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処方箋医薬品注)
通常、体重2.6kg以上12kg未満の小児には下記の用量を1回量とし、1日3回経口投与する。体重12kg以上30kg未満の小児にはリバーロキサバンとして5mgを1日2回、体重30kg以上の小児には15mgを1日1回経口投与する。いずれも空腹時を避けて投与し、1日1回、2回及び3回投与においては、それぞれ約24時間、約12時間及び約8時間おきに投与する。
体重
1回量(リバーロキサバン1mgは懸濁液1mLに相当)
1日用量
1日1回
1日2回
1日3回
2.6kg以上3kg未満
0.8mg
2.4mg
3kg以上4kg未満
0.9mg
2.7mg
4kg以上5kg未満
1.4mg
4.2mg
5kg以上7kg未満
1.6mg
4.8mg
7kg以上8kg未満
1.8mg
5.4mg
8kg以上9kg未満
7.2mg
9kg以上10kg未満
2.8mg
8.4mg
10kg以上12kg未満
3.0mg
9.0mg
12kg以上30kg未満
5mg
10mg
30kg以上
15mg
通常、2歳以上の小児には、体重に応じて下記の用量を1回量とし、1日2回又は1日1回経口投与する。1日1回及び2回投与においては、それぞれ約24時間及び約12時間おきに投与する。
1.1mg
2.2mg
8kg以上10kg未満
3.2mg
1.7mg
3.4mg
12kg以上20kg未満
2.0mg
4.0mg
20kg以上30kg未満
2.5mg
5.0mg
30kg以上50kg未満
7.5mg
50kg以上
以下のような患者では、出血の危険性が増大する。,
潰瘍性消化管障害に対する適切な予防に配慮すること。
投与しないこと。臨床試験では、1歳未満で血清クレアチニン値が97.5パーセンタイル値を超える患者、及び1歳以上でeGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。,,
本剤投与の適否を慎重に検討すること。eGFRが30~60mL/min/1.73m2の患者で血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。
投与しないこと。出血の危険性が増大するおそれがある。
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胎盤通過性(ラット)1)、子宮内出血、母動物に毒性があらわれる用量で総奇形発生率の増加(ウサギ)2)、死産の増加等の胚・胎児毒性、出生児の生存率低下及び一般状態の悪化(ラット)3)が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット、経口投与)で乳汁中に移行することが報告されている4)。ヒトの母乳中に移行することが報告されている。
**リトナビルを含有する製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)
アタザナビル(レイアタッツ)
ダルナビル(プリジスタ、プリジスタナイーブ)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
,
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。
*コビシスタットを含有する製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)
CYP3A4の強力な阻害によりクリアランスが減少する。
**,*以下の経口又は注射剤
エンシトレルビル(ゾコーバ)
抗凝固剤
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
両剤の抗凝固作用が相加的に増強される。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
,,,
出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。投与中は観察を十分に行い、注意すること。
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
血栓溶解剤
本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。
フルコナゾールホスフルコナゾール
本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。体重30kg以上の小児の静脈血栓塞栓症では、本剤10mg1日1回投与を考慮する、あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。体重30kg未満の小児の静脈血栓塞栓症、Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用は避けること。
