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処方箋医薬品注)
通常、成人にはリバーロキサバンとして2.5mgを1日2回経口投与する。
通常、体重20kg以上30kg未満の小児にはリバーロキサバンとして2.5mgを1日2回、体重30kg以上50kg未満の小児には7.5mgを1日1回経口投与する。
以下のような患者では、出血の危険性が増大する。,
出血の危険性が増大することがある。
潰瘍性消化管障害に対する適切な予防に配慮すること。
脳卒中又はTIAの既往歴のある下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者には、本剤投与の適否を慎重に検討すること。特に、脳卒中発症後日の浅い患者や抗血小板剤2剤を併用している患者では出血リスクが増大するおそれがある。下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者を対象とした臨床試験では、当該既往歴のある患者は除外されている。
投与しないこと。下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、eGFR15mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。,,
本剤投与の適否を慎重に検討すること。クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。
投与しないこと。Fontan手術後患者を対象とした臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。,
本剤投与の適否を慎重に検討すること。成人ではクレアチニンクリアランス30~49mL/min、小児ではeGFRが30~60mL/min/1.73m2の患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。
投与しないこと。出血の危険性が増大するおそれがある。
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胎盤通過性(ラット)1)、子宮内出血、母動物に毒性があらわれる用量で総奇形発生率の増加(ウサギ)2)、死産の増加等の胚・胎児毒性、出生児の生存率低下及び一般状態の悪化(ラット)3)が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット、経口投与)で乳汁中に移行することが報告されている4)。ヒトの母乳中に移行することが報告されている。
一般に腎機能などの生理機能が低下している。なお、非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、重大な出血及び重大ではないが臨床的に問題となる出血の発現率が高かった。
**リトナビルを含有する製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)
アタザナビル(レイアタッツ)
ダルナビル(プリジスタ、プリジスタナイーブ)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
,
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。
*コビシスタットを含有する製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)
CYP3A4の強力な阻害によりクリアランスが減少する。
**,*以下の経口又は注射剤
エンシトレルビル(ゾコーバ)
抗凝固剤
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
両剤の抗凝固作用が相加的に増強される。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
,,,,,
出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者では特に本剤と抗血小板剤との併用時における非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤の長期使用については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。Fontan手術後患者では投与中は観察を十分に行い、注意すること。
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
血栓溶解剤
本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。
フルコナゾールホスフルコナゾール
本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者では治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。Fontan手術後患者では治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。
クラリスロマイシンエリスロマイシン
