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処方箋医薬品注)
2型糖尿病を合併する慢性腎臓病ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。
血清カリウム値(mEq/L)
用量調節
4.8以下の場合
20mg1日1回の場合:維持10mg1日1回の場合:20mg1日1回に増量(ただし、eGFRが前回の測定から30%を超えて低下していない場合に限る。)
4.8超5.5以下の場合
維持
5.5超の場合
中止
投与中止後、血清カリウム値が5.0mEq/L以下に下がった場合には、10mgを1日1回から投与を再開することができる。
本剤投与の適否を慎重に判断すること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。,
以下のような患者では、より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。,
本剤投与によりeGFRが低下することがあることから、eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者には本剤投与の適否を慎重に判断すること。また、本剤投与中に末期腎不全又は透析に至った場合は、本剤の投与を中止すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。,
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験で除外されている。,
患者の状態に応じて、より頻回に血清カリウム値を測定すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
妊娠可能な女性に対しては、投与中は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で催奇形性(重複大動脈弓)がヒトの約25倍、胚・胎児毒性(胎児体重の減少)が約19倍、受胎能への影響(卵巣重量の低値)が約17倍の全身曝露量で認められた。また、動物実験(ラット)において、児に妊娠中の曝露によると考えられる軽度の自発運動量増加がヒトの約4倍の母動物への全身曝露量で認められた。
授乳を避けさせること。動物実験(ラット、静脈内投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。また、ラットの母動物においてヒトの約4倍の全身曝露量で、授乳期の児に明らかな有害作用(死亡率の増加)が認められた。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
**,*イトラコナゾール(イトリゾール)
ポサコナゾール(ノクサフィル)
ボリコナゾール(ブイフェンド)リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)アタザナビル(レイアタッツ)ダルナビル(プリジスタ、プリジスタナイーブ)ホスアンプレナビル(レクシヴァ)コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス)クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)エンシトレルビル(ゾコーバ)
,
本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
CYP3Aを強く阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
中程度のCYP3A阻害剤
弱いCYP3A阻害剤
,,
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、特に本剤開始時及び用量調節時は血清カリウム値等患者の状態を慎重に観察すること。
CYP3Aを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
本剤の血中濃度が著しく低下し、効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
CYP3Aを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
スピロノラクトントリアムテレンカンレノ酸カリウムエプレレノンエサキセレノン
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
カリウム製剤
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。あるいは本剤の中断を考慮すること。
グレープフルーツ含有食品
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。
リチウム製剤
リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。
明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛薬
