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処方箋医薬品注)
慢性心不全ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。
通常、成人にはベルイシグアトとして、1回2.5mgを1日1回食後経口投与から開始し、2週間間隔で1回投与量を5mg及び10mgに段階的に増量する。なお、血圧等患者の状態に応じて適宜減量する。
定期的に血圧測定を行い、臨床試験で用いられた以下の基準を参考に本剤の用量を調節すること。,,,
収縮期血圧(mmHg)・低血圧症状
1回投与量の調節
収縮期血圧が100mmHg以上
収縮期血圧が90mmHg以上100mmHg未満
用量を維持する。
収縮期血圧が90mmHg未満で低血圧症状を示さない場合
収縮期血圧が90mmHg未満で低血圧症状がある場合
投与を中断する。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。過度の血圧低下が起こるおそれがある。臨床試験では除外されている。,,,
本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には患者の状態を十分に観察すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。臨床試験では除外されている。,
妊娠する可能性のある女性は本剤の投与中及び投与終了後一定期間は確実な避妊法を用いること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ウサギにおける流産及び全胚吸収がヒトの6倍以上の全身曝露量で、ラットにおける出生児の死亡率の増加及び体重増加抑制がそれぞれヒトの49倍及び21倍以上の全身曝露量で発現することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおける乳汁中移行性については不明である。動物実験(ラット、静脈内投与)で乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
症候性低血圧を起こすおそれがある。
細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。
PDE5阻害剤
症候性低血圧を起こすおそれがある。治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ併用すること。
硝酸剤及びNO供与剤
症候性低血圧を起こすおそれがある。血圧等患者の状態を継続的に観察しながら慎重に投与すること。
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1~10%未満
1%未満
頻度不明
血液およびリンパ系障害
貧血
神経系障害
浮動性めまい
頭痛
胃腸障害
消化不良、胃食道逆流性疾患、悪心、嘔吐
過度の血圧低下等が起こる可能性がある。
本剤はタンパク結合率が高いので、血液透析による除去は期待できない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性36例を対象として本剤1.25、5、7.5又は10mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与1.0~2.5時間後に最高血漿中濃度に達した後、17.9~22.3時間の半減期で低下した。
1.25mg(n=9)
5mg(n=9)
7.5mg(n=9)
10mg(n=9)
AUC(μg・h/L)
1190/17.5
4140/21.1
5140/38.6
7410/30.5
Cmax(μg/L)
61.8/28.5
236/28.9
324/39.6
365/37.1
tmax※(h)
1.0(0.75-3.0)
1.0(0.75-4.0)
1.0(0.5-2.5)
2.5(0.75-4.0)
t1/2(h)
22.3/18.2
21.1/31.0
17.9/17.9
18.3/20.1
幾何平均値/幾何CV% ※:中央値(範囲)
健康成人男性35例を対象として本剤1.25、5、7.5又は10mgを1日1回7日間空腹時反復経口投与したとき、単回投与時と比較して本剤の薬物動態特性に大きな変化はなく、時間依存性はみられなかった。最終投与時のAUC(0-24)は単回投与時の1.4~1.7倍であった。
5mg(n=8)
AUC(0-24)ss(μg・h/L)
1170/14.5
3670/23.4
4810/27.6
6170/29.9
Cmax,ss(μg/L)
89.2/18.6
289/25.1
407/24.2
472/30.6
1.0(0.75-2.5)
1.75(0.75-4.0)
2.5(0.75-2.5)
27.0/23.6
23.5/30.6
22.1/15.9
20.7/25.2
本剤の食後投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは93%であった(外国人データ)。
本剤を高脂肪・高カロリー食摂取後に単回経口投与したところ、tmax(中央値)は空腹時投与時の投与後1時間から4時間に延長し、薬物動態パラメータの個体間変動の程度は減少した。空腹時投与時と比較して、本剤5mg(5mg錠1錠)食後投与時のAUCは19%、Cmaxは9%上昇し、本剤10mg(10mg錠1錠)食後投与時のAUCは44%、Cmaxは41%上昇した。低脂肪・高炭水化物食摂取後投与時にも同様の食事の影響がみられた(外国人データ)。