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖タンパクを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
リファンピシン
本剤の血中濃度が低下し、抗凝固作用が減弱したとの報告がある。
リファンピシンがCYP3A4を強力に誘導し、P-糖タンパクを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
フェニトインカルバマゼピンフェノバルビタールセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
頭蓋内出血(0.09%)、脳出血(0.06%)、出血性卒中(0.06%)、眼出血(0.23%)、網膜出血(0.08%)、直腸出血(1.25%)、胃腸出血(0.74%)、メレナ(0.53%)、上部消化管出血(0.36%)、下部消化管出血(0.21%)、出血性胃潰瘍(0.14%)、関節内出血(0.16%)、コンパートメント症候群を伴う筋肉内出血(0.01%)等の重篤な出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重篤な出血等の異常が認められた場合は投与を中止すること。なお、出血に伴う合併症として、ショック、腎不全、呼吸困難、浮腫、頭痛、浮動性めまい、蒼白、脱力感があらわれることがある。また、一部の例では貧血の結果として胸痛又は狭心症様の心虚血症状があらわれている。,,,,,,,
ALT上昇、AST上昇を伴う肝機能障害(0.1~1%未満)、黄疸(頻度不明)があらわれることがある。
血痰、肺胞出血を伴う場合もあるので、咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等を行うこと。
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている5),6)。
1~10%未満
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛、浮動性めまい、不眠
失神
感覚器
結膜出血
耳出血
消化器
歯肉出血
肛門出血、下痢、悪心、口腔内出血、血便、腹痛、便潜血、上腹部痛、消化不良、便秘、嘔吐、吐血、口内乾燥、胃食道逆流性疾患、胃炎
痔核、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇
循環器
血腫
頻脈、低血圧
血管偽動脈瘤形成
呼吸器
鼻出血、喀血
呼吸困難
血液
貧血
INR増加、ヘモグロビン減少、鉄欠乏性貧血
血小板増加症(血小板数増加等)
肝臓
ALT上昇、AST上昇、血中ビリルビン上昇、Al-P上昇
γ-GTP上昇、直接ビリルビン上昇
LDH上昇
腎臓
血尿
尿中血陽性
尿路出血、腎クレアチニン・クリアランス減少、血中クレアチニン上昇、腎機能障害、BUN上昇
生殖器
月経過多
性器出血
筋・骨格系
四肢痛、関節痛
筋肉内出血
皮膚
斑状出血
皮下出血、皮下血腫、脱毛、皮膚裂傷
擦過傷
過敏症
発疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎
じん麻疹(全身性そう痒症等)、アレルギー反応、血管浮腫
その他
挫傷
創傷出血、処置後出血、無力症、末梢性浮腫、食欲減退、疲労
限局性浮腫、倦怠感、創部分泌、発熱、硬膜下血腫
出血性合併症が生じるおそれがある。
吸収を抑えるために活性炭投与を考慮すること。出血が認められる場合は、以下の処置を行うこと。
タンパク結合率が高いので、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人若年健康成人男子32例にリバーロキサバン5、10、20又は40mg注1)を空腹時に単回経口投与した際、血漿中未変化体濃度は投与後0.5~4時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した。リバーロキサバンの1回用量の範囲において、投与量に応じた曝露量の増加が認められた。
投与量
AUC(μg・h/L)
Cmax(μg/L)
tmax※(h)
t1/2(h)
5mg
815.5(13.2)
141.3(14.5)
1.4(0.5~2.5)
5.7(19.8)
10mg
1564(24.5)
226.9(18.7)
1.4(0.5~4.0)
7.1(35.3)
20mg
2777(26.9)
341.7(29.6)
3.3(0.5~4.0)
8.9(50.1)
40mg
3051(21.3)
329.4(26.1)
1.4(0.5~2.0)
12.6(40.0)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%))、n=8
外国人健康成人男子23例に本剤2.5、5及び10mg注1)を空腹時に単回経口投与した際、血漿中未変化体濃度は投与後0.75~6時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した。AUCは投与量に比例して増加した。
2.5mg
321(28.8)
52.0(28.1)
2.0(0.75~4.0)
4.99(28.8)
626(18.8)
90.6(24.0)
1.5(0.75~6.0)
6.79(33.4)
1110(25.2)
138(29.7)
2.5(1.0~4.0)