腎機能障害患者では高カリウム血症があらわれるおそれがある。
明確な機序は不明であるが、プロスタグランジン産生が抑制されることにより糸球体ろ過量が減少し、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。
ミトタン
ミトタンの作用を阻害するおそれがある。
明確な機序は不明であるが、ミトタンの薬効を類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある。
1%以上
1%未満
代謝および栄養障害
低ナトリウム血症、高尿酸血症
血管障害
低血圧
臨床検査
糸球体ろ過率減少
タンパク結合率が約90%のため、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人健康成人被験者27例(各投与群9例)にフィネレノン10、20及び40mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与0.75~1.00時間後にCmaxに達した後、2~3時間の消失半減期で低下した。
Dose(mg)
AUC(μg・h/L)
Cmax(μg/L)
tmax※(h)
t1/2(h)
10
279/35.0
123/39.3
1.00(0.5-2.5)
2.06/23.6
20
445/36.8
213/30.8
0.75(0.5-1.5)
1.97/21.8
40
1220/34.5
483/49.8
0.75(0.5-2.0)
2.64/20.3
幾何平均値/幾何CV%、n=9、※:中央値(範囲)
日本人健康成人被験者27例(各投与群9例)にフィネレノン10及び20mgを1日2回、並びに40mg1日1回注1)を反復経口投与したとき、初回投与時と比較してフィネレノンの薬物動態特性に大きな変化はなく、血漿中フィネレノンのAUCτ,mdは用量比例的に増加した。最終投与時のAUCτ,mdは初回投与時の1.33~1.53倍であった。
日本人健康男性被験者36例を対象にフィネレノン錠10mg2錠、及びフィネレノン錠20mg1錠をそれぞれ絶食下で単回経口投与したときの主要な薬物動態パラメータ、並びにAUC(0-tlast)及びCmaxの幾何平均値の比(10mg×2錠/20mg×1錠)を以下に示す。
製剤
AUC(0-tlast)(μg・h/L)
10mg×2錠
526/27.6
279/25.4
0.5(0.25-1.5)
1.90/23.5
20mg×1錠
493/28.5
237/37.8
0.5(0.5-2)
1.85/24.0
比の点推定値(%)(90%信頼区間)
106.84(102.55-111.31)
117.66(106.26-130.27)
―
幾何平均値/幾何CV%、n=36、※:中央値(範囲)
健康成人被験者15例にフィネレノン5mg注1)を空腹時に単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは44%であった(外国人データ)。
健康成人被験者18例にフィネレノン20mgを食後に単回経口投与したとき、空腹時投与時と比較してAUCは21%増加し、Cmaxは19%低下した(外国人データ)。
健康成人被験者15例にフィネレノン注射剤1mg注1)を単回静脈内投与した際の、分布容積は52.6Lであった(外国人データ)。In vitro試験におけるフィネレノンのヒト血漿タンパク結合率は91.7%であり、主に血清アルブミンに結合した。
ヒト肝細胞を用いたin vitro試験において、フィネレノンは主にCYP3A4により代謝され、CYP2C8の寄与も認められた。ヒト血漿中における主代謝物は4種類認められ、フィネレノンのジヒドロピリジン部分が酸化されピリジンとなった代謝物M-1a及びM-1b、引き続きメチル基が水酸化された代謝物M-2a、更に酸化を受けたカルボン酸代謝物M-3aであった。いずれの主代謝物も薬理活性は認められなかった。
健康成人被験者4例に[14C]フィネレノン経口液剤10mgを単回経口投与したとき、投与後10日までに尿及び糞中にそれぞれ投与放射能の約80%及び約20%が排泄された(外国人データ)。
軽度(クレアチニンクリアランス:60~89mL/min)の腎機能障害を有する被験者6例にフィネレノン10mgを単回経口投与したとき、フィネレノンのAUC及びCmaxは、腎機能が正常な被験者と比較して大きく変化しなかった(AUC:15%低下、Cmax:22%増加)。中等度(クレアチニンクリアランス:30~59mL/min、11例)及び重度(クレアチニンクリアランス:~29mL/min、9例)の腎機能障害を有する被験者にフィネレノン10mgを単回経口投与したとき、中等度及び重度の腎機能障害を有する被験者のAUCは、腎機能が正常な被験者に比べてそれぞれ51%及び36%増加し、Cmaxはそれぞれ13%増加及び8%低下した(外国人データ)。
軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害を有する被験者9例にフィネレノン5mg注1)を単回経口投与したとき、フィネレノンのAUC及びCmaxは、健康成人被験者と比較して変化しなかった(AUC:8%増加、Cmax:4%低下)。中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する被験者9例にフィネレノン5mg注1)を単回経口投与したとき、フィネレノンのAUCは、健康成人被験者と比較して38%増加した。Cmaxは健康成人被験者と比較して変化しなかった(0.9%低下)(外国人データ)。なお、重度の肝機能障害患者における検討は実施していない。,,
健康成人被験者15例を対象にエリスロマイシン500mgを1日3回4日間反復投与した翌日にフィネレノン1.25mg注1)を併用投与したとき、フィネレノンのAUC及びCmaxは、フィネレノン単独投与時と比較してそれぞれ248%及び88%増加した(外国人データ)。
健康成人被験者13例を対象にベラパミル120mgを1日目に1回投与した後、2日目、3日目及び4日目にベラパミル240mgを1日1回3日間反復投与し、4日目のベラパミル投与(最終投与)の6時間後にフィネレノン5mg注1)を単回経口投与したとき、フィネレノンのAUC及びCmaxは、フィネレノン単独投与時と比較してそれぞれ170%及び122%増加した(外国人データ)。
生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーションにおいて、フィネレノンと強いCYP3A阻害剤のイトラコナゾール及びクラリスロマイシンを併用投与したとき、フィネレノンのAUCはそれぞれ531%及び428%増加、Cmaxはそれぞれ137%及び125%増加することが推定された。母集団薬物動態解析の結果、フィネレノンと弱いCYP3A阻害剤のアミオダロンを併用投与したとき、フィネレノンのAUCは21%増加することが推定された。生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーションにおいて、フィネレノンと強いCYP3A誘導剤のリファンピシン及び中等度のCYP3A誘導剤のエファビレンツを併用投与したとき、フィネレノンのAUCはそれぞれ93%及び81%低下、Cmaxはそれぞれ86%及び68%低下することが推定された。,,
健康成人被験者16例を対象にゲムフィブロジル600mgを1日2回4日間反復投与した翌日にゲムフィブロジル600mgを投与し、その1時間後にフィネレノン10mgを投与したとき、フィネレノンのAUC及びCmaxは、フィネレノン単独投与時と比較してそれぞれ10%及び16%増加した(外国人データ)。
オメプラゾール健康成人被験者11例を対象にオメプラゾール40mgを1日1回4日間反復投与した翌日にオメプラゾール40mgを投与し、その2時間後にフィネレノン10mgを投与したとき、フィネレノンのAUC及びCmaxに影響はみられなかった(AUC:5%増加、Cmax:1%低下)(外国人データ)。マーロックス健康成人被験者10例を対象に酸化Al・水酸化Mg配合懸濁液70mVal懸濁液10mLを単回投与し、その直後にフィネレノン10mgを投与したとき、フィネレノンのAUC及びCmaxは、フィネレノン単独投与時と比較してそれぞれ2%増加及び19%減少した(外国人データ)。
健康成人被験者30例を対象にフィネレノン20mgを1日1回9日間反復投与した翌日にミダゾラム7.5mgを併用投与したとき、ミダゾラムのAUC及びCmaxは、ミダゾラム単独投与時と比較してそれぞれ11%及び9%増加した(外国人データ)。
健康成人被験者28例を対象にフィネレノン20mgとレパグリニド0.5mgを同時投与、及びフィネレノン20mg投与後3時間後にレパグリニド0.5mgを投与したとき、同時投与したときのレパグリニドのAUC及びCmaxはレパグリニド単独投与時と比較してそれぞれ12%及び4%増加し、3時間後に投与したときのレパグリニドのAUC及びCmaxはそれぞれ10%及び5%増加した(外国人データ)。
健康成人被験者24例を対象にフィネレノン20mgを1日1回6日間反復投与し、その3日目にワルファリン25mgを併用投与したとき、ワルファリン単独投与時と比較して、S-ワルファリン及びR-ワルファリンのAUC及びCmaxは変化しなかった(外国人データ)。
健康成人被験者24例を対象にジゴキシン0.375mgを1日1回14日間反復経口投与し、第5日~第14日にフィネレノン20mgを併用にて1日1回反復経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時と比較して、ジゴキシンの14日目のAUC及びCmaxは変化しなかった(外国人データ)。
