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劇薬
処方箋医薬品注)
効能・効果
用法・用量
消化管のX線及び内視鏡検査の前処置
通常、グルカゴン(遺伝子組換え)として1mgを1mLの注射用水に溶解し、0.5~1mgを筋肉内又は静脈内に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、本剤の作用持続時間については、筋肉内注射の場合約25分間、静脈内注射の場合15~20分間である。
低血糖時の救急処置
通常、グルカゴン(遺伝子組換え)として1mgを1mLの注射用水に溶解し、筋肉内又は静脈内に注射する。
成長ホルモン分泌機能検査
グルカゴン(遺伝子組換え)として1mgを1mLの注射用水に溶解し、体重1kg当たり0.03mgを空腹時に皮下に注射する。ただし、最大投与量は1mgとする。 [判定基準]血中hGH値は、測定方法、患者の状態等の関連で異なるため、明確に規定しえないが、通常、正常人では、本剤投与後60~180分でピークに達し、10ng/mL以上を示す。血中hGH値が5ng/mL以下の場合hGH分泌不全とする。なお、本剤投与後60分以降は30分毎に180分まで測定し、判定することが望ましい。
肝型糖原病検査
通常、成人にはグルカゴン(遺伝子組換え)として1mgを生理食塩液20mLに溶かし、3分かけて静脈内に注射する。なお、小児においてはグルカゴン(遺伝子組換え)として1mgを1mLの注射用水に溶解し、通常体重1kg当たり0.03mgを筋肉内に注射する。ただし、最大投与量は1mgとする。[判定基準]正常反応は個々の施設で設定されるべきであるが、通常、正常小児では、本剤筋注後30~60分で血糖はピークに達し、前値より25mg/dL以上上昇する。正常成人では、本剤の静注後15~30分でピークに達し、前値より30~60mg/dL上昇する。しかし、投与後の血糖のピーク値だけでは十分な判定ができないと考えられる場合は、投与後15~30分毎に測定し、判定することが望ましい。
胃の内視鏡的治療の前処置
通常、グルカゴン(遺伝子組換え)として1mgを1mLの注射用水に溶解し、筋肉内又は静脈内に注射する。また、内視鏡的治療中に消化管運動が再開し、治療に困難を来した場合又はその可能性がある場合には、1mgを追加投与する。なお、本剤の作用発現時間は、筋肉内注射の場合約5分、静脈内注射の場合1分以内であり、作用持続時間については、筋肉内注射の場合約25分間、静脈内注射の場合15~20分間である。
血糖値の変動に注意すること。インスリン分泌が促進され、低血糖を起こすおそれがある。
糖尿病の病態(内因性インスリン分泌能等)を考慮し、血糖値の変動等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。胃の内視鏡的治療の前処置時に追加投与(計2mg)を行った場合には、特に注意すること。本剤の血糖上昇作用により、血糖コントロールに影響を及ぼすおそれがある。また、糖代謝異常が認められる患者においては、高血糖状態が持続する可能性がある。
肝型糖原病検査に際しては、特に乳酸アシドーシスの発現に注意すること。糖原病I型ではグルコース-6-リン酸からグルコースへの変換が障害されているため、本剤の投与により血液中の乳酸が増加し、乳酸アシドーシスが起こり緊急処置を要した例が報告されている。
本剤のインスリン分泌促進作用により低血糖を起こすおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物膵由来グルカゴンにおけるマウス、ラットを用いた生殖・発生毒性試験において、胎児の眼球異常が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低血糖症状があらわれやすい。主に小児を対象とした成長ホルモン分泌機能検査においては、嘔気(6/46例、13.0%)、嘔吐(4/46例、8.7%)、発汗(3/46例、6.5%)等の低血糖によると思われる症状が多く認められている。特に、プロプラノロール併用による検査では、2/5例(40.0%)に低血糖によると思われる症状が認められている。,
一般に生理機能が低下している。
心筋の酸素消費量の増加に伴い虚血症状の悪化が起こるおそれがある。
β-遮断剤 プロプラノロール塩酸塩 アテノロール ピンドロール,
血糖上昇後のリバウンド現象である低血糖症状があらわれやすくなる。特に、成長ホルモン分泌機能検査におけるプロプラノロール併用時に低血糖によると思われる症状が高頻度に認められているので、観察を十分に行うこと。
通常、低血糖になるとアドレナリンが遊離され血糖を上昇させるが、β-遮断剤の併用により低血糖からの回復反応が抑制される。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
インスリン
インスリンの血糖降下作用が減弱することがある。血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
本剤は糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進等による血糖上昇作用を有する。
ワルファリンカリウム
ワルファリンカリウムの抗凝血作用が増強することがある。併用時は凝固能の変動に注意し、必要であればワルファリンカリウムを減量するなど適切な措置を行うこと。
機序不明
ショック、アナフィラキシーショック(初期症状:不快感、顔面蒼白、血圧低下等)があらわれることがある。
低血糖症状(初期症状:嘔吐、嘔気、全身倦怠、傾眠、顔面蒼白、発汗、冷汗、冷感、意識障害等)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちにブドウ糖、糖質の補給が望ましい。, , ,
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
じん麻疹
消化器
嘔気、嘔吐
腹痛、腹鳴、下痢
血液
白血球数増加、白血球分画の変動
心血管系
心悸亢進
血圧低下注2)、高血圧
肝臓
血清ビリルビン上昇
糖代謝
血糖値上昇、尿糖
脂質代謝
トリグリセライド上昇
その他
頭痛、倦怠感
眠気、顔色不良、発汗、めまい、ほてり、冷感、LDH上昇、血清カリウム上昇、血清カリウム低下、血清無機リン上昇、尿潜血
熱感、発赤、注射部位反応
高用量のグルカゴンは嘔吐、嘔気、血清カリウム低下を引き起こすことがある。
本剤1mgを健常成人12例に筋肉内注射、10例に皮下注射、8例に静脈内注射した場合の体内薬物動態のパラメータは以下のとおりである2),3)。
投与経路
AUC(pg・hr/mL)
Cmax(pg/mL)
tmax(min)
t1/2(min)
筋肉内注射
3524±192
5029±410
9.2±1.4
16.3±1.7
皮下注射
4710±301
6629±476
8.0±1.1
19.9±1.5
静脈内注射
6394±937
-
3.1±0.2
(Mean±S.E.)
