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劇薬
処方箋医薬品注)
インスリン療法が適応となる糖尿病
2型糖尿病患者においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
本剤は、超速効型インスリン(インスリン アスパルト)と持効型インスリン(インスリン デグルデク)を3:7のモル比で含有する溶解インスリン製剤である。通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射する。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、毎日一定とする。1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。
インスリン需要の変動が激しい。
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全・下痢、嘔吐等の胃腸障害・飢餓状態、不規則な食事摂取・激しい筋肉運動・過度のアルコール摂取者
本剤は作用発現が速いことから、低血糖を起こすおそれがある。
低血糖を起こすおそれがある。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を妊婦に投与した臨床試験成績は得られていない。
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。
小児等を対象とした臨床試験は国内で実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が発現しやすい。
糖尿病用薬 ビグアナイド薬 スルホニルウレア薬 速効型インスリン分泌促進薬 α-グルコシダーゼ阻害薬 チアゾリジン薬 DPP-4阻害薬 GLP-1受容体作動薬 SGLT2阻害薬 等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。
三環系抗うつ剤 ノルトリプチリン塩酸塩 等
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
サリチル酸誘導体 アスピリン エテンザミド
糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。
抗腫瘍剤 シクロホスファミド水和物
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
β-遮断剤 プロプラノロール塩酸塩 アテノロール ピンドロール
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
クマリン系薬剤 ワルファリンカリウム
機序不明
クロラムフェニコール
ベザフィブラート
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
サルファ剤
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
シベンゾリンコハク酸塩ジソピラミドピルメノール塩酸塩水和物
インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。
チアジド系利尿剤 トリクロルメチアジド
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
副腎皮質ステロイド プレドニゾロン トリアムシノロン
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
ACTH テトラコサクチド酢酸塩
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
アドレナリン
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
グルカゴン
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
甲状腺ホルモン レボチロキシンナトリウム水和物
成長ホルモン ソマトロピン
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
卵胞ホルモン エチニルエストラジオール 結合型エストロゲン
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬
ニコチン酸
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
ダナゾール
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
フェニトイン
インスリン分泌抑制作用を有する。
蛋白同化ステロイド メテノロン
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
ソマトスタチンアナログ製剤 オクトレオチド酢酸塩 ランレオチド酢酸塩
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。本剤の作用は持続的であるため、回復が遅延するおそれがある。低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。
呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。
0.5~5%未満
頻度不明
過敏症
アレルギー、じん麻疹、そう痒感、血圧降下注2) 、発疹注2)
肝臓
肝機能異常注2) (AST、ALTの上昇等)
消化器
嘔吐注2) 、嘔気注2) 、腹痛注2) 、食欲不振注2)
神経系
頭痛
めまい注2) 、治療後神経障害注2) (主に有痛性)
眼
糖尿病網膜症の顕在化又は増悪
屈折異常注2) 、白内障注2)
注射部位
注射部位反応注3) (疼痛、そう痒、硬結等)
*リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、皮膚アミロイドーシス
呼吸器系
呼吸困難注2)
血液
血小板減少注2)
その他
**発熱注2) 、浮腫注2) 、倦怠感注2) 、多汗注2) 、振戦注2) 、空腹感注2) 、体重増加注2) 、血中ケトン体増加注2)、抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良
(1)本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。(2)本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。(3)1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
**皮下注射は、腹部、上腕、大腿に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
(1)本剤は他の薬剤との混合により、成分が分解するおそれがあるため、本剤と他の薬剤を混合しないこと。(2)注射後、注射針は廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。(3)インスリンカートリッジにインスリン製剤を補充してはならない。(4)インスリンカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。(5)液に濁りが生じていたり、変色している場合は、使用しないこと。
本剤は、2つの画分(インスリン デグルデクとインスリン アスパルト)の作用プロファイルを併せ持つ製剤である。
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。インスリン アスパルトの速やかに血中に吸収される特性は本剤においても認められた。インスリン アスパルトは投与後10分に血中に認められ、投与後72分に最高血中濃度に達した2) 。
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態プロファイルを検討した。インスリン デグルデクの血中濃度は投与後2~3日で定常状態に達した。定常状態のインスリン デグルデクの半減期は約18時間であった3) 。
腎機能障害の程度の異なる患者[クレアチニンクリアランス(mL/min)に基づく分類。軽度(50以上80以下)、中等度(30以上50未満)、重度(30未満)、末期(血液透析を必要とする患者)]にインスリン デグルデク0.4単位/kgを単回投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態を比較した。腎機能障害患者と健康成人の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった7) (外国人データ)。
AUC0-120h,SD比[90%信頼区間]
軽度/正常
1.12[0.77;1.63]
中等度/正常
1.12[0.78;1.60]
重度/正常
1.20[0.83;1.74]
末期/正常注4)
1.02[0.74;1.40]
肝機能障害の程度の異なる患者[Child-Pugh scoresに基づく分類。軽度:Grade A(5~6ポイント)、中等度:Grade B(7~9ポイント)、重度:Grade C(10~15ポイント)]にインスリン デグルデク0.4単位/kgを単回投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬物動態を比較した。肝機能障害患者と健康成人のインスリン デグルデクの薬物動態プロファイルに違いは認められなかった8) (外国人データ)。
0.95[0.77;1.16]
1.00[0.82;1.22]
0.92[0.74;1.14]
正常n=6、軽度n=6、中等度n=6、重度n=6
小児(8~11歳:平均年齢10.3歳)、青年期(12~17歳:平均年齢14.7歳)及び成人(18~57歳:平均年齢25.1歳)の1型糖尿病患者に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、本剤投与後の薬物動態を検討した。成人患者において認められたインスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の速やかに血中に吸収される特性は、小児及び青年期患者においても認められた。インスリン アスパルトの曝露量及び最高血中濃度は成人患者より小児患者において大きく、成人患者と青年期患者で同様であった。また、成人患者で認められたインスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の長い薬物動態プロファイルは小児及び青年期患者においても認められた。単回投与後のインスリン デグルデクの総曝露量は成人患者より小児及び青年期患者において大きかった6) (外国人データ)。
インスリン アスパルト画分
AUC0-12h,SD比[95%信頼区間]
Cmax,SD比[95%信頼区間]
小児/成人
1.69[1.02;2.80]
1.66[1.10;2.51]
青年/成人
1.14[0.76;1.69]
1.16[0.84;1.61]
インスリン デグルデク画分
AUC0-∞,SD比[95%信頼区間]
1.42[0.94;2.16]
1.38[1.09;1.76]
1.23[0.96;1.58]
1.16[0.95;1.42]
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当小児n=12、青年n=13、成人n=13
