3)
幾何平均値(変動係数%)、投与量は平均値[範囲]、tmaxは中央値[範囲]a)41例
血中濃度は、初回投与時に用量の増量を行わなかった場合では、初回投与後3~4週で臨床的な定常状態に達した。母集団薬物動態モデルを用いたシミュレーションにより、初回投与時に1.5倍に増量した用量を投与した場合には、2~3週で臨床的な定常状態に達し得ると推定された3) (外国人データ)。2型糖尿病患者50例に本剤2.0~4.0単位/kgを週1回又はインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回反復皮下投与したとき、投与5週後又は投与35日後におけるt1/2(幾何平均値)はそれぞれ170~238時間、27時間であった4) (外国人データ)。,,
2型糖尿病患者25例に本剤5.6単位/kgを大腿部、腹部、上腕部に単回皮下投与し、薬物動態特性及び投与後36~60時間のグルコースクランプ下における血糖降下作用を検討した。大腿部への投与に対する腹部又は上腕部への投与での最高血中濃度(Cmax)及び総曝露量(AUC0-inf,SD)の幾何平均値の比とその95%信頼区間は、腹部投与時では1.17[1.07, 1.29]及び1.02[0.96, 1.09]、上腕部投与時では1.24[1.14, 1.35]及び1.04[0.98, 1.10]であった。また、本剤の血糖降下作用は、大腿部、腹部又は上腕部に投与した場合のいずれの場合でも同程度であった5) (外国人データ)。
本剤のヒト血漿タンパク及びヒト血清アルブミンに対するin vitroでの結合率は、いずれも99%超であった6) 。in vitroでのタンパク結合試験から、本剤と脂肪酸又はその他のタンパク結合型薬物と臨床上問題となる相互作用は認められなかった7) 。
本剤の代謝はヒトインスリンと同様であり、認められたすべての代謝物は不活性であった8) 。
腎機能障害の程度の異なる被験者(実測糸球体濾過量:mGFR(mL/min)による分類)に本剤1.5単位/kgを単回皮下投与し、腎機能が正常な被験者(mGFR 90以上)と薬物動態特性を比較検討した結果を以下に示す9) (外国人データ)。
腎機能
AUC0-840,SD比の推定値[95%信頼区間]
Cmax,SD比の推定値[95%信頼区間]
軽度/正常(軽度:mGFR 60以上90未満)
1.12[0.96; 1.31]
1.05[0.85; 1.30]
中等度/正常(中等度:mGFR 30以上60未満)
1.21[1.04; 1.41]
重度/正常(重度:mGFR 30未満)
1.16[0.99; 1.36]
0.91[0.74; 1.13]
末期/正常(末期:血液透析を必要とする被験者)
1.13[0.95; 1.33]
1.02[0.81; 1.29]
被験者数:正常12例、軽度12例、中等度12例、重度12例、末期10例
肝機能障害の程度の異なる被験者(Child-Pugh scoresに基づく分類)に本剤1.5単位/kgを単回皮下投与し、肝機能が正常な被験者と薬物動態特性を比較検討した結果を以下に示す10) (外国人データ)。
肝機能
AUC0-inf,SD比の推定値[95%信頼区間]
軽度/正常(軽度:Child-Pugh分類A)
1.13[1.00; 1.28]
1.13[0.90; 1.42]
中等度/正常(中等度:Child-Pugh分類B)
1.15[1.02; 1.29]
1.05[0.83; 1.31]
重度/正常(重度:Child-Pugh分類C)
0.97[0.86; 1.09]
0.97[0.77; 1.21]
被験者数:正常6例、軽度6例、中等度6例、重度6例
1型糖尿病患者及び2型糖尿病患者1244例(日本人127例)を対象とした母集団薬物動態解析の結果、18歳以上65歳未満の被験者に対する65歳以上75歳未満及び75歳以上の被験者の、定常状態での本剤の投与量補正した平均血清中濃度の比の推定値及びその90%信頼区間は、1.05[1.02; 1.07]及び1.11[1.07; 1.14]であった。
日本人1型糖尿病患者24例に本剤を被験者ごとに設定した用量で8週間週1回皮下投与し、投与後24~48時間及び150~168時間のグルコースクランプ下における血糖降下作用を検討した。母集団薬物動態/薬力学モデルを用いて予測した、定常状態におけるグルコース注入速度の推移は以下の図のとおりであり、血糖降下作用は臨床用量で1週間持続した2) 。,,,
2型糖尿病患者46例に本剤を被験者ごとに設定した用量で8週間週1回皮下投与し、投与後0~36時間、40~64時間及び144~168時間のグルコースクランプ下における血糖降下作用を検討した。母集団薬物動態/薬力学モデルを用いて予測した、定常状態におけるグルコース注入速度の推移は以下の図のとおりであり、血糖降下作用は臨床用量で1週間持続した3) (外国人データ)。,,,
インスリン治療歴のない2型糖尿病患者984例を対象に無作為割り付けを行い、非盲検下で本剤を週1回又はインスリン グラルギン100単位/mLを1日1回、52週間皮下投与した(本剤:492例(日本人:78例)、インスリン グラルギン100単位/mL:492例(日本人:86例))。本剤又はインスリン グラルギン100単位/mLは、糖尿病治療薬(メトホルミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、GLP-1受容体作動薬)併用下で投与した。本剤群の開始用量は70単位、インスリン グラルギン100単位/mL群の開始用量は10単位とし、試験実施中、本剤及びインスリン グラルギン100単位/mLの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節した。主要評価項目であるHbA1cのベースラインから投与後52週までの変化量は下表のとおりであり、本剤のインスリン グラルギン100単位/mLに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.3%)。