糖尿病性腎臓病と診断された患者※1[①尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)30mg/g以上300mg/g未満、推定糸球体ろ過量(eGFR)25mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満、かつ糖尿病性網膜症の病歴を有する、又は②UACR300mg/g以上5000mg/g以下、かつeGFR25mL/min/1.73m2以上75mL/min/1.73m2未満]5674例(日本人415例を含む)※2を対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を含む標準治療※3に上乗せした本剤(10mg1日1回又は20mg1日1回、増量又は減量可)の有効性及び安全性を検討する多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間、イベント主導型試験を実施した。※1:非糖尿病性の腎臓病(IgA腎症、多発性嚢胞腎等)患者は本試験の対象から除外した。※2:高血圧症合併例は5505例(97.0%)(日本人414例(99.8%))組み入れられた。※3:アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬が最大忍容量で投与されている患者を組み入れた。治験薬の投与期間(中央値)は本剤群27.039ヵ月、プラセボ群27.203ヵ月であった。主要評価項目とした腎複合エンドポイント及びその構成要素の最初の発現、主な副次評価項目とした心血管複合エンドポイントの最初の発現は、下表のとおりであった。本剤群では、プラセボ群と比較して主要評価項目である腎複合エンドポイント発現リスクが有意に低かった(p=0.0014、層別ログランク検定)。
エンドポイント
本剤(N=2833)n(/100患者年)
プラセボ(N=2841)n(/100患者年)
ハザード比※3(95%信頼区間)
全体集団
主要評価項目(腎複合エンドポイント)※1
504(7.59)
600(9.08)
0.825(0.732~0.928)
腎不全の発症
208(2.99)
235(3.39)
0.869(0.721~1.048)
4週間以上持続するベースライン時点から40%以上の持続的なeGFR低下
479(7.21)
577(8.73)
0.815(0.722~0.920)
腎臓死
2
-
主な副次評価項目(心血管複合エンドポイント)※2
367(5.11)
420(5.92)
0.860(0.747~0.989)
※1:腎不全の発症、4週間以上持続するベースライン時点から40%以上の持続的なeGFR低下、腎臓死腎不全の発症:末期腎不全〔少なくとも90日間の慢性透析(血液透析又は腹膜透析)の開始又は腎移植〕、あるいは4週間以上持続するeGFRが15mL/min/1.73m2未満に低下
※2:心血管死又は非致死的心血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院)
※3:層別因子(アルブミン尿区分、地域及びeGFRのカテゴリー)によって層別化したCox比例ハザードモデルに基づく
日本人部分集団においては、治験薬の投与期間(中央値)は本剤群35.565ヵ月、プラセボ群35.713ヵ月であった。主要評価項目とした腎複合エンドポイント及びその構成要素の最初の発現、主な副次評価項目とした心血管複合エンドポイントの最初の発現は、下表のとおりであった。
本剤(N=208)n(/100患者年)
プラセボ(N=207)n(/100患者年)
日本人部分集団
42(7.39)
44(7.87)
0.911(0.596~1.392)
21(3.54)
15(2.56)
1.349(0.695~2.617)
43(7.69)
0.933(0.609~1.429)
0
15(2.40)
13(2.13)
1.116(0.531~2.347)
※3:層別因子(アルブミン尿区分、地域及びeGFRのカテゴリー)によって層別化したCox比例ハザードモデルに基づく。なお、主な副次評価項目については、層別因子による層別化はしていない。
副作用(臨床検査値異常を含む)は本剤群で2827例中646例(22.9%)に認められた。主な副作用は高カリウム血症333例(11.8%)、血中クレアチニン増加44例(1.6%)、低血圧42例(1.5%)、糸球体ろ過率減少39例(1.4%)であった。
糖尿病性腎臓病と診断された患者※1[①尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)30mg/g以上300mg/g未満、かつ推定糸球体ろ過量(eGFR)25mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2以下、又は②UACR300mg/g以上5000mg/g以下、かつeGFR60mL/min/1.73m2以上]7352例(日本人503例を含む)※2を対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を含む標準治療※3に上乗せした本剤(10mg1日1回又は20mg1日1回、増量又は減量可)の有効性及び安全性を検討する多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間、イベント主導型試験を実施した。※1:非糖尿病性の腎臓病(IgA腎症、多発性嚢胞腎等)患者は本試験の対象から除外した。※2:高血圧症合併例は7061例(96.0%)(日本人496例(98.6%))組み入れられた。※3:アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬が最大忍容量で投与されている患者を組み入れた。治験薬の投与期間(中央値)は本剤群35.877ヵ月、プラセボ群35.893ヵ月であった。主要評価項目とした心血管複合エンドポイント及びその構成要素の最初の発現、主な副次評価項目とした腎複合エンドポイントの最初の発現は、下表のとおりであった。本剤群では、プラセボ群と比較して主要評価項目である心血管複合エンドポイント発現リスクが有意に低かった(p=0.0264、層別ログランク検定)。
