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処方箋医薬品注)
成人
本剤に感性のブドウ球菌属、腸球菌属、炭疽菌、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、レジオネラ属
敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、炭疽
小児
本剤に感性の炭疽菌、大腸菌、緑膿菌
複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、炭疽
通常、シプロフロキサシンとして、1回400mgを1日2回、1時間かけて点滴静注する。患者の状態に応じて1日3回に増量できる。
複雑性膀胱炎、腎盂腎炎:通常、シプロフロキサシンとして、1回6~10mg/kgを1日3回、1時間かけて点滴静注する。ただし、成人における1回量400mgを超えないこととする。炭疽:通常、シプロフロキサシンとして、1回10mg/kgを1日2回、1時間かけて点滴静注する。ただし、成人における1回量400mgを超えないこととする。
通常、シプロフロキサシンとして、1回10mg/kgを1日3回、1時間かけて点滴静注する。ただし、成人における1回量400mgを超えないこととする。
クレアチニンクリアランス(Ccr)(mL/min)
用法・用量
30≦Ccr≦60
1回200mgを12時間ごとに投与
Ccr<30
1回200mgを24時間ごとに投与
病状により必要と判断された場合には1回量として400mgを投与する。なお、クレアチニンクリアランス値(mL/min)=[体重(kg)×(140-年齢)]/[72×血清クレアチニン値(mg/dL)]、女性の場合はこれに0.85を乗ずること1)。
本剤には塩化ナトリウムが含まれている。
痙攣を起こすことがある。
症状を悪化させることがある。
QT延長を起こすことがある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。,
慎重に投与すること。高い血中濃度が持続する。,
授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。
ケトプロフェン(注射剤、坐剤)(カピステン等)
痙攣を起こすことがあるので、併用しないこと。
併用により、ニューキノロン系抗菌剤のGABAA受容体への阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられている。てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、腎障害のある患者では特に注意すること。
チザニジン塩酸塩(テルネリン)
チザニジンのCmaxが7倍、AUCが10倍それぞれ上昇し、血圧低下、傾眠、めまい等があらわれたとの報告がある。チザニジンの作用を増強させるおそれがあるので、併用しないこと。
チザニジンの肝での代謝を阻害し、チザニジンの血中濃度を上昇させると考えられている。
ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
ロミタピドの代謝酵素(CYP3A4)が阻害されるおそれがある。
テオフィリンアミノフィリン水和物
テオフィリンのCmaxが17%、AUCが22%それぞれ上昇したとの報告がある3)。テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。
テオフィリンの肝での代謝を抑制し、クリアランスを減少させるためと考えられている。肝障害のある患者、高齢者では特に注意すること。
カフェインデュロキセチン塩酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
これらの薬剤の肝での代謝を抑制し、クリアランスを減少させるためと考えられている。
フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤
プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただし、ケトプロフェン(注射剤、坐剤)とは併用禁忌)
痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
シクロスポリン
相互に副作用(腎障害等)が増強されるおそれがあるので、頻回に腎機能検査(クレアチニン、BUN等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。
発現機序の詳細は不明であるが、相互に肝での代謝を抑制し、一方又は両方の血中濃度が上昇するためと考えられている。肝障害のある患者、高齢者では特に注意すること。
ワルファリン
ワルファリンの作用を増強し、出血、プロトロンビン時間の延長等があらわれることがある。本剤を併用する場合は、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等を測定するなど、観察を十分に行うこと。
発現機序の詳細は不明であるが、ワルファリンの肝での代謝を抑制し、クリアランスを減少させるためと考えられている。
スルホニル尿素系血糖降下剤
スルホニル尿素系血糖降下剤の作用を増強し、低血糖があらわれることがある。
