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劇薬
処方箋医薬品注)
モキシフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、アクネ菌、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、副鼻腔炎
通常、成人にはモキシフロキサシンとして、1回400mgを1日1回経口投与する。
痙攣を起こすことがある。
心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。,,,
症状を悪化させることがある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。,
投与しないこと。臨床試験では除外されている。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(サル、経口)で流産が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット、経口)で乳汁中へ移行することが報告されている。
投与しないこと。動物実験(幼若イヌ、幼若ラット)で関節部の軟骨障害が認められている2),3)。また、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
クラスIA抗不整脈薬
クラスⅢ抗不整脈薬
本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがあり、心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。
これらの抗不整脈薬は単独投与でもQT延長作用がみられている。
チアジド系利尿剤
ループ系利尿剤
糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH
グリチルリチン製剤
低カリウム血症のある患者に本剤を投与した場合、心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。
これらの薬剤が有するカリウム排泄作用により、低カリウム血症を発現することがある。
エリスロマイシン
抗精神病薬
三環系抗うつ薬
本剤を併用した場合、相加的なQT延長がみられるおそれがある。
これらの薬剤ではQT間隔を延長するとの報告がある。
アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤等
鉄剤
本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、本剤服用後2時間以上あけるなど注意すること。
多価の金属イオン含有製剤を併用した場合、難溶性のキレートを形成し、本剤の消化管からの吸収を減少させ、血中濃度を低下させるためと考えられている。
ワルファリン
ワルファリンの作用を増強し、プロトロンビン時間の延長があらわれることがある。本剤を併用する場合は、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等を測定するなど、観察を十分に行うこと。
ワルファリンの肝代謝を抑制、又はタンパク結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられている。
フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤を併用した場合、痙攣を起こすおそれがある。
中枢神経系におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
副腎皮質ホルモン剤(経口剤、注射剤)
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
機序不明
意識消失、咽頭浮腫、顔面浮腫、呼吸困難、じん麻疹等があらわれた場合には投与を中止すること。ショックがあらわれた場合には直ちにアドレナリン等の投与により血圧の維持を図り、必要に応じて気道の確保、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
不整脈の兆候がみられた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。女性及び高齢者ではQT間隔が延長しやすい。,,,,
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、外国において、投与終了数ヵ月後にこれらの症状を発現した症例も報告されている。
失神、意識消失、意識レベルの低下等があらわれることがある。
劇症肝炎、肝炎(主に胆汁うっ滞性)、AST、ALT等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
重篤な低血糖があらわれることがある。高齢者、糖尿病患者であらわれやすい。
観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
,
1~10%未満
0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、じん麻疹
アレルギー反応
精神神経系
頭痛、浮動性めまい
錯感覚、睡眠障害、振戦、傾眠、不安
感覚鈍麻、異常な夢、協調運動障害、会話障害、健忘、情動不安定、うつ病、離人症、精神運動亢進
多発ニューロパシー、注意力障害、精神病性反応、知覚過敏
循環器
動悸、頻脈、高血圧、血管拡張
低血圧
不整脈、心室性頻脈性不整脈、心停止※
消化器
悪心、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、口渇
食欲不振、便秘、鼓腸、口内炎
胃腸炎、嚥下障害
肝臓
ALT上昇、AST上昇
ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
Al-P上昇
腎臓
腎機能障害
脱水
血液
貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増加、INR増加