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。
クラリスロマイシンエリスロマイシン
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖タンパクを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
リファンピシン
本剤の血中濃度が低下し、抗凝固作用が減弱したとの報告がある。
リファンピシンがCYP3A4を強力に誘導し、P-糖タンパクを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
フェニトインカルバマゼピンフェノバルビタールセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
頭蓋内出血(0.09%)、脳出血(0.06%)、出血性卒中(0.06%)、眼出血(0.23%)、網膜出血(0.08%)、直腸出血(1.25%)、胃腸出血(0.74%)、メレナ(0.53%)、上部消化管出血(0.36%)、下部消化管出血(0.21%)、出血性胃潰瘍(0.14%)、関節内出血(0.16%)、コンパートメント症候群を伴う筋肉内出血(0.01%)等の重篤な出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重篤な出血等の異常が認められた場合は投与を中止すること。なお、出血に伴う合併症として、ショック、腎不全、呼吸困難、浮腫、頭痛、浮動性めまい、蒼白、脱力感があらわれることがある。また、一部の例では貧血の結果として胸痛又は狭心症様の心虚血症状があらわれている。,,,,,,,
ALT上昇、AST上昇を伴う肝機能障害(0.1~1%未満)、黄疸(頻度不明)があらわれることがある。
血痰、肺胞出血を伴う場合もあるので、咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等を行うこと。
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている5),6)。
1~10%未満
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
頭痛、浮動性めまい、不眠
失神
感覚器
結膜出血
耳出血
消化器
歯肉出血
肛門出血、下痢、悪心、口腔内出血、血便、腹痛、便潜血、上腹部痛、消化不良、便秘、嘔吐、吐血、口内乾燥、胃食道逆流性疾患、胃炎
痔核、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇
循環器
血腫
頻脈、低血圧
血管偽動脈瘤形成
呼吸器
鼻出血、喀血
呼吸困難
血液
貧血
INR増加、ヘモグロビン減少、鉄欠乏性貧血
血小板増加症(血小板数増加等)
肝臓
ALT上昇、AST上昇、血中ビリルビン上昇、Al-P上昇
γ-GTP上昇、直接ビリルビン上昇
LDH上昇
腎臓
血尿
尿中血陽性
尿路出血、腎クレアチニン・クリアランス減少、血中クレアチニン上昇、腎機能障害、BUN上昇
生殖器
月経過多
性器出血
筋・骨格系
四肢痛、関節痛
筋肉内出血
皮膚
斑状出血
皮下出血、皮下血腫、脱毛、皮膚裂傷
擦過傷
過敏症
発疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎
じん麻疹(全身性そう痒症等)、アレルギー反応、血管浮腫
その他
挫傷
創傷出血、処置後出血、無力症、末梢性浮腫、食欲減退、疲労
限局性浮腫、倦怠感、創部分泌、発熱、硬膜下血腫
出血性合併症が生じるおそれがある。
吸収を抑えるために活性炭投与を考慮すること。出血が認められる場合は、以下の処置を行うこと。
タンパク結合率が高いので、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。
本剤の容器に水を加え、均一に懸濁されるまで60秒以上振り混ぜて調製する。51.7mg入り瓶については1瓶に水50mL、103.4mg入り瓶については1瓶に水100mLを加えて懸濁すると、リバーロキサバンとして1mg/mLの懸濁液となる。なお、調製後のシロップ剤を水若しくは他の液でさらに希釈しないこと。
調製後のシロップ剤は、毎回10秒以上振とう後、計量用ピペットを用いて1回量を量りとること。なお、投与量に応じて、適切な計量用ピペットを使用すること。
