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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
腎性貧血
赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合の本剤投与開始の目安は、保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とする。
通常、成人にはモリデュスタットとして1回25mgを開始用量とし、1日1回食後に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回200mgとする。
通常、成人にはモリデュスタットとして1回25mg又は50mgを開始用量とし、1日1回食後に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回200mgとする。
通常、成人にはモリデュスタットとして1回75mgを開始用量とし、1日1回食後に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回200mgとする。
下表を参考に、切替え前の赤血球造血刺激因子製剤投与量から本剤の投与量を決定し、切り替えること。
本剤投与量(mg)
ダルベポエチン アルファ(μg)
エポエチン ベータ ペゴル(μg)
エポエチン アルファ又はベータ(IU)
2週に1回
4週に1回
週に1回
25
15以下
30以下
25以下
1500以下
3000以下
50
15超
30超
25超
1500超
3000超
投与量調節が必要な場合には、下表を参考に1段階ずつ投与量を増減すること。
段階
1
2
3
4
5
6
7
8
本剤投与量
5mg
12.5mg
25mg
50mg
75mg
100mg
150mg
200mg
赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合、本剤投与開始4週後は[4週時投与量増減表]を、それ以降は[投与量増減表]を参考に投与量を増減すること。赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合、[投与量増減表]を参考に投与量を増減すること。なお、増量は原則として4週間以上の間隔をあけて行うこと。休薬した場合は、1段階低い用量で投与を再開すること。
4週間のHb値上昇
Hb値
用量調節
保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者
血液透析患者
0.5g/dL未満
10.5g/dL未満
9.5g/dL未満
1段階増量
10.5g/dL以上
9.5g/dL以上
同じ用量を維持
0.5g/dL以上1.0g/dL未満
すべての値
1.0g/dL以上2.0g/dL以下
11.0g/dL以下
10.0g/dL以下
11.0g/dL超
10.0g/dL超
1段階減量
2.0g/dL超
同じ用量を維持注1)
休薬注2)
11.0g/dL未満
11.0g/dL以上12.5g/dL未満
12.5g/dL以上13.0g/dL未満
13.0g/dL以上
10.0g/dL未満
10.0g/dL以上12.0g/dL未満
12.0g/dL以上13.0g/dL未満
本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。
血圧上昇があらわれるおそれがある。
本剤の血管新生亢進作用により悪性腫瘍を増悪させるおそれがある。
本剤の血管新生亢進作用により網膜出血があらわれるおそれがある。
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。本剤25mgを中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者に単回投与した際、本剤のAUC(0-∞)及びCmaxが上昇した。本剤では重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。ラットにおいて、臨床最大用量投与時の非結合型曝露量(AUCu)の3.1倍の曝露量で着床後死亡の増加と生存胎児数減少が報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットにおいて、臨床最大用量投与時の非結合型曝露量(AUCu)の1.2倍以上の曝露量で着床後死亡の増加、平均生存児数の減少、死産児の増加等が観察されている。また、臨床最大用量投与時の非結合型曝露量(AUCu)の7.3倍の曝露量で眼球奇形の発生率の増加が報告されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)への投与で本剤は乳汁中へ移行することが報告されている。
本剤では小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
HIVプロテアーゼ阻害剤
チロシンキナーゼ阻害剤
トラニラスト
