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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはシロリムスとして2mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回4mgを超えないこと。
通常、シロリムスとして、体表面積が1.0m2以上の場合は2mg、1.0m2未満の場合は1mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、血中トラフ濃度や患者の状態により投与量を調節するが、1日1回4mgを超えないこと。
通常、シロリムスとして、体表面積が1.0m2以上の場合は2mg、0.6m2以上1.0m2未満の場合は1mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、血中トラフ濃度や患者の状態により投与量を調節するが、1日1回4mgを超えないこと。体表面積が0.6m2未満の場合は、月齢に応じて開始用量を下記のとおりとし、1日1回経口投与する。以後は、血中トラフ濃度や患者の状態により投与量を調節するが、下記の最大用量を超えないこと。
月齢
1日あたり開始用量(最大1mgまで)
1日あたり最大用量(最大4mgまで)
3ヵ月未満
0.02mg/kg
0.08mg/kg
3ヵ月以上6ヵ月未満
0.04mg/kg
0.16mg/kg
6ヵ月以上12ヵ月未満
0.06mg/kg
0.24mg/kg
12ヵ月以上
0.32mg/kg
症状
投与の可否等
無症候性で画像所見の異常のみ
投与継続
軽度の臨床症状注1) を認める(日常生活に支障なし)
症状が改善するまで休薬し、症状の改善を認めた場合には投与再開可能とする。
重度の臨床症状注1) を認める(日常生活に支障があり、酸素療法を要する)
本剤の投与を中止し、原則として再開しないこと。ただし、症状が改善し、かつ治療上の有益性が危険性をうわまわると判断された場合のみ、投与中止前の半量からの投与再開可能とする。
生命を脅かす:緊急処置を要する(挿管・人工呼吸管理を要する)
投与中止
胸部CT検査を実施し、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状の有無と併せて、投与開始の可否を慎重に判断すること。
定期的に胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状がみられた患者で、感染、腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には、間質性肺疾患の診断を考慮し、必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]、酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること。
間質性肺疾患が発症、重症化するおそれがある。,,,
免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。,,,
本剤の投与期間中又は投与終了後は、定期的に肝機能検査を行うなど、肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。再活性化するおそれがある。また、肝炎ウイルスキャリアの患者では、本剤の投与期間中に肝炎ウイルスの再活性化を生じ、肝不全から死亡に至る可能性がある。,,
投与量を半量から開始すること。血中濃度が上昇するおそれがある。,,
血中濃度が上昇するおそれがある。,
妊娠可能な女性には、投与期間中及び投与終了後少なくとも12週間は、適切な避妊を行うよう指導すること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。ラットにおける胚・胎児発生に関する試験において臨床推奨用量の曝露量以下で、初期吸収胚数、吸収胚数及び死亡胎児数の増加、生存胎児数の減少、胎児体重の低値、並びに主として椎骨の骨化遅延及び変異の増加が報告されている3) 。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。