調製後のシロップ剤は、30℃以下で遮光して保存し、凍結させたり、本剤以外の容器に移し替えたりしないこと。調製後のシロップ剤は調製日から14日以内に使用し、残液及び容器は廃棄すること。
日本人若年健康成人男子32例にリバーロキサバン5、10、20又は40mg注1)を空腹時に単回経口投与した際、血漿中未変化体濃度は投与後0.5~4時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した。リバーロキサバンの1回用量の範囲において、投与量に応じた曝露量の増加が認められた。
投与量
AUC(μg・h/L)
Cmax(μg/L)
tmax※(h)
t1/2(h)
815.5(13.2)
141.3(14.5)
1.4(0.5~2.5)
5.7(19.8)
1564(24.5)
226.9(18.7)
1.4(0.5~4.0)
7.1(35.3)
20mg
2777(26.9)
341.7(29.6)
3.3(0.5~4.0)
8.9(50.1)
40mg
3051(21.3)
329.4(26.1)
1.4(0.5~2.0)
12.6(40.0)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%))、n=8
日本人高齢男女36例に、リバーロキサバン10、15又は20mg注1)を1日1回7日間食後に反復経口投与した際、初回投与時と比較し薬物動態特性に大きな変動はなく、蓄積性も認められなかった。
測定日
AUC(0-24)(μg・h/L)
1日目
1443(21.0)
232.6(18.7)
3.0(1.0~4.0)
5.7(18.2)
7日目
1533(14.9)
246.9(10.6)
3.0(1.5~4.0)
7.7(41.2)
2080(26.7)
347.6(23.0)
4.0(1.0~4.0)
6.3(35.1)
2243(21.1)
330.6(20.8)
3.5(0.5~4.0)
8.7(26.9)
2419(24.6)
391.2(21.2)
2.5(2.0~4.0)
6.1(20.8)
2839(20.9)
398.5(24.8)
7.7(23.6)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%))、n=12
成人の症候性深部静脈血栓症(DVT)患者及び肺塞栓症(PE)患者を対象とした国内第Ⅲ相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による薬物動態パラメータ(推定値)は、以下のとおりであった8)。
用法・用量
AUC(0-24),ss※(μg・h/L)
Cmax,ss※(μg/L)
15mg 1日1回
2977.5(36.8)
276.9(19.8)
15mg 1日2回
5955.0(36.8)
363.0(26.7)
幾何平均値(幾何CV(%))※:合計72例の血漿中濃度データに基づく推定値
外国人健康成人男性にリバーロキサバンドライシロップ小児用10mgとリバーロキサバン錠10mg、又は日本人健康成人男性にリバーロキサバンドライシロップ小児用15mgとリバーロキサバン錠15mgをクロスオーバー法で空腹時単回経口投与した。血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC(0-tlast)及びCmax)について統計解析を行った結果、幾何平均値の比の両側90%信頼区間は0.8~1.25の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。
製剤
AUC(0-tlast)(μg・h/L)
10mg(n=30)
ドライシロップ
1010(27.6)
143(23.1)
1.5(0.75~4.0)
10.1(43.9)
錠
989(29.6)
127(27.5)
2.5(0.75~4.0)
10.8(42.9)
15mg(n=43)
1840(23.9)
256(23.1)
1.5(0.5~4.0)
7.90(50.7)
1720(23.6)
222(28.4)
2.5(0.5~6.0)
7.98(55.0)
※:中央値(範囲) 幾何平均値(幾何CV(%))(薬物動態解析対象集団)
リバーロキサバン5mg及び20mg注1)を空腹時に経口投与した際、絶対的バイオアベイラビリティはそれぞれ112%及び66%であった(外国人データ)。
リバーロキサバンを静脈内投与した際、分布容積(Vss)は約50Lであった(外国人データ)。
In vitro試験において、リバーロキサバンは血漿タンパクと高い結合能を示し、ヒト血漿タンパク結合率は約92~95%であった。主にアルブミンに結合する。