APTT延長、血小板増加、INR減少
好中球減少
感覚器
回転性めまい、味覚障害、視覚障害
嗅覚障害、耳鳴、聴覚障害
一時的な視力喪失
その他
カンジダ症
発汗、そう痒、無力症、疼痛、アミラーゼ上昇、関節痛、筋痛、呼吸困難、高血糖
高尿酸血症、末梢性浮腫、筋痙攣、高脂血症、関節炎
筋力低下、歩行障害
誤飲等による過量投与によってQT延長を起こすことがある。
心電図検査を行うことが望ましい。透析による除去率は低い。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性6例に400mgを単回経口投与した場合の血漿中濃度は以下のとおりであった8)。
投与量
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
t1/2(hr)
400mg
4.13
1.75
51.5
13.9
健康成人男性6例に400mgを1日1回7日間反復経口投与した場合の定常状態におけるCmax及びAUC0-24は、それぞれ4.08μg/mL、46.7μg・hr/mLであった8)。
絶対的バイオアベイラビリティーは約87%であった9)。
健康成人男性又は感染症患者に400mgを経口投与した場合の各組織及び体液中濃度は以下のとおりであり、良好な組織移行性が確認された10),11),12)。特に肺胞マクロファージ及び気道分泌液には高い濃度が認められた(外国人データ)。血漿タンパク結合率は約50%(in vitro試験)であった13)。
n
投与後時間
血中濃度
組織・体液中濃度
血中濃度に対する比
気管支粘膜
8
3時間
3.2μg/mL
5.4μg/g
1.7
肺胞マクロファージ
5
56.7μg/g
18.6
気道分泌液
20.7μg/mL
6.8
上顎洞
4
3.6μg/mL
7.5μg/g
2.0
篩骨洞
3
8.2μg/g
2.1
鼻ポリープ
9.1μg/g
2.6
水疱液(表皮下)
12
10時間
-
1.6μg/mL
(幾何平均値)
血漿中及び尿中代謝物として、硫酸抱合体及びグルクロン酸抱合体が確認された14)。ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝試験の結果、チトクロームP450(CYP)系を介した代謝物は生成されなかった15)。また、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro阻害試験の結果、3A4、2D6、2C9、2C19、1A2の各CYP分子種に対しても阻害作用を示さなかった16)(外国人データ)。
健康成人男性6例に400mgを単回経口投与した場合、投与後96時間までに投与量の約35%(未変化体:約19%、硫酸抱合体:約3%、グルクロン酸抱合体:約14%)が尿中に、約61%(未変化体:約25%、硫酸抱合体:約36%)が糞中に排泄された14)(外国人データ)。
腎障害患者24例に400mgを単回経口投与した場合、腎機能の低下に伴い未変化体の尿中排泄率及び腎クリアランスは低下したが、血漿中濃度推移に変化は認められなかった17)。血液透析患者及び連続携行式腹膜透析(CAPD)患者の各8例に400mgを1日1回7日間反復経口投与した場合にも、全身クリアランスの低下はみられず、定常状態と初回投与時で未変化体の血漿中濃度推移に変化はなく蓄積性も認められなかった。透析による除去率は、CAPDで約3%、血液透析(5時間)で約9%と低かった18)(外国人データ)。
軽度又は中等度の肝障害患者16例(Child-Pugh分類クラスA:6例、クラスB:10例)に400mgを単回経口投与した場合、代謝物の血漿中濃度は上昇したが、未変化体の血漿中濃度に差は認められなかった19),20)(外国人データ)。,
健康成人男性及び女性(年齢20~71歳)59例に400mgを1日1回7日間反復経口投与した場合、年齢で層別した未変化体の血漿中濃度に差は認められなかった21)。
年齢層
Tmax※(hr)
AUC0-24(μg・hr/mL)
若年(20~39歳)
19
5.06
2.03
59.1
11.5
中年(40~59歳)
20
4.50
53.7
11.2
高齢(60歳以上)
4.95
1.05
57.9
11.7
※:中央値 (幾何平均値)
国内で、市中肺炎を対象とした二重盲検比較試験22)、呼吸器感染症を対象とした一般臨床試験23)及び皮膚科領域感染症を対象とした一般臨床試験24)を実施した。また、海外で、市中肺炎25)、慢性気管支炎の急性増悪26)、単純性皮膚及び皮膚組織感染症27)並びに急性副鼻腔炎28)を対象とした二重盲検比較試験又は一般臨床試験をそれぞれ4試験、3試験、2試験、6試験実施した。1日1回400mg投与における疾患別の有効率は以下のとおりである。
疾患名
国内3試験
国外15試験
有効例数/有効性評価対象例数
有効率(%)
表在性皮膚感染症
26/32
81.3
37/42
88.1
深在性皮膚感染症
50/65
76.9
138/152
90.8
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
14/15
93.3
103/107
96.3
咽頭・喉頭炎
22/22
100
-※
扁桃炎
7/8
急性気管支炎
25/25
肺炎
136/143
95.1
695/744
93.4
慢性呼吸器病変の二次感染
57/65
87.7
900/998
90.2
副鼻腔炎
1330/1528
87.0
※:本疾患を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤は細菌のDNAジャイレース及びトポイソメレースⅣに対して阻害活性を示し、殺菌的に作用する29),30)。
グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌及び非定型菌に対し、幅広い抗菌スペクトルを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、アクネ菌、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して強い抗菌活性を示す。特に呼吸器感染症の原因菌である肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)に対して、同系統のレボフロキサシンより優れた抗菌活性を示した29),31),32),33),34),35)。