一般に生理機能が低下している。
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
本剤の代謝酵素(CYP3A4等)が阻害されると考えられる。
本剤のAUCが21%上昇したとの報告がある。併用する場合は患者の状態を慎重に観察し、本剤の副作用発現に注意し必要に応じて本剤の投与量を調節すること。
機序不明
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤服用時は飲食を避けること。
グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。
血管浮腫との関連性が示されている薬剤を服用している患者では、血管浮腫(顔面、口唇、舌、咽頭の腫脹等)を発症するリスクが高まるおそれがある。
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
本剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。
ロルラチニブがP-糖蛋白を誘導することによる。
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
間質性肺疾患(肺臓炎、薬剤性肺障害、器質性肺炎を伴う閉塞性細気管支炎、肺線維症等)の症例が生じており、海外で死亡に至った例が報告されている。,,,
細菌、真菌あるいはウイルスによる重篤な感染症[肺炎(4.5%)、敗血症(頻度不明)、蜂巣炎(1.5%)、尿路感染(0.8%)、腎盂腎炎、結核を含むマイコバクテリア感染、EB(エプスタイン・バール)ウイルス感染、CMV(サイトメガロウイルス)感染、単純ヘルペス(いずれも頻度不明)、帯状疱疹(2.3%)等]が発現又は悪化することがある。,,,,,
口内炎(78.2%)、下痢(44.4%)、悪心(17.3%)、嘔吐(5.3%)等が高頻度で認められている。
アナフィラキシー、血管浮腫、過敏性血管炎等の過敏症反応があらわれることがある。
進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,
,,,
末梢性浮腫(9.8%)、胸水(3.0%)、心嚢液貯留(2.3%)、腹水(0.8%)等があらわれることがあるので、頻脈等の異常が認められた場合には、心電図、心エコー、胸部CT検査を行うとともに、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高コレステロール血症(8.3%)、高トリグリセリド血症(4.5%)、脂質異常症(3.8%)、血中コレステロール増加(3.0%)、高脂血症(2.3%)、脂質異常(0.8%)等を生じる可能性がある。
創傷治癒に影響を及ぼす可能性が考えられ、治癒不良(3.0%)及び移植手術後にリンパ嚢腫及び創し開を含む創傷治癒不良、筋膜離開、瘢痕ヘルニア、吻合部離開(いずれも頻度不明)等があらわれることがある。,
蛋白尿(8.3%)、ネフローゼ症候群、巣状分節性糸球体硬化症、血中クレアチニン増加(いずれも頻度不明)等があらわれることがある。
ざ瘡(26.3%)、ざ瘡様皮膚炎(20.3%)、発疹(19.5%)、剥脱性発疹(3.8%)、そう痒症(3.0%)等があらわれることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
感染症
鼻咽頭炎(24.1%)、気管支炎(14.3%)、胃腸炎、咽頭炎
上気道感染、皮膚感染、歯周炎、膀胱炎、副鼻腔炎、歯肉炎、口腔ヘルペス、麦粒腫、外耳炎、唾液腺炎、扁桃炎、外陰部腟カンジダ症、細菌尿、感染性腸炎、RSウイルス感染
憩室炎、毛包炎、インフルエンザ、喉頭炎、下気道感染、爪囲炎、腟感染、歯肉膿瘍、白癬感染、細菌感染、気道感染、歯槽骨炎
血液・リンパ
白血球減少症、リンパ球減少症、貧血
好中球減少症
低γグロブリン血症
代謝・栄養
食欲減退
低カリウム血症
高尿酸血症
高血糖
精神・神経
頭痛(21.1%)、浮動性めまい
不眠症、気分変化、味覚異常
頭部不快感、感覚鈍麻、記憶障害、末梢性感覚ニューロパチー、感覚障害、傾眠
眼
結膜炎、眼乾燥、眼痛、眼瞼浮腫
霰粒腫
耳
中耳の炎症
耳出血、耳痛、耳不快感
心・血管
高血圧
不整脈、動悸、出血
