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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
*「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。特に遠隔転移を有する前立腺癌患者への投与に際しては、臨床試験に組み入れられた患者の外科的又は内科的去勢術に係る治療歴等について確認すること。,
本剤は主に肝臓で代謝されて排泄されるため、重度の肝機能障害は本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強いCYP3A誘導薬
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A誘導薬への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤がBCRP、OATP1B1及びOATP1B3を阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が増加する可能性がある。
不整脈等の心臓障害があらわれることがある。
*5%以上
*2~5%未満
*2%未満
血液およびリンパ系障害
貧血
好中球減少
代謝および栄養障害
食欲減退
神経系障害
*頭痛、浮動性めまい、味覚障害
血管障害
ほてり
高血圧
胃腸障害
下痢、悪心
便秘
肝胆道系障害
*AST増加、ALT増加
ビリルビン増加
皮膚および皮下組織障害
発疹
筋骨格系および結合組織障害
*関節痛、筋肉痛、筋力低下、四肢痛
生殖系および乳房障害
女性化乳房
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労
*無力症、浮腫
*その他
体重増加
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
反復投与毒性試験(ラット及びイヌ)において、AUC比較で臨床曝露量に相当する用量から雄性生殖器の変化(前立腺及び精巣上体の萎縮等)が認められている。
日本人の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤300注1)又は600mgを食後に単回及び1日2回反復経口投与したときのダロルタミドのPKパラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した際の投与7日目におけるダロルタミドの蓄積率は2.34であった。
パラメータ
投与量(mg)
n
単回投与
反復投与(投与7日目)
AUCinf(ng・h/mL)
300
2
38586、53686
-
600
4
63506(28.9)
AUC12h(ng・h/mL)
3
20390(15.3)
44436(18.2)
6
25064(15.3)
58671(26.9)
Cmax(ng/mL)
2585(7.57)
4597(10.3)
3498(12.1)
5799(22.0)
t1/2(h)
13.2、16.6
14.1(36.7)
tmax※(h)
4.92(2.98-8.00)
4.98(3.00-8.10)
6.29(4.93-7.90)
5.48(2.87-10.9)
幾何平均値(幾何CV%) ※:中央値(範囲)
-:算出せず
去勢抵抗性前立腺癌患者にダロルタミドのカプセル剤100~900mg注1)を食後に単回及び1日2回反復経口投与したとき、2種類のジアステレオマー(SR体及びSS体)、及び主代謝物であるケト-ダロルタミドの曝露量は100~700mgの用量範囲で用量に応じた増加を示した。ただし、900mgに増量しても曝露量に更なる増加はみられなかった(外国人データ)。去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与したとき、血漿中ダロルタミド濃度は投与2~5日後に定常状態に達した(外国人データ)。
健康成人6例に本剤300mg注1)を空腹時に単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは30%であった(外国人データ)。
遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者6例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUClast及びCmaxは、空腹時投与と比較して、それぞれ2.5及び2.8倍に増加した。
In vitro試験において、ダロルタミドのヒト血漿タンパク結合率は92%であった。また、ケト-ダロルタミドのヒト血漿タンパク結合率は99.8%であった。健康成人6例にダロルタミド300mgを単回経口投与し、約3時間後に[14C]ダロルタミド100μg注1)を単回静脈内投与したとき、分布容積は119Lであった(外国人データ)。
In vitro試験において、ダロルタミドは主にCYP3A4によって酸化的に代謝され、主にケト-ダロルタミドが産生された。また、主にUGT1A9及びUGT1A1によってグルクロン酸抱合体に代謝された。健康成人6例に[14C]ダロルタミド300mg注1)を単回経口投与したとき、投与1~24時間後までの血漿中に主にダロルタミド及びケト-ダロルタミドが検出された(血漿中総放射能のAUCinfに対する割合は、それぞれ28.6及び58.8%)(外国人データ)。
健康成人6例に[14C]ダロルタミド300mg注1)を単回経口投与したとき、投与1週間後までの尿及び糞中において、それぞれ投与放射能の63.4%(未変化体として7%)及び32.4%が排泄された(外国人データ)。
重度(eGFR15~29mL/min/1.73m2)の腎機能障害を有する被験者10例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUC48h及びCmaxは、健康成人と比較してそれぞれ2.5及び1.6倍に増加した(外国人データ)。透析を受けている末期腎不全患者(eGFR15mL/min/1.73m2未満)における薬物動態は検討していない。