本剤群(492例)
インスリン グラルギン100単位/mL群(492例)
HbA1c(%)
ベースラインa)
8.50±0.99(492例)
8.44±1.02(492例)
投与52週時b)
6.93±0.06(492例)
7.12±0.05(492例)
変化量b)
-1.55±0.06(492例)
-1.35±0.05(492例)
インスリン グラルギンとの群間差[95%信頼区間]c)
-0.19[-0.36; -0.03]
a)平均値±標準偏差(評価例数)b)最小二乗平均値±標準誤差(評価例数):多重補完法を用いて欠測値を補完後、共分散分析により推定c)多重補完法を用いて欠測値を補完後、共分散分析により推定
主な副次評価項目の結果を下表に示す。
HbA1c 7%未満の達成
投与52週時の達成割合(%)a)
57.57(492例)
45.44(492例)
レベル2又はレベル3の低血糖を発現せずにHbA1c 7%未満の達成
52.56(492例)
42.58(492例)
空腹時血糖値(mg/dL)
ベースラインb)
185.31±48.96(480例)
185.71±51.66(474例)
投与52週時c)
125.19±1.67(480例)
125.43±1.68(474例)
変化量c)
-60.32±1.67(480例)
-60.08±1.68(474例)
血糖値の目標範囲内(70-180mg/dL)時間(time in range)(%)
48週~52週b)
71.94±18.23(439例)
66.90±18.19(440例)
1週間あたりのBasalインスリン投与量(単位)
50週~52週d)
230.0(10.0, 980.0)(472例)
221.5(14.0, 1022.7)(477例)
a)割合の推定値(評価例数):多重補完法を用いて欠測値を補完後、ロジスティック回帰モデルにより推定b)平均値±標準偏差(評価例数)c)最小二乗平均値±標準誤差(評価例数):多重補完法を用いて欠測値を補完後、共分散分析により推定d)中央値(最小値,最大値)(評価例数)
重大な低血糖(レベル3)、重大な低血糖又は臨床的に問題となる低血糖(レベル2)、及びレベル3又はレベル2の夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合を下表に示す11) 。
患者あたりの年間発現件数(発現割合(%))
レベル3の低血糖
<0.01(0.2)
<0.01(0.6)
レベル3又はレベル2の低血糖
0.30(9.8)
0.16(10.6)
レベル3又はレベル2の夜間低血糖
0.04(1.8)
0.03(2.2)
52週間の主要期間の後にさらに26週間延長して、長期安全性を検討した延長期間では、重大な低血糖(レベル3)又は臨床的に問題となる低血糖(レベル2)の患者あたりの年間発現件数及び発現割合は、本剤群では0.30件/人・年及び12.4%、インスリン グラルギン100単位/mL群では0.16件/人・年及び14.2%であった12) 。
Basalインスリンで治療中の2型糖尿病患者526例を対象に無作為割り付けを行い、非盲検下で本剤を週1回又はインスリン デグルデクを1日1回、26週間皮下投与した(本剤:262例(日本人:51例)、インスリン デグルデク:263例(日本人:49例))。本剤又はインスリン デグルデクは、糖尿病治療薬(メトホルミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、GLP-1受容体作動薬)併用下で投与した。試験実施中、本剤及びインスリン デグルデクの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節したが、本剤群では、初回投与時には、割り付け前のBasalインスリン1日投与量の7倍量をさらに1.5倍に増量した用量を投与し、その後はBasalインスリン1日投与量の7倍量を投与し、以降は適宜用量調節することとした。主要評価項目であるHbA1cのベースラインから投与後26週までの変化量は下表のとおりであり、本剤のインスリン デグルデクに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.3%)。
本剤群(263例)
インスリン デグルデク群(263例)
8.17±0.77(263例)
8.10±0.77(263例)
投与26週時b)
7.20±0.05(263例)
7.42±0.06(263例)
-0.93±0.05(263例)
-0.71±0.06(263例)
インスリン デグルデクとの群間差[95%信頼区間]c)
-0.22[-0.37; -0.08]
投与26週時の達成割合(%)a)
40.32(263例)
26.49(263例)
36.73(263例)
26.79(263例)
152.24±47.47(260例)
150.70±40.92(257例)
投与26週時c)
123.01±2.08(260例)