10.8(42.2)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%))、n=23
日本人高齢男女36例に、リバーロキサバン10、15又は20mg注1)を1日1回7日間食後に反復経口投与した際、初回投与時と比較し薬物動態特性に大きな変動はなく、蓄積性も認められなかった。
測定日
AUC(0-24)(μg・h/L)
1日目
1443(21.0)
232.6(18.7)
3.0(1.0~4.0)
5.7(18.2)
7日目
1533(14.9)
246.9(10.6)
3.0(1.5~4.0)
7.7(41.2)
15mg
2080(26.7)
347.6(23.0)
4.0(1.0~4.0)
6.3(35.1)
2243(21.1)
330.6(20.8)
3.5(0.5~4.0)
8.7(26.9)
2419(24.6)
391.2(21.2)
2.5(2.0~4.0)
6.1(20.8)
2839(20.9)
398.5(24.8)
7.7(23.6)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%))、n=12
症候性深部静脈血栓症(DVT)患者及び肺塞栓症(PE)患者を対象とした国内第Ⅲ相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による薬物動態パラメータ(推定値)は、以下のとおりであった8)。
用法・用量
AUC(0-24),ss※(μg・h/L)
Cmax,ss※(μg/L)
15mg 1日1回
2977.5(36.8)
276.9(19.8)
15mg 1日2回
5955.0(36.8)
363.0(26.7)
幾何平均値(幾何CV(%))※:合計72例の血漿中濃度データに基づく推定値
リバーロキサバン5mg及び20mg注1)を空腹時に経口投与した際、絶対的バイオアベイラビリティはそれぞれ112%及び66%であった(外国人データ)。
リバーロキサバンを静脈内投与した際、分布容積(Vss)は約50Lであった(外国人データ)。
In vitro試験において、リバーロキサバンは血漿タンパクと高い結合能を示し、ヒト血漿タンパク結合率は約92~95%であった。主にアルブミンに結合する。
リバーロキサバンは主にCYP3A4及びCYP2J2による代謝経路により代謝され、主要な代謝物はモルホリノン環の酸化分解体及びアミド結合の加水分解体である。In vitro試験において、リバーロキサバンが輸送タンパクであるP-糖タンパク(P-gp)及び乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質であることが示されている。
リバーロキサバンを静脈内投与した際、全身クリアランスは約10L/hであり、投与量の42%が未変化体のまま腎排泄された。健康成人男子4例に[14C]リバーロキサバン10mg注1)を単回経口投与した際、投与量の約2/3は不活性代謝物として尿中及び糞中に排泄され、残りの約1/3が未変化体のまま腎排泄された(外国人データ)。
軽度(クレアチニンクリアランス(CLcr):50~79mL/min)、中等度(CLcr:30~49mL/min)及び重度(CLcr:15~29mL/min)の腎障害のある患者各8例にリバーロキサバン10mg注1)を空腹時単回経口投与した場合、健康被験者と比較しAUCはそれぞれ1.4、1.5及び1.6倍に上昇した。第Ⅹa因子活性阻害率は1.5、1.9及び2.0倍に増加し、プロトロンビン時間(PT(秒))も1.3、2.2及び2.4倍延長した。CLcrが15mL/min未満の患者における検討は実施していない(外国人データ)。,,,,
軽度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類A 8例)では、リバーロキサバン10mg注1)を投与した際の薬物動態は健康被験者と比較してほぼ同様であり(AUCは1.2倍上昇)、薬力学的効果に差は認められなかった。中等度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類B 8例)では健康被験者と比較してAUCが2.3倍上昇した。なお、非結合型のAUCは2.6倍上昇した。第Ⅹa因子活性阻害率は2.6倍増加し、PT(秒)も2.1倍延長した。Child-Pugh分類Cの患者における検討は実施していない(外国人データ)。,
Fontan手術後の機能的単心室症患者(2~8歳)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による曝露量(推定値)は、以下のとおりであった。国際共同第Ⅲ相試験では、非日本人成人にリバーロキサバン10mgを1日1回投与時の曝露量に相当するよう体重で調整した用法・用量※でドライシロップを投与した。
n
AUC(0-24),ss(μg・h/L)
Cmax,ss(μg/L)
Ctrough,ss(μg/L)
76
1440(484.2~4444)
109.0(39.7~287.1)
22.8(6.4~104.7)
幾何平均値(範囲)※:Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制で承認された用法・用量と同一