リバーロキサバンは主にCYP3A4及びCYP2J2による代謝経路により代謝され、主要な代謝物はモルホリノン環の酸化分解体及びアミド結合の加水分解体である。In vitro試験において、リバーロキサバンが輸送タンパクであるP-糖タンパク(P-gp)及び乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質であることが示されている。
リバーロキサバンを静脈内投与した際、全身クリアランスは約10L/hであり、投与量の42%が未変化体のまま腎排泄された。健康成人男子4例に[14C]リバーロキサバン10mgを単回経口投与した際、投与量の約2/3は不活性代謝物として尿中及び糞中に排泄され、残りの約1/3が未変化体のまま腎排泄された(外国人データ)。
軽度(クレアチニンクリアランス(CLcr):50~79mL/min)、中等度(CLcr:30~49mL/min)及び重度(CLcr:15~29mL/min)の腎障害のある患者各8例にリバーロキサバン10mgを空腹時単回経口投与した場合、健康被験者と比較しAUCはそれぞれ1.4、1.5及び1.6倍に上昇した。第Ⅹa因子活性阻害率は1.5、1.9及び2.0倍に増加し、プロトロンビン時間(PT(秒))も1.3、2.2及び2.4倍延長した。CLcrが15mL/min未満の患者における検討は実施していない(外国人データ)。,,
軽度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類A 8例)では、リバーロキサバン10mgを投与した際の薬物動態は健康被験者と比較してほぼ同様であり(AUCは1.2倍上昇)、薬力学的効果に差は認められなかった。中等度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類B 8例)では健康被験者と比較してAUCが2.3倍上昇した。なお、非結合型のAUCは2.6倍上昇した。第Ⅹa因子活性阻害率は2.6倍増加し、PT(秒)も2.1倍延長した。Child-Pugh分類Cの患者における検討は実施していない(外国人データ)。,
小児の急性静脈血栓塞栓症(VTE)患者(18歳未満)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による薬物動態パラメータ(推定値)は、以下のとおりであった。国際共同第Ⅲ相試験では、非日本人成人にリバーロキサバン20mg注1)(日本人成人にリバーロキサバン15mg)を1日1回投与時の曝露量に相当するよう体重で調整した用法・用量でリバーロキサバンを投与した。
用法
年齢
n
AUC(0-24),ss(μg・h/L)
Cmax,ss(μg/L)
Ctrough,ss(μg/L)
12~<18※1
173
2120(26.4)
238(20.0)
20.7(45.9)
4.17(19.1)
6~<12※1
29
1960(31.8)
247(23.1)
15.4(56.4)
3.44(21.6)
12~<18※2
1
1770
123
30.5
3.76
38
1960(32.0)
148(25.5)
27.5(51.4)
3.11(18.4)
2~<6※2
39
2370(42.2)
185(31.8)
30.6(72.3)
2.90(25.1)
0.5~<2※2
4
1640(49.4)
156(39.8)
12.6(82.8)
1.92(19.6)
5
2480(30.9)
162(25.4)
41.2(46.6)
2.24(15.9)
18
1890(34.4)
132(27.2)
26.2(57.0)
1.89(21.3)
生後~<0.5※2
13
1590(29.6)
119(24.1)
18.5(50.4)
1.61(17.8)
幾何平均値(幾何CV(%))※1:錠剤又はドライシロップとして投与※2:ドライシロップとして投与
Fontan手術後の機能的単心室症患者(2~8歳)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による曝露量(推定値)は、以下のとおりであった。国際共同第Ⅲ相試験では、非日本人成人にリバーロキサバン10mgを1日1回投与時の曝露量に相当するよう体重で調整した用法・用量※でドライシロップを投与した。
76
1440(484.2~4444)
109.0(39.7~287.1)
22.8(6.4~104.7)
幾何平均値(範囲)※:Fontan手術施行後における血栓・塞栓形成の抑制で承認された用法・用量と同一
