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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人にはリオシグアトとして1回1.0mg1日3回経口投与から開始する。2週間継続して収縮期血圧が95mmHg以上で低血圧症状を示さない場合には、2週間間隔で1回用量を0.5mgずつ増量するが、最高用量は1回2.5mg1日3回までとする。収縮期血圧が95mmHg未満でも低血圧症状を示さない場合は、現行の用量を維持するが、低血圧症状を示す場合には、1回用量を0.5mgずつ減量する。
用量調節期に決定した用量を維持する。用量維持期においても、最高用量は1回2.5mg1日3回までとし、低血圧症状を示すなど、忍容性がない場合には、1回用量を0.5mgずつ減量する。
気道出血が起こる可能性が高くなるため、喀血が起こりやすく、重篤で致死的な喀血の危険性が高まる可能性がある。患者ごとに本剤投与のリスク・ベネフィットを定期的に評価すること。
*過度の血圧低下が起こるおそれがある。本剤の投与に際しては、患者における治療上のリスク・ベネフィットを考慮して慎重に判断すること。国際共同第Ⅲ相試験では除外されている。
本剤を投与しないことが望ましい。心血管系の状態を著しく悪化させるおそれがある。
禁煙させることが望ましい。非喫煙者に比べて本剤の血漿中濃度が低下する。
クレアチニン・クリアランス15mL/min未満の患者又は透析中の患者には投与しないこと。血中濃度が著しく上昇するおそれがある。国際共同第Ⅲ相試験では除外されている。,
*1回0.5mg1日3回からの開始も考慮すること。クレアチニン・クリアランス15~80mL/min未満の患者では血中濃度が上昇する。,
Child-Pugh分類Cの患者には投与しないこと。血中濃度が著しく上昇するおそれがある。国際共同第Ⅲ相試験では除外されている。
*Child-Pugh分類A又はBの患者では血中濃度が上昇する。,
妊娠する可能性のある女性に以下について説明及び指導し、必要に応じて妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験において、ラットで心室中隔欠損、骨化遅延(胸骨分節)及び全胚吸収がヒトの8.1倍の全身曝露量で発現することが報告されている1)。また、ウサギで流産及び全胚吸収がそれぞれヒトの3.8倍及び12.6倍の全身曝露量で発現することが報告されている2)。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット、経口投与)で乳汁中に投与量の2.2%が移行することが報告されている3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
*血中濃度の上昇が認められている。,
硝酸剤及びNO供与剤
,
本剤単回投与後にニトログリセリンを舌下投与したときに、プラセボ投与に比べて有意な収縮期血圧の低下が認められている。
細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強する。
PDE5阻害剤
症候性低血圧を起こすことがある。
細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。
アゾール系抗真菌剤
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用により本剤のAUCが150%増加し、Cmaxは46%上昇した。また、消失半減期が延長し、クリアランスも低下した。
複数のCYP分子種(CYP1A1、CYP3A等)及びP-gp/BCRP阻害により本剤のクリアランスが低下する。
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
症候性低血圧を起こすおそれがある。
細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。
CYP1A1阻害剤
*
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、強いCYP1A1阻害薬との併用には注意すること。
CYP1A1阻害により本剤のクリアランスが低下する。
*リトナビル含有製剤
*アタザナビル
*リルピビリン含有製剤
*コビシスタット含有製剤
*アバカビル含有製剤
*ダルナビル含有製剤
*ホスアンプレナビル
*本剤の血中濃度が上昇するおそれがある4)。これらの薬剤を投与中の患者に本剤の投与を開始する場合は、1回0.5mg1日3回からの開始も考慮すること。
*これら薬剤のCYP1A1及び/又はCYP3A阻害により本剤のクリアランスが低下する。
CYP1A1で代謝される薬剤
これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤及びM-1のCYP1A1阻害によりこれら薬剤のクリアランスが低下する。
シクロスポリン
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、強いP-gp/BCRP阻害薬との併用には注意すること。
P-gp/BCRP阻害により本剤のクリアランスが低下する。
制酸剤
水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウム合剤との併用により本剤のAUCが34%減少し、Cmaxは56%低下した。制酸剤は本剤投与後1時間以上経過してから服用させること。