体重30kg以上の小児のFontan手術後の機能的単心室症患者(9歳以上)にリバーロキサバンを承認用法・用量で投与した場合の曝露量を、Fontan手術後の機能的単心室症患者(2~8歳)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(パートA)及び小児の急性VTE患者(18歳未満)を対象とした臨床試験の血漿中濃度を用いて構築した母集団薬物動態モデルに基づくシミュレーションにより予測した。その結果、承認用法・用量で投与した場合の曝露量は非日本人成人にリバーロキサバン10mgを1日1回投与したときと同程度であった。
健康成人男子12例にリトナビル600mgとリバーロキサバン10mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは2.5倍、Cmaxは1.6倍上昇し抗凝固作用が増強された(外国人データ)。,
健康成人男子20例にケトコナゾール400mgとリバーロキサバン10mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは2.6倍、Cmaxは1.7倍上昇し抗凝固作用が増強された(外国人データ)。,健康成人男子13例にフルコナゾール400mgとリバーロキサバン20mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは1.4倍、Cmaxは1.3倍上昇した(外国人データ)。
健康成人男子15例にクラリスロマイシン500mgとリバーロキサバン10mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは1.5倍、Cmaxは1.4倍上昇した(外国人データ)。健康成人男子15例にエリスロマイシン500mgとリバーロキサバン10mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUC及びCmaxともに1.3倍上昇した(外国人データ)。
健康成人男子18例にリファンピシン(開始用量150mgより600mgまで漸増)とリバーロキサバン20mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCが約50%低下し、それに伴い抗凝固作用も減弱した(外国人データ)。
健康成人男子10例にエノキサパリン4000IUとリバーロキサバン10mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態に影響はなかった。抗第Ⅹa因子活性は相加的に増加したが、PT及びaPTTには影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人男子13例にアスピリン500mgを投与した翌日にアスピリン100mgとリバーロキサバン15mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態及び抗凝固作用に影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人男子11例にクロピドグレル300mgを投与した翌日にクロピドグレル75mgとリバーロキサバン15mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態に影響は認められなかった。別の試験において一部の被験者に出血時間の延長が認められたとの報告がある(外国人データ)。
健康成人男子11例にナプロキセン500mg1日1回反復投与時にリバーロキサバン15mg注1)を併用投与した際、出血時間の延長は認められなかったが、一部の被験者において抗凝固作用の増強が認められた(外国人データ)。
日本人健康成人男子12例(VKORC1遺伝子1639位のAアレルがホモ接合体を有している被験者)にワルファリンを反復投与し、PT-INRが2.0~3.0に到達した後に、リバーロキサバン15mg注1)を1日1回反復投与に切り替えた際、aPTT、第Ⅹa因子活性阻害及び内在性トロンビン産生能(ETP)への影響は相加的であったが、PT及びPT-INRのピーク値はリバーロキサバン単独投与時と比較しそれぞれ2.3倍及び2.9倍になった。リバーロキサバン投与開始後3日目には、ワルファリンの影響は消失した。なお、薬物動態に相互作用は認められなかった。,
ミダゾラム、ジゴキシン及びアトルバスタチンとリバーロキサバンの併用による薬物相互作用試験を実施したが、薬物動態学的相互作用は認められず、制酸剤(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤)、ラニチジン及びオメプラゾールは、リバーロキサバンの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