(1)本剤単回投与後のインスリン アスパルトの薬物動態若年(19~33歳:平均年齢25.4歳)及び高齢(65~79歳:平均年齢68.2歳)の1型糖尿病患者に本剤0.5単位/kgを単回投与し、本剤投与後の薬物動態を検討した。インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)の速やかに血中に吸収される特性は、高齢者においても認められ、若年者及び高齢者の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった4) (外国人データ)。
本剤 0.5単位/kg
AUC0-12h,SD比(高齢者/若年者)[95%信頼区間]
1.27[0.97;1.65]
本剤0.5単位/kg:インスリン アスパルト0.15単位/kg及びインスリン デグルデク0.35単位/kgに相当若年者n=13、高齢者n=14
(2)インスリン デグルデク反復投与後の定常状態でのインスリン デグルデクの薬物動態若年(19~34歳:平均年齢27.1歳)及び高齢(65~78歳:平均年齢67.8歳)の1型糖尿病患者にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の定常状態における薬物動態を検討した。インスリン デグルデクの平坦で安定した薬物動態プロファイルは高齢者においても認められ、若年者及び高齢者の薬物動態プロファイルに違いは認められなかった5) (外国人データ)。
インスリン デグルデク 0.4単位/kg
AUCτ,SS比(高齢者/若年者)[95%信頼区間]
1.04[0.73;1.47]
若年者n=13、高齢者n=13
1型糖尿病患者21例に本剤0.5単位/kgを単回皮下投与し、本剤の薬力学的プロファイル[24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイル]を検討した。本剤の血糖降下作用は、インスリン アスパルト(本剤の超速効型画分)とインスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の作用プロファイルを反映した2つの画分に区別された(図参照)。本剤は、投与後速やかに作用を発現し、約2時間後にGIRが最大に達した。本剤の単回投与後の作用持続時間は24時間を超えていた2) 。
1型糖尿病患者22例にインスリン デグルデク0.4単位/kgを1日1回6日間皮下投与し、インスリン デグルデク(本剤の持効型画分)の薬力学的プロファイルを検討した。定常状態におけるインスリン デグルデクの24時間平均グルコース注入速度(グルコースクランプにおけるGIR)推移プロファイルから、インスリン デグルデクの血糖降下作用は一定であり、平坦で安定していることが示された。1回の投与間隔(24時間)でのインスリン デグルデクの血糖降下作用は、投与開始後~12時間及び投与後12時間以降で同様であった。インスリン デグルデクの作用持続時間は長く、検討したすべての患者において26時間を超えていた3) 。
インスリン治療歴のない日本人2型糖尿病患者296例(本剤群:147例、インスリン グラルギン群:149例)を対象とし、26週間投与試験を実施した。本剤又はインスリン グラルギンを単独療法又は2剤までの経口糖尿病薬(スルホニル尿素薬、DPP-4阻害薬及びグリニド薬を除く)の併用下で1日1回投与した。本剤は主たる食事(最も食事量の多い食事等)の直前に、インスリン グラルギンは承認用法・用量に従って投与を行った。試験実施中、本剤及びインスリン グラルギンの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節した。HbA1cを指標とした血糖コントロールについて、本剤のインスリン グラルギンに対する非劣性(非劣性マージン:0.4%)が検証された(群差(本剤-インスリン グラルギン)の推定値[95%信頼区間]:-0.28%[-0.46;-0.10])。空腹時血糖値(FPG)の低下量は両群で同様であった。有害事象及びその他の安全性評価項目に群間で明らかな違いは認められなかった9) 。
本剤(n=147)
インスリン グラルギン(n=149)
差(本剤-インスリン グラルギン)推定値[95%信頼区間]
投与開始時
投与終了時
変化量
HbA1c(%)
8.31±0.8
6.96±0.8
8.51±0.8
7.29±0.9
-0.28[-0.46;-0.10]
-1.35±0.9
-1.22±1.0
FPG(mg/dL)
161.41±29.0
102.90±38.0
163.67±33.6
100.25±33.6
2.77[-5.24;10.77]
-58.52±43.6
-63.43±42.5
低血糖の患者あたりの年間発現件数(件/人・年)及び低血糖を発現した患者の割合(%)
比(本剤/インスリン グラルギン)推定値[95%信頼区間]
低血糖
1.91(44.2%)
2.71(44.3%)
0.73[0.50;1.08]
夜間低血糖
0.39(8.2%)
0.53(16.1%)
0.75[0.34;1.64]
HbA1c及びFPG:Mean±SD低血糖:血糖値が56mg/dL未満であった低血糖及び第三者による処置が必要な低血糖夜間低血糖:0:01から5:59に発現した低血糖
メトホルミン併用又は非併用下でのインスリン製剤の1日1回又は2回投与で十分な血糖コントロールが得られていない2型糖尿病患者424例[本剤群:282例(日本人118例)、ノボラピッド30ミックス注群:142例(日本人60例)]を対象とし、26週間投与試験を実施した。本剤は前治療の1日投与量と同量で切り替えた。本剤又はノボラピッド30ミックス注を1日2回、朝食直前及び夕食直前に投与した。試験実施中、本剤及びノボラピッド30ミックス注の投与量は、平均朝食前/夕食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節した。HbA1cを指標とした血糖コントロールについて、本剤のノボラピッド30ミックス注に対する非劣性(非劣性マージン:0.4%)が検証された(群差(本剤-ノボラピッド30ミックス注)の推定値[95%信頼区間]:0.05%[-0.10;0.20])。FPGの低下量は、ノボラピッド30ミックス注と比較して本剤群で大きかった。有害事象及びその他の安全性評価項目に群間で明らかな違いは認められなかった10) 。