発現機序の詳細は不明であるが、グリベンクラミドの肝での代謝を阻害するとの報告4)がある。また、膵臓のβ細胞を用いたin vitro試験において、本剤がインスリン分泌作用を促進するとの報告がある。
ロピニロール塩酸塩
ロピニロールのCmaxが60%、AUCが84%それぞれ上昇したとの報告がある。ロピニロールの投与中に本剤を投与開始又は投与中止する場合には、必要に応じてロピニロールの用量を調節すること。
併用により、ロピニロールの肝での代謝が阻害されるためと考えられている。
メトトレキサート
メトトレキサートの血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。併用する場合には患者の状態を十分に観察すること。
発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている。
クラスIA抗不整脈薬
クラスⅢ抗不整脈薬
本剤を併用した場合、QT延長がみられるおそれがある。
併用により、QT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
クロザピンオランザピン
経口剤においてクロザピン及びその代謝物の血中濃度が29%と31%それぞれ上昇したとの報告がある。左記薬剤の投与中に本剤を投与開始又は投与中止する場合には、必要に応じて左記薬剤の用量調節をすること。
併用により、左記薬剤の肝での代謝が阻害されるためと考えられている。
シルデナフィルクエン酸塩
シルデナフィルのCmax及びAUCがそれぞれ約2倍上昇したとの報告がある。
CYP3A4阻害によりクリアランスが減少するとの報告もあるが、発現機序の詳細は不明である。
フェニトイン
フェニトインの血中濃度が低下したとの報告がある。本剤を併用する場合は、フェニトインの血中濃度を測定するなど、観察を十分に行うこと。
機序不明
副腎皮質ホルモン剤(経口剤、注射剤)
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、浮腫、じん麻疹等)があらわれることがある。
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので注意すること。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
重篤な低血糖があらわれることがある。高齢者、特にスルホニル尿素系血糖降下剤併用患者であらわれやすい。
特に、腎機能が低下している患者や高齢者であらわれやすい。
劇症肝炎、著しいAST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、外国において、投与終了数ヵ月後にこれらの症状を発現した症例も報告されている。
,
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒、じん麻疹、発熱、浮腫(末梢、血管、顔面、咽頭)
光線過敏症、固定薬疹、血清病様反応、発赤(結節性紅斑)
腎臓
クレアチニン上昇
血尿、結晶尿、BUN上昇
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
循環器
頻脈、失神、ほてり、低血圧、片頭痛
血液
好酸球増多、貧血
点状出血、プロトロンビン量増加、溶血性貧血、赤血球減少、白血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板増加、白血球増加
消化器
下痢、嘔気、胃不快感
腹痛、消化不良、膵炎、食欲不振、腹部膨満感、嘔吐、口内炎
感覚器
眼内異物感
味覚異常、無嗅覚、嗅覚錯誤、一過性難聴、耳鳴、視覚異常
精神神経系
頭痛、めまい
眠気、無力症、不眠症、不安、発汗、悪夢、幻覚、精神病、失調、末梢性ニューロパシー(しびれ感等)、筋緊張亢進、頭蓋内圧亢進、激越、意識障害、振戦
投与部位
注射部位反応(血管痛、静脈炎、紅斑、炎症等)
その他
高血糖
関節痛、筋肉痛、モニリア症、呼吸困難、胸痛、背部痛、関節障害、筋無力症、CK上昇、倦怠感
腎毒性があらわれたとの報告がある。
腎機能をモニターするとともに、水分及び電解質の補充を行う。シプロフロキサシンは腹膜透析、血液透析では少量(10%程度)しか除去されない。
保管中に白色の結晶が析出することがあるので、このような場合には温めて結晶を溶解して使用すること。
プロベネシドとの併用により、本剤の最高血中濃度は大きく変化しなかったが、t1/2の延長とAUCの増加が認められたとの報告がある(外国人データ)。
日本人健康成人に1回200、300mgを1時間点滴静注した場合、血中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである6),7)。
投与量
t1/2α(hr)
t1/2β(hr)
Cmax(μg/mL)
Vc(L)
Vss(L)
CLtot(L/hr)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
200mg
0.20±0.01
3.5±0.3
2.53±0.16
29.1±2.1
117.3±16.0
30.3±3.2
6.66±0.73
300mg
0.12±0.03
2.6±0.3
3.33±0.55
23.3±7.4
111.8±21.8
41.5±9.3
7.49±1.39