本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
本剤をアタザナビルと同時投与したところ、本剤のAUC(0-∞)及びCmaxは上昇した。UGT1A1阻害により本剤のクリアランスが低下する。
多価陽イオン(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等)を含有する経口製剤
,,
本剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を投与すること。
本剤を硫酸鉄と同時投与したところ、本剤のAUC(0-∞)及びCmaxは低下した。本剤の消化管からの吸収が減少し、血中濃度が低下する。
脳梗塞(0.3%)、心筋梗塞(頻度不明)、シャント閉塞(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがある。
初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)が認められた場合には、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%以上
1%未満
頻度不明
代謝および栄養障害
鉄欠乏
精神障害
不眠症
神経系障害
めまい(浮動性、回転性)
眼障害
眼出血、糖尿病網膜症
結膜炎、眼瞼炎
心臓障害
心のう液貯留
血管障害
高血圧
血圧低下
胃腸障害
便秘、下痢、悪心、嘔吐、腹痛
皮膚および皮下組織障害
発疹、そう痒症
一般・全身障害および投与部位の状態
浮腫
本剤の過量投与により、ヘモグロビン濃度が必要以上に上昇するおそれがある。
本剤の減量・休薬等の適切な処置を行うこと。本剤は透析で除去されない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人健康男性被験者に本剤5、25、50、75、100、125又は150mgを食後に経口投与したときのモリデュスタットの薬物動態パラメータは、下表のとおりである。また、投与量に比例した曝露量の増加が認められた。
投与量
n
AUC(0-∞)(μg・h/L)
Cmax(μg/L)
tmax※(h)
t1/2(h)
9
112(11.6)
57.7(28.5)
0.50(0.50-1.50)
5.57(24.0)
614(19.4)
226(28.0)
1.00(0.50-2.50)
8.80(38.5)
1230(11.2)
511(45.9)
0.50(0.50-3.00)
9.46(24.2)
1710(23.0)
640(32.5)
0.75(0.50-1.50)
9.69(35.8)
2510(20.8)
988(49.2)
2.00(0.50-4.00)
7.05(41.8)
125mg
3020(21.7)
1100(27.9)
1.50(0.50-4.00)
9.41(39.3)
3780(17.6)
1220(21.4)
2.00(0.25-4.00)
8.75(25.0)
幾何平均値(幾何CV%) ※中央値(最小値-最大値)
日本人健康男性被験者に本剤5~150mgを食後に1日1回5日間反復投与したときのモリデュスタットの薬物動態パラメータは、下表のとおりである。
AUC(0-24)ss(μg・h/L)
Cmax,ss(μg/L)
tmax,ss※(h)
t1/2,ss(h)
120(11.9)
55.6(50.6)
0.50(0.25-2.00)
6.25(37.4)
657(19.6)
319(40.0)
6.20(54.1)
1260(16.0)
606(31.4)
0.75(0.50-2.50)
7.87(66.0)
2030(28.3)
698(41.2)
2.00(0.50-2.00)
6.52(32.1)
2530(21.5)
1008(55.5)
1.50(0.50-3.00)
7.45(30.0)
3140(22.1)
953(29.5)
2.00(0.50-2.50)
8.26(42.4)
4030(13.3)
1150(14.0)
2.50(2.00-3.00)
6.90(25.8)
健康男性被験者に本剤50mgを空腹時に経口投与したときの静脈内投与に対する絶対的バイオアベイラビリティは59%であった(外国人データ)。
日本人健康男性被験者に本剤50mgを空腹時又は食後に経口投与したとき、食後投与では空腹時投与と比べてAUC(0-∞)及びCmaxはそれぞれ23.3%及び41.1%低下し、tmaxは1時間遅延した。
モリデュスタット及びN-グルクロン酸抱合体のヒト血漿タンパク結合率はそれぞれ79.3%及び16.8%であり、モリデュスタットの主な結合タンパクはアルブミンであった(in vitro)。
健康男性被験者に本剤25mgを静脈内投与したときの分布容積(Vss)は46.9Lであった(外国人データ)。
本剤は主にUGT1A1によって、薬理学的に不活性なN-グルクロン酸抱合体に代謝される(in vitro)。健康男性被験者に[14C]モリデュスタット25mgを液剤にて空腹時に経口投与したとき、血漿中のモリデュスタットのAUC(0-tlast)は総放射能の約18%、N-グルクロン酸抱合体のAUC(0-tlast)は約82%であり、N-グルクロン酸抱合体は主要な代謝物であった(外国人データ)。