本剤の静脈内投与したときの定常状態における分布容積は約44Lであった(外国人データ)。
本剤のヒト血漿タンパク結合率は約98%で、主にアルブミンと結合した(in vitro)。
本剤の主代謝経路はN-グルクロン酸抱合体(代謝物M-1)へのグルクロン酸抱合である。主代謝酵素はUGT1A9及びUGT1A1である。CYPによる酸化代謝は本剤の主代謝経路ではない(in vitro、in vivo)。
健康成人男性10例を対象として本剤を静脈内投与したときの全身クリアランスは約1.6L/hであった。健康成人男性6例を対象として[14C]ベルイシグアトを空腹時単回経口投与したとき、投与された総放射能の53%が尿中に、45%が糞中に排泄された。また、未変化体は投与された総放射能の9%が尿中に、43%が糞中に排泄され、代謝物M-1は投与された総放射能の41%が尿中に排泄され、糞中には排泄されなかった(外国人データ)。
中等度(eGFR 30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満、14例)又は重度(eGFR 30mL/min/1.73m2未満、8例)の腎機能障害患者に本剤2.5mgを食後に単回経口投与したとき、本剤の非結合型AUCは健康成人(8例)と比較してそれぞれ76%及び128%高かった(外国人データ)。
軽度(Child-Pugh分類A、9例)及び中等度(Child-Pugh分類B、9例)の肝機能障害を有する患者における本剤の非結合型AUCは健康成人(9例)と比較して8%及び41%高かった(外国人データ)。
健康成人10例を対象としてオメプラゾール40mgを1日1回4日間前投与した翌日に本剤5mgを空腹時注1)併用投与したとき、本剤5mgを単独投与したときと比較して、本剤のAUC及びCmaxは32%及び50%低下した。水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム懸濁剤10mLと本剤5mgを空腹時注1)併用投与したときには、本剤単独投与時と比較して、本剤のAUC及びCmaxは27%及び46%低下した(外国人データ)。
健康成人16例を対象として本剤10mgを1日1回反復投与した定常状態下においてシルデナフィル25、50及び100mgを併用投与したときのシルデナフィルのAUC(0-22)及びCmaxは、プラセボとシルデナフィルを併用投与した健康成人16例と比較して13~22%及び14~20%高かった。シルデナフィル100mgとの併用投与時の本剤のAUC(0-24)及びCmaxは本剤単独投与時と比較して0.7%及び3%低下した。本剤とシルデナフィルを併用投与した被験者では、プラセボとシルデナフィルを併用した被験者と比較して、5.4mmHgの血圧低下が認められた(外国人データ)。,
健康成人15例を対象としてサクビトリル/バルサルタン97/103mgを1日2回反復投与した定常状態下において本剤2.5mgを単回併用投与したとき、本剤2.5mgを単独単回投与したときと比較して、本剤のAUC(0-24)及びCmaxは7%及び9%低下した。サクビトリル/バルサルタン97/103mgを1日2回単独反復投与したときと比較して、本剤2.5mg(1日1回)と反復併用投与したときには、バルサルタンのAUC(0-12)及びCmaxは12%及び13%、サクビトリルのAUC(0-12)及びCmaxは8%及び18%、サクビトリルの活性代謝物LBQ657のAUC(0-12)及びCmaxは1%及び2%上昇した。座位血圧に本剤併用投与による影響は認められなかった(外国人データ)。
冠動脈疾患患者を対象として本剤を10mgまでの用量で1日1回反復投与した定常状態下において、短時間及び長時間作用型ニトログリセリン(速効性ニトログリセリンエアゾール製剤0.4mg及び一硝酸イソソルビド60mg)を併用投与したとき、これらの硝酸剤を単独投与したときと比較して、臨床的に意味のある血圧の変化はみられなかった。心不全患者での本剤と長時間作用型硝酸薬の併用経験は限定的である(外国人データ)。,
健康成人25例を対象として本剤10mgとジゴキシン0.375mgを1日1回反復併用投与したときの定常状態におけるジゴキシンのAUCτ,mdは、ジゴキシン0.375mgを単独で1日1回反復投与したときと比較して4%上昇した。ジゴキシン0.375mgを1日1回反復投与したときの定常状態下において本剤10mgを単回投与したとき、本剤10mgを単独で単回投与したときと比較して、本剤のAUCは2%低下しCmaxは1%上昇した(外国人データ)。
健康成人14例を対象としてアスピリン500mgを投与した翌日に本剤15mg注1)を併用投与したときの本剤のAUC及びCmaxは、本剤15mg注1)を単独投与したときと比較して、それぞれ5%及び7%低下した。本剤は出血時間及び抗凝固作用に影響せず、アスピリン投与時と本剤併用投与時の出血時間及び抗凝固作用にも変化はみられなかった(外国人データ)。
健康成人23例を対象として本剤10mgを1日1回反復投与した定常状態においてワルファリン25mgを併用投与したときのPT、第Ⅶ、第Ⅱ及び第Ⅹ因子のAUC(0-96)は、ワルファリン25mgをプラセボと併用投与したときの97.4~100.4%であった。薬物動態にも相互作用はみられなかった(外国人データ)。