消化管内pHの上昇により本剤のバイオアベイラビリティが低下する。
CYP3A阻害剤
* ,
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、強いCYP3A阻害薬との併用には注意すること。
CYP3A阻害により本剤のクリアランスが低下する。
ボセンタン
ボセンタンを併用した肺動脈性肺高血圧症患者において、本剤のAUCが27%減少した。
CYP3Aの誘導により本剤のクリアランスが上昇する。
CYP3A誘導薬
強いCYP3A誘導薬との併用により本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3A誘導により本剤のクリアランスが上昇する。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛、浮動性めまい
感覚器
鼻閉
鼻出血
消化器
消化不良
悪心、胃・腹部痛、下痢、嘔吐、胃食道逆流、便秘、嚥下障害、胃炎、腹部膨満
胃腸炎
循環器
低血圧、動悸、潮紅、失神
呼吸器
呼吸困難
血液
貧血
その他
末梢性浮腫、疲労、顔面浮腫
過度の血圧低下等が起こる可能性がある。
特異的な解毒薬はない。また、本剤はタンパク結合率が高いので、血液透析による除去は期待できない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
適応外であるが、特発性間質性肺炎に伴う症候性肺高血圧症患者147例を対象とした国際共同プラセボ対照比較試験において、プラセボ投与群に比較して本剤投与群では重篤な有害事象及び死亡が多く認められ、試験が早期に中止された。主要投与期(二重盲検下)では、重篤な有害事象は本剤投与群で73例中27例(37.0%)、プラセボ投与群で74例中17例(23.0%)、死亡は本剤投与群で73例中8例(11.0%)、プラセボ投与群で74例中3例(4.1%)認められた。長期継続投与期(二重盲検期及び非盲検期)では、重篤な有害事象は本剤投与継続群で32例中12例(37.5%)、プラセボから本剤への切替え群で38例中21例(55.3%)、死亡は本剤投与継続群で32例中1例(3.1%)、プラセボから本剤への切替え群で38例中8例(21.1%)認められた。
日本人健康成人男性27例に本剤0.5、1.0及び2.5mgを空腹時単回経口投与したとき、本剤は速やかに吸収され、血漿中リオシグアト濃度は投与1~1.5時間後にピークに達し、Cmax及びAUCは用量に応じて増加した5)。
投与量
Cmax(μg/L)
tmax※(h)
AUC(μg・h/L)
t1/2(h)
0.5mg
22.9/31.5
1.0(0.5-1.5)
106/56.4
4.15/46.1
1.0mg
49.7/23.6
272/101
6.33/86.4
2.5mg
126/17.1
1.5(0.75-4.0)
824/70.9
7.59/47.2
幾何平均値/幾何CV% ※:中央値(範囲)
日本人健康成人男性15例に本剤1.0及び1.5mgを1日3回7日間反復投与したとき、血漿中リオシグアト濃度は、投与開始7日後までに定常状態に達した。定常状態におけるCmaxは初回投与に比べて1.18~1.25倍増加したが、AUCはほとんど変動しなかった6)。
AUC(0-7)(μg・h/L)
1.0mg1日3回
59.9/35.8
1.50(0.5-4.0)
325/40.3
9.69/28.7
1.5mg1日3回
101/27.6
516/29.3
9.17/25.7
母集団薬物動態の結果、国際共同第Ⅲ相試験に組み入れられた慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者及び肺動脈性肺高血圧症患者における定常状態のAUCは、健康成人の約3倍と推定された。
本剤の絶対的バイオアベイラビリティは94%であった(外国人データ)。
健康成人男性23例に本剤2.5mgを高脂肪食・高カロリー食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時と比較して、本剤のCmaxはおよそ35%低下したが、AUCは低下しなかった(外国人データ)。
本剤の定常状態での分布容積は30Lである。本剤の血漿タンパク結合率は約95%であり、主に血清アルブミン及びα1-酸性糖タンパクと結合した(in vitro)。
本剤は、主にCYP1A1、CYP2C8、CYP2J2及びCYP3Aによって脱メチル化され、主代謝物M-1が生成される(in vitro)。その後、薬理活性のないN-グルクロン酸抱合体に代謝される。肝臓及び肺において主代謝物の生成に関わるCYP1A1は、タバコの煙等に含まれる多環芳香族炭化水素によって誘導されることが報告されている。
喫煙者では本剤の血漿中濃度が50~60%低下する。喫煙によって、本剤の代謝酵素であるCYP1A1が誘導されるためと考えられる7)(外国人データ)。
軽度の腎機能障害(クレアチニン・クリアランス50~80mL/min未満)、中等度の腎機能障害(クレアチニン・クリアランス30~50mL/min未満)、重度の腎機能障害(クレアチニン・クリアランス30mL/min未満)の非喫煙者では、本剤のAUCは健康成人と比べてそれぞれ98%、128%、72%増加した8)(外国人データ)。,,