作用発現時間・作用持続時間のおよその目安
消化管運動抑制作用
血糖上昇作用
作用発現時間
作用持続時間
1分以内
15~20分
約5分
約25分
通常10分以内
325例(比較試験145例、一般試験180例)に本剤0.5mg又は1mgを筋肉内投与又は静脈内投与した。X線検査における二重盲検比較試験では63/95例(66.3%)が「有効」以上と判定された。内視鏡検査における単純盲検比較試験では39/50例(78.0%)が「有効」以上と判定された。一般試験では161/180例(89.4%)が「有効」以上と判定された。酵母蛋白抗体産生に投与前後で有意な変動は認められなかった4),5),6),7)。
38例に本剤1mgを筋肉内投与又は静脈内投与したところ、筋肉内投与では21/21例(100.0%)が、静脈内投与では16/17例(94.1%)が「改善」以上であった。42例中3例に副作用が3件(不整脈1件と嘔気2件)認められた。酵母蛋白抗体産生に投与前後で有意な変動は認められなかった4),8)。
45例に本剤1mg又は体重1kgあたり0.03mg(ただし、最大投与量1mg)を皮下投与したところ、42/45例(93.3%)が「有効」以上と判定された。46例中13例20件に副作用が認められた。主な症状は嘔気6件、嘔吐4件であった9),10)。
21例に、成人には1mgを静脈内投与、小児には体重1kgあたり0.03mg(ただし、最大投与量1mg)を筋肉内投与したところ、18/21例(85.7%)が「満足」以上と判定された。21例中1例に副作用が1件(軽度の嘔気)認められた11),12)。
97例に、本剤1mg又は2mg(追加投与時)を筋肉内投与又は静脈内投与したところ、筋肉内投与では45/53例(84.9%)、静脈内投与では43/44例(97.7%)(追加投与を行った症例では6/7例)が「有効」以上と判定された。98例中1例1件に自他覚症状の、16例19件に臨床検査値異常変動の副作用が認められた。主な副作用は、血糖値上昇7件及び尿糖7件であった13)。
消化管の運動を抑制し、胃酸、膵液の分泌を抑制する。これは平滑筋への直接作用による弛緩作用と考えられている。
グルカゴンは肝臓のアデニル酸シクラーゼを活性化させ、細胞内cAMP濃度を上昇させる。これにより、グリコーゲンの分解及び糖新生を促進させ、血糖値が上昇する。
グルカゴン投与により一時的に血糖値が上昇するが、60~90分後にリバウンド作用により血糖値が低下する。その時、下垂体からの成長ホルモン分泌を刺激すると考えられている。
グルカゴン(遺伝子組換え) (JAN)Glucagon (Genetical Recombination) (JAN)
C153H225N43O49S
3482.75
*白色の凍結乾燥した粉末である。水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性がある。
His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr
個装箱開封後は、凍結を避け、冷所(15℃以下)に遮光して保存すること。
1バイアル・5バイアル(日局注射用水1mL添付)
1) 南條輝志男ほか:Practice. 1998;15:321-30
2) 浦江明憲ほか:臨床薬理. 1991;22:451-8
3) 浦江明憲ほか:基礎と臨床. 1990;24:6931-42
4) 社内資料(1996年1月31日承認 資料概要ト)
5) 篠村恭久ほか:ホルモンと臨床. 1990;38:1165-74
6) 篠村恭久ほか:ホルモンと臨床. 1990;38:1273-81
7) 篠村恭久ほか:ホルモンと臨床. 1991;39:37-46
8) Namba M, et al.:Diabetes Res Clin Pract. 1993;19:133-8
9) 新美仁男ほか:小児科臨床. 1996;49:982-93
10) 社内資料(1997年10月14日承認 資料概要ト, 1,(2),3))
11) 垂井清一郎ほか:基礎と臨床. 1996;30:749-62
12) 社内資料(1997年10月14日承認 資料概要ト, 2,(2),1))
13) 千葉勉ほか:薬理と臨床. 1998;8:141-52
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