呼吸器
上気道の炎症(23.3%)、呼吸障害(12.8%)、咳嗽(10.5%)、呼吸困難、口腔咽頭痛
鼻出血、発声障害、気胸、鼻漏、肺出血
急性呼吸不全、気管支痙攣、低酸素症、鼻閉、鼻粘膜障害
消化器
腹痛(12.0%)、便秘、口唇炎、胃腸障害、上腹部痛
下腹部痛、胃炎、消化不良、腹部不快感、歯痛、歯周病、腹部膨満、口内乾燥、腸炎、鼓腸、小腸閉塞
胃食道逆流性疾患、歯肉痛、口腔内痛、顎下腺腫大、口の錯感覚
肝
肝機能異常
胆嚢炎
皮膚・皮下組織
湿疹、爪破損、色素沈着障害、皮膚炎、蕁麻疹、紅斑、皮下出血、皮膚びらん、毛細血管拡張症、爪線状隆起
脱毛症、貨幣状湿疹、多汗症、手掌・足底発赤知覚不全症候群、点状出血、そう痒性皮疹、皮膚潰瘍、爪甲脱落症、手皮膚炎、皮膚腫瘤、皮下血腫
筋骨格
筋骨格障害、背部痛
関節痛、筋痙縮、鼡径部痛
関節腫脹、筋力低下、筋肉痛、四肢痛、顎痛、筋骨格硬直
腎・尿路
尿生殖器出血
血尿
生殖器
不規則月経(14.3%)
月経障害、無月経、月経過多、月経困難症、卵巣嚢胞、腟分泌物、性器出血
閉経期症状、不正子宮出血、外陰腟乾燥
無精子症
一般・全身
疼痛(17.3%)、発熱(17.3%)、倦怠感、疲労
胸痛、粘膜の炎症
胸部不快感、異常感、浮腫、圧痛、口渇、限局性浮腫
傷害・処置
挫傷
臨床検査
白血球数減少、好中球数減少、ALT増加、AST増加
体重減少、尿蛋白、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加、Al-P増加
CRP増加、白血球百分率数異常、ヘモグロビン減少、LDL増加、体重増加、血小板数増加
外国で150mg投与後、心房細動を生じた報告が1例ある。
本剤は水溶性が低く、赤血球結合率及び蛋白結合率が高いことから、透析性がわずかしかないと考えられる。
錠剤2mg/日で定常状態にある日本人リンパ脈管筋腫症患者10例に錠剤2mgを食後単回投与したときの血中濃度は、投与後平均2.75時間に最高濃度平均22.4ng/mLを示し、消失半減期は平均47.7時間であった8) 。
体表面積0.6m2以上の小児を含む難治性リンパ管疾患患者11例に錠剤を52週間投与し、血中トラフ濃度を測定した。開始用量として、錠剤1mg/日(体表面積1.0m2未満)又は2mg/日(体表面積1.0m2以上)を経口投与し、その後、目標血中トラフ濃度を5~15ng/mLとして、投与量を適宜調節した(最大投与量は1日4mg)。平均血中トラフ濃度は、投与2週後で5ng/mLを超え、52週後まで目標血中トラフ濃度を維持した9) 。
時点
1週後
2週後
4週後
12週後
24週後
52週後
全体
5.4±1.8(11例)
5.6±1.6(11例)
5.5±1.8(11例)
7.4±2.0(11例)
8.4±2.2(11例)
8.9±3.3(9例)
体表面積1.0m2以上
5.0±1.7(8例)
5.5±1.6(8例)
5.7±2.0(8例)
7.3±1.5(8例)
8.3±2.5(8例)
9.6±3.4(7例)
体表面積1.0m2未満
6.6±2.1(3例)
5.8±2.0(3例)
5.2±1.3(3例)
7.6±3.6(3例)
8.8±1.5(3例)
6.6±1.3(2例)
(ng/mL)平均値±標準偏差
乳幼児を含む難治性脈管腫瘍・脈管奇形患者13例に本剤を52週間投与し、血中トラフ濃度を測定した。開始用量を1日1回体重30kg以上の場合、錠剤2mg又は顆粒剤1.4mg、30kg未満の場合、顆粒剤を月齢に応じて次のとおりとし、血中トラフ濃度を5~15ng/mLとなるよう投与量を適宜調節した10) 。3ヵ月未満:0.02mg/kg/日3ヵ月以上6ヵ月未満:0.04mg/kg/日6ヵ月以上12ヵ月未満:0.06mg/kg/日1歳以上:0.08mg/kg/日、ただし1.4mg/日を超えない。
製剤
層別
5.5±2.4(13例)
5.7±1.7(13例)
5.8±2.0(13例)
6.6±3.0(13例)
6.6±1.5(12例)
7.8±3.6(13例)
錠剤
30kg以上
5.7±1.1(4例)
6.2±1.0(4例)
6.0±1.1(4例)
6.5±1.0(4例)
6.6±1.8(3例)
9.7±5.0(4例)
顆粒剤
2.9(1例)
3.4(1例)
4.1(1例)
5.3(1例)
8.8(1例)
7.7(1例)