本剤(N=3686)n(/100患者年)
プラセボ(N=3666)n(/100患者年)
主要評価項目(心血管複合エンドポイント)※1
458(3.87)
519(4.45)
0.87(0.76~0.98)
心血管死
194(1.56)
214(1.74)
0.90(0.74~1.09)
非致死的心筋梗塞
103(0.85)
102(0.85)
0.99(0.76~1.31)
非致死的脳卒中
108(0.89)
111(0.92)
0.97(0.74~1.26)
心不全による入院
117(0.96)
163(1.36)
0.71(0.56~0.90)
主な副次評価項目(腎複合エンドポイント)※2
350(3.15)
395(3.58)
0.87(0.76~1.01)
※1:心血管死又は非致死的心血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院)
※2:腎不全の発症、4週間以上持続するベースライン時点から40%以上の持続的なeGFR低下、腎臓死腎不全の発症:末期腎不全〔少なくとも90日間の慢性透析(血液透析又は腹膜透析)の開始又は腎移植〕、あるいは4週間以上持続するeGFRが15mL/min/1.73m2未満に低下
※3:層別因子(アルブミン尿区分、地域及びeGFRのカテゴリー、心血管系疾患の既往有無)によって層別化したCox比例ハザードモデルに基づく
日本人部分集団においては、治験薬の投与期間(中央値)は本剤群47.474ヵ月、プラセボ群46.784ヵ月であった。主要評価項目とした心血管複合エンドポイント及びその構成要素の最初の発現、主な副次評価項目とした腎複合エンドポイントの最初の発現は、下表のとおりであった。
本剤(N=250)n(/100患者年)
プラセボ(N=253)n(/100患者年)
12(1.26)
18(1.90)
0.65(0.31~1.36)
2(0.21)
3(0.31)
0.64(0.11~3.83)
1.59(0.26~9.52)
5(0.52)
10(1.04)
0.48(0.17~1.42)
4(0.41)
0.48(0.09~2.64)
22(2.43)
19(2.09)
1.16(0.63~2.14)
※3:層別因子(アルブミン尿区分、地域及びeGFRのカテゴリー、心血管系疾患の既往有無)によって層別化したCox比例ハザードモデルに基づく。なお、主な副次評価項目については、層別因子による層別化はしていない。
副作用(臨床検査値異常を含む)は本剤群で3683例中560例(15.2%)に認められた。主な副作用は高カリウム血症240例(6.5%)、低血圧50例(1.4%)、糸球体ろ過率減少28例(0.8%)、下痢26例(0.7%)、血中クレアチニン増加25例(0.7%)であった。
健康成人被験者57例を対象に本剤20mg及び80mg注2)を単回投与したとき、QTc間隔の延長は示されなかった(外国人データ)。
フィネレノンは非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬であり、アンドロゲン、プロゲステロン、エストロゲン及びグルココルチコイドの各受容体には結合しない。アルドステロンによる細胞内MRの活性化により電解質の貯留・排泄が調節されているが、MRが過剰活性化すると、腎臓や心血管系において、炎症、線維化、ナトリウム貯留や臓器肥大が生じる。フィネレノンはMRに結合することで、MRの過剰活性化を抑制する。
虚血・再灌流誘発慢性腎臓病モデルラットにおいて、フィネレノンは腎機能障害を軽減し、線維化を抑制した。また、デスオキシコルチコステロン酢酸エステル(DOCA-salt)誘発高血圧症モデルラットにおいて、フィネレノンは心肥大及び線維化を抑制し、腎肥大及びタンパク尿の発現を抑制した。
フィネレノン(Finerenone)
(4S)-4-(4-Cyano-2-methoxyphenyl)-5-ethoxy-2,8-dimethyl-1,4-dihydro-1,6-naphthyridine-3-carboxamide
C21H22N4O3
378.42
本品は白色~黄色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
文献請求先バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001大阪市北区梅田二丁目4番9号
バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先電話0120-106-398
バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田二丁目4番9号
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