日本人健康男性被験者に本剤を食後に経口投与したとき、モリデュスタットの消失半減期は約6~10時間であった。尿中には未変化体として投与量の約3~6%が排泄された。健康男性被験者に本剤25mgを静脈内投与したときのクリアランスは28.7L/hであった(外国人データ)。健康男性被験者に[14C]モリデュスタット25mgを液剤にて経口投与したとき、投与した放射能の91%及び6.3%が尿中及び糞中に排泄され、尿中放射能の主成分はN-グルクロン酸抱合体(85.2%)であった(外国人データ)。
健康被験者及び軽度から重度(透析患者含む)の腎機能障害患者[軽度:eGFR(mL/min/1.73m2)60~89、中等度:eGFR30~59、重度(非透析)患者:eGFR30未満、及び重度透析患者:eGFR30未満]に本剤20mgを空腹時に単回経口投与したとき、健康被験者と比較してモリデュスタットのAUC(0-∞)はそれぞれ8%低下、6%、12%及び43%増加し、Cmaxはそれぞれ37%、10%、9%及び33%増加した(外国人データ)。
透析患者(血液透析患者、腹膜透析患者及び血液ろ過透析患者)に本剤75mgを透析施行日又は非透析施行日の空腹時に単回経口投与したとき、非透析日に対する透析日のモリデュスタットのAUC(0-∞)はそれぞれ11%、5%及び2%低下、Cmaxはそれぞれ28%及び6%低下並びに17%増加であり、透析の影響はわずかであった(外国人データ)。
軽度又は中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A又はB)及び健康被験者に本剤25mgを空腹時に単回経口投与したとき、健康被験者と比較して軽度肝機能障害患者のモリデュスタットのAUC(0-∞)及びCmaxはそれぞれ26%及び66%増加、中等度肝機能障害患者のモリデュスタットのAUC(0-∞)及びCmaxはそれぞれ58%及び131%増加した(外国人データ)。
非高齢(18~45歳)及び高齢(65~85歳)健康男女被験者に本剤20mgを空腹時に投与したとき、非高齢者と比較して高齢者のモリデュスタットのAUC(0-∞)及びCmaxはそれぞれ33%及び39%増加した(外国人データ)。
健康男性被験者にアタザナビル400mgを食後に反復投与した後、本剤25mgを食後に単回併用投与したときのモリデュスタットの薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりである(外国人データ)。
併用薬
併用薬投与量
例数
幾何平均値の比[90%信頼区間](アタザナビル併用投与時/本剤単独投与時)
Cmax
AUC(0-∞)
アタザナビル
400mg
13
2.07[1.53、2.79]
2.07[1.87、2.29]
健康男性被験者に硫酸鉄(Ⅱ)304mg(二価鉄として100mg)と本剤150mgを空腹時に単回併用投与したとき、硫酸鉄(Ⅱ)グリシン567.7mg(二価鉄として100mg、腸溶コーティング製剤)と本剤150mgを空腹時に単回併用投与したとき、及び本剤150mgを空腹時に投与する4又は2時間前、若しくは1時間後に硫酸鉄(Ⅱ)304mg(二価鉄として100mg)を単回併用投与したときのモリデュスタットの薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりである(外国人データ)。
投与条件
幾何平均値の比[90%信頼区間](硫酸鉄又は硫酸グリシン併用投与時/本剤単独投与時)
硫酸鉄
304mg
同時投与
14注3)
0.16[0.12、0.22]
0.25[0.19、0.33]
硫酸鉄投与4時間後に本剤投与
14
0.90[0.64、1.26]
0.91[0.77、1.07]
硫酸鉄投与2時間後に本剤投与
1.00[0.71、1.40]
0.84[0.71、0.99]
硫酸鉄投与1時間前に本剤投与
0.88[0.63、1.23]
0.74[0.63、0.88]
硫酸鉄グリシン
567.7mg
0.54[0.39、0.76]
0.50[0.42、0.60]
また、健康男性被験者に硫酸鉄(Ⅱ)304mg(二価鉄として100mg)と本剤150mgを食後に単回併用投与したとき、及び本剤150mgを食後に投与する1時間前、若しくは1時間後に硫酸鉄(Ⅱ)304mg(二価鉄として100mg)を単回併用投与したときのモリデュスタットの薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりである(外国人データ)。
幾何平均値の比[90%信頼区間](硫酸鉄併用投与時/本剤単独投与時)
11注4)
0.39[0.29、0.51]
0.49[0.42、0.58]
硫酸鉄投与1時間後に本剤投与
11
0.80[0.60、1.06]
0.80[0.70、0.93]
11注5)
0.60[0.45、0.80]
0.66[0.57、0.77]
健康男性被験者に酢酸カルシウム1900mgと本剤150mgを空腹時に単回併用投与したときのモリデュスタットの薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりである(外国人データ)。