122.30±2.10(257例)
-28.47±2.08(260例)
-29.18±2.10(257例)
22週~26週b)
63.13±17.40(238例)
59.50±18.92(239例)
24週~26週d)
280.0(10.0, 980.0)(249例)
253.97(49.0, 1364.0)(252例)
重大な低血糖(レベル3)、重大な低血糖又は臨床的に問題となる低血糖(レベル2)、及びレベル3又はレベル2の夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合を下表に示す13) 。
レベル3の低血糖a)
0(0)
<0.01(0.4)
レベル3又はレベル2の低血糖a)
0.73(14.1)
0.27(7.2)
レベル3又はレベル2の夜間低血糖a)
0.21(6.1)
0.09(3.4)
a)本剤群の患者あたりの年間発現件数及び発現割合は、本剤の投与を受けた患者数(262例)に基づいて算出
Basal-Bolus療法で治療中の2型糖尿病患者582例を対象に無作為割り付けを行い、非盲検下で本剤を週1回又はインスリン グラルギン100単位/mLを1日1回、26週間皮下投与した(本剤:291例(日本人:44例)、インスリン グラルギン100単位/mL:291例(日本人:41例))。本剤又はインスリン グラルギン100単位/mLは、糖尿病治療薬(メトホルミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、GLP-1受容体作動薬)併用又は非併用下かつBolusインスリンとしてインスリン アスパルト1日2~4回皮下投与の併用下で投与した。試験実施中、本剤及びインスリン グラルギン100単位/mLの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節したが、本剤群では、初回投与時には、割り付け前のBasalインスリン1日投与量の7倍量をさらに1.5倍に増量した用量を投与し、その後はBasalインスリン1日投与量の7倍量を投与し、以降は適宜用量調節することとした。主要評価項目であるHbA1cのベースラインから投与後26週までの変化量は下表のとおりであり、本剤のインスリン グラルギン100単位/mLに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.3%)。
本剤群(291例)
インスリン グラルギン100単位/mL群(291例)
8.29±0.86(291例)
8.31±0.90(291例)
7.14±0.05(291例)
7.12±0.05(291例)
-1.16±0.05(291例)
-1.18±0.05(291例)
0.02[-0.11; 0.15]
40.69(291例)
45.48(291例)
26.48(291例)
25.24(291例)
166.59±54.10(283例)
173.05±63.46(284例)
138.28±2.90(283例)
140.76±2.93(284例)
-31.54±2.90(283例)
-29.06±2.93(284例)
66.88±15.62(244例)
66.44±16.17(237例)
360.0(45.0, 1450.0)(261例)
294.0(52.0, 1116.5)(264例)
重大な低血糖(レベル3)、重大な低血糖又は臨床的に問題となる低血糖(レベル2)、及びレベル3又はレベル2の夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合を下表に示す14) 。
0.04(1.4)
0.02(0.7)
5.64(51.5)
5.62(55.7)
0.78(18.6)
1.04(24.7)
Basal-Bolus療法で治療中の1型糖尿病患者582例を対象に無作為割り付けを行い、非盲検下で本剤を週1回又はインスリン デグルデクを1日1回、26週間皮下投与した(本剤:290例(日本人:32例)、インスリン デグルデク:292例(日本人:48例))。Bolusインスリンとしてインスリン アスパルトを1日2~4回皮下投与した。試験実施中、本剤及びインスリン デグルデクの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節したが、本剤群では、試験参加前のBasalインスリン製剤の種類及び投与方法並びにスクリーニング時のHbA1c値に基づき、初回投与時には、割り付け前のBasalインスリン1日投与量の7倍量をさらに1.5倍又は2倍に増量した用量を投与し、その後はBasalインスリン1日投与量の7倍量を投与し、以降は適宜用量調節することとした。主要評価項目であるHbA1cのベースラインから投与後26週までの変化量は下表のとおりであり、本剤のインスリン デグルデクに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.3%)。
本剤群(290例)
インスリン デグルデク群(292例)
7.59±0.96(290例)
7.63±0.93(292例)
7.15±0.07(290例)
7.10±0.06(292例)
-0.47±0.07(290例)
-0.51±0.06(292例)
0.05[-0.13; 0.23]
40.20(290例)
45.72(292例)
9.55(290例)
16.74(292例)
179.17±73.86(276例)
172.31±72.30(287例)