体重30kg以上の小児のFontan手術後の機能的単心室症患者(9歳以上)にリバーロキサバンを承認用法・用量で投与した場合の曝露量を、Fontan手術後の機能的単心室症患者(2~8歳)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(パートA)及び小児の急性VTE患者(18歳未満)を対象とした臨床試験の血漿中濃度を用いて構築した母集団薬物動態モデルに基づくシミュレーションにより予測した。その結果、承認用法・用量で投与した場合の曝露量は非日本人成人にリバーロキサバン10mgを1日1回投与したときと同程度であった。
健康成人男子12例にリトナビル600mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは2.5倍、Cmaxは1.6倍上昇し抗凝固作用が増強された(外国人データ)。,
健康成人男子20例にケトコナゾール400mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは2.6倍、Cmaxは1.7倍上昇し抗凝固作用が増強された(外国人データ)。,健康成人男子13例にフルコナゾール400mgとリバーロキサバン20mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは1.4倍、Cmaxは1.3倍上昇した(外国人データ)。
健康成人男子15例にクラリスロマイシン500mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは1.5倍、Cmaxは1.4倍上昇した(外国人データ)。健康成人男子15例にエリスロマイシン500mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUC及びCmaxともに1.3倍上昇した(外国人データ)。
健康成人男子18例にリファンピシン(開始用量150mgより600mgまで漸増)とリバーロキサバン20mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCが約50%低下し、それに伴い抗凝固作用も減弱した(外国人データ)。
健康成人男子10例にエノキサパリン4000IUとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態に影響はなかった。抗第Ⅹa因子活性は相加的に増加したが、PT及びaPTTには影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人男子13例にアスピリン500mgを投与した翌日にアスピリン100mgとリバーロキサバン15mgを併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態及び抗凝固作用に影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人男子11例にクロピドグレル300mgを投与した翌日にクロピドグレル75mgとリバーロキサバン15mgを併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態に影響は認められなかった。別の試験において一部の被験者に出血時間の延長が認められたとの報告がある(外国人データ)。
健康成人男子11例にナプロキセン500mg1日1回反復投与時にリバーロキサバン15mgを併用投与した際、出血時間の延長は認められなかったが、一部の被験者において抗凝固作用の増強が認められた(外国人データ)。
日本人健康成人男子12例(VKORC1遺伝子1639位のAアレルがホモ接合体を有している被験者)にワルファリンを反復投与し、PT-INRが2.0~3.0に到達した後に、リバーロキサバン15mgを1日1回反復投与に切り替えた際、aPTT、第Ⅹa因子活性阻害及び内在性トロンビン産生能(ETP)への影響は相加的であったが、PT及びPT-INRのピーク値はリバーロキサバン単独投与時と比較しそれぞれ2.3倍及び2.9倍になった。リバーロキサバン投与開始後3日目には、ワルファリンの影響は消失した。なお、薬物動態に相互作用は認められなかった。,
ミダゾラム、ジゴキシン及びアトルバスタチンとリバーロキサバンの併用による薬物相互作用試験を実施したが、薬物動態学的相互作用は認められず、制酸剤(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤)、ラニチジン及びオメプラゾールは、リバーロキサバンの薬物動態に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