軽度の肝機能障害(Child-Pugh分類A)及び中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)の非喫煙者では、本剤のAUCは健康成人と比べてそれぞれ72%及び62%増加した9)(外国人データ)。
高齢者(65歳以上)では、全身及び腎クリアランスの低下により、若年者よりもAUCが約40%高かった10)(外国人データ)。
健康成人6例を対象としたプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験により本剤2.5mg又はプラセボ投与8及び24時間後の各時点でニトログリセリン0.4mgを舌下投与したときの薬力学的相互作用を検討した。相加的な血管拡張作用がみられ、本剤投与8時間後のニトログリセリン舌下投与時でも、プラセボ投与よりも有意な収縮期血圧の低下が認められた11)(外国人データ)。,
シルデナフィルクエン酸塩20mg1日3回投与により安定している肺動脈性肺高血圧症患者7例を対象として、本剤0.5mgをシルデナフィルクエン酸塩20mg投与3時間後、さらに1.0mgを2時間後に単回投与したときの肺及び全身血行動態に及ぼす影響を検討した。本剤をシルデナフィルクエン酸塩に上乗せ投与したところ、血行動態に相加的な影響が認められた12)(外国人データ)。,
健康成人16例を対象としたクロスオーバー試験により本剤0.5mgを単独又はケトコナゾール400mgを1日1回4日間投与後に併用して食後単回投与した。ケトコナゾール併用により本剤のCmaxが46%上昇し、AUCが約150%増加した。なお、代謝物M-1のCmaxは49%低下し、AUCは24%減少した13)(外国人データ)。,
健康成人12例を対象としたクロスオーバー試験により本剤2.5mgを単独又は水酸化アルミニウムゲル/水酸化マグネシウム合剤10mLと併用して、それぞれ空腹時単回投与した。制酸剤との併用により本剤のCmaxが56%低下し、AUCは34%減少した。なお、消失半減期が5.9時間から8.6時間に延長した14)(外国人データ)。
肺動脈性肺高血圧症患者における母集団薬物動態解析の結果では、ボセンタンを非併用の患者に比べ併用した患者では、本剤の定常状態におけるAUCが27%低かった15)(外国人データ)。
健康成人12例を対象としたクロスオーバー試験により本剤2.5mgを単独で又はオメプラゾール40mgを1日1回4日間投与後に空腹時単回投与した。オメプラゾール併用による本剤のCmax及びAUCの低下はそれぞれ35%及び26%であった16)(外国人データ)。
健康成人14例を対象としたクロスオーバー試験により本剤1.0mgを単独又はクラリスロマイシン500mgを1日2回4日間投与後に併用して食後単回投与した。クラリスロマイシン併用により本剤のCmaxが4%上昇し、AUCが41%増加した17)(外国人データ)。
アセチルサリチル酸、ミダゾラム、ワルファリンの併用において、臨床的に意味のある相互作用はみられなかった。
肺動脈血栓内膜摘除術不適応又は本手術後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者261例(日本人16例を含む)を対象とした比較試験において、本剤(用量調節法:被験者の血圧、忍容性等に応じて1.0~2.5mgを1日3回8週間投与し、8週時点の用量をさらに8週間投与)又はプラセボを16週間投与した。その結果、有効性主要評価項目である6分間歩行距離のベースラインからの変化は、プラセボ投与群と比べ本剤投与群において有意に大きかった(p<0.0001、層別Wilcoxon検定)。さらに、副次的評価項目[肺血管抵抗、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)、WHO機能分類]においても、本剤投与群ではプラセボ投与群に比べて有意な改善効果を示し、6分間歩行距離と一貫した結果であった18)。
評価項目(単位)
本剤投与群[症例数]
プラセボ投与群[症例数]
主要評価項目
6分間歩行距離(m)平均値±SD
38.9±79.3[173]
-5.5±84.3[88]
投与群間の比較:45.69(24.74~66.63)※1p<0.0001※2
主な副次的評価項目
肺血管抵抗(dynes・sec・cm-5)平均値±SD
-225.7±247.5[151]
23.1±273.5[82]
投与群間の比較:-246.43(-303.33~-189.53)※1
p<0.0001※2
NT-proBNP(pg/mL)平均値±SD
-290.7±1716.9[150]
76.4±1446.6[73]
投与群間の比較:-443.99(-842.95~-45.03)※1
WHO機能分類※3症例数(%)改善不変悪化
57(32.9%)107(61.8%)9(5.2%)
13(14.9%)68(78.2%)6(6.9%)
投与群間の比較:p=0.0026※2
SD:標準偏差※1:ベースライン値を共変量、投与群及び国/地域を主効果とした共分散分析より推定した最小二乗平均値の差(本剤投与群-プラセボ投与群)とその95%信頼区間※2:国/地域を層とした層別Wilcoxon検定主要評価項目が有意水準両側5%で有意であった場合、副次的評価項目について表に示した項目の順に逐次的な検定を実施した。※3:WHO機能分類のクラスが1段階以上改善した場合を「改善」、変化しなかった場合を「不変」、1段階以上悪化した場合を「悪化」と分類した。投与群間の比較のための検定には、クラスの変化量(治験終了時のクラス-開始時のクラス)を用いた。