160.60±3.65(276例)
142.02±3.55(287例)
-15.08±3.65(276例)
-33.66±3.55(287例)
59.10±15.66(261例)
60.85±15.03(272例)
170.0(50.0, 720.0)(263例)
147.0(14.4, 686.0)(282例)
重大な低血糖(レベル3)、重大な低血糖又は臨床的に問題となる低血糖(レベル2)、及びレベル3又はレベル2の夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合を下表に示す15) 。
0.33(3.1)
0.12(3.1)
19.93(85.2)
10.37(76.4)
3.38(46.6)
1.58(33.6)
26週間の主要期間の後にさらに26週間延長して、長期安全性を検討した延長期間では、重大な低血糖(レベル3)又は臨床的に問題となる低血糖(レベル2)の患者あたりの年間発現件数及び発現割合は、本剤群では17.00件/人・年及び90.7%、インスリン デグルデク群では9.16件/人・年及び85.6%であった16) 。
本剤の主な薬理作用は、グルコース代謝の調節である。本剤は、他のインスリン製剤と同様にインスリンレセプターに結合し、骨格筋及び脂肪細胞における糖の取り込みを促進し、また肝臓におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。さらに、脂肪細胞における脂肪分解及び蛋白質分解を阻害し、蛋白質合成を促進する。本剤の半減期延長作用は、主に本剤がアルブミンと可逆的に結合することによる。本剤は投与後に血漿中に移行した後、血中のアルブミンに結合することで活性を示さない状態となり、その後、緩徐にアルブミンと解離し、インスリンレセプターと結合することで、血糖降下作用が持続する17) 。
インスリン イコデク(遺伝子組換え)(JAN)Insulin Icodec(Genetical Recombination)(JAN)
C280H435N71O87S6
6,380.26
白色~ほぼ白色の粉末
使用中は室温にキャップ等により遮光して保管し、アウィクリ注 フレックスタッチ 総量300単位は6週間以内、アウィクリ注 フレックスタッチ 総量700単位は12週間以内に使用すること。冷蔵庫保管(2~8℃)も可能であるが、凍結を避けること。残った場合は廃棄すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
0.43mL×2本
1.0mL×2本
1) Herings RMC, et al.:Lancet. 1995;345:1195-8
2) 社内資料:第1相臨床試験(NN1436-4422)(2024年6月24日承認, CTD2.7.2.3)
3) 社内資料:第1相臨床試験(NN1436-4569)(2024年6月24日承認, CTD2.7.2.3)
4) 社内資料:第1相臨床試験(NN1436-4314)(2024年6月24日承認, CTD2.7.6)
5) 社内資料:第1相臨床試験(NN1436-4572)(2024年6月24日承認, CTD2.7.2.3)
6) 社内資料:マウス、ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿を用いたin vitroタンパク質結合(2024年6月24日承認, CTD2.6.4.4)
7) 社内資料:血清アルブミン結合の置換(2024年6月24日承認, CTD2.6.4.7)
8) 社内資料:In vitro代謝(2024年6月24日承認, CTD2.6.4.5)
9) 社内資料:第1相臨床試験(NN1436-4226)(2024年6月24日承認, CTD2.7.2.3)
10) 社内資料:第1相臨床試験(NN1436-4570)(2024年6月24日承認, CTD2.7.2.3)
11) 社内資料:第3相臨床試験(NN1436-4477主要パート)(2024年6月24日承認, CTD2.7.3及びCTD2.7.4)
12) 社内資料:第3相臨床試験(NN1436-4477)(2024年6月24日承認, CTD2.7.3及びCTD2.7.4)
13) 社内資料:第3相臨床試験(NN1436-4478)(2024年6月24日承認, CTD2.7.3及びCTD2.7.4)
14) 社内資料:第3相臨床試験(NN1436-4480)(2024年6月24日承認, CTD2.7.3及びCTD2.7.4)
15) 社内資料:第3相臨床試験(NN1436-4625主要パート)(2024年6月24日承認, CTD2.7.3及びCTD2.7.4)
16) 社内資料:第3相臨床試験(NN1436-4625)(2024年6月24日承認, CTD2.7.3及びCTD2.7.4)
17) Nishimura E, et al.:BMJ Open Diabetes Res Care. 2021;9:e002301
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本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき2025年11月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
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