当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
慢性腎臓病患者における高リン血症の改善
本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
通常、成人にはランタンとして1日750mgを開始用量とし、1日3回に分割して食直後に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日2,250mgとする。
本剤の投与にあたっては、定期的に血清リン、カルシウム及びPTH濃度を測定しながら慎重に投与すること。血清リン及びカルシウム濃度の管理目標値は学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症及び二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは発現のおそれがある場合には、ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与あるいは他の適切な治療法に切り替えることを考慮すること。
本剤の主な副作用は消化器症状のため、これらの疾患に影響を及ぼすおそれがある。
腸管穿孔を起こした例が報告されている。
イレウスを起こした例が報告されている。
症状が悪化又は再発した例が報告されている。
重度の肝機能障害を有する患者は臨床試験では除外されている。胆汁排泄が著しく低下しているおそれのある重度の肝機能障害患者では、注意深く観察すること。本剤は主に胆汁中に排泄される。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。妊娠ラットに高用量のランタンを妊娠6日から分娩後20日まで投与した試験において、児の体重低値及び一部の指標で発達の遅れが認められたとの報告がある1)。また、妊娠ウサギに高用量のランタンを投与した試験において、母動物の摂餌量及び体重の減少、着床前後の死亡率の増加、並びに胎児の体重低値がみられたとの報告がある2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいてランタンの乳汁への移行が報告されている3)。
投与しないことが望ましい。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
テトラサイクリン系抗生物質
ニューキノロン系抗菌剤
左記薬剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、本剤服用後2時間以上あけて投与すること。
ランタンと難溶性の複合体を形成し、左記薬剤の腸管からの吸収を妨げることが考えられる。
甲状腺ホルモン剤
左記薬剤の吸収が低下するおそれがあるので、併用する場合には本剤との投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること。
これらの病態を疑わせる持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、腹部の診察やCT、腹部X線、超音波等を実施すること。
吐血、下血及び胃、十二指腸、結腸等の潰瘍があらわれることがある。異常が認められた場合には、腹部の診察や内視鏡、腹部X線、CT等を実施すること。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
嘔吐、悪心、便秘
胃不快感、腹痛、下痢、逆流性食道炎、 腹部膨満感、食欲不振、消化不良
腹部不快感、放屁増加、胃潰瘍、胃炎
過敏症
発疹、そう痒
肝臓
AST上昇、ALT上昇
血液
貧血
好酸球増多
内分泌
副甲状腺機能亢進症
その他
Al-P上昇
胸痛、背部痛、倦怠感、めまい、高カルシウム血症、低リン血症
*低カルシウム血症、末梢性浮腫
本剤服用患者の腹部X線撮影時には、ランタンが存在する胃腸管にバリウム様の陰影を認めることがある。
*胃腸管にランタンの沈着又は薬剤残留物が認められることがある。胃・十二指腸の粘膜におけるランタンの沈着は、内視鏡により様々な大きさ及び形の白っぽい病変として確認されている。また、ランタンが沈着した胃・十二指腸の粘膜では、慢性又は活動性炎症、腺萎縮、再生性変化、小窩過形成、腸上皮化生、新生物など様々な病理学的特徴が確認されたとの報告があるが、ランタンの沈着との関連性は明らかではない。
動物における薬物動態試験において、本剤の反復経口投与により、他の組織に比べて特に骨、消化管及び肝臓でランタン濃度が高く推移し、消失も遅延していた。
日本人健康成人男子8例に本剤注1)250及び1000mgを単回投与した際のランタンの薬物動態パラメータを表に示した4)。
投与量
Cmax(ng/mL)
tmax※(h)
t1/2(h)
AUC(ng・h/mL)
250mg
0.156
4.00
7.8
1.56
1000mg
0.192
5.25
19.2
3.69
幾何平均値 ※:中央値
日本人健康成人男子9例に本剤注1)1000mgを1日3回10日間反復投与したときの定常状態における血漿中ランタン濃度は、投与後6時間目に最高値に達し、Cmax及びAUC(0-8)はそれぞれ0.558ng/mL及び3.67ng・h/mLであった5)。
