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サルグマリン吸入用250μg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2薬理作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

サルグマリン吸入用250μg

添付文書番号

2290706G1023_1_01

企業コード

620095

作成又は改訂年月

2024年7月改訂(第2版)
2024年3月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

872290

薬効分類名

遺伝子組換えヒトGM-CSF製剤

承認等

サルグマリン吸入用250μg

販売名コード

YJコード

2290706G1023

販売名英語表記

Sargmalin for inhalation 250μg

販売名ひらがな

さるぐまりんきゅうにゅうよう250μg

承認番号等

承認番号

30600AMX00117000

販売開始年月

2024年7月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃保存

有効期間

*24箇月

規制区分

一般的名称

サルグラモスチム(遺伝子組換え)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

サルグマリン吸入用250μg

有効成分サルグラモスチム(遺伝子組換え)   264μg
添加剤D-マンニトール   42mg
精製白糖   10.5mg
トロメタモール   1.27mg
塩酸   適量
(1バイアル中)

本剤は1回の投与で125μgを吸入できるように過量充填されている。本剤は酵母を用いて製造される。製造工程で、ウシ組織(脊柱骨を含む骨、胆汁)及びブタ膵臓由来バクトペプトン、ウシ乳由来カゼイン加水分解物を使用している。また、マスターセルバンク構築時にウシ乳由来カザミノ酸を使用している。

3.2 製剤の性状

サルグマリン吸入用250μg

剤形凍結乾燥製剤(吸入剤)(バイアル)
pH7.1~7.71)
色・性状本剤は白色の粉末又は塊であり、生理食塩液4mLを加えて溶かすと無色澄明の液となる。

1) 注射用水1mLで溶解した液

4. 効能又は効果

自己免疫性肺胞蛋白症

6. 用法及び用量

通常、成人にはサルグラモスチム(遺伝子組換え)として125μgを1日2回、ネブライザーを用いて7日間連日吸入投与し、7日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。

7. 用法及び用量に関連する注意

12クールを目安に有効性及び安全性を評価し、投与継続について判断する。投与継続する場合は、定期的に有効性及び安全性を評価し、投与継続の可否を判断すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 過敏症等の反応を予測するために、使用に際しては薬物過敏症の既往歴、アレルギー既往歴等について十分な問診を行うこと。,,

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者

    ,

  2. 9.1.2 アレルギー素因のある患者

    ,

  3. 9.1.3 肺の線維化を有する患者

    肺の線維化所見は本疾患の予後不良因子とされている。本剤投与中は定期的に肺線維化進展の有無を確認し、投与により肺線維化の進展が疑われる場合は投与継続の可否を検討すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ウサギ)では、本剤の皮下投与で自然流産の増加等が報告されている1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

2%未満

血液

赤血球増加症、白血球数増加

呼吸器

咳嗽、発声障害

消化器

口の感覚鈍麻

その他

頭痛、尿中血陽性

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 本剤はネブライザーを用いて吸入するタンパク製剤であり、加熱により活性が失われるおそれがあることから、超音波式(メッシュ式を除く)以外のネブライザーを使用するよう指導すること。また、ネブライザーは機種により使用方法及び性能が異なるため、患者に対してその使用方法及び性能をよく説明すること。
  2. 14.1.2 本剤を交付する際には、患者用説明文書を渡し、本剤の調製方法及び吸入方法を指導すること。
  3. 14.1.3 バイアルは遮光して冷蔵保存(2~8℃)するように指導すること。

14.2 薬剤調製時の注意

  1. 14.2.1 本剤は日局生理食塩液4mLを用いて溶解し、1回に2mLの薬液を使用すること。残りの薬液2mLは冷蔵保存(2~8℃)して18時間以内に使用すること。
  2. 14.2.2 冷蔵保存(2~8℃)した残りの薬液を使用する場合は、常温に戻してから使用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 GM-CSF製剤の皮下又は静脈内投与時にアナフィラキシーがあらわれたとの外国での報告がある1),,,
  2. 15.1.2 本剤の投与による抗顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)抗体濃度の増加が報告されている2)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与(健康成人)

    健康成人9例に本剤125、250又は500μg(各3例)を単回吸入投与したとき、125及び250μg投与例では、いずれの時点でも血清中サルグラモスチム濃度が定量下限付近又はそれ以下であり、500μg投与例における血清中サルグラモスチム濃度は、投与後1又は2時間で最大となり、Cmaxの個別値は11.0、12.3及び2.32pg/mLであった。なお、承認用量は1回125μgを1日2回である。

  2. 16.1.2 単回投与(自己免疫性肺胞蛋白症患者)

    自己免疫性肺胞蛋白症患者5例に本剤125μgを単回吸入投与したとき、血清中サルグラモスチム濃度を定量可能であったのは1例の投与4時間後のみ(1.12 pg/mL)であり、その他の被験者及び測定時点ではいずれも定量下限未満であった3)

16.3 分布

自己免疫性肺胞蛋白症患者では、血液中に抗GM-CSF自己抗体が存在しており、循環血中に移行したサルグラモスチムは速やかに中和抗体と複合体を形成すると考えられている4)

16.4 代謝

サルグラモスチムは、ペプチド及びアミノ酸に代謝分解されると考えられている。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第III相試験(二重盲検比較試験)

    自己免疫性肺胞蛋白症患者64例を対象にプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。二重盲検期(24週間)の用法・用量は、1回あたり本剤125μg又はプラセボを1日2回ネブライザーで吸入投与することとし、投与期間は7日間の連日投与と、続く7日間の休薬期間を1クールとし、12クール施行した。主要評価項目である投与開始後24週における肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)のベースラインからの変化量(平均±標準偏差)は、プラセボ群(31例)で0.17±10.50mmHg、実薬群(33例)で-4.5±9.03mmHgであり、群間差の推定値[95%信頼区間]は-4.68[-9.6, 0.24]mmHgであった(U検定:P=0.016)。
    二重盲検期の副作用は、プラセボ群で12.9%(4/31例)、実薬群で9.1%(3/33例)に認められた。二重盲検期と同様の投与方法で実施した後治療/後観察期を含めた全期間(42週間)で本剤が投与された患者において副作用は8.3%(5/60例)に7件認められ、認められた副作用は口の感覚鈍麻、赤血球増加症、咳嗽、発声障害、頭痛、尿中血陽性、白血球数増加(各1例)であった2),5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

サルグラモスチムは肺胞マクロファージの成熟を促し、それに続く成熟マクロファージによる肺サーファクタントの分解により肺機能を改善すると考えられている6)

18.2 薬理作用

  1. 18.2.1 肺胞マクロファージの増殖/生存増強作用

    サルグラモスチムはサル肺胞マクロファージの増殖/生存を高めた7)in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

サルグラモスチム(遺伝子組換え)
(Sargramostim(Genetical Recombination))

本質

サルグラモスチムは、遺伝子組換えヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子の類縁体(R23L)である。サルグラモスチムは、127個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質(分子量:約17,000)である。

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して冷蔵保存(2~8℃)すること。

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

22. 包装

1日分[凍結乾燥品1バイアル、4mL計量カップ1個、薬液採取用スポイト1本、バイアル保護シール1枚]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

ノーベルファーマ株式会社 カスタマーセンター

〒104-0033 東京都中央区新川1-17-24

フリーダイヤル:0120-003-140

25. 保険給付上の注意

*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年5月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされています。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ノーベルファーマ株式会社

東京都中央区新川1-17-24

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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