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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
HER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはセバベルチニブとして1回20mgを1日2回食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量レベル
投与量
1段階減量
1回10mg1日2回
2段階減量
1回10mg1日1回
中止
1回10mg1日1回で忍容不能な場合、投与を中止する。
副作用
程度※
処置
肝機能障害
ベースライン値が正常範囲内の場合でグレード2のAST増加、ALT増加又は総ビリルビン増加
初回の場合はグレード1以下になるまで休薬し、1段階減量して再開できる。
ベースライン値を問わず、グレード3のAST増加、ALT増加又は総ビリルビン増加
ベースライン値を問わず、グレード4のAST増加、ALT増加若しくは総ビリルビン増加又はALT若しくはASTが基準値上限の3倍以上かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍以上
投与を中止する。
間質性肺疾患
全グレード
上記以外の副作用
グレード2(許容できない又は再発した場合)
グレード3
グレード4
※:グレードはCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)v5.0に準じる。
用量調節前の投与量
用量調節後の投与量
1回20mg1日2回
併用しないこと。
LVEF低下を悪化させるおそれがある。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血漿中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物において、HER2又はEGFRのシグナル伝達の欠損は、胚・胎児発育障害、胚致死及び出生後死亡に至ることが示されている。胚・胎児発生試験(妊娠ラット)において、臨床曝露量未満に相当する用量で、胎児体重の減少及び子宮重量の減少が認められている。,
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)で本剤又はその代謝物が乳汁中に移行するとの報告がある。乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強いCYP3A阻害剤
グレープフルーツ含有食品
,
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
中程度のCYP3A阻害剤
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合は患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、併用する場合は患者の状態を慎重に観察すること。
本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
CYP1A1の基質となる薬剤
本剤がCYP1A1を阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
CYP2C8の基質となる薬剤
本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤
本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
MATE1及びMATE2-Kの基質となる薬剤
本剤がMATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
脱水及び電解質失調を来すおそれがある。下痢の兆候又は排便回数の増加がみられた場合は、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の休薬、減量又は中止を考慮すること。
20%以上
10~20%未満
10%未満
胃腸障害
下痢(72.7%)、口内炎(34.0%)
悪心、嘔吐
腹痛
皮膚および皮下組織障害
発疹(67.0%)、爪囲炎(30.6%)
皮膚乾燥、そう痒症
脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群
代謝および栄養障害
低カリウム血症(20.6%)
食欲減退
低マグネシウム血症、高トリグリセリド血症、低リン血症、低アルブミン血症、低カルシウム血症、高血糖、低ナトリウム血症
臨床検査
リパーゼ増加、アミラーゼ増加、体重減少
血中クレアチニン増加、ALP増加、血中尿素増加、糸球体濾過率減少
血液およびリンパ系障害
貧血
リンパ球減少、白血球減少、血小板減少、好中球減少
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労
心臓障害
心電図QT延長、頻脈、上室性期外収縮
眼障害
ドライアイ、結膜炎、眼球乾燥症
腎および尿路障害
蛋白尿
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人の進行非小細胞肺癌患者に本剤20mgを食後に単回及び1日2回反復経口投与したときのセバベルチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。また、本剤20mgを食後に1日2回反復経口投与した際の蓄積率は1.65であった(日本人及び外国人データ)。
パラメータ
n
単回投与
反復投与(1日2回投与15日目)
AUC(0-12)(μg・h/L)
20
3980(45.7)
14
6520(32.8)
Cmax(μg/L)
693(48.3)
875(30.4)
t1/2(h)
19
5.61(21.4)
-
Tmax※(h)
2.87(0.55-7.90)
3.00(0.83-4.00)
幾何平均値(幾何変動係数%)、-:算出せず
※:中央値(範囲)
健康成人21例に本剤20mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食摂取後投与におけるセバベルチニブのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.72及び0.44であり、空腹時投与に対する低脂肪食摂取後投与におけるセバベルチニブのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.84及び0.72であった。
セバベルチニブのヒト血漿タンパク結合率は95.3%であり、M1(脱水素体)のヒト血漿タンパク結合率は98.1%であった(in vitro)。
セバベルチニブは主にCYP3A4によって酸化的に代謝され、主にM1が産生された(in vitro)。CYP1A1による酸化的代謝及びUGTによるグルクロン酸抱合もわずかに認められた(in vitro)。健康成人8例に[14C]セバベルチニブ40mg注2)を単回経口投与したとき、血漿中セバベルチニブ及びM1のAUCは、血漿中総放射能のAUCのそれぞれ59及び39%であった(外国人データ)。
健康成人8例に[14C]セバベルチニブ40mg注2)を単回経口投与したとき、投与放射能の84%が糞中に排泄され、10%が尿中に排泄された。また、投与放射能の1%が未変化体として尿中に排泄された(外国人データ)。