t1/2:半減期、Cmax:最高血中濃度、Vc:体循環分布容積Vss:定常状態分布容積、CLtot:総クリアランスAUC:血中濃度時間曲線下面積
外国人健康成人に1回200~400mgを1時間点滴静注した結果、本薬の薬物動態は400mgまで線形であることが示唆された8),9)。
日本人患者に1回400mgを1日2回又は1日3回1時間点滴静注反復投与した場合の投与開始3~6日目における血中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである10)。
AUCτ,ss(μg・hr/mL)
Cmax,ss(μg/mL)
t1/2,ss※(hr)
400mg 1日2回
25.8(23.4)[21]
8.07(22.5)[22]
2.44~8.10[23]
400mg 1日3回
22.2(28.8)[8]
8.14(24.1)[8]
3.00~4.54[8]
幾何平均(変動係数%)[例数] ※:範囲
健康成人男子(20~22歳)6名を対象に本剤200mgを90分点滴静注により、シプロキサン錠200mg及び300mg(100mg錠2錠または3錠)を経口投与により、クロスオーバー法にてそれぞれ単回投与した。本剤200mg点滴静注時の血中濃度は投与終了時に200mg経口投与時より1.5倍高いピーク値(Cmax)を示し、その後は比較的速やかに低下し、経口投与時と同様の推移で消失した。また、200mg点滴静注時のAUC0-∞は、経口投与時の1.2倍であった。なお、200mg点滴静注時の血中濃度を300mg経口投与時注1)と比較したとき、Cmaxは1.2倍、AUCは0.9倍であった。シプロフロキサシンの経口投与時のバイオアベイラビリティは、82.5%であった11)。
tmax(hr)
AUC(μg・hr/mL)
300mg経口投与
1.71±0.17
0.98±0.16
0.58±0.14
3.40±0.22
―
7.31±0.50
200mg経口投与
1.41±0.09
0.98±0.13
0.61±0.10
3.49±0.24
5.42±0.21
200mg点滴静注(90分)
2.06±0.07
1.50±0.00
0.24±0.05
3.89±0.17
30.6±1.3
6.60±0.27
体液、組織内移行性は良好であり、喀痰、胆汁、死腔液、腹水への移行が認められた12),13),14)。また、外国人で肺組織、胆汁、女性性器組織(腟、卵巣、卵管、子宮)、副鼻腔粘膜、前立腺で血中濃度と同程度若しくはそれ以上、腹膜及びその滲出液、腹水、皮膚、脂肪組織、扁桃で血中濃度と同程度の体液及び組織中濃度が認められている15)。
健康成人に1回300mgを1時間点滴静注した場合、血中及び尿中代謝物として脱エチレン体(M1)、N-硫酸抱合体(M2)、オキソ体(M3)の3種が検出されている。血中濃度推移から求めた未変化体に対する存在比はそれぞれ1.8%、4.8%、7.3%と低かった7)。
本剤は主として腎臓から排泄される。健康成人に1回300mgを1時間点滴静注した場合、投与量に対する投与後24時間までの尿中排泄率は未変化体:58.1%、代謝物M1:1.0%、M2:2.6%、M3:4.6%であり、未変化体と代謝物あわせて66.3%である7)。,
クレアチニンクリアランス投与量・投与間隔
Cmax(mg/L)1日目
AUC(mg・hr/L)1日目
AUC0-24c(mg・hr/L)5日目
t1/2(hr)1日目
CLtot(L/hr/kg)1日目
CLr(L/hr/kg)1日目
Ccr>90a400mg8時間ごと(10例)
3.80(14)
10.2(19)
32.5(18)
4.59(16)
0.45(20)
0.234(12)
61≦Ccr≦90a400mg8時間ごと(11例)
4.59(20)b
15.4(22)b
50.4(22)b
5.23(32)
0.33(19)b
0.138(80)
31≦Ccr≦60a400mg12時間ごと(11例)
5.35(28)b
21.5(26)b
48.3(24)b
5.72(13)b
0.23(20)b
0.087(47)b
Ccr≦30a300mg12時間ごと(10例)
4.28(21)b
30.1(28)b
66.3(29)b
8.33(30)b
0.13(26)b
0.018(86)b
幾何平均(変動係数%)a:単位 mL/min/1.73m2b:p<0.05(vs. Ccr>90a group)c:AUC0-τ, ss×投与回数/日Ccr:クレアチニンクリアランス(24時間内因性クレアチニンクリアランス試験による)CLr:腎クリアランス
投与時期
Cmax(mg/L)
AUC0-24(mg・hr/L)
AUC(mg・hr/L)
AUCnorm(kg・hr/L)
t1/2(hr)
CLr(L/hr)
CLd(L/hr)
血液透析後
7.01(44)
39.4(41)
44.7(56)
8.84(50)
12.5(68)
129.2(22)
8.95(56)
0.10(169)
1.18(85)
血液透析2時間前
5.71(45)
34.6(45)
38.4(55)
7.65(45)
11.4(62)
160.4(27)
10.4(55)
0.11(158)
2.44(37)
幾何平均(変動係数%)、7例CLd(dialysate clearance):血液透析によるクリアランスAUCnorm:体重当たりの投与量(mg/kg)で標準化したAUC