小児の急性VTE患者(18歳未満)を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討する多施設共同、無作為化、非盲検、実薬対照、並行群間比較試験(EINSTEIN-Jr phase Ⅲ試験)を実施した。小児の急性VTE患者491例(安全性解析対象例数)に対して、ヘパリン(未分画、低分子量)又はフォンダパリヌクスによる初期治療を5日以上受けた後、9日以内に割り付けた本剤群又は対照群において、本剤群では非日本人成人に本剤20mg注2)(日本人成人に本剤15mg)を1日1回投与時の曝露量に相当するよう体重で調整された用法・用量(小児のVTEに対する承認用法・用量と同一)が投与され※1、対照群では初期治療を継続投与又はビタミンK拮抗薬(目標PT-INR:2.5、範囲:非日本人2.0~3.0、日本人2.0~2.5)に切り替えて投与された※2。主要投与期間は、2歳以上の患者及び2歳未満の非カテーテル関連VTE患者では3ヵ月とし、以降3ヵ月ごとに医師の判断により最長12ヵ月の投与が可能であった。また2歳未満のカテーテル関連VTE患者では主要投与期間を1ヵ月とし、1ヵ月ごとに医師の判断により最長3ヵ月まで投与が可能であった。主要投与期間における平均投与期間は、2歳以上の患者及び2歳未満の非カテーテル関連VTE患者では本剤群88.0日、対照群86.7日、また2歳未満のカテーテル関連VTE患者では本剤群29.8日、対照群29.5日であった。有効性評価項目及び出血事象等は盲検下で評価された。
有効性主要評価項目の発現頻度(主要投与期間中)は、本剤群1.2%、対照群3.0%(HR:0.40、95%CI:0.11~1.41)であった(最大の解析対象集団)。
エンドポイント
リバーロキサバン(N=335)
対照薬(N=165)
n(%)
95%CI(%)
有効性主要評価項目※1
4(1.2)
0.4-3.0
5(3.0)
1.2-6.6
有効性副次評価項目※2
5(1.5)
0.6-3.4
6(3.6)
1.6-7.6
(最大の解析対象集団。主要投与期間中)※1:再発性症候性VTEの発現頻度※2:「再発性症候性VTE」又は画像検査上の「無症候性の血栓像の悪化」の複合エンドポイント
安全性主要評価項目の発現頻度は本剤群3.0%、対照群1.9%(HR:1.58、95%CI:0.51~6.27)、「重大な出血」の発現頻度はそれぞれ0%及び1.2%であった9)。
リバーロキサバン(N=329)
対照薬(N=162)
安全性主要評価項目※1
10(3.0)
1.6-5.5
3(1.9)
0.5-5.3
重大な出血
0
2(1.2)
重大ではないが臨床的に問題となる出血
1(0.6)
(安全性解析対象集団、治験薬投与下。主要投与期間)※1:「重大な出血」又は「重大ではないが臨床的に問題となる出血」の複合エンドポイント
副作用(臨床検査値異常を含む)は、主要投与期間中に本剤が投与された小児の急性VTE患者329例中90例(27.4%)に認められた。主な副作用は、鼻出血20例(6.1%)、月経過多20例(6.1%)であった。ベースライン時に月経のある患者における月経過多は86例中20例(23.3%)であった。 本試験では、日本人小児の急性VTE患者6例(本剤群4例(生後0.6ヵ月~4.2歳、2.7~12.7kg)、対照群2例(生後0.9ヵ月~1.5歳、3.0kg~8.7kg))が投与を受けた。主要投与期間中、本剤群、対照群ともに再発性症候性VTE、無症候性の血栓像の悪化、重大な出血又は重大ではないが臨床的に問題となる出血は認められなかった。また、本剤群4例中で主要投与期間中に認められた副作用は軽度の口腔内出血1例のみであった。 なお、本試験では1歳未満で血清クレアチニン値が97.5パーセンタイル値を超える患者、及び1歳以上でeGFR 30mL/min/1.73m2未満の患者を除外した(ただし、日本人小児患者で、1歳以上2歳未満の場合は血清クレアチニン値0.93mg/dL以上のもの、1歳未満の場合は下表に示す血清クレアチニン値が97.5パーセンタイル値を超えるものを除外基準とした)。
血清クレアチニン値の97.5パーセンタイル値(mg/dL)
2週
0.52
3週
0.46
4週
0.42
2ヵ月
0.37
3~5ヵ月
0.26
6~8ヵ月
0.31
9~11ヵ月
0.34
小児のFontan手術後4ヵ月以内の機能的単心室症患者(2~8歳)を対象に、本剤の薬物動態、薬力学、安全性及び有効性を検討する多施設共同試験(UNIVERSE試験)※1を実施した。小児のFontan手術後の機能的単心室症患者110例(安全性解析対象例数)に対して、本剤群では非日本人成人に本剤10mgを1日1回投与時の曝露量に相当するよう体重で調整された用法・用量(小児のFontan手術後患者に対する承認用法・用量のうち、体重30kg未満の区分)が投与され、対照群ではアセチルサリチル酸(ASA)約5mg/kgを1日1回投与した※2。いずれの群も投与期間は12ヵ月間とし、体重増加による用量調整は第6ヵ月時点で実施した。平均投与期間は、本剤群331.8日、対照群336.4日であった。有効性評価項目及び出血事象等は盲検下で評価された。
