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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはニフェジピンとして20〜40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日10〜20mgより投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。なお、1日40mgで効果不十分な場合には、1回40mg1日2回まで増量できる。
通常、成人にはニフェジピンとして20〜40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日10〜20mgより投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。
通常、成人にはニフェジピンとして40mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、最高用量は1日1回60mgとする。
血管拡張作用により重篤な血行動態の悪化を招くおそれがある。
更に血圧が低下するおそれがある。
過度に血圧が低下するおそれがある。
心不全が悪化するおそれがある。
急速な降圧等により腎機能が悪化するおそれがある。
血中濃度が上昇することがある。また門脈圧が上昇するおそれがある。
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高血圧症の高齢者に使用する場合には低用量(10mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。国内で実施された臨床試験において、65歳以上の高齢者での副作用は206例中21例にみられた。75歳以上の高齢者での使用経験は少ないが、臨床検査値異常を含めた副作用発現例は4/19例(21.1%)で、頭痛、めまい、総コレステロールの上昇、AST・ALT・LDHの上昇が各1例にみられた。
他の降圧剤
相互に血圧低下作用を増強することがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下が認められた場合、本剤又は他の降圧剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う。
薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている。
β遮断剤
相互に作用を増強することがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や心不全等の症状が認められた場合、本剤又はβ遮断剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う。
ジゴキシン
ジゴキシンの血中濃度が上昇することがある。ジゴキシン中毒症状(悪心・嘔吐、頭痛、視覚異常、不整脈等)が認められた場合、症状に応じジゴキシンの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
機序は完全には解明されていないが、ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスが減少するためと考えられている。
シメチジン
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や頻脈等の症状が認められた場合、本剤を減量又はシメチジンの投与を中止するなど適切な処置を行う。
シメチジンが肝血流量を低下させ、本剤の肝ミクロソームでの酵素代謝を抑制する一方で、胃酸を低下させ、本剤の吸収を増加させるためと考えられている。
ジルチアゼム
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量又はジルチアゼムの投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、ジルチアゼムが本剤の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
トリアゾール系抗真菌剤
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や浮腫等の症状が認められた場合、本剤を減量又はトリアゾール系抗真菌剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、トリアゾール系抗真菌剤が本剤の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
リファンピシンフェニトインカルバマゼピン
本剤の有効血中濃度が得られず、作用が減弱することがある。患者の状態を注意深く観察し、血圧上昇や狭心症発作の悪化等の症状が認められた場合、他剤への変更又はリファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピンの投与を中止するなど適切な処置を行う。
リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピンにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP-450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
タクロリムス
タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。患者の状態を注意深く観察し、腎機能障害等の症状が認められた場合、タクロリムスの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、本剤がタクロリムスの肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
シクロスポリン
歯肉肥厚があらわれやすいとの報告がある。患者の状態を注意深く観察し、歯肉肥厚が認められた場合、本剤又はシクロスポリンの投与を中止するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、両剤の相加的な作用によるものと考えられている。
HIVプロテアーゼ阻害剤