30kg未満かつ体表面積0.6m2以上
6.4±4.1(3例)
6.2±2.5(3例)
6.7±2.8(3例)
6.8±4.1(3例)
5.7±0.8(3例)
9.7±2.2(3例)
1歳以上かつ体表面積0.6m2未満
5.5±2.7(4例)
5.8±1.9(4例)
4.8±2.4(4例)
7.2±4.7(4例)
6.7±1.9(4例)
5.2±1.5(4例)
1歳未満
5.2(1例)
7.1(1例)
5.1(1例)
日本人健康成人に錠剤1mgを2錠又は顆粒剤2mgを、クロスオーバー法により空腹時単回経口投与した結果、AUCt、Cmaxともに生物学的同等性の判定基準であるlog(0.80)~log(1.25)を満たさず、生物学的に同等と判定できなかった。顆粒剤は錠剤に対して、AUCtで1.48倍(幾何平均の比)、Cmaxで2.30倍(幾何平均の比)であった1) 。,
Cmax(ng/mL)
tmaxa)(h)
AUCt(ng・h/mL)
t1/2(h)
6.9±1.8
2.0(1.5, 4.0)
111±24
46.5±19.9
16.2±5.5
1.8(1.0, 2.0)
165±40
56.8±19.9
平均値±標準偏差a)中央値(最小値, 最大値)
パラメータ
幾何平均の比
90%信頼区間
下限
上限
AUCt
1.48
1.22
1.80
Cmax
2.30
1.90
2.78
#:顆粒剤/錠剤
日本人データ(1282検体)を用いた母集団薬物動態解析の結果、錠剤に比し、顆粒剤の定常状態における血中トラフ濃度が1.23倍(90%信頼区間:1.09~1.37)高かった2) 。,
健康成人24例にシロリムス楕円錠10mg注2) を空腹時及び高脂肪食摂取直後に単回投与したところ、高脂肪食摂取後ではtmax、Cmax及びAUCがそれぞれ32%(19分)、65%及び23%増加した11) (外国人データ)。
健康成人22例にシロリムス液剤15mg注2) を空腹時及び高脂肪食摂取直後に単回投与したところ、高脂肪食摂取後ではtmax、Cmax及びAUCがそれぞれ254%増加、34%減少及び35%増加した12) (外国人データ)。
ヒト全血中の3H標識シロリムスの分布(放射活性比:平均値)は、赤血球中で94.5%、血漿で3.1%、リンパ球で1.0%、顆粒球で1.0%であった。全血/血漿比は11.1であった13) (in vitroデータ)。健康成人27例に本剤15mg注2) を単回経口投与したときの全血/血漿比は106であった14) (外国人データ)。
本剤はCYP3A4により広範に代謝され、またP-糖蛋白の基質である。本剤の主要な代謝物は、CYP3A4によるO-脱メチル化した代謝物と、水酸化による代謝物であった15),16) 。,
健康成人男性に14C標識シロリムス42mg注2) を単回投与したときの尿中及び糞中への排泄量は、それぞれ2.2%、91.0%であった17) (外国人データ)。
軽度肝機能障害被験者(Child-Pugh分類 Grade A)13例、中等度肝機能障害被験者(Child-Pugh分類 Grade B)5例、重度肝機能障害被験者(Child-Pugh分類 Grade C)9例、肝機能正常被験者27例を対象に、シロリムス液剤15mg注2) を単回投与したとき、軽度、中等度、重度肝機能障害被験者では、肝機能正常被験者と比較してAUC∞はそれぞれ48%、96%、210%増大し、見かけのクリアランス(CL/F)はそれぞれ32%、36%、67%減少し、t1/2はそれぞれ25%、89%、168%延長した14),18) (外国人データ)。,,,
健康成人18例にシロリムス液剤10mg注2) とジルチアゼム120mgを単回併用投与したとき、単独投与時に比べシロリムスのCmax、tmax及びAUCがそれぞれ43%、29%及び60%増加したが、シロリムスはジルチアゼムの薬物動態に影響を及ぼさなかった19)(外国人データ)。,
健康成人25例にシロリムス液剤2mg、1日1回とベラパミル180mg、1日2回を反復併用投与したとき、単独投与と比べシロリムスのCmax、tmax及びAUC24hがそれぞれ134%、8%及び116%増加し、S(-)ベラパミルのCmax及びAUC12hがそれぞれ46%及び48%増加、tmaxが24%低下した20)(外国人データ)。,
