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2.1 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔
浸潤麻酔又は伝達麻酔には、通常成人0.3~1.8mLを使用する。口腔外科領域の麻酔には、3~5mLを使用する。なお、年令、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減するが、増量する場合には注意すること。
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
9.2.1 重症の腎機能障害のある患者 中毒症状が発現しやすくなる。
9.3.1 重症の肝機能障害のある患者 中毒症状が発現しやすくなる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。また、本剤に含まれているアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある。
ハロゲン含有吸入麻酔薬 ハロタン等
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。
これらの薬剤は、心筋のアドレナリン受容体の感受性を亢進させる。
三環系抗うつ薬 イミプラミン等MAO阻害薬
血圧上昇を起こすことがある。
これらの薬剤は、アドレナリン作動性神経終末でのカテコール アミンの再取り込みを阻害し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させ、アドレナリン作動性神経刺激作用を増強させる。
非選択性β遮断薬 プロプラノロール等
血管収縮、血圧上昇、徐脈を起こすことがある。
これらの薬剤のβ受容体遮断作用により、アドレナリンのα受容体刺激作用が優位になり、血管抵抗性を上昇させる。
抗精神病薬(ブチロフェノン系、フェノチアジン系等) ハロペリドール クロルプロマジン等α遮断薬
過度の血圧低下を起こすことがある。
これらの薬剤のα受容体遮断作用により、アドレナリンのβ受容体刺激作用が優位になり、血圧低下があらわれる。
分娩促進薬 オキシトシン等麦角アルカロイド類 エルゴメトリン等
併用により血管収縮作用が増強される。
クラスⅢ抗不整脈薬 アミオダロン等
心機能抑制作用が増強するおそれがある。
作用が増強することが考えられる。
11.1.1 ショック(頻度不明)徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。11.1.2 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明)意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.3 異常感覚、知覚・運動障害(いずれも頻度不明)注射針の留置時に神経に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
11.1.4 悪性高熱(頻度不明)まれに原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を投与中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素による過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。
頻度不明
中枢神経注)
眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、頭痛等
循環器
動悸、頻脈、血圧上昇等
消化器注)
悪心・嘔吐等
過敏症
蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等
投与部位
潰瘍、壊死等
局所麻酔薬の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に誤って血管内に投与した場合には、数分以内に発現することがある。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。
13.1 症状
13.1.1 中枢神経系の症状 初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
13.1.2 心血管系の症状 血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
13.2 処置 振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
本品は一回限り使用のディスポーザブル製剤であるので、再度の使用は避けること。
14.2.1 使用前にカートリッジの頭部(アルミキャップ)メンブランをアルコールで軽く消毒すること。14.2.2 本剤は、金属を侵す性質があるので、長時間注射針に接触させないことが望ましい。14.2.3 強圧をかけずにできるだけゆっくり注射すること。 骨膜下への強圧注射は組織の損傷又はガラスチューブの破折注)につながるおそれがある。
注) 注射器のプランジャーを20kgの力で押すと構造上約55kg/cm2の内圧がガラスチューブに加わる。本品は使用に際して20kg以上の力が加わると、ガラスチューブが破損したりあるいは液もれを生じることがある。
健康人に2%リドカイン液2mL又は4mL(リドカイン塩酸塩40mg又は80mg)を単独あるいはアドレナリンを添加(1:80,000)して下顎孔伝達麻酔・頬側浸潤麻酔に用いたとき、アドレナリン添加時の血漿中濃度は、単独投与時に比べ最高濃度の有意な低下、最高濃度到達時間の有意な延長が認められた1) 。
健康人に2%リドカイン液2mL又は4mL(40mg又は80mg)を伝達・浸潤麻酔したときの血漿中濃度推移
投与群/パラメータ
Cmax(μg/mL)
Tmax(μg/mL)
アドレナリン非添加
0.93±0.10
11.4±1.4
アドレナリン添加
0.56±0.05
18.9±2.2
高齢者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の終末相半減期は140分を示し、若齢者の81分に比べて延長した2)
リドカイン2μg/mLの血漿蛋白結合率は約65%で、α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は約0.8であることから、血球への分布は少ないと考えられる。妊婦にリドカイン塩酸塩を硬膜外投与したとき、臍帯静脈血液中濃度と母体血漿中濃度の比は0.5~0.7で、胎盤を通過する3) 。
リドカインは、主として肝臓でN-脱エチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX)、2,6-xylidineに代謝され、約70%が4-hydroxy-2,6-xylidineとして尿中に排泄される4) 。
3H標識リドカイン250mgを外国人健康人に経口投与したとき、24時間の尿中放射能排泄率は投与量の83.8%、未変化体は投与量の2.8%であった4) 。
外国人心不全患者及び腎不全患者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の消失半減期は、健康人に比べ有意な変動はないが、肝機能低下患者では約3倍に延長した5) 。
リドカイン塩酸塩は、神経膜のナトリウムチャネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経及び運動神経を遮断する局所麻酔薬である。
リドカイン塩酸塩の表面・浸潤・伝達麻酔作用は、プロカイン塩酸塩よりも強く、作用持続時間はプロカイン塩酸塩よりも長い。また、アドレナリン添加により、その作用は増強される6)7)8)9)10)11) 。
リドカイン Lidocaine(JAN)
2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide
C14H22N2O
234.34
リドカインは白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
66~69℃
アドレナリン Adrenaline(JAN)
(1R)-1-(3,4-Dihydroxyphenyl)-2-(methylamino)ethanol
C9H13NO3
183.20
アドレナリンは白色~灰白色の結晶性の粉末で、においはない。酢酸(100)に溶けやすく、水に極めて溶けにくく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。空気又は光によって徐々に褐色となる。
20.1 凍結するとゴム栓の飛び出し又はカートリッジの破損が起こることがあるので注意すること。20.2 外箱開封後は遮光して保存すること。20.3 廃棄の際は感染防止に配慮すること。
1.8mL×50管(カートリッジ)
1) 伊東哲ほか:日本歯科麻酔学会雑誌 1979;7(2):212-213
2) Nation, R.L., et al.:Br. J. Clin. Pharmacol.1977;(4):439-448
3) Burm, A.G.L.:Clin. Pharmacokinet.1989;16(5):283-311
4) Keenaghan, J.B., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther.1972;180(2):454-463
5) Thomson, P.D.:Ann. Intern. Med.1973;78(4):499-508
6) Wiedling, S.:Anaesthesist.1952;1(4):119-126
7) Wiedling, S.:Acta Pharmacol. Toxicol.1952;8:117-133
8) 円谷福男:麻酔 1957;6(5):357-366
9) 植木昭和ほか:福岡医学雑誌 1960;51(12):1361-1374
10) Krantz, J.C.:J. Pharmacol. Exp. Ther.1954;111:224-228
11) Truant, A.P.:Arch. Int. Pharmacodyn.1958;115(4):483-497
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