下肢血行再建術施行後の症候性末梢動脈疾患患者6564例(ITT解析対象集団。日本人459例を含む)を対象とし、本剤又はプラセボ(2.5mg1日2回)とアスピリン(100mg1日1回)との併用(以下、本剤群又はプラセボ群)の有効性及び安全性を比較検討する多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験〔試験17454(VOYAGER試験)〕を実施した。被験者は下肢血行再建術(外科的、又はハイブリッド型を含む血管内)が成功し、止血確認後に本剤群又はプラセボ群のいずれかに割付けられ、術後10日以内に投与が開始された。下肢血行再建術施行後の初期治療において抗血小板剤2剤併用療法が必要な場合は、アスピリンとクロピドグレルを使用することとされ、クロピドグレルは血行再建術後最長30日間(治験担当医師が必要と判断した場合は最長6ヵ月間)使用可能とされた。下肢血行再建術から平均5.2日後に治験薬の投与が開始され、平均投与期間は本剤群730.7日、プラセボ群745.7日であった。有効性主要評価項目は心筋梗塞、虚血性脳卒中、心血管死、急性肢虚血又は血管系の原因による大切断の複合エンドポイントであり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が検証された(片側p=0.0043)。有効性主要評価項目及びその構成要素、並びに全死亡の発現数、発現率、プラセボ群に対する本剤群のハザード比は下表のとおりであった。
エンドポイント
本剤群(N=3286)n(/100患者年)
プラセボ群(N=3278)n(/100患者年)
ハザード比(95%信頼区間)
全体集団
有効性主要評価項目※
508(6.81)
584(8.01)
0.85(0.76~0.96)
心筋梗塞
131(1.68)
148(1.90)
0.88(0.70~1.12)
虚血性脳卒中
71(0.90)
82(1.04)
0.87(0.63~1.19)
心血管死
199(2.47)
174(2.15)
1.14(0.93~1.40)
急性肢虚血
155(2.01)
227(3.01)
0.67(0.55~0.82)
血管系の原因による大切断
103(1.32)
115(1.48)
0.89(0.68~1.16)
全死亡
321(3.98)
297(3.68)
1.08(0.92~1.27)
(ITT解析対象集団、無作為割付けから有効性の主解析のカットオフ日)※:心筋梗塞、虚血性脳卒中、心血管死、急性肢虚血、又は血管系の原因による大切断の複合エンドポイント
日本人集団においては、下肢血行再建術から平均4.7日後に治験薬の投与が開始され、平均投与期間は本剤群748.5日、プラセボ群771.8日であった。有効性主要評価項目及びその構成要素、並びに全死亡の発現数、発現率、プラセボ群に対する本剤群のハザード比は下表のとおりであった。
本剤群(N=230)n(/100患者年)
プラセボ群(N=229)n(/100患者年)
日本人集団
23(4.35)
31(6.00)
0.72(0.42~1.24)
5(0.91)
9(1.67)
0.54(0.18~1.62)
8(1.46)
8(1.49)
0.98(0.37~2.60)
4(0.71)
0.46(0.14~1.52)
5(0.90)
11(2.09)
0.44(0.15~1.27)
2(0.36)
3(0.56)
0.66(0.11~3.97)
14(2.50)
22(4.02)
0.61(0.31~1.18)
安全性に関しては、以下の成績が得られた9)。
エンドポイント※1
本剤群(N=3256)n(/100患者年)
プラセボ群(N=3248)n(/100患者年)
安全性主要評価項目※2
62(0.96)
44(0.67)
1.43(0.97~2.10)
冠動脈バイパス術と関連のない出血
43(0.65)
1.46(0.99~2.16)
6(0.09)
1.02(0.33~3.15)
13(0.20)
17(0.26)
0.78(0.38~1.61)
46(0.71)
24(0.36)
1.94(1.18~3.17)
冠動脈バイパス術と関連のある出血
0(0)
1※4(0.02)
-
(安全性解析対象集団、治験薬投与下)※1:TIMI分類に基づく※2:TIMI分類の「大出血」※3:5g/dL以上のヘモグロビン値の低下、ヘモグロビン値が得られていない場合は15%以上のヘマトクリット値の低下※4:48時間以内に実施した5単位以上の全血又は赤血球の輸血
日本人集団の安全性成績は下表のとおりであった。
本剤群(N=229)n(/100患者年)
8(1.72)
7(1.46)
1.17(0.43~3.24)
1(0.21)
1.01(0.06~16.23)
5(1.04)
0.21(0.02~1.77)
7(1.51)
2(0.41)
3.57(0.74~17.17)
(安全性解析対象集団、治験薬投与下)※1:TIMI分類に基づく※2:TIMI分類の「大出血」※3:5g/dL以上のヘモグロビン値の低下、ヘモグロビン値が得られていない場合は15%以上のヘマトクリット値の低下
副作用は3256例中119例(3.7%)に認められ、主な副作用は、貧血16例(0.5%)、発疹8例(0.2%)、下痢7例(0.2%)等であった。日本人集団における副作用は229例中10例(4.4%)に認められ、主な副作用は貧血3例(1.3%)等であった。なお、本試験では、対象を絞った有害事象の収集を行い、非重篤な有害事象については、「治験薬投与中止に至った非重篤な有害事象」、「治験医師が特に懸念があると判断した非重篤な有害事象」のみを収集した。また、出血事象については、安全性評価項目として症例報告書には記録したが、有害事象としては収集しなかった。