日本人部分集団は少数例(本剤投与群:11例、プラセボ投与群:5例)であり、ばらつきが大きく、主要評価項目である6分間歩行距離のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)は、本剤投与群で31.9±148.6m(中央値:64.0m)、プラセボ投与群で36.0±36.4m(中央値:14.0m)であった。しかしながら、主な副次的評価項目である肺血管抵抗の変化量は、本剤投与群で-129.6±122.5(dynes・sec・cm-5)、プラセボ投与群では15.7±120.8(dynes・sec・cm-5)であり、全体集団と同様に血行動態改善効果が認められた18)。
プラセボ対照二重盲検比較試験に参加した慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者237例を対象に、本剤0.5~2.5mg1日3回の用量で適宜漸増する長期継続投与試験を実施した。237例(日本人14例を含む)を対象とした中間解析の結果、6分間歩行距離のベースラインからの平均変化量は、6ヵ月後(218例)で56.5m、9ヵ月後(215例)で49.7m、12ヵ月後(172例)で51.3m、18ヵ月後(114例)で51.1mであった。プラセボ対照二重盲検比較試験で認められた本剤投与による6分間歩行距離の改善は、長期継続投与においても維持されていることが示された。日本人部分集団(14例)においては、6分間歩行距離のベースラインからの平均変化量は、6ヵ月後(11例)で86.3m、9ヵ月後(12例)で80.9m、12ヵ月後(12例)で62.9m、18ヵ月後(9例)で89.6mであった19)。
肺動脈性肺高血圧症患者443例(日本人26例を含む)を対象とした比較試験において、本剤[用量調節法1(用量調節群):被験者の血圧、忍容性等に応じて1.0~2.5mgを1日3回8週間投与し、8週時点の用量をさらに4週間投与、用量調節法2(1.5mg群、探索的用量群〔63例〕):被験者の血圧、忍容性等に応じて最大1.5mgまでを1日3回8週間投与し、8週時点の用量をさらに4週間投与]又はプラセボを12週間投与した。その結果、有効性主要評価項目である6分間歩行距離のベースラインからの変化は、プラセボ投与群と比べ用量調節群において有意に大きかった(p<0.0001、層別Wilcoxon検定)。さらに、副次的評価項目[肺血管抵抗、NT-proBNP、WHO機能分類]においても、用量調節群ではプラセボ投与群に比べて有意な改善効果を示し、6分間歩行距離と一貫した結果であった20)。
29.6±65.8[254]
-5.6±85.5[126]
投与群間の比較:35.78(20.06~51.51)※1 p<0.0001※2
-223.3±260.1[232]
-8.9±316.6[107]
投与群間の比較:-225.72(-281.37~-170.08)※1
-197.9±1721.3[228]
232.4±1011.1[106]
投与群間の比較:-431.81(-781.52~-82.10)※1
53(20.9%)192(75.6%)9(3.5%)
18(14.4%)89(71.2%)18(14.4%)
投与群間の比較:p=0.0033※2
SD:標準偏差※1:ベースライン値を共変量、投与群、割り付け時の層別因子(PAH治療薬の併用の有無)及び国/地域を主効果とした共分散分析より推定した最小二乗平均値の差(用量調節群-プラセボ投与群)とその95%信頼区間※2:割り付け時の層別因子及び国/地域を層とした層別Wilcoxon検定主要評価項目が有意水準両側5%で有意であった場合、副次的評価項目について表に示した項目の順に逐次的な検定を実施した。※3:WHO機能分類のクラスが1段階以上改善した場合を「改善」、変化しなかった場合を「不変」、1段階以上悪化した場合を「悪化」と分類した。投与群間の比較のための検定には、クラスの変化量(治験終了時のクラス-開始時のクラス)を用いた。
日本人部分集団は少数例(用量調節群:16例、プラセボ投与群:7例、1.5mg群:3例)であり、ばらつきが大きく、主要評価項目である6分間歩行距離のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)は、用量調節群で21.4±35.7m(中央値:23.0m)、プラセボ投与群で40.1±49.4m(中央値:32.0m)であり、明らかな差は認められなかった。しかしながら、主な副次的評価項目である肺血管抵抗の変化量は、用量調節群で-160.6±161.7(dynes・sec・cm-5)、プラセボ投与群では-73.9±163.1(dynes・sec・cm-5)であり、全体集団と同様に、本剤投与による血行動態改善効果が認められた20)。
プラセボ対照二重盲検比較試験に参加した肺動脈性肺高血圧症患者396例を対象に、本剤0.5~2.5mg1日3回の用量で適宜漸増する長期継続投与試験を実施した。396例(日本人21例を含む)を対象とした中間解析の結果、6分間歩行距離のベースラインからの平均変化量は、6ヵ月後(366例)で52.8m、9ヵ月後(354例)で52.2m、12ヵ月後(327例)で51.4m、18ヵ月後(245例)で49.6mであった。プラセボ対照二重盲検比較試験で認められた本剤投与による6分間歩行距離の改善は、長期継続投与においても維持されていることが示された。日本人部分集団(21例)においては、6分間歩行距離のベースラインからの平均変化量は、6ヵ月後(18例)で60.8m、9ヵ月後(18例)で57.3m、12ヵ月後(18例)で50.2m、18ヵ月後(10例)で69.7mであった21)。