ACE阻害薬、ARB、β遮断薬及びMRA等の慢性心不全の標準治療を受けている左室駆出率(LVEF)の低下した慢性心不全患者※1(LVEF45%未満、NYHA心機能分類Ⅱ~Ⅳ度)5050例(日本人319例を含む)を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ又は本剤を1日1回食後に経口投与し、本剤は2.5mgより投与を開始し、投与2週間後に5mg、投与4週間後に目標用量である10mgに増量した。なお、血圧、忍容性等に応じて、2週間程度の間隔で1日1回2.5~10mgの範囲で用量を調節した。有効性主要評価項目(心血管死又は心不全による初回入院の複合エンドポイント)の評価期間の中央値は11ヵ月であり、投与期間は平均1年、最長2.6年であった。※1:無作為割付け前6ヵ月以内に心不全による入院の既往又は無作為割付け前3ヵ月以内に入院を要しない静注用利尿薬の投与経験がある患者が組み入れられた。有効性主要評価項目である心血管死又は心不全による初回入院の複合エンドポイント、並びに副次評価項目である心血管死及び心不全による初回入院の発現割合及び発現率は下表のとおりであった。
本剤群n=2526
プラセボ群n=2524
ハザード比(95%信頼区間)※2
P値※3
n(%)
発現率※1
有効性主要評価項目(心血管死又は心不全による初回入院の複合エンドポイント)
897(35.5)
33.6
972(38.5)
37.8
0.90(0.82-0.98)
0.019
副次評価項目(心血管死)
414(16.4)
12.9
441(17.5)
13.9
0.93(0.81-1.06)
0.269
副次評価項目(心不全による初回入院)
691(27.4)
25.9
747(29.6)
29.1
0.90(0.81-1.00)
0.048
※1:100人年当たりの発現率※2:無作為割付け時の層別因子(地域及び人種)を含めたCox比例ハザードモデルに基づき推定※3:無作為割付け時の層別因子(地域及び人種)により層別したLog-rank検定
日本人集団における有効性主要評価項目である心血管死又は心不全による初回入院の複合エンドポイント、並びに副次評価項目である心血管死及び心不全による初回入院の発現割合及び発現率は下表のとおりであった。
本剤群n=161
プラセボ群n=158
49(30.4)
27.6
49(31.0)
30.3
0.93(0.63-1.39)
23(14.3)
11.0
11(7.0)
5.4
2.01(0.98-4.12)
38(23.6)
21.4
44(27.8)
27.2
0.82(0.53-1.26)
※1:100人年当たりの発現率※2:Cox比例ハザードモデルに基づき推定
副作用は2519例中367例(14.6%)に認められ、主な副作用は、低血圧172例(6.8%)、浮動性めまい37例(1.5%)、悪心19例(0.8%)等であった。日本人集団における副作用は161例中13例(8.1%)に認められ、主な副作用は低血圧3例(1.9%)であった。なお、症候性低血圧(有害事象)及び失神(有害事象)は本剤群で9.1%及び4.0%、プラセボ群で7.9%及び3.5%であった。また、日本人集団における症候性低血圧(有害事象)及び失神(有害事象)は本剤群で5.0%及び3.1%、プラセボ群で3.8%及び1.9%であった。
冠動脈疾患患者74例を対象としてプラセボ対照二重盲検法により本剤2.5、5、10mg及びプラセボを1日1回14日間反復投与した。本剤10mg反復投与後におけるQTcF間隔のベースラインからの最大変化量(プラセボとの差)は平均6msec未満で、両側90%信頼区間の上限値は10msec未満であった(外国人データ)。
本剤は、心筋収縮力、血管緊張、心臓リモデリング等の生理機能の調節に関わる環状グアノシン一リン酸(cGMP)を生成する可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)を、一酸化窒素(NO)非依存的に、またNOを介して刺激し、cGMPの生成を促進する。
本剤は、麻酔下のラットにおいて、平均動脈圧を低下させ、心拍数を反射性に増加させた。また、麻酔下のイヌにおいて、平均動脈圧、肺動脈圧及び全身血管抵抗を低下させ、心拍数を反射性に増加させた。
NG-nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)投与レニントランスジェニックラット(試験開始時8週齢)1),2)において、本剤3週間経口投与で心臓の相対重量が低下し、死亡率も減少した。
ベルイシグアト(Vericiguat)
Methyl(4,6-diamino-2-{5-fluoro-1-[(2-fluorophenyl)methyl]-1H-pyrazolo[3,4-b]pyridin-3-yl}pyrimidin-5-yl)carbamate
C19H16F2N8O2
426.38
本品は白色~帯黄色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Engler S, et al.: Regul Pept. 1998; 77: 3-8
2) Sharkovska Y, et al.: J Hypertens. 2010; 28: 1666-1675
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