幾何平均値の比[90%信頼区間](酢酸カルシウム併用投与時/本剤単独投与時)
酢酸カルシウム
1900mg
15
0.53[0.39、0.72]
0.85[0.67、1.09]
健康男性被験者に酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム配合剤と本剤50mgを空腹時に単回併用投与したときのモリデュスタットの薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりである(外国人データ)。
幾何平均値の比[90%信頼区間](酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム配合剤併用投与時/本剤単独投与時)
酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム配合剤
900mg・600mg
12
0.36[0.26、0.51]
0.67[0.60、0.75]
健康男性被験者にオメプラゾール40mgを空腹時に反復投与した後、本剤50mgを空腹時に単回併用投与したときのモリデュスタットの薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりである(外国人データ)。
幾何平均値の比[90%信頼区間](オメプラゾール併用投与時/本剤単独投与時)
オメプラゾール
40mg
0.96[0.68、1.35]
0.95[0.85、1.07]
健康男性被験者にロスバスタチン5mgと本剤150mgを空腹時に単回併用投与したとき、及びロスバスタチン5mgを空腹時に単回投与し、その3時間後に本剤150mgを単回併用投与したときのロスバスタチンの薬物動態に及ぼす影響は下表のとおりである(外国人データ)。
幾何平均値の比[90%信頼区間](ロスバスタチン併用投与時/本剤単独投与時)
ロスバスタチン
15注6)
1.30[1.11、1.52]
1.11[0.96、1.28]
本剤投与3時間前にロスバスタチン投与
0.98[0.83、1.14]
0.95[0.82、1.09]
ESA未治療の腎性貧血を有する保存期慢性腎臓病患者162例を対象に、実薬対照としてダルベポエチン アルファを設定した非盲検比較試験を実施した(投与期間:52週間)。本剤は1日1回25mgで投与開始し、目標Hb値(11.0g/dL以上13.0g/dL未満)を維持するよう、5~200mgの範囲で適宜増減した。その結果、評価期間中(投与30~36週)の平均Hb値は下表のとおりであり、本剤のダルベポエチン アルファに対する非劣性が検証された。
本剤群(82例)
ダルベポエチン アルファ群(80例)
評価期間中(投与30~36週)の平均Hb値[両側95%信頼区間](g/dL)※1
11.28±0.98[11.07、11.50]
11.70±0.90[11.50、11.90]
ベースラインからの変化量(g/dL)※2
1.45±1.08
1.70±1.03
変化量の群間差[両側95%信頼区間](g/dL)
-0.38[-0.67、-0.08]
※1:平均値±標準偏差
※2:調整済み平均値
また、評価期間中(投与30~36週)の平均Hb値が目標範囲内(11.0g/dL以上13.0g/dL未満)であった被験者の割合は、本剤群68.3%(56/82例)、ダルベポエチン アルファ群85.0%(68/80例)であった。本剤群での安全性評価対象例の副作用発現頻度は、19.5%(16/82例)であった。主な副作用は、鉄欠乏、間質性肺疾患各2.4%(2/82例)であった。
腎性貧血を有する保存期慢性腎臓病患者164例を対象に、実薬対照としてダルベポエチン アルファを設定した非盲検比較試験を実施した(投与期間:52週間)。本剤は、切替え前のESA投与量に従い1日1回25mg又は50mgで投与開始し、目標Hb値(11.0g/dL以上13.0g/dL未満)を維持するよう、5~200mgの範囲で適宜増減した。その結果、評価期間中(投与30~36週)の平均Hb値は下表のとおりであり、本剤のダルベポエチン アルファに対する非劣性が検証された。
ダルベポエチン アルファ群(82例)
11.67±0.83[11.48、11.85]
11.53±0.99[11.31、11.74]
0.35±1.03
0.26±1.00
0.13[-0.15、0.40]
また、評価期間中(投与30~36週)の平均Hb値が目標範囲内(11.0g/dL以上13.0g/dL未満)であった被験者の割合は、本剤群80.5%(66/82例)、ダルベポエチン アルファ群82.9%(68/82例)であった。本剤群での安全性評価対象例の副作用発現頻度は、7.3%(6/82例)であった。副作用は、鉄欠乏性貧血、糖尿病網膜症、血圧上昇、鉄欠乏、浮動性めまい、頭痛、そう痒症各1.2%(1/82例)であった。