日本人透析患者に本剤注1)を最大4500mg注2)/日投与した国内長期投与試験における投与開始後28、52及び156週目の平均血漿中ランタン濃度はそれぞれ0.406ng/mL、0.463ng/mL及び0.558ng/mLであった6)。
日本人の保存期慢性腎臓病患者に本剤注1)を最大2250mg/日投与した国内長期投与試験における投与開始後32及び60週目の平均血漿中ランタン濃度(幾何平均値)はそれぞれ0.564ng/mL及び0.797ng/mLであった7)。
本剤注1)1000mg単回経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティーは0.002%未満であった8)(外国人データ)。
本剤は体内で代謝を受けない。In vitro代謝試験において、ランタンは1A2、2C9/10、2C19、2D6及び3A4/5の各CYP分子種に対して阻害作用を示さなかった12)。
日本人健康成人男子8例に本剤注1)250及び1000mgを単回投与した際の尿中ランタン濃度はほとんどの被験者で定量下限未満であった。また、120時間目までの糞中回収率はそれぞれ59.5%、66.9%であった4)。
糞中回収率※(%)
59.5
66.9
※:算術平均値
日本人健康成人男子9例に本剤注1)1000mgを1日3回注2)10日間反復投与した際の最終投与後48時間までにすべての被験者から平均で投与量の0.0000164%が尿中に排泄され、投与したランタンの59.8%が糞中から回収された5)。
高リン血症を呈する血液透析患者259例(本剤注3)126例、沈降炭酸カルシウム133例)を対象とした比較試験において、本剤注3)を1日750mgから投与を開始し、1日2250mgまで適宜増減した。その結果、血清リン濃度(Mean±SD)は、投与開始時8.35±1.38mg/dLから投与終了時5.78±1.44mg/dLと低下が認められた。また、血清カルシウム濃度(Mean±SD)は、投与開始時9.02±0.69mg/dL、投与終了時9.22±0.61mg/dLと変化は認められず、本剤注3)の臨床的有用性が確認された。
副作用(臨床検査値異常を含む)は126例中29例(23.0%)に認められた。主な副作用は、嘔吐14例(11.1%)、悪心12例(9.5%)、胃不快感4例(3.2%)、上腹部痛3例(2.4%)、便秘2例(1.6%)等であった13)。
高リン血症を呈する腹膜透析患者45例を対象として本剤注3)を1日750mgから投与を開始し、1日2250mgまで適宜増減した結果、血清カルシウム濃度を上昇させることなく血清リン濃度(Mean±SD)が投与開始時7.16±1.21mg/dLから投与終了時5.54±1.31mg/dLと低下した。副作用(臨床検査値異常を含む)は45例中7例(15.6%)に認められた。主な副作用は、嘔吐2例(4.4%)、腹痛2例(4.4%)、下痢2例(4.4%)等であった14)。
高リン血症を呈する血液透析患者145例を対象として本剤注3)を1日750mgから投与を開始し、1日4500mg注4)まで適宜増減して最長3年間投与した結果、血清リン濃度低下効果が維持された患者も認められた。副作用(臨床検査値異常を含む)は145例中83例(57.2%)に認められた。主な副作用は、嘔吐45例(31.0%)、悪心43例(29.7%)、胃不快感18例(12.4%)、下痢12例(8.3%)、上腹部痛12例(8.3%)等であった6)。
高リン血症を呈する保存期の慢性腎臓病患者141例(本剤注3)86例、プラセボ55例)を対象とした比較試験において、本剤注3)を1日750mgから投与を開始し、1日2250mgまで適宜増減した。その結果、血清リン濃度(Mean±SD)は、本剤注3)投与群において、投与開始時6.17±1.30mg/dLから投与終了時5.14±1.43mg/dLと低下が認められた。一方、プラセボ投与群では、投与開始時は6.15±1.04mg/dL、投与終了時は6.10±1.05mg/dLであった。投与開始時から終了時(8週時)の血清リン濃度変化量の最小二乗平均値の差[95%信頼区間]は-0.97mg/dL[-1.37mg/dL、-0.58mg/dL]であり、本剤注3)のプラセボに対する優越性が示された(P<0.0001、共分散分析モデル)。副作用(臨床検査値異常を含む)は87例中20例(23.0%)に認められた。主な副作用は、便秘9例(10.3%)、悪心9例(10.3%)、嘔吐5例(5.7%)、下痢2例(2.3%)等であった15)。
高リン血症を呈する保存期の慢性腎臓病患者123例を対象とした長期投与試験において、本剤注3)を1日750mgから投与を開始し、最高1日2250mgまで投与した結果、血清リン濃度低下効果が維持された患者も認められた。なお、本剤注3)の投与期間(平均値±標準偏差)は173.6±121.6日であった。副作用(臨床検査値異常を含む)は123例中29例(23.6%)に認められた。主な副作用は、便秘10例(8.1%)、悪心7例(5.7%)、嘔吐6例(4.9%)、消化不良3例(2.4%)、腹部不快感2例(1.6%)等であった7)。
炭酸ランタンは、消化管内で食物由来のリン酸イオンと結合して不溶性のリン酸ランタンを形成し、腸管からのリン吸収を抑制することにより、血中リン濃度を低下させる16)。