中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する被験者9例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、ダロルタミドのAUC48h及びCmaxは、健康成人と比較してそれぞれ1.9及び1.5倍に増加した(外国人データ)。
健康成人15例に、リファンピシン(強いCYP3A誘導薬)600mgを空腹時に反復経口投与した後、本剤600mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ダロルタミドのAUC72h及びCmaxは、それぞれ72及び52%減少した(外国人データ)。
健康成人29例に、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した後、ロスバスタチン(BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質)5mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ロスバスタチンのAUC24h及びCmaxは、いずれも5倍に増加した(外国人データ)。
健康成人15例に、イトラコナゾール(強いCYP3A阻害薬)200mgを食後に反復経口投与した後、本剤600mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ダロルタミドのAUC72h及びCmaxは、それぞれ1.7及び1.4倍に増加した(外国人データ)。健康成人13例に、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した後、ミダゾラム(CYP3Aの基質)1mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ミダゾラムのAUCinf及びCmaxは、それぞれ29及び32%減少した(外国人データ)。健康成人13例に、本剤600mgを食後に1日2回反復経口投与した後、ダビガトランエテキシラート(P-gpの基質)75mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ダビガトランエテキシラートのAUCinf及びCmaxは、それぞれ12及び17%低下した(外国人データ)。ダロルタミドはBCRPの基質であり、MATE1、MATE2-K及びOAT3を阻害した。また、ケト-ダロルタミドはBCRPの基質である(in vitro)。
化学療法歴のない前立腺特異抗原(PSA)倍加時間が10ヵ月以下注2)の遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌患者注3)を対象に、アンドロゲン除去療法(ADT)注4)併用下で本剤(本剤群)とプラセボ(プラセボ群)を比較することを目的とした無作為化二重盲検試験が実施された(有効性解析対象例:1509例注5)、日本人95例を含む)。本剤群では、本剤600mgを1日2回食後に連日経口投与した。主要評価項目である無転移生存期間(MFS)の中央値は、本剤群で40.37ヵ月、プラセボ群で18.43ヵ月であり、本剤群のMFSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.413、95%信頼区間:0.341~0.500、p値<0.000001、層別ログランク検定)。
副作用(臨床検査値異常を含む)は954例中(日本人62例を含む)258例(27.0%)に認められた。主な副作用は、疲労68例(7.1%)、ほてり36例(3.8%)、悪心24例(2.5%)、下痢15例(1.6%)、女性化乳房15例(1.6%)、食欲減退14例(1.5%)、頭痛13例(1.4%)であった。
遠隔転移を有する前立腺癌患者を対象に、ADT注6)及びドセタキセル注7)併用下で本剤(本剤群)とプラセボ(プラセボ群)を比較することを目的とした無作為化二重盲検試験が実施された(有効性解析対象例:1305例、日本人148例を含む)。本剤群では、本剤600mgを1日2回食後に連日経口投与した。主要評価項目である全生存期間(OS)の中央値は、本剤群で未達、プラセボ群で48.9ヵ月であり、本剤群のOSはプラセボ群と比較して有意に延長した(ハザード比0.675、95%信頼区間:0.568~0.801、p値<0.0001、層別ログランク検定)。
副作用(臨床検査値異常を含む)は652例中(日本人63例を含む)341例(52.3%)に認められた。主な副作用は、疲労81例(12.4%)、ほてり52例(8.0%)、ALT増加48例(7.4%)、AST増加46例(7.1%)、貧血33例(5.1%)、体重増加30例(4.6%)、下痢27例(4.1%)、関節痛26例(4.0%)であった。
ダロルタミドは、アンドロゲン受容体(AR)のリガンド結合部位へのアンドロゲンの結合を競合的に阻害するとともに、転写因子であるARの核内移行を阻害し、標的遺伝子の転写を阻害することにより、ARを介したシグナル伝達を阻害し、アンドロゲン依存性腫瘍の増殖を抑制する。
ダロルタミドは、ヒト前立腺癌由来VCaP細胞株の皮下移植後に去勢したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。
ダロルタミド(Darolutamide)
N-{(2S)-1-[3-(3-Chloro-4-cyanophenyl)-1H-pyrazol-1-yl]propan-2-yl}-5-[(1RS)-1-hydroxyethyl]-1H-pyrazole-3-carboxamide
C19H19ClN6O2
398.85
本品は白色~帯灰白色又は帯黄白色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
56錠[8錠(PTP)×7]
文献請求先バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001大阪市北区梅田二丁目4番9号
バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
電話0120-106-398
バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田二丁目4番9号
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