肺炎球菌によるマウスの呼吸器感染症モデルにおいて、経口投与による生存率の改善が認められ、同系統のレボフロキサシンより優れた治療効果を示した31)。
モキシフロキサシン塩酸塩(Moxifloxacin Hydrochloride)略号:MFLX
1-Cyclopropyl-6-fluoro-8-methoxy-7-[(4aS,7aS)-octahydropyrrolo[3,4-b]pyridin-6-yl]-4-oxo-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid monohydrochloride
C21H24FN3O4・HCl
437.89
本品は淡黄色~黄色の結晶性の粉末である。本品は水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。
50錠[5錠(PTP)×10]
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編: 抗微生物薬適正使用の手引き
2) 社内資料: 幼若イヌにおける亜急性毒性(2005年10月11日承認、申請資料概要ニ.6.7.1)
3) 社内資料: ラットにおける関節毒性(2005年10月11日承認、申請資料概要ニ.6.7.3)
4) 社内資料: イヌにおける亜慢性毒性(2005年10月11日承認、申請資料概要ニ.2.6)
5) 社内資料: ラットにおける慢性毒性(2005年10月11日承認、申請資料概要ニ.2.7)
6) 社内資料: イヌにおける亜急性毒性(2005年10月11日承認、申請資料概要ニ.2.3)
7) 社内資料: イヌにおける眼毒性(2005年10月11日承認、申請資料概要ニ.6.8)
8) 大西明弘他: 薬理と治療. 2005; 33: 1029-1045
9) 社内資料: 臨床薬理試験/絶対的バイオアベイラビリティー(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.3.2.4)
10) 社内資料: 肺組織への移行(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.3.2.5)
11) Gehanno P, et al.: J Antimicrob Chemother. 2002; 49: 821-826
12) Muller M, et al.: Antimicrob Agents Chemother. 1999; 43: 2345-2349
13) Siefert HM, et al.: J Antimicrob Chemother. 1999; 43(S-B): 69-76
14) Stass H, et al.: J Antimicrob Chemother. 1999; 43(S-B): 83-90
15) 社内資料: ラット、サル及びヒトの肝ミクロゾーム分画における代謝(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.2.3.2)
16) 社内資料: CYP分子種に対する阻害能(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.2.3.3)
17) Stass H, et al.: Br J Clin Pharmacol. 2002; 53: 232-237
18) 社内資料: 透析患者における薬物動態(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.3.2.7.4)
19) 社内資料: 軽~中等度の肝障害患者における薬物動態(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.3.2.7.1)
20) 社内資料: 中等度の肝障害患者における薬物動態(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.3.2.7.2)
21) 社内資料: 臨床薬理試験/QTc延長に対する検討(2005年10月11日承認、申請資料概要ヘ.3.1.5)
22) 社内資料: 市中肺炎を対象とした二重盲検比較試験/ブリッジング試験(2005年10月11日承認、申請資料概要ト.1.6.1)
23) 社内資料: 呼吸器感染症を対象とした一般臨床試験(2005年10月11日承認、申請資料概要ト.1.6.2)
24) 社内資料: 皮膚科領域感染症を対象とした一般臨床試験(2005年10月11日承認、申請資料概要ト.1.6.3)
25) 社内資料: 海外第Ⅲ相試験/市中肺炎(2005年10月11日承認、申請資料概要ト.1.5.1)
26) 社内資料: 海外第Ⅲ相試験/慢性気管支炎の急性増悪(2005年10月11日承認、申請資料概要ト.1.5.2)
27) 社内資料: 海外第Ⅲ相試験/単純性皮膚及び皮膚組織感染症(2005年10月11日承認、申請資料概要ト.1.5.3)
28) 社内資料: 海外第Ⅲ相試験/急性副鼻腔炎(2005年10月11日承認、申請資料概要ト.1.5.4)
29) Dalhoff A, et al.: Chemotherapy. 1996; 42: 410-425
30) Schedletzky H, et al.: J Antimicrob Chemother. 1999; 43(S-B): 31-37
31) 西野武志他: 日化療会誌. 2005; 53(S-3): 1-15
32) 田中香お里他: 日化療会誌. 2005; 53(S-3): 21-26
33) 社内資料: クラミジアにおける抗菌力(2005年10月11日承認、申請資料概要ホ.1.1.2.1.4)
34) 濱本久美子他: 日化療会誌. 2000; 48: 708-712
35) 社内資料: 臨床分離株における抗菌力(2005年10月11日承認、申請資料概要ホ.1.1.2.1.1)
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