当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
HIV感染症患者における口腔カンジダ症(軽症、中等症)
通常、成人には1回1錠(クロトリマゾールとして10mg)を1日5回口腔内投与する(起床から就寝までの間に、3~4時間毎に使用する)。本剤は口腔内で唾液により徐々に溶解しながら用いるもので、噛み砕いたり、呑み込んだり、強くしゃぶったりせずに、完全に溶解するまで口腔内に留めて使用すること。
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬(イトラコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール)において、乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
免疫抑制剤
タクロリムス水和物の血中濃度が上昇することが報告されている。
本剤がタクロリムス水和物の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている。
0.1~5%未満
頻度不明
肝臓
AST上昇、ALT上昇等
消化器
嘔気、嘔吐、腹痛
口腔
口内乾燥、口腔疼痛
口内灼熱感
皮膚
そう痒
外国において過量投与(クロトリマゾール60~100mg/kg/日)により抑うつ、見当識障害、傾眠、視覚障害があらわれたとの報告がある。
逆転写酵素阻害剤及びプロテアーゼ阻害剤などのエイズ治療薬との薬物相互作用について検討した成績はない。
健康成人12例に10mgトローチを口腔内投与した場合、血漿中には未変化体及び非活性代謝物(カルビノール体)が定常状態でそれぞれ4.1ng/mL及び19ng/mLと低濃度検出されたが、蓄積性は認められなかった1)(外国人データ)。
健康成人12例に10mgトローチを口腔内投与した場合、服用後速やかに治療に十分な唾液中濃度が得られ、投与3時間後においても2μg/mLのクロトリマゾール濃度が維持されていた1)(外国人データ)。
HIV感染者における口腔カンジダ症8例を対象に本剤10mg錠を1回1錠、1日5回14日間口腔内投与した。集計対象症例6例の有効性については、自他覚症状の推移による「臨床症状改善度」及び真菌の消長による「真菌学的効果」、これらを総合的に評価した「総合臨床効果」で評価が行われ、臨床症状改善度は、「消失」4例、「改善」1例、「不変」1例で臨床改善率は5/6例(83.3%)であった。真菌学的効果は、「真菌消失」5例、「判定不能」1例で、「判定不能」の1例を除いた5症例における消失率は5/5例(100.0%)であった。集計対象症例8例中1例(12.5%)に副作用が認められ、傾眠、倦怠感各1件(12.5%)であった。
米国において免疫低下状態の患者における口腔カンジダ症を対象に実施された比較試験を含む12試験を実施した。有効性評価対象例57例中、有効以上は28例(49.1%)、やや有効以上は55例(96.5%)であった。安全性評価対象例166例中13例(7.8%)に副作用が認められ、主な副作用は嘔気6件(3.6%)、嘔吐3件(1.8%)、肝酵素上昇3件(1.8%)等であった。
クロトリマゾールは真菌細胞の細胞膜、核膜等の膜系構造のリン脂質分子に特異的親和性を持って結合し、その透過性を変化させ、抗真菌作用を示す2),3)。
クロトリマゾールはCandida属の病原真菌に対して強い抗真菌作用を有する4)。各種Candida属の臨床分離株に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりである5)(in vitro)。
菌種
MIC
Candida
albicans
glabrata
tropicalis
krusei
≦0.015~4μg/mL
0.25~2μg/mL
0.03~0.5μg/mL
クロトリマゾール(Clotrimazole)
1-[(2-Chlorophenyl)(diphenyl)methyl]-1H-imidazole
C22H17ClN2
344.84
本品は白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。本品はジクロロメタン又は酢酸(100)に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
142~145℃
70錠[瓶、バラ]
1) 社内資料: 薬物動態
2) 岩田和夫他: 日本細菌学雑誌. 1973; 28: 513-521
3) 山口英世他: 日本細菌学雑誌. 1974; 29: 379-385
4) Plempel M, et al.: Arzneim-Forsch. 1972; 22: 1280-1289
5) 社内資料: 薬効薬理(in vitro)
文献請求先バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
〒530-0001大阪市北区梅田二丁目4番9号
バイエル医療用医薬品のお問い合わせ先電話0120-106-398
バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田二丁目4番9号
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.