本剤(n=280)
ノボラピッド30ミックス注(n=142)
差(本剤-ノボラピッド30ミックス注)推定値[95%信頼区間]
8.45±0.8
7.07±0.8
8.44±0.9
7.02±0.8
0.05[-0.10;0.20]
-1.38±0.9
-1.42±1.0
143.08±45.0
97.19±32.7
142.79±45.6
116.30±35.0
-19.15[-25.69;-12.62]
-45.89±46.5
-26.56±47.6
比(本剤/ノボラピッド30ミックス注)推定値[95%信頼区間]
9.56(73.5%)
9.52(75.9%)
1.00[0.76;1.32]
1.11(25.1%)
1.55(31.2%)
0.67[0.43;1.06]
1型糖尿病患者548例(本剤群:366例、インスリン デテミル群:182例)を対象とし、52週間(26週間+26週間)投与試験を実施した。本剤の1日1回食直前投与に加え、他の2回の食事の直前にノボラピッド注を投与する投与法と、インスリン デテミルの1日1回投与に加えすべての食事の直前にノボラピッド注を投与する投与法を比較検討した。Basal-Bolus療法で治療していた患者は、本剤のBasal画分が前治療のBasalインスリンと同量となる投与量で切り替えた。混合型インスリンで治療していた患者は、前治療の70%の投与量で本剤を1日1回、30%の投与量でノボラピッド注を残りの食事時に投与した。本剤及びインスリン デテミルの投与量は、平均朝食前血糖値(血糖自己測定)に基づいて継続的に調節した。本剤は主たる食事の直前に投与するが、他の食事の直前に変更することを可とした(投与タイミング変更回数別の被験者の割合:変更なし61%、変更1回14%、変更2回14%、変更3回3%、変更4回以上8%)。インスリン デテミルは夕食開始時から就寝前までに投与するが、投与後8週以降、必要に応じて1日2回投与を可とした。HbA1cを指標とした長期血糖コントロールの改善は、投与後26週及び52週のいずれにおいても両群で同様であり、投与後26週において本剤のインスリン デテミルに対する非劣性(非劣性マージン:0.4%)が検証された(群差(本剤-インスリン デテミル)の推定値[95%信頼区間]:-0.05%[-0.18;0.08])。FPGの低下量は両群で同様であった。有害事象及びその他の安全性評価項目に群間で明らかな違いは認められなかった11)12) 。
本剤(n=366)
インスリン デテミル(n=182)
差(本剤-インスリン デテミル)推定値[95%信頼区間]
8.30±0.8
7.65±0.9
8.28±0.7
7.72±0.9
-0.10[-0.24;0.03]
-0.65±0.8
-0.56±0.8
185.62±85.2
152.66±72.9
198.15±86.4
154.91±73.5
-1.19[-14.25;11.86]
-32.96±102.5
-43.23±105.6
比(本剤/インスリン デテミル)推定値[95%信頼区間]
31.83(95.0%)
36.73(93.9%)
0.95[0.79;1.14]
3.09(61.0%)
5.41(75.0%)
0.62[0.48;0.79]
HbA1c及びFPG:Mean±SD、52週投与後の結果低血糖:血糖値が56mg/dL未満であった低血糖及び第三者による処置が必要な低血糖夜間低血糖:0:01から5:59に発現した低血糖
本剤は持効型のインスリン デグルデクと超速効型のインスリン アスパルトを含有するインスリン製剤である。本剤は、製剤中でインスリン デグルデクが可溶性で安定なダイヘキサマー、インスリン アスパルトが可溶性で安定なヘキサマーとして存在するよう最適化されている。インスリン アスパルトヘキサマーは、投与後ただちに皮下組織においてモノマーに解離し、速やかに毛細血管に吸収される。インスリン デグルデクダイヘキサマーは、投与後毛細血管に吸収されない分子サイズの可溶性マルチヘキサマーを皮下で形成する。マルチヘキサマーは一時的に皮下組織にとどまり、そこからインスリン デグルデクモノマーが解離し、緩徐にかつ持続的に皮下組織から循環血中へ移行する。さらに、持続化への寄与の程度は小さいが、脂肪酸の一部を介してアルブミンと結合する13) 。これにより、本剤のBolus画分(インスリン アスパルト)とBasal画分(インスリン デグルデク)の作用が明らかに区別される。本剤の主な薬理作用は、グルコース代謝の調節である。本剤を含むインスリン製剤は、インスリンレセプターに結合し、特異的な作用を発現する。インスリンレセプターに結合したインスリンは、骨格筋及び脂肪細胞における糖の取り込みを促進し、また肝臓におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。さらに、脂肪細胞における脂肪分解及び蛋白質分解を阻害し、蛋白質合成を促進する14) 。
インスリン デグルデク(遺伝子組換え) (JAN)Insulin Degludec(Genetical Recombination)(JAN)
C274H411N65O81S6
6,103.97
白色の粉末である。
インスリン アスパルト(遺伝子組換え) (JAN)Insulin Aspart(Genetical Recombination)(JAN)
C256H381N65O79S6
5,825.54
白色の粉末である。水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。0.01mol/L塩酸試液に溶ける。吸湿性である。
使用中は室温にキャップ等により遮光して保管し、4週間以内に使用すること。冷蔵庫保管(2~8℃)も可能であるが、凍結を避けること。残った場合は廃棄すること。
1筒 3mL:2本
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