小児患者を対象とした母集団薬物動態解析の結果、非嚢胞性線維症小児患者(体重30kg、クレアチニンクリアランス100mL/minを想定)におけるクリアランス及び分布容積の母集団平均値はそれぞれ0.60L/h/kg及び2.16L/kgであり、承認用法・用量を投与した際の薬物動態は、小児患者と成人患者とで明らかな差はないことが推定された18)(外国人データ)。
高齢者(70~76歳)に1回200mg1日1回1時間点滴静注(1例)、1回300mg1日2回1時間点滴静注(4例)した場合、健康成人と比較してAUCの増加、CLtotの低下が認められ、またCmaxの増加、Vssの低下が示唆された12),13)。,
年齢(歳)
200mg1時間点滴
71
0.27
2.6
3.51
24.9
69.0
28.8
6.95
300mg1時間点滴
70
0.11
2.7
3.53
24.8
97.2
29.8
10.08
0.30
3.5
5.71
24.3
77.6
22.6
13.29
75
0.71
3.6
3.13
73.5
108.8
24.4
12.31
76
0.47
5.16
36.6
75.4
19.5
15.37
炭疽に対する臨床試験は国内外とも実施されていない。
疾患名
有効率
①に該当する症例
②に該当する症例
その他の症例
合計
効能・効果にあげた疾患
敗血症
0/1
3/3
3/4
6/8(75.0)
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
9/10(90.0)
8/8(100)
31/33(93.9)
48/51(94.1)
肺炎
4/5
5/5
100/120(83.3)
109/130(83.8)
胆嚢炎、胆管炎
0/2
11/12(91.7)
14/18(77.8)
腹膜炎
2/2
13/17(76.5)
21/27(77.8)
22/28(78.6)
18/20(90.0)
158/186(84.9)
198/234(84.6)
①:第3世代セフェム系注射用抗菌剤無効例②:カルバペネム系注射用抗菌剤無効例※:前治療注射剤無効の定義:本剤投与開始3日前までに第3世代セフェム系あるいはカルバペネム系注射用抗菌剤が3日間以上投与され十分な効果が得られなかった症例
首記の適応症に対する本剤の有効率は第3世代セフェム系注射用抗菌剤無効例で78.6%(22/28例)、カルバペネム系注射用抗菌剤無効例で90.0%(18/20例)であった。起炎菌別有効率ではブドウ球菌属では68.8%(11/16例)、腸球菌属では92.3%(12/13例)、大腸菌では(4/5例)、クレブシエラ属では57.1%(4/7例)、エンテロバクター属では87.5%(7/8例)、緑膿菌では80.8%(21/26例)であった。細菌性肺炎を対象に本剤1回300mgあるいは対照薬としてセフタジジム水和物1回2g、それぞれ1日2回点滴静注を行った比較試験における有効率は、本剤85.7%(78/91例)、対照薬84.0%(63/75例)であり、臨床効果における同等性(非劣性)が検証された。一方、細菌学的効果が判定できた症例での菌消失率は本剤78.9%(30/38例)、対照薬100%(28/28例)と本剤が有意に劣っていた。起炎菌別にみると、肺炎球菌単独菌感染例で本剤の菌消失率が58.3%(7/12例)と対照薬100%(8/8例)に比較して低値を示した19)。重症あるいは難治性感染症(内科、泌尿器科及び外科系)患者を対象として本剤200mg1日2~3回又は300mg1日2回点滴静注した後期第Ⅱ相試験における複雑性尿路感染症患者での有効率は40.6%(13/32例)と低かった13)。
重症又は他の抗菌剤で効果が得られない細菌性肺炎又は慢性呼吸器病変の二次感染の入院患者を対象に本剤400mg1日2回あるいは3回点滴静注を行った臨床試験における治癒判定時(最終投与後5~10日目)の細菌性肺炎での治癒率(「治癒」であった被験者の割合)は70.0%(14/20例)であった。細菌学的効果が判定できた症例での治癒判定時の菌消失率は54.5%(6/11例)であった10)。副作用(臨床検査値の異常変動を含む)は38例中17例(44.7%)に認められ、主な副作用はALT上昇、AST上昇、肝機能異常、好酸球増多、血管炎、注射部位紅斑及び注射部位反応であり、それぞれ2例(5.3%)に認められた。
複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者(1~17歳)を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験において、治癒判定時(治療終了後5~9日目)の臨床効果が「治癒」又は「改善」であった被験者の割合は、シプロフロキサシン注2)95.7%(202/211例)、対照薬※192.6%(214/231例)であり、群間差[95%信頼区間]は、3[-1.3、7.3]%で、対照に対する非劣性(非劣性マージン:12%)が検証された。治癒判定時の菌消失率はシプロフロキサシン86%(178/206例)、対照薬81%(181/224例)であった2)。副作用は335例中53例に認められ、主な副作用は下痢13件(3.9%)、嘔吐9件(2.7%)、消化不良7件(2.1%)等であった。