In vitro試験において、炭酸ランタンをリン酸ナトリウム溶液中で反応させた結果、リン除去率はpH3で97.5%、pH5で97.1%及びpH7で66.6%であった17)。
5/6腎摘出ラットに炭酸ランタンを6週間反復投与したとき、血清リン濃度は溶媒対照群に比して有意に低下した18)。
OD錠500mgとチュアブル錠500mgを、クロスオーバー法により日本人健康成人男子に1日3回4日間食直後に経口投与し(4日目のみ朝食直後に単回投与)、生物学的同等性を検討した。その結果、投与開始前値及び投与1日目から3日目(3日間)の平均24時間尿中リン排泄量より、OD錠500mgはチュアブル錠500mgと生物学的に同等であることが示された19)。
OD錠500mg
チュアブル錠500mg
投与開始前値※
22.08±2.91
21.65±3.27
投与1日目から3日目の平均値
17.40±2.83
17.72±3.05
n=19、算術平均値±算術標準偏差(単位:mmol)
※:投与-2日目及び-1日目の平均24時間尿中リン排泄量
炭酸ランタン水和物(Lanthanum Carbonate Hydrate)
Lanthanum carbonate hydrate
La2(CO3)3・xH2O(x=主として4)
529.90(4水和物)
本品は白色~ほとんど白色の粉末である。
本剤は吸湿性があるので、アルミニウム袋開封後は湿気を避けて保存し、服用直前までPTPシートから取り出さないこと。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
1) 社内資料: 妊娠ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.6.6.6)
2) 社内資料: 妊娠ウサギにおける胚・胎児発生に関する試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.6.6.6)
3) Wappelhorst O, et al.: Nutrition. 2002; 18: 316-322
4) 社内資料: 単回経口投与薬物動態試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.7.6.4)
5) 社内資料: 反復経口投与薬物動態試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.7.6.5)
6) 社内資料: 長期投与試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認)
7) 社内資料: 保存期の慢性腎臓病患者を対象とした長期投与試験(ホスレノールチュアブル錠2013年8月20日承認)
8) Pennick M, et al.: J Clin Pharmacol. 2006; 46: 738-746
9) 社内資料: 骨生検試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認)
10) 社内資料: 海外長期投与試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.7.6.23)
11) 社内資料: 血漿タンパク結合(in vitro)(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.6.4.4)
12) 社内資料: チトクロームP450(CYP)分子種(in vitro)(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.6.4.5)
13) 社内資料: 二重盲検比較試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.7.6.19)
14) 社内資料: 腹膜透析患者を対象とした一般臨床試験(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.7.6.20)
15) 社内資料: 保存期の慢性腎臓病患者を対象とした二重盲検試験(ホスレノールチュアブル錠2013年8月20日承認)
16) Harrison TS, et al.: Drugs. 2004; 64: 985-996
17) 社内資料: リン結合作用(in vitro)(2008年10月16日承認、CTD2.6.2.2)
18) 社内資料: 血清リン濃度低下作用(ホスレノールチュアブル錠2008年10月16日承認、CTD2.6.2.2)
19) 社内資料: 生物学的同等性(2017年2月6日承認)
文献請求先バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001大阪市北区梅田二丁目4番9号
バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
電話0120-106-398
バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田二丁目4番9号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.