ESA未治療の腎性貧血を有する血液透析患者25例を対象に非盲検試験を実施した(投与期間:24週間)。本剤は1日1回75mgで投与開始し、目標Hb値(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)を維持するよう、5~200mgの範囲で適宜増減した。有効性評価対象例25例において、第8週までの最初の用量変更時におけるHb値のベースラインからの上昇速度は、-0.030g/dL/週であった。レスポンダー割合※は、56.0%(14/25例)であった。※:評価期間中(投与21~24週)の平均Hb値が目標Hb値内であること、評価期間中の50%以上のHb値が目標Hb値内にあること、評価期間の終了までに緊急治療(赤血球輸血又はESA投与)を受けていないことの3つの基準をすべて満たす被験者の割合
また、評価期間中(投与21~24週)の平均Hb値が目標範囲内(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)であった被験者の割合は、60.0%(15/25例)であった。安全性評価対象例25例で副作用はみられなかった。
腎性貧血を有する血液透析患者229例を対象に、実薬対照としてダルベポエチン アルファを設定した二重盲検比較試験を実施した(投与期間:52週間)。本剤は1日1回75mgで投与開始し、目標Hb値(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)を維持するよう、5~200mgの範囲で適宜増減した。その結果、評価期間中(投与33~36週)の平均Hb値は下表のとおりであり、本剤のダルベポエチン アルファに対する非劣性が検証された。
本剤群(153例)
ダルベポエチン アルファ群(76例)
評価期間中(投与33~36週)の平均Hb値[両側95%信頼区間](g/dL)※1
10.63±1.34[10.42、10.84]
10.77±0.78[10.59、10.95]
-0.14±1.43
-0.07±1.00
-0.13[-0.46、0.19]
また、評価期間中(投与33~36週)の平均Hb値が目標範囲内(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)であった被験者の割合は、本剤群65.4%(100/153例)、ダルベポエチン アルファ群78.9%(60/76例)であった。本剤群での安全性評価対象例の副作用発現頻度は、5.2%(8/153例)であった。副作用は、心のう液貯留、緑内障、網膜出血、下痢、胃炎、心電図ST部分下降、ヘモグロビン減少、低カリウム血症、傾眠、薬疹各0.7%(1/153例)であった。
腎性貧血を有する腹膜透析患者51例を対象とした非盲検試験を実施した(投与期間:36週間)。本剤は1日1回75mgで投与開始し、目標Hb値(11.0g/dL以上13.0g/dL未満)を維持するよう、5~200mgの範囲で適宜増減した。有効性評価対象例51例(ESA未治療の患者2例、ESAからの切替え患者49例)において、レスポンダー割合※は、54.9%(28/51例)であった。※:評価期間中(投与30~36週)の平均Hb値が目標Hb値内であること、評価期間中の50%以上のHb値が目標Hb値内にあること、評価期間の終了までに緊急治療(赤血球輸血又はESA投与)を受けていないことの3つの基準をすべて満たす被験者の割合
また、評価期間中(投与30~36週)の平均Hb値が目標範囲内(11.0g/dL以上13.0g/dL未満)であった被験者の割合は、66.7%(34/51例)であった。安全性評価対象例の副作用発現頻度は、23.5%(12/51例)であった。主な副作用は、うっ血性心不全3.9%(2/51例)であった。
モリデュスタットは、低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害することによって、通常酸素濃度下でHIFを安定化し、内因性エリスロポエチン(EPO)を誘導して赤血球産生を促進させる。
モリデュスタットを正常ラット、イヌ及びサルに経口投与したとき、血漿中EPO濃度の上昇及び赤血球産生作用(ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値及び網状赤血球の増加)が認められた。また、モリデュスタットを腎性貧血ラットモデルに経口投与したとき、貧血の予防及び改善効果が認められた。
モリデュスタットナトリウム(Molidustat Sodium)
Monosodium 1-[6-(morpholin-4-yl)pyrimidin-4-yl]-4-(1H-1,2,3-triazol-1-yl)-1H-pyrazol-5-olate
C13H13N8NaO2
336.28
本品は白色~帯黄白色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Besarab A, et al.: N Engl J Med. 1998; 339: 584-590
2) Singh AK, et al.: N Engl J Med. 2006; 355: 2085-2098
3) Pfeffer MA, et al.: N Engl J Med. 2009; 361: 2019-2032
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