嚢胞性線維症の肺感染増悪の小児患者(5~17歳)を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験において、投与終了時の臨床効果が「改善」であった被験者の割合は、シプロフロキサシン注2)100%(41/41例)、対照薬※2100%(43/43例)であり、投与終了時の1秒量(FEV1)のベースラインからの変化率は、シプロフロキサシン12.3%、対照薬16.4%であった20)。炭疽に対する臨床試験は国内外とも実施されていない。副作用は67例中40例に認められ、主な副作用は肝機能検査異常11件(16.4%)、注射部位疼痛10件(14.9%)、注射部位反応10件(14.9%)、発疹7件(10.4%)、静脈炎7件(10.4%)、関節障害5件(7.5%)、嘔吐5件(7.5%)、関節痛4件(6.0%)、好酸球増加症4件(6.0%)等であった。
※1:セフタジジムとセフィキシム又はトリメトプリム・スルファメトキサゾールとの併用レジメン※2:トブラマイシンとセフタジジムとの併用レジメン
細菌のDNAジャイレースに作用し、DNA合成を阻害する。抗菌作用は殺菌的で溶菌作用が認められる。最小発育阻止濃度は最小殺菌濃度とほぼ一致し、細菌の対数増殖期だけでなく休止期にも作用する21)。
シプロフロキサシン(Ciprofloxacin)略号:CPFX
1-Cyclopropyl-6-fluoro-4-oxo-7-(piperazin-1-yl)-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid
C17H18FN3O3
331.34
本品は白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。本品は水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。本品はアンモニア試液に溶ける。本品は光によって徐々に黄みを帯びる。
約270℃(分解)
100mL[ソフトバッグ1袋×10]
200mL[ソフトバッグ1袋×10]
1) Cockcroft DW, et al.: Nephron. 1976; 16: 31-41
2) 社内資料: 複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者における二重盲検試験(外国人)(2015年9月24日承認、CTD2.7.6.22)
3) 二木芳人他: 基礎と臨床. 1986; 20: 8903-8913
4) Roberge RJ, et al.: Ann Emerg Med. 2000; 36: 160-163
5) 中川武正他: 炎症. 1995; 15: 337-338
6) 安永幸二郎他: 基礎と臨床. 1997; 31: 2433-2466
7) 東純一他: 基礎と臨床. 1997; 31: 2701-2725
8) 社内資料: 健康成人における薬物動態(外国人300及び400mg)(2015年9月24日承認、CTD2.7.6.1)
9) 社内資料: 健康成人における薬物動態(外国人200及び400mg)(2015年9月24日承認、CTD2.7.6.2)
10) 社内資料: 肺炎又は慢性呼吸器病変の二次感染の日本人患者における高用量の非盲検試験(2015年9月24日承認、CTD2.7.6.28)
11) 安永幸二郎他: 基礎と臨床. 1997; 31: 2503-2512
12) 原耕平他: 日化療会誌. 1997; 45: 923-935
13) 小林宏行他: 日化療会誌. 1997; 45: 846-871
14) 相川直樹他: 日化療会誌. 1997; 45: 936-950
15) Bergan T: Diag Microbiol Infect Dis. 1990; 13: 103-114
16) Shah A, et al.: J Antimicrob Chemother. 1996; 38: 103-116
17) 社内資料: 血液透析患者における薬物動態(外国人)
18) 社内資料: 小児患者における薬物動態(外国人)
19) 原耕平他: 日化療会誌. 1997; 45: 901-922
20) 社内資料: 嚢胞性線維症の小児患者における二重盲検試験(外国人)(2015年9月24日承認、CTD2.7.6.24)
21) 山下悟他: Chemotherapy. 1985; 33(S-7): 1-17
22) 社内資料: キノロン系抗菌剤Ciprofloxacinに関するin vitro抗菌力
23) 社内資料: 新キノロン系合成抗菌剤Ciprofloxacinの試験管内抗菌力
24) 社内資料: Ciprofloxacinに関する細菌学的評価
25) Saito A, et al.: J Antimicrob Chemother. 1986; 18: 251-260
26) 山口惠三他: Jpn J Antibiotics. 2008; 61: 241-268
27) Takesue Y, et al.: J Infect Chemother. 2012; 18: 816-826
28) 西野武志他: Chemotherapy. 1996; 42: 140-145
29) Friedlander AM, et al.: J Inf Dis. 1993; 167: 1239-1243
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