小児のFontan手術後4ヵ月以内の機能的単心室症患者(2~8歳)を対象に、本剤注2)の薬物動態、薬力学、安全性及び有効性を検討する多施設共同試験(UNIVERSE試験)※1を実施した。小児のFontan手術後の機能的単心室症患者110例(安全性解析対象例数)に対して、本剤群では非日本人成人に本剤10mgを1日1回投与時の曝露量に相当するよう体重で調整された用法・用量(小児のFontan手術後患者に対する承認用法・用量のうち、体重30kg未満の区分)が投与され、対照群ではアセチルサリチル酸(ASA)約5mg/kgを1日1回投与した※2。いずれの群も投与期間は12ヵ月間とし、体重増加による用量調整は第6ヵ月時点で実施した。平均投与期間は、本剤群331.8日、対照群336.4日であった。有効性評価項目及び出血事象等は盲検下で評価された。
有効性主要評価項目の発現頻度(パートB、治験薬投与終了までの期間)は、本剤群1.6%、対照群8.8%であった(最大の解析対象集団)。
リバーロキサバン(N=64)
対照薬(N=34)
n(%)
95%CI(%)
有効性主要評価項目※1
1(1.6)
NA
3(8.8)
0.0-19.8
NA:0例又は1例の場合CIは算出せず(最大の解析対象集団、パートB、治験薬投与終了までの期間※2)※1:あらゆる血栓性イベント(静脈又は動脈)※2:治験薬の初回投与から最終来院(すなわち、最終有効性評価日;第12ヵ月又は中止時来院)まで
安全性主要評価項目である「重大な出血」の発現頻度(パートB、治験薬投与下)は本剤群1.6%、対照群0%であった13)。本剤群で認められた「重大な出血」は鼻出血であった。
重大な出血※1
1※2(1.6)
0
重大ではないが臨床的に問題となる出血
4(6.3)
0.0-13.0
NA:0例又は1例の場合CIは算出せず(安全性解析対象集団、パートB、治験薬投与下)※1:安全性主要評価項目※2:成人において濃厚赤血球又は全血2単位以上に相当する量の輸血
副作用(臨床検査値異常を含む)は、本剤が投与された小児のFontan手術後の機能的単心室症患者76例中23例(30.3%)に認められた。主な副作用は、斑状出血6例(7.9%)、鼻出血3例(3.9%)、血腫3例(3.9%)であった。 本試験では、日本人小児のFontan手術後の機能的単心室症患者9例(本剤群8例、対照群1例)が投与を受けた。本剤群、対照群ともにあらゆる血栓性イベント(静脈又は動脈)の発現は認められなかった。「重大な出血」は、本剤群1例(輸血を要する鼻出血)で認められた。
本剤は、選択的かつ直接的第Ⅹa因子阻害剤であり、経口投与で効果を示す。内因系及び外因系血液凝固カスケード中の第Ⅹa因子を本剤が阻害することで、トロンビン産生及び血栓形成が抑制される。本剤はトロンビンを阻害せず、また血小板に対する直接作用を有さない10)。
本剤は、マウス、ラット又はウサギの静脈及び動脈血栓症モデルにおいて、用量依存的に血栓形成を抑制した。また、ウサギ静脈血栓症モデルにおいて、血栓形成後の血栓の増大を抑制した10),11),12)。
リバーロキサバン(Rivaroxaban)
5-Chloro-N-({(5S)-2-oxo-3-[4-(3-oxomorpholin-4-yl)phenyl]-1,3-oxazolidin-5-yl}methyl)thiophene-2-carboxamide
C19H18ClN3O5S
435.88
本品は白色~微黄色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料: 妊娠ラットにおける胎盤通過性(10mg/15mg錠2012年1月18日承認、CTD2.6.4.4.6)
2) 社内資料: ウサギにおける胚・胎児発生に関する毒性試験(10mg/15mg錠2012年1月18日承認、CTD2.6.6.6.2.2)
3) 社内資料: ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験(10mg/15mg錠2012年1月18日承認、CTD2.6.6.6.3)
4) 社内資料: ラットにおける乳汁中分泌(10mg/15mg錠2012年1月18日承認、CTD2.6.4.6.4)
5) Brodsky S, et al.: J Am Soc Nephrol. 2018; 29: 2787-2793
6) Zakrocka I, et al.: Adv Clin Exp Med. 2022; 31: 165-173
7) Pengo V, et al.: Blood. 2018; 132: 1365-1371
8) 社内資料: 日本人急性症候性深部静脈血栓症患者及び急性症候性肺塞栓症患者における曝露量の推定
9) 社内資料: 症候性末梢動脈疾患患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(2022年6月20日承認、CTD2.7.6.1)
10) Perzborn E, et al.: J Thromb Haemost. 2005; 3: 514-521
11) Biemond BJ, et al.: Thromb Haemost. 2007; 97: 471-477
12) 社内資料: マウスにおける血栓塞栓死予防試験(10mg/15mg錠2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2.2.1.8)
13) 社内資料: Fontan手術後の2~8歳の小児を対象とした第Ⅲ相試験(2023年11月24日承認、CTD2.7.6.1)
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