健康成人24例にシロリムス液剤2mg、1日1回とエリスロマイシン800mg、1日3回を反復併用投与したとき、単独投与と比べシロリムスのCmax及びAUCが約4倍に、tmaxは40%増加し、エリスロマイシンのCmax、tmax及びAUCがそれぞれ63%、29%及び69%増加した21)(外国人データ)。,
健康成人23例にケトコナゾール200mg/日、10日間反復投与中にシロリムス液剤5mg注2) を単回併用投与したとき、単独投与と比べシロリムスのCmax、tmax及びAUCがそれぞれ342%、38%及び990%増加したが、シロリムスはケトコナゾールの薬物動態に影響を及ぼさなかった22)(外国人データ)。,
健康成人14〜16例にリファンピシン600mg、1日1回反復投与中にシロリムス液剤20mg注2) を単回併用投与したとき、単独投与と比べシロリムスのCmax及びAUCがそれぞれ71%及び82%低下したが、tmaxに対する影響は認められなかった23)(外国人データ)。,
健康成人24例にシロリムス錠剤10mg注2) とシクロスポリン300mg(100mgカプセル)を単回併用投与したとき、単独投与に比べシロリムスのCmax及びAUCがそれぞれ512%及び148%増加したが、シロリムスはシクロスポリンの薬物動態に影響を及ぼさなかった。また、健康成人22例にシクロスポリン300mg単回投与4時間後にシロリムス錠剤10mg注2) を投与したとき、単独投与と比べシロリムスのCmax及びAUCは共に33%増加した24) (外国人データ)。,
リンパ脈管筋腫症患者89例(全例女性、日本人患者24例を含む)を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(MILES試験)を実施した。錠剤又はプラセボを空腹時又は食後いずれかの条件で経口投与することとし(本剤開始用量は2mg/日)、本剤投与量は、血中トラフ濃度が5〜15ng/mLの範囲を維持するよう用量調節した。投与1年間の1秒量(FEV1)の傾きは表のとおりであり、本剤群とプラセボ群との対比較において、統計学的に有意な差が認められた(p<0.0001)。副作用は97.8%(45/46例)に発現した。主な副作用は、口内炎63.0%(29/46例)、下痢56.5%(26/46例)、疼痛及びざ瘡43.5%(20/46例)、感染41.3%(19/46例)であった25) 。
本剤群
プラセボ群
群間差[95%信頼区間]b)P値b)
ベースラインa)(mL)
1357±400(46)
1378±446(43)
投与12ヵ月後(mL)
1383±394(41)
1272±414(34)
変化量(mL)
19±124(41)
-134±182(34)
傾きb)(mL/月)
1.1±2.0(46)
-11.8±2.0(43)
12.9[7.3, 18.5]P<0.0001
平均値±標準偏差(例数)、傾きは点推定値±標準誤差(例数)a)投与前に測定した2回のうちの最大値b)投与群、時期(月)、時期と投与群との交互作用を固定効果、被験者及び時期を変量効果とした混合効果モデル
日本人リンパ脈管筋腫症患者63例(全例女性)を対象に、多施設共同非対照非盲検試験(MLSTS試験)を実施した。錠剤を空腹時又は食後いずれかの条件で経口投与することとし(本剤開始用量は2mg/日)、本剤投与量は、血中トラフ濃度が5〜15ng/mLの範囲を維持するよう用量調節した。投与2年間のFEV1の傾きは表のとおりであり、傾きの95%信頼区間の下限値は、事前に設定した許容限界を上回り、24ヵ月間安定していた。副作用は、100%(63/63例)に発現した。主な副作用は、口内炎88.9%(56/63例)、鼻咽頭炎49.2%(31/63例)、上気道の炎症46.0%(29/63例)、発疹41.3%(26/63例)、頭痛39.7%(25/63例)、下痢34.9%(22/63例)、ざ瘡様皮膚炎30.2%(19/63例)であった8) 。(試験終了時)
ベースライン(mL)
投与24ヵ月後(mL)
1794±670(56)
1834±691(44)
43±253(44)
0.7±0.75[95%信頼区間]-0.7c)~2.2
平均値±標準偏差(例数)、傾きは点推定値±標準誤差(例数)a)肺機能検査未実施例を除くb)時期(月)を固定効果、被験者を変量効果とした混合効果モデルc)事前設定した傾きの許容限界Δ=-5.3mL/月
リンパ管腫、リンパ管腫症又はゴーハム病の患者11例を対象に錠剤1日1回1mg(体表面積1.0m2未満)又は2mg(体表面積1.0m2以上)を開始用量とし、目標血中トラフ濃度を5~15ng/mLとして52週間投与した。投与52週後の標的病変の奏効率は54.5%で、その95%信頼区間の下限値は事前に設定した閾値(5%)を上回った。副作用は、100%(11/11例)に発現した。主な副作用は、口内炎81.8%(9/11例)、ざ瘡様皮膚炎72.7%(8/11例)、下痢45.5%(5/11例)、上気道感染36.4%(4/11例)、腹痛、咽頭炎及び発熱各27.3%(3/11例)、気管支炎、皮膚感染、疼痛、咳嗽及び月経過多各18.2%(2/11例)であった9) 。
例数
(%)
対象例数CR(完全奏効) PR(部分奏効)SD(安定)PD(進行)
110740
0.063.636.40.0
奏効率(CR+PR)95%信頼区間b)P値c)
6a)
54.5[23.4, 83.3]<0.001
#:MRI画像で標的病変が消失したものをCR、20%以上の縮小を示したものをPRとした。a)中止基準に抵触したPRの1例は非奏功例として集計b)Clopper-Pearson法により算出c)二項検定、有意水準片側2.5%
リンパ管腫、リンパ管腫症、カポジ型血管内皮腫、静脈奇形、青色ゴムまり様母斑症候群、混合型脈管奇形又はクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の患者13例注3) を対象に、本剤開始用量を1日1回体重30kg以上の場合は錠剤2mg又は顆粒剤1.4mg、30kg未満の場合は顆粒剤を月齢に応じて次のとおりとし、血中トラフ濃度を5~15ng/mLとなるよう投与量を適宜調節し52週間経口投与した。3ヵ月未満:0.02mg/kg/日注4)3ヵ月以上6ヵ月未満:0.04mg/kg/日注4)6ヵ月以上12ヵ月未満:0.06mg/kg/日1歳以上:0.08mg/kg/日、ただし1.4mg/日を超えない。投与24週後の標的病変の奏効率は53.8%で、その95%信頼区間の下限値は事前に設定した閾値(5%)を上回った。副作用は、100%(13/13例)に発現した。主な副作用は、口内炎76.9%(10/13例)、発熱61.5%(8/13例)、下痢、ざ瘡、好中球数減少各23.1%(3/13例)であった10) 。
対象例数CR(完全奏効)PR(部分奏効)SD(安定)PD(進行)
130742
0.053.830.815.4
奏効率(CR+PR)95%信頼区間a)P値b)
7
53.8[25.1, 80.8]<0.001
#:MRI画像で標的病変が消失したものをCR、20%以上の縮小を示したものをPRとした。a)Clopper-Pearson法により算出b)二項検定、有意水準片側2.5%
シロリムス(Sirolimus)
(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28E,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-12-{(1R)-2-[(1S,3R,4R)-4-ヒドロキシ-3-メトキシシクロヘキシル]-1-メチルエチル}-19,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-2,3,10,14,20-ペンタオン
C51H79NO13
914.17
白色の結晶性の粉末である。本品は光により分解する。
約179℃(分解)
30錠[10錠(PTP)×3]
25g[瓶](脱酸素剤入り)
1) 社内資料:NPC-12T-1試験 治験総括報告書(2024年1月18日承認、申請資料概要2.7.6.1)
2) 社内資料:母集団薬物動態解析(2024年1月18日承認、申請資料概要2.7.2.3)
3) 社内資料:ラット胚・胎児発生に関する試験(2014年7月4日承認、申請資料概要2.6.6.6)
4) El-Hashemite N, et al.: Cancer Res. 2003; 63(17): 5173-7
5) 社内資料:マウスがん原性試験報告書(2014年7月4日承認、申請資料概要2.6.6.5)
6) 社内資料:ラットの52週経口投与毒性試験報告書(2014年7月4日承認、申請資料概要2.6.6.9)