健康成人14例に、イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回3日間反復経口投与した後、本剤10mg注2)を食後に単回経口投与で併用したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のセバベルチニブのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.3及び1.6であった(外国人データ)。,
健康成人15例に、カルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)100~300mgを1日2回11日間反復経口投与した後、本剤40mg注2)を食後に単回経口投与で併用したとき、本剤単独投与時に対するカルバマゼピン併用投与時のセバベルチニブのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.21及び0.43であった(外国人データ)。
健康成人11例に、本剤20mgを食後に1日2回9日間反復経口投与した後、ミダゾラム(CYP3Aの基質)1mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.95及び1.79であった(外国人データ)。
健康成人15例に、本剤20mgを食後に1日2回3日間反復経口投与した後、ダビガトランエテキシラート(P-gpの基質)75mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ダビガトランエテキシラート単独投与時に対する本剤併用投与時のダビガトランエテキシラートのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.39及び0.98であった(外国人データ)。
健康成人21例に、エソメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgを空腹時に1日1回3日間反復経口投与した後、本剤20mgを食後に単回経口投与で併用したとき、本剤単独投与時に対するエソメプラゾール併用投与時のセバベルチニブのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.90及び0.71であった(外国人データ)。健康成人14例に、本剤20mgを食後に1日2回6日間反復経口投与した後、ロスバスタチン[乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質]10mgを食後に単回経口投与で併用したとき、ロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のロスバスタチンのAUC及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.25及び1.37であった(外国人データ)。セバベルチニブはCYP1A1、CYP2C8、MATE1及びMATE2-Kを阻害し、M1はCYP1A1、MATE1及びMATE2-Kを阻害した(in vitro)。また、セバベルチニブはP-gp及びBCRPの基質である(in vitro)。
HER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象とした国際共同第Ⅰ/Ⅱ相試験で本剤を1回20mg1日2回経口投与された①化学療法歴のない患者を対象としたコホート(73例、日本人6例を含む)、②化学療法歴があり、かつHER2を標的とした抗悪性腫瘍剤による治療歴のない患者を対象としたコホート(81例、日本人9例を含む)及び③HER2を標的とした抗体薬物複合体による治療歴のある患者を対象としたコホート(55例、日本人6例を含む)におけるRECIST ver.1.1に基づく盲検下独立中央審査判定による奏効率[95%信頼区間]は、それぞれ①67.1%[55.1, 77.7](49/73例)、②64.2%[52.8, 74.6](52/81例)及び③38.2%[25.4, 52.3](21/55例)であった(2025年3月28日データカットオフ)。また、HER2(ERBB2)遺伝子変異の種類別の奏効率の結果は、下表のとおりであった(2025年8月7日データカットオフ)。
HER2(ERBB2)遺伝子変異
奏効例数/評価例数
奏効率[95%信頼区間※](%)
①全体
53/73
72.6[60.9, 82.4]
TKD変異
エクソン20挿入変異
51/69
73.9[61.9, 83.7]
TKD点変異
0/2
0[0, 84.2]
TKD以外の変異
TMD挿入変異
1/1
100[2.5, 100]
JMD挿入変異
②全体
54/81
66.7[55.3, 76.8]
48/69
69.6[57.3, 80.1]
4/4
100[39.8, 100]
ECD点変異
2/4
50.0[6.8, 93.2]
TMD点変異
0/3
0[0, 70.8]
TKD及びTKD以外の変異
TKD/ECD点変異
0/1
0[0, 97.5]
③全体
21/55
38.2[25.4, 52.3]
20/49
40.8[27.0, 55.8]
1/2
50.0[1.3, 98.7]
※:Clopper-Pearson法により算出
副作用は、①71/73例(97.3%)、②78/81例(96.3%)、③55/55例(100%)に認められた。主な副作用は、①下痢61例(83.6%)、発疹35例(47.9%)、口内炎19例(26.0%)、爪囲炎及び貧血各15例(20.5%)、②下痢70例(86.4%)、発疹41例(50.6%)、爪囲炎22例(27.2%)、そう痒症16例(19.8%)、悪心及び口内炎各15例(18.5%)、③下痢50例(90.9%)、発疹26例(47.3%)、低カリウム血症及び爪囲炎各16例(29.1%)、悪心12例(21.8%)であった。
セバベルチニブは、エクソン20挿入変異等を有するHER2のチロシンキナーゼ活性を阻害し、下流のシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
セバベルチニブは、HER2(ERBB2)遺伝子のエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺癌患者由来CTG-2543腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。
セバベルチニブ水和物(Sevabertinib Hydrate)
3-(3-Chloro-2-methoxyanilino)-2-{3-[(2S)-1,4-dioxan-2-ylmethoxy]pyridin-4-yl}-1,5,6,7-tetrahydro-4H-pyrrolo[3,2-c]pyridin-4-one hydrate
C24H25ClN4O5・xH2O
484.93(無水物)
本品は白色~黄色又は帯赤白色の粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
56錠[28錠(PTP)×2]
文献請求先バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001大阪市北区梅田二丁目4番9号
バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先
電話0120-106-398
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2027年10月末までは、投薬は1回14日分を限度とされています。
バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田二丁目4番9号
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