内因性一酸化窒素(NO)に対する可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の感受性を高める作用とNO非依存的に直接sGCを刺激する作用の2つの機序を介し、環状グアノシン一リン酸(cGMP)の産生を促進する22)。
低酸素誘発肺高血圧症マウスモデル及びモノクロタリン誘発肺高血圧症ラットモデルにおいて、経口投与で右室収縮期圧の上昇、右室肥大及び肺血管リモデリングを抑制した22)。
リオシグアト(Riociguat)
Methyl N-(4,6-diamino-2-{1-[(2-fluorophenyl)methyl]-1H-pyrazolo[3,4-b]pyridin-3-yl}pyrimidin-5-yl)-N-methylcarbamate
C20H19FN8O2
422.42
本品は白色~帯黄色の粉末である。本品はN,N-ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料: ラットにおける胚・胎児発生に関する毒性試験(2014年1月17日承認、CTD2.6.6.6.2)
2) 社内資料: ウサギにおける胚・胎児発生に関する毒性試験(2014年1月17日承認、CTD2.6.6.6.3)
3) 社内資料: ラットにおける乳汁中分泌に関する試験(2014年1月17日承認、CTD2.6.4.6.4)
4) *DeJesus E, et al.: Pulm Circ. 2019; 9: 1-10
5) 社内資料: 健康成人における単回投与試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.6.9)
6) 社内資料: 健康成人における反復投与試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.6.10)
7) 社内資料: 外国人健康被験者における薬物動態の統合解析レポート(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.3.4)
8) 社内資料: 外国人腎障害患者を対象とした臨床薬理試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.6.17)
9) 社内資料: 外国人肝障害患者を対象とした臨床薬理試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.6.19)
10) 社内資料: 外国人高齢者における薬物動態試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.6.15)
11) 社内資料: ニトログリセリンとの薬物相互作用試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.2.3.3.3)
12) 社内資料: シルデナフィルクエン酸塩との薬物相互作用試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.2.3.3.4)
13) 社内資料: ケトコナゾールとの薬物相互作用試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.2.3.2.1)
14) 社内資料: 制酸剤との薬物相互作用試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.2.3.1.2)
15) 社内資料: 肺動脈性肺高血圧症患者における第Ⅲ相試験の母集団PK/PD解析レポート(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.3.4.2.2.2.3)
16) 社内資料: オメプラゾールとの薬物相互作用試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.2.3.1.1)
17) 社内資料: クラリスロマイシンとの薬物相互作用試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.2.2.3.2.2)
18) 社内資料: 慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者におけるプラセボ対照二重盲検比較試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.6.36)
19) 社内資料: 慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者における長期継続投与試験(2014年1月17日承認、CTD2.7.6.37)
20) 社内資料: 肺動脈性肺高血圧症患者におけるプラセボ対照二重盲検比較試験(2015年2月20日承認、CTD2.7.6.39)
21) 社内資料: 肺動脈性肺高血圧症患者における長期継続投与試験(2015年2月20日承認、CTD2.7.6.40)
22) Schermuly RT, et al.: Eur Respir J. 2008; 32: 881-891
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