有効性主要評価項目の発現頻度(パートB、治験薬投与終了までの期間)は、本剤群1.6%、対照群8.8%であった(最大の解析対象集団)。
リバーロキサバン(N=64)
対照薬(N=34)
1(1.6)
NA
3(8.8)
0.0-19.8
NA:0例又は1例の場合CIは算出せず(最大の解析対象集団、パートB、治験薬投与終了までの期間※2)※1:あらゆる血栓性イベント(静脈又は動脈)※2:治験薬の初回投与から最終来院(すなわち、最終有効性評価日;第12ヵ月又は中止時来院)まで
安全性主要評価項目である「重大な出血」の発現頻度(パートB、治験薬投与下)は本剤群1.6%、対照群0%であった10)。本剤群で認められた「重大な出血」は鼻出血であった。
重大な出血※1
1※2(1.6)
4(6.3)
0.0-13.0
NA:0例又は1例の場合CIは算出せず(安全性解析対象集団、パートB、治験薬投与下)※1:安全性主要評価項目※2:成人において濃厚赤血球又は全血2単位以上に相当する量の輸血
副作用(臨床検査値異常を含む)は、本剤が投与された小児のFontan手術後の機能的単心室症患者76例中23例(30.3%)に認められた。主な副作用は、斑状出血6例(7.9%)、鼻出血3例(3.9%)、血腫3例(3.9%)であった。 本試験では、日本人小児のFontan手術後の機能的単心室症患者9例(本剤群8例、対照群1例)が投与を受けた。本剤群、対照群ともにあらゆる血栓性イベント(静脈又は動脈)の発現は認められなかった。「重大な出血」は、本剤群1例(輸血を要する鼻出血)で認められた。
本剤は、選択的かつ直接的第Ⅹa因子阻害剤であり、経口投与で効果を示す。内因系及び外因系血液凝固カスケード中の第Ⅹa因子を本剤が阻害することで、トロンビン産生及び血栓形成が抑制される。本剤はトロンビンを阻害せず、また血小板に対する直接作用を有さない11)。
本剤は、マウス、ラット又はウサギの静脈及び動脈血栓症モデルにおいて、用量依存的に血栓形成を抑制した。また、ウサギ静脈血栓症モデルにおいて、血栓形成後の血栓の増大を抑制した11),12),13)。
リバーロキサバン(Rivaroxaban)
5-Chloro-N-({(5S)-2-oxo-3-[4-(3-oxomorpholin-4-yl)phenyl]-1,3-oxazolidin-5-yl}methyl)thiophene-2-carboxamide
C19H18ClN3O5S
435.88
本品は白色~微黄色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1瓶
1) 社内資料: 妊娠ラットにおける胎盤通過性(イグザレルト錠2012年1月18日承認、CTD2.6.4.4.6)
2) 社内資料: ウサギにおける胚・胎児発生に関する毒性試験(イグザレルト錠2012年1月18日承認、CTD2.6.6.6.2.2)
3) 社内資料: ラットにおける出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験(イグザレルト錠2012年1月18日承認、CTD2.6.6.6.3)
4) 社内資料: ラットにおける乳汁中分泌(イグザレルト錠2012年1月18日承認、CTD2.6.4.6.4)
5) Brodsky S, et al.: J Am Soc Nephrol. 2018; 29: 2787-2793
6) Zakrocka I, et al.: Adv Clin Exp Med. 2022; 31: 165-173
7) Pengo V, et al.: Blood. 2018; 132: 1365-1371
8) 社内資料: 日本人急性症候性深部静脈血栓症患者及び急性症候性肺塞栓症患者における曝露量の推定
9) 社内資料: 急性静脈血栓塞栓症の小児患者を対象とした第Ⅲ相試験(2021年1月22日承認、CTD2.7.6.12)
10) 社内資料: Fontan手術後の2~8歳の小児を対象とした第Ⅲ相試験(2023年11月24日承認、CTD2.7.6.1)
11) Perzborn E, et al.: J Thromb Haemost. 2005; 3: 514-521
12) Biemond BJ, et al.: Thromb Haemost. 2007; 97: 471-477
13) 社内資料: マウスにおける血栓塞栓死予防試験(イグザレルト錠2012年1月18日承認、CTD2.6.2.2.2.1.8)
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