7) Sanchez CP, et al.: BMC Pediatr. 2009; 9: 3
8) 社内資料:MLSTS試験 研究総括報告書(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.1)
9) 社内資料:NPC-12T-LM試験 治験総括報告書(2021年9月27日承認、申請資料概要2.7.6.1)
10) 社内資料:NPC-12T-CVA試験 治験総括報告書(2024年1月18日承認、申請資料概要2.7.6.2)
11) 社内資料:高脂肪食の影響(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.2.2)
12) 社内資料:食事の影響(2024年1月18日承認、申請資料概要2.7.1.3)
13) 社内資料:血球中の分布(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.2.2)
14) Zimmerman JJ, et al.: J Clin Pharmacol. 2008; 48: 285-92
15) Crowe A and Lemaire M.: Pharm Res. 1998; 15(11): 1666-72
16) 社内資料:代謝(2014年7月4日承認、申請資料概要2.5.3.1)
17) 社内資料:排泄(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.2)
18) Zimmerman JJ, et al.: J Clin Pharmacol. 2005; 45: 1368-72
19) 社内資料:ジルチアゼムとの薬物相互作用(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.2)
20) 社内資料:ベラパミルとの薬物相互作用(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.2)
21) 社内資料:エリスロマイシンとの薬物相互作用(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.2)
22) 社内資料:ケトコナゾールとの薬物相互作用(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.2)
23) 社内資料:リファンピシンとの薬物相互作用(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.2)
24) 社内資料:シクロスポリンとの薬物相互作用(2014年7月4日承認、申請資料概要2.7.6.2)
25) McCormack FX, et al.: N Engl J Med. 2011; 364(17): 1595-606
26) Goncharova EA, et al.: J Biol Chem. 2002; 277(34): 30958-67
27) Goncharova EA, et al.: Mol Cell Biol. 2011; 31(12): 2484-98
28) Goncharova EA, et al.: Mol Pharmacol. 2008; 73(3): 778-88
29) Huber S, et al.: Kidney International 2007(71): 771-7
30) Boscolo E, et al.: Angiogenesis. 2015 Apr; 18(2): 151–62
31) Goncharova EA, et al.: Sci Transl Med. 2012; 4(154): 154ra134
32) Zheng N, et al.: Current Therapeutic Research (76)2014; 99–103
33) Boscolo E, et al.: J Clin Invest. 2015; 125(9): 3491-504
34) Kobayashi S, et al.: Cancer Sci 2007; 98(5): 726-33
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