本剤のAUCが上昇することが予想される。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う。
発現機序の詳細は不明であるが、本剤とこれらの薬剤の肝代謝酵素が同じ(CYP3A4)であるため、競合的に拮抗し、本剤の代謝が阻害される可能性があると考えられている。
キヌプリスチン・ダルホプリスチン
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う。
キヌプリスチン・ダルホプリスチンが、CYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている。
硫酸マグネシウム水和物(注射剤)
過度の血圧低下や神経筋伝達遮断の増強があらわれることがある。
併用により降圧作用や神経筋伝達遮断作用が増強されると考えられている。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う。またグレープフルーツジュースとの同時服用をしないように注意する。
グレープフルーツジュースに含まれる成分が、CYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
血圧低下に伴う一過性の意識障害があらわれることがある。
0.1〜5%未満
0.1%未満
頻度不明
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇
黄疸
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
循環器
顔面潮紅、熱感、潮紅、動悸、浮腫(下肢、顔面等)、頻脈、頻尿
のぼせ、血圧低下、起立性低血圧
胸部痛、発汗、悪寒
精神神経系
頭痛、めまい、倦怠感、不眠、異常感覚
振戦
眠気、脱力感、筋痙攣、四肢しびれ感
消化器
悪心・嘔吐、便秘、下痢、腹部不快感、胸やけ
口渇
上腹部痛、食欲不振、鼓腸
過敏症
発疹、そう痒
光線過敏症、紫斑、血管浮腫
口腔
歯肉肥厚
代謝異常
高血糖
血液
貧血
白血球減少
血小板減少
呼吸器
呼吸困難、咳嗽、鼻出血、鼻閉
その他
視力異常(霧視等)、関節痛
女性化乳房、眼痛、筋肉痛、関節腫脹、勃起不全
過量投与に関する情報は少ないが、主要な臨床症状として過度の血圧低下等が引き起こされる可能性がある。また肝機能障害があると症状が遷延することがある。
タンパク結合率が高いので、強制利尿、血液透析等は本剤の除去にはそれほど有用ではないと考えられる。
健康成人に20、40mgを単回経口投与したときの血中未変化体濃度の推移は図のとおりである1)。
本態性高血圧症患者に40mgを1日1回又は1日2回2週間経口投与したときのトラフ時血中未変化体濃度は、1日1回投与で26.7ng/mL、1日2回投与で68.1ng/mLであった2)。
ラットに14C-ニフェジピンを1回1mg/kg経口あるいは静脈内投与した実験では、骨格筋よりも心筋に高濃度の放射活性が認められている。投与後2日以内に放射活性の97%以上が排泄され、この時点で肝臓にはわずか0.4%以下が残存しているに過ぎない。いずれの組織においてもニフェジピン又は代謝産物の選択的蓄積作用を示唆する所見は認められていない3)。授乳ラットに14C-ニフェジピンを1回3mg/kg静脈内投与した実験では血中濃度の1/2〜1/4の濃度で乳汁中に移行し、血中濃度の低下とともに速やかに低下するのが認められる。
尿中には未変化体は検出されず、投与後60時間までに約60%が代謝物として排泄された1)。
軽〜中等度の腎機能障害を伴う高血圧症患者に経口投与したとき、腎障害のない本態性高血圧症患者と比較してCmax及びAUCが約1.4倍であり、代謝物の尿中排泄がやや遅延した4)。
軽度の肝機能障害(Child-Pugh分類A 8例)又は中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B 8例)のある患者にニフェジピンGITS錠(GastroIntestinal Therapeutic System、承認外剤形)30mgとカンデサルタン シレキセチル8mgとの配合錠(国内未承認)を単回投与したとき、健康成人と比べてニフェジピンのAUCはそれぞれ93%、253%上昇し、Cmaxはそれぞれ64%、171%上昇した(外国人データ)。
軽・中等症本態性高血圧症患者を対象に本剤20~40mg1日1回の漸増法による前期第Ⅱ相試験2試験5),6)、至適用量の検討を主目的とした本剤10~40mg1日1回の漸増法による後期第Ⅱ相試験(二重盲検比較試験)7)2試験を実施した。また、腎性高血圧症(腎実質性高血圧症、腎障害を伴う本態性高血圧症、腎血管性高血圧症)を対象とした一般臨床試験1試験、重症高血圧症(本態性高血圧症及び腎実質性高血圧症)を対象とした一般臨床試験1試験を実施した。これら6試験での本態性高血圧症に対する有効率は89.8%(386/430)であった。腎実質性高血圧症に対する有効率は73.0%(27/37)、腎血管性高血圧症に対する有効率は77.8%(7/9)であった。高齢者における有効例は65歳以上で92.0%(127/138)、75歳以上で80%(8/10)であった。臨床検査値異常を含む副作用は506例中71例(14.0%)に認められ、主な副作用は顔面潮紅・顔のほてり28例(5.5%)、頭痛18例(3.6%)、動悸11例(2.2%)、ほてり・熱感10例(2.0%)等であった。
本剤40mgを1日1回4〜6週間投与後に、拡張期血圧が降圧目標に達しなかった本態性高血圧症患者351例を2群に分けて、本剤40mgを1日2回又は1日1回8週間投与したときの収縮期及び拡張期血圧のベースライン(1日2回投与群:148.7/95.3mmHg、1日1回投与群:146.4/95.6mmHg)からの変化量の最小二乗平均値は、1日2回投与群で11.1/7.7mmHgの低下、1日1回投与群で3.7/3.6mmHgの低下であり、両群間に統計学的に有意な差がみられた。40mg1日2回投与群では177例中16例(9.0%)に、40mg1日1回投与群では175例中17例(9.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。40mg1日2回投与群での主な副作用は、頭痛3例(1.7%)、便秘2例(1.1%)等であった8)。
第Ⅲ相二重盲検比較試験を継続して本剤40mgを1日2回通算して52週間投与した長期投与試験の有効解析対象となった119例では、収縮期及び拡張期血圧のベースライン(147.8/96.4mmHg)からの変化量の平均値は、16.8/12.0mmHgの低下を示した。投与開始後52週までに120例中21例(17.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は浮腫7例(5.8%)、貧血2例(1.7%)、Al-P上昇2例(1.7%)等であった9)。
本剤40mgを1日1回とカルシウム拮抗剤以外の降圧剤を2週間併用投与した後に、拡張期血圧が降圧目標に達しなかった本態性高血圧症患者71例に本剤40mgを1日2回と他の降圧剤を52週間併用投与したとき、収縮期及び拡張期血圧のベースライン(150.6/93.5mmHg)からの変化量の平均値は、19.1/13.1mmHgの低下を示した。投与開始後52週までに72例中21例(29.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は頻脈5例(6.9%)、歯肉肥厚3例(4.2%)等であった10)。
国内で狭心症、異型狭心症患者それぞれを対象として本剤20~60mg1日1回漸増法による前期第Ⅱ相試験を実施した。また、狭心症を対象に本剤40mg1日1回、20mg1日1回、及び本剤の1日2回投与製剤(アダラートL錠)20mg1日2回を比較する第Ⅲ相試験11)、異型狭心症を対象に本剤(20mg1日1回より開始し、40mgさらに60mgまで増量)と、ニソルジピン(5mg1日1回より開始し、10mgさらに15mgまで増量)を比較する第Ⅲ相試験12)を実施した。狭心症に対する有効率は73.4%(94/128)、異型狭心症に対する有効率は88.2%(45/51)であった。高齢者における有効例は65歳以上で73.9%(51/69)、75歳以上で75.0%(6/8)であった。臨床検査値異常を含む副作用は196例中13例(6.6%)に認められ、主な副作用は頭痛7例(3.6%)、顔面潮紅・顔のほてり4例(2.0%)、頭重感2例(1.0%)等であった。
ニフェジピンは筋の興奮収縮連関物質であるCaの血管平滑筋及び心筋細胞内への流入を抑制して、冠血管を拡張するとともに全末梢血管抵抗を減少させ、抗高血圧作用と心筋酸素需給バランスの改善作用をあらわす。
麻酔開胸犬に5μg/kgを静脈内投与した実験では、投与3分後には平均血圧が著明に低下し、左室最大駆出速度の上昇を伴う心拍出量の増加と全末梢血管抵抗の減少がみられる。左室外部仕事及び心拍数は変化せず、また容量血管には有意の影響は認められない13)。
麻酔犬に1分間当り4μg/kgを静脈内に持続投与した実験では、両側大腿動脈に挿入したポリテトラフルオロエチレン人工血管での111In標識自家血小板の沈着及び血小板沈着総数は有意に低下する20)。
麻酔開胸犬に総冠血流量を100%増加する用量の3μg/kgから10μg/kgを静脈内投与した実験では、in situ心臓の房室伝導は抑制されずむしろ軽度促進する。30μg/kgまで増量すると房室伝導時間と房室伝導系の機能不応期はともに延長するが、それぞれ約20、30ミリ秒の延長にとどまり、何ら障害を及ぼさない21)。
ニフェジピン(Nifedipine)
Dimethyl 2,6-dimethyl-4-(2-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
C17H18N2O6
346.33
本品は黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。本品はアセトン又はジクロロメタンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品は光によって変化する。
172〜175℃
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]700錠[14錠(PTP)×50]500錠[瓶、バラ]
1) 中道昇他: 薬理と治療. 1995; 23(Suppl. 2): 7-21
2) 社内資料: 40mg1日1回投与で効果不十分な高血圧症患者を対象とした臨床薬理試験
3) Duhm B, et al.: Arzneim-Forsch/Drug Res. 1972; 22: 42-53
4) 島本和明他: 薬理と治療. 1995; 23(Suppl. 2): 173-188
5) 石井當男他: 薬理と治療. 1997; 25: 69-80
6) 石井當男他: 薬理と治療. 1997; 25: 81-90
7) 石井當男他: 薬理と治療. 1997; 25: 121-154
8) 社内資料: 40mg1日1回投与で効果不十分な高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験
9) 社内資料: 二重盲検比較試験から継続の長期継続投与試験
10) 社内資料: 長期併用投与試験
11) 加藤和三他: 薬理と治療. 1997; 25: 195-225
12) 加藤和三他: 薬理と治療. 1997; 25: 227-257
13) Hayase S, et al.: Jpn Circulation J. 1971; 35: 903-914
14) 橋本虎六他: 心臓. 1971; 3: 1294-1304
15) Kanazawa T, et al.: Arzneim-Forsch/Drug Res. 1974; 24: 1267-1274
16) Vater W.: 2nd International Adalat® Symposium. Springer. 1975; 77-81
17) Nayler WG, et al.: Am J Cardiol. 1980; 46: 242-248
18) Fleckenstein A, et al.: 5th International Adalat® Symposium. Excerpta Medica. 1983; 36-52
19) Kazda S, et al.: 5th International Adalat® Symposium. Excerpta Medica. 1983; 133-143
20) Pumphrey CW, et al.: Am J Cardiol. 1983; 51: 591-595
21) Taira N, et al.: 2nd International Adalat® Symposium